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生活をコンパクトにする観点から物を見直すポイントを5つ紹介します。
部屋を片付けたいと言う人に、「使わない物はみんな捨てればいいのです」というと、「私は筆子さんのようなミニマリストではないので、そんなことはできません」という返事が返ってくることがあります。
そういう人は、暮しをダウンサイズすることを意識して、持ち物を見直すと、不用品を見つけやすいと思います。
1.量は適正か?
「自分で使い切れる量、自分で管理できる量には限界がある」と考えると、「こんなに持っていても意味がない」と納得できます。
どれも大事なものに見えるかもしれませんが、数が多すぎると、どうしても、一定量はガラクタになります。
洋服も、キッチンツールも、昔勉強したときに使った参考書や資料も、収納グッズもそうです。
「いつか、使える」と思うだろうし、そのまま持っていたら、もしかしたら本当に使うときがくるかもしれません(または、無理やり使うかもしれません)。
しかし、いつ来るかわからない「使うとき」のために、来年もそんなにたくさん持ち続けるのは、しんどいです。
2.重すぎないか?
「自分で軽々と持てる重さかな?」と考えてみると、重すぎる物や、かさばりすぎる物を手放す気になります。
家具は自分1人では持てませんが、せめて身の回りの物は、コンパクトにしておいたほうが、心身の負担になりません。
ふだん、外出するときに、やたらとバッグが重くなっている人は、まずは持ち歩く物から軽くすることを意識するといいでしょう。
なんでもかんでも持ち歩くのはもうやめる:バッグの中身の減らし方。
それは、重すぎる物を軽い物に買い換えるという意味ではありません。いらない物を持ちすぎているから、重くなっているだけなので、持たなくていい物は手放してください。
持ち歩くバッグやスーツケースが重い人は、運転している車や住んでいる家の重量も増えているはずです。
その重さは、人生という旅を続けるときに、自分の両肩にずしっとのしかかる重さです。
所持品を見直すとき、心の中でその重さをイメージして、重すぎる物を捨てていけば、生活はコンパクトになります。
3.自分の身体のサイズに合っているか?
身の丈にあった生活というと、お金の話を思い浮かべる人も多いでしょうが、ここでは、物理的な自分の身体のサイズに合っているかどうか、という意味です。
「いま、自分の身の回りにある物は、私の身体のサイズに合っているかな?」と考えてみてください。
身体が小さいのに、こんなに大きなスーツケースを持ち歩くべきなのか? こんなに大きなタンスがいるのか? こんな大きな家がいるのか? というように。
私がいま住んでいる家は、フォープレックスの半地下で、天井が低く、カナダ人の感覚からいったら、ものすごく狭い質素な家です。
フォープレックスの説明はこちら⇒その日から効果を実感、電話機を断捨離したら生活が3倍シンプルに
けれども、自分の部屋で、折りたたみできるノートパソコン用の机を使って、パソコンを使っているとき、ふと目をあげると、「この家、私のサイズにぴったりだな」という満足感を覚えます。
折りたたみできる机はこちらで紹介⇒物の置き場所が決まらず部屋がカオスです。どうしたらいいですか?
同じ家に住んでいる夫の場合は、まったく身の丈に合っていません。
彼の部屋は私の部屋より広いのですが、大きなベッドを中央に置き、その回りを物、物、物、物で埋め尽くしているため、誰が見ても、息苦しい部屋となっています。
夫は私より、ずっと身体が大きいですから、とてもきゅうくつなはずです。
4.どこまで物に語らせるか?
思い出グッズを厳選するために、物は、物語を語る、メッセージを送る、という考え方をしてください。
今、自分が毎日のように使っている物だけを残せば、どんな人の部屋もスッキリします。
しかし、そういう人はあまりいません。
たいていの人が使っていない物もたくさん持ち続けます。
先日、思い出の品を、「今使っていないし、これからも使わないけど、捨てない物(捨てたくない物)」と定義しましたが、
大事なものとガラクタの区別がつかない人に伝える、12のガラクタリスト。
こういう、「使わないけど、捨てたくないからそのまま持っている物」が多すぎると、ダウンサイズは無理です。
確かに、物にはいろいろな思いが込められているでしょう。それを見れば、特定の人々、場所、できごとを思い出して、ほろりとしたり、なつかしい気持ちになったり、うれしくなったりするものです。
そういう物の中には、自分にとって、とても大事な物もあるとは思います。
しかし何度も書いていますが、物イコール思い出ではありません。
物は物でしかないのです。
思い出や記憶は自分の心の中にあります。
思い出グッズに執着が強い人は、あえて、物にいろいろな物語を語らせている人です。
1つや2つなら、耳にここちのよい思い出話が聞こえてくるでしょうが、どさっと大量にあると、あーだこーだとうるさくてたまりません。
だから、思い出グッズの多い人ほど、ふだんは、全部段ボール箱にひとまとめにして、押入れやベッドの下に押し込み、封印しているのです。
5.把握できているか?
自分の収納スペースや手持ちの物を把握します。
具体的には、これぐらいは入りそうだな、これぐらいあれば、このぐらいで使い切るな、という目安量を、もう少し、厳密に計算してみます。
服を買いすぎて、クローゼットやタンスからあふれさせ、新しく収納ケースや、オープンラックを買うはめになる人は、買い物するとき、自宅の収納スペースの容量をまったく意識していません。
自分の洋服ダンスには何着収納できるのか、このケースの容量はどのぐらいなのか、そうした計算してみると、もっと小さな暮しができます。
厳密な数字を出すのはできないでしょうが、収納スペースを数字で把握しようとするだけで、何も考えず、どんどん買う行動は止まるでしょう。
計算なんてめんどうだと思うなら、洋服ダンスにかけてあるハンガーの数を数え、詰め込まずにふつうに服をかけられる量を出すだけでもいいです。
本棚に詰め込んである本を、きれいに並べ直し、2列収納や積み重ね収納をしない、余裕のある収納にしたら、一体何冊おさまるのか考えてみると、物を無理やり押し込む態度が改まるんじゃないでしょうか?
計算は、ストック品の管理にも有効です。
これだけ使うのに、あと何年かかるか、シャンプー1本は何ヶ月持つか、具体的な数字を出してください。
そうすると、買い過ぎがおさまるし、古いのを使い切っていないのに、新しい物を買って、中途半端なままそこに放置することも減ります。
私は、今年、モーニングページを書くのに、去