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捨てたいと思っているのに捨てられない人の独特の心の動きと、それを乗り越える方法をお伝えします。
「家の中に物をためこみすぎたから、はやりの断捨離をしよう、できればミニマリストになってみよう」。
そんなふうに思いたちせっかく片づけを始めても、多くの人は「捨てたいけど捨てられない」という葛藤にさいなまれるものです。
断捨離を始めたばかりだと、まだそのメリットを実感できないので、簡単に捨てることをあきらめてしまいがち。
こんなとき、捨てられない人の心理を知っておくと、もうひとふんばりできるはず。すぐに迷う人は、ぜひ読んでください。
捨てられない心理
捨てられない理由は人それぞれですが、その背後にはこんな3つの心理がひそんでいるのではないでしょうか?
1.恐怖
2.罪の意識
3.希望的観測
1つずつ説明します。
1.恐怖
捨てるのが「もったいない」と思うのは、「物を大切にする気持ち」からではなく、実は恐怖からです。
たとえば以前海外旅行に行ったときに使ったガイドブックが捨てられないとします。その背後にあるのは、「また必要になるかもしれないから」「また行く時使うから」という気持ちです。
「必要なときにそれがないと困る」と恐れているのです。実際は、また行くかどうかもわからないし、行くとしても、前とは事情が違っているから、ガイドブックの情報は古くなっており改訂版が出ている可能性も高いのですが。
また「これを捨てると何か悪いことがおこる、バチがあたるんじゃないか」という気持ちで捨てられないこともあります。
以前、「仏具を捨てられない」というお問い合わせをいただいたことがありますが、これが典型的な例です。
さらに思い出の品が捨てられないのも恐怖からです。それを捨ててしまうと、大切な思い出や、ずっと心の中に刻み込んでおきたいことを忘れてしまうんじゃないか、思い出を100%完璧に覚えていられなくなる、と恐れているのです。
実際は、思い出は心の中にあり、その物の中とは関係ありません。
個人的に思い出は別に忘れてしまってもいいと思っています。人間は忘れる動物だし、そのとき楽しかったら、それで充分ではないでしょうか?いつまでも覚えていよう、なんて欲張り過ぎなのです。
私は「思い出の品」を捨てたあと、その思い出を忘れるか覚えているかは、自分の心の中(脳?)にゆだねています。
べつにそのできごとを忘れても困ったりはしません。
というのもふだんの生活では、昔を懐かしがってばかりいてもらちがあかないからです。
それでもどうしてもその思い出を忘れたくないのなら、写真にとり、思い出を書き留めておくといいです。
関連▶思い出の品をさくっと断捨離するコツ~6つの思考で今を生きよ
2.罪の意識
物を捨てるとき罪悪感を感じる人は多いもの。たとえ、その物を全然使っていなかったとしても、いざ捨てようとすると、自分を責めてしまいます。
たとえば、
「せっかく買ったのに一度も着ないままこの服を捨てるなんて。本当にお金がもったいないことをした」。
「せっかくお母さんが夜なべをして編んでくれた手袋なのに、色が気に入らなくて一度もしなかった。これを捨てるなんてそんな罰当たりなことできない」。
「母の日に子供が一生懸命考えて、少ないお小遣いから買ってくれた七宝焼きのペンダント。これを捨てるなんて私はそんな鬼親じゃあない」。
こんなふうに思って、手にしたその品をまたたんすの奥のほうに押し込みます。いったん押しこむと忘れてしまうのですが。
確かに贈り物には、それをくれた人の心がこもっていますが、気持ちだけ受け取り、使わない物は手放して、誰かそれを使ってくれる人のもとに送ったほうがいいのです。
それをしない限り、いつまでたっても死蔵品のまま、押入れの奥に眠っていることになります。
そして、自分が死んだあと、誰かが遺品整理をするはめになるのです。
3.希望的観測
若い頃着ていたお気に入りのワンピース。あいにく太ってしまって着れなくなりました。「いつかやせたらまた着よう」。こうあなたは思っています。
本棚にたくさん並ぶ未読のビジネス書。「いつか時間ができたら読もう」。本を目にするたびにこうあなたは誓います。
昔買ったうん万円の英会話の教材。36枚のCDつきです。テキストは最初の3ページをやっただけで放置。「いつかやる気になったら、最後までやろう」。そうしてそのかさばる英会話の教材は押入れの奥でほこりをかぶったまま出番を待っています。
この場合の「いつか」は「いつでもない」と言い換えることができます。いつまでたっても、やせないし、本を読む時間はできないし、英会話をやる気にもならないのです。
人は自分が大切に思っていることなら、たとえどんなに忙しくても時間を見つけてやろうとします。
大切なことじゃないから、「いつかそのうち」と言いながら、行動を先延ばしするのです。
捨てられない心理に打ち勝つには?
私が個人的にやっていることで1番効果があるのは、捨てたいと思うものを見つめながら、次の4つの問いかけをすることです。
1.これは私に必要か?
2.これを私は好きか?
3.これは私の人生にとって何か重要な意味があるのか?
4.これは私の生活の役に立っているのか?
4つの質問のどれかに「はい!」と答えられるものはとっておきましょう。もしどれにもあてはまらないなら、サクッと捨ててしまうほうがいいのです。
取っておいても、自分のためにも物のためにもよくありません。
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「捨てたいけど、捨てられない」こんな袋小路にはまってしまったら、自分の気持ちの動きを客観的に見ることをおすすめします。
「ああ、私はこのパターンにはまってる」と状況がよくわかり、安心して捨てられます。