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部屋を片付けなければ、と思っているのに、なかなか行動できない人のために、物を捨てたくなる言葉、シンプルライフを目指す気持ちになれる名言を紹介いたします。
片付け本や断捨離本によく出てくる言葉から、著名人が残した箴言までランダムに10個あげます。お気に入りの言葉を見つけて、座右の銘にしてください。
1.「いつか使うかも」の「いつか」は来ない
この言葉が書かれていない片づけ本はないでしょう。
なぜならこれは真実ですから。
誰でも、物を捨てようとするとき、「でも、これ、いつか使うかもしれないし」と思います。しかし、その「いつか」は来ないのです。
「いつか必要になるかも」と思ってしまう一番の理由は、いったん所有してしまうと、その物の価値があがる授かり効果のせいです⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
捨てるのがすごく苦手な人は、何かを手放すとき、脳内の痛みを感じる部分である、前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)と島皮質(とうひしつ)が活性化されます。
詳しくはこちら⇒失敗しない断捨離に必要なのは、ときめきや直感より理性を信じること
本当に痛い思いをするわけです。
痛いから、それを避けるために、「いつか使うかもしれない」というもっともらしい言い訳を作ってしまうのですね。
「心が痛い」という状態と「いつか使うかもしれない」未来予想は全く関係ありません。いくら痛くても、使うときなんて来ないのです。
万が一、必要なときが来たとしても、その時はその時で自分でしっかり対処できます。
2.いつか読むつもりの「いつか」は永遠に来ない
1番のバリエーションです。片付けコンサルタントの近藤麻理恵さんの「人生がときめく片付けの魔法」にのっていました。
まだ読んでいない本、特に資格をとるための勉強に使う本やビジネス本をためこんでいる人への言葉です。私自身、本に執着してしまうタイプなので、肝に銘じたいと思います。
今年もあと4週間ほどですが、本箱の中に今年1年ほとんど開かなかった参考書があります。
半年に1度もさわらなかった本は捨てることにしているので、一応さわってはいるんです。本箱から取り出して、中をパラパラ見て、「ああ、これ、全然使ってないよね…」と思う本があります。
もう捨てたほうがいいかもしれません。
3.「収納」するなら「捨て」なさい
私の愛読本のタイトルです。全くこの通りだと思います。
わりとまめに捨てているし、片付けも熱心にやっているのに、気づくと部屋に物があふれている人は、一度、収納しすぎていないか、客観的に考えてください。
意外としまいこんでいます。本人は無意識なので気づかないだけなのです。
1つのやり方として、自分の部屋(家)にどれだけ収納スペースがあって、そこに何が入っているのか、書き出してみてはどうでしょうか。よけいな物が入っていることに気づけます。
収納とは、次に使うときのために、一時的にしまっておくこと。
もう使わないものは収納するべきではないのです。
この本に興味がある方はこちら⇒断捨離生活のモットーは『収納』するより『捨て』なさい:ミニマリストへの道(12)
4.大は無駄を兼ねる
これはいしだあゆみさんが「徹子の部屋」で語っていました。
還暦をきっかけに、一軒家からマンションに引っ越した時、いしださんは大量の物を捨てました。若い頃に芸能界入りした有名女優ですから、高価なものもたくさんあったと思います。
数だって私とは比べものにならないでしょう。
いしださんは、物を捨てたとき、「ああ、やっぱり、家が大きいと無駄なものをいっぱい持ってしまう」と気づいたのです。
実際、収納スペースがあると、よけいな物を入れてしまうのです。捨てるより収納するほうが簡単だからです。
しまい場所がなければ、捨ててしまうのに、しまう所があると、どんどん放り込んでしまう。だから、大は無駄を兼ねてしまうのです。無駄を引き寄せているともいえます。
パーキンソンの法則に「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というのがあります。
これは時間に関しての話ですが、時間を家や収納スペースに変えたら、やはりその場所を満たすまで、中身が膨張してしまうのです。
パーキンソンの法則についてはこちらで説明⇒さっさと断捨離を終わらせるコツ:パーキンソンの法則から学ぶ
アメリカのミニマリストのピーター・ローレンスはクローゼットやキャビネットをガラガラのままキープしています。彼は信念のあるミニマリストだから、何ない部屋をキープできるのです。一般人には難しいと思います。
ピーター・ローレンスの部屋はこちらで紹介⇒ミニマリストの部屋公開~最小限のモノで生活して40歳でリタイヤした男
もし大きな家に住んでいて、ウォークインクローゼットを持っていたら、私でも物を増やしてしまいそうです。置き場所があると、どうしても置いてしまいますよね?
パーキンソンの法則には、「支出は収入の額と一致するまで増大する」というのもあります。お金があればあるだけ使ってしまうということです。
これも、先の時間の法則と考え方は一緒です。
時間がたっぷりあったら、それを全部使って仕事をするし、お金がたっぷりあったら全部使ってしまうのです。控えめに少なく消費するというのは、意識しないとできないことかもしれません。
いしだあゆみさんについてはこちら⇒いしだあゆみさんに学ぶ、60歳からの断捨離とミニマルライフ
5.「あとで」はガラクタの最良の友だち
これはピーター・ウォルシュ(Peter Walsh)という生活オーガナイザーの言葉です。
ウォルシュさんはオーストラリア生まれで今はアメリカに移住して活躍している、clutter organizer (ガラクタオーガーナイザー)です。こんまり先生や、やましたひでこさんの同業者です。
ウォルシュさんは大学で心理学を学び、卒業後は高校の先生をしていました。1990年代にアメリカに来て、企業の従業員の生産性をあげる、片付けや仕事術をコンサルティングする会社を作って成功しました。
今は片づけ本を書いたり、ラジオやテレビに出演し、片付け方を教えています。
原文は “Later is the best friend of clutter” です。
later (レイター)は See you later (シーユーレイター またね)の later で、clutter(クラター)は英語で「ガラクタ」という意味です。
韻を踏んでいるのがいいですね。
clutter という言葉についてもっと知りたい方はこちらへ⇒あなたが捨てるべき4つのガラクタとは?~カレン・キングストンに学ぶ 語源から書いています。
「あとでしまおう」「あとで捨てよう」「あとで片付けよう」「あとで考えよう」「あとで何とかしよう」というように、物ごとを先延ばしにすることが、ガラクタを作ってしまう、という意味です。
この言葉を見た時、本当にその通りだ、と感心しました。
本当にちょっとしたことが積み重なってガラクタが生まれたり、汚部屋になったりします。
ピーター・ウォルシュさんの本、たくさんありますが、私は It’s All Too Much というのをオーディオブックで聞きました。この本は日本でも翻訳版が出ています。邦題は「どうしても片づけられないあなたへ 不要なモノを捨てて豊かに暮らすための簡単な方法」。
8年前の出版なので、図書館で探してみてください。
6.出さなければ入ってこない
出すほうが先です。
たとえば呼吸。吸うより吐くほうが大事だと言われます。ヨガもそうだと思います。
しっかり深く吐かないと、きれいな空気を吸うことができません。老廃物(炭酸ガス)を出すからこそ、きれいな空気(酸素)を取り入れることができるのです。
まずはいらない物を出さないと、いい物が入ってきません。インプットするよりアウトプットが大事ということ。
「自分を浄化する方法」という本に「出入りの法則」として、この言葉が書かれていました。出るほうが先なのです。
身体でも仕事でも人生でも、何か問題があったら、まずは悪いもの、よけいな物を外に出すことで、解決の糸口が見つかります。
今は、問題があると、「何かが足りないんだ」とか、「物を買うことで解決できる」と考えがちですね。ですが、よけいな物を手放すことで、思いのほかシンプルに解決できるのです。
インプットばかりして、出すほうを全然しないから、身動きがとれなくなります。
「自分を浄化する方法」についてはこちら⇒矢尾こと葉「自分を浄化する方法」レビュー:やはり「捨てること」が1番大事
7.人生はとても単純なのに、人はそれを複雑にしたがる
孔子の言葉です。
いろいろな局面で威力を発揮する教えです。
何ごともシンプルにとどめておけば、人生はうまくいくのに、人はいろいろな物や選択肢を持ち込んで、わざわざ自分で複雑にし、かえって生きづらくしているのです。
孔子はほかにもいい言葉をたくさん残しています。
「過ちを改めざる、これを過ちという」
物をたくさん買ってためこむ失敗をしてもそれはそれでいいのです。ただその後、不用な物を処分したり、よけいな物を買わないように気をつけるという新しいアクションをとらず、大量の物と暮らし続けるのは過ちです。
もう1つ孔子の言葉を紹介します。
「止まりさえしなければ、どんなにゆっくりでも進めばよい」
なかなか片付かないと思っても、少しずつ捨てていけば、いつかは汚部屋がきれいになります。
8.充分だと思う者には、常に充分与えられている
老子の言葉です。
もう物は充分あるんだ、と思っている人にとって、そこにある物は充分なのです。
私は「欲張るな」という意味に解釈しています。
私たちは充分すぎるほどの物を持っています。
もう充分なのに、欲張って、たくさんの物を家の中に収納しようとするので、「スペースが足りない」、「収納家具が必要」「整理収納アドバイザーに相談しなきゃ」とよけいな必要性を感じてしまうのです。
捨てればいいんです。
9.「完璧」がついに達成されるのは、何も加えるものがなくなった時ではなく、何も削るものがなくなった時である
フランスの作家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupéry)の名言です。
原文は ”La perfection est atteinte, non pas lorsqu’il n’y a plus rien à ajouter, mais lorsqu’il n’y a plus rien à retirer.”
よりよい状態を求めて、いろいろな物を付け加えるのは間違っている。むしろ削ぎ落とす方向に行くべきだ、という意味ですね。
実際、どんどん付け加えていこうとすると、きりがありません。
きりがないだけじゃなく、本当に部屋の中がぐしゃぐしゃになり、疲れることになります。何もない方向を目指したほうがいいのではないでしょうか。
サン=テグジュペリはこんな言葉も残しています。
Tout objectif sans plan n’est qu’un souhait. 目標のないゴールはただの願いごとにすぎない。
汚部屋を片付けるときに、思い出してください。
10.役に立たないものや、美しいとは思わないものを家に置いてはならない
ウィリアム・モリス(William Morris)という19世紀のイギリス人の言葉です。ミニマリストやシンプリストの世界では有名な名言です。
モリスさんは思想家、詩人、テキスタイルのデザイナーでした。モダンデザインの父と呼ばれています。
原文は “Have nothing in your houses that you do not know to be useful, or believe to be beautiful.”
要するに、家によけいな物を置くな、汚くなっちゃうから、ということです。
この頃、イギリスでは産業革命により、質のよくない物、安物が大量生産され、どんどん販売されるようになりました。
こういう風潮を受けて、「よけいな物を、置いちゃいかん」と彼は言っているのです。
現代もチープで余計な物、粗悪ではないかもしれないけれど、本質的にはいらない物がたくさん販売されている時代です。モリスさんの言葉を味わって、必要な物だけ家に置きたいですね。
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以上10個の言葉を紹介しました。
気に入った言葉はありましたでしょうか。ぜひ何度も読んで味わってください。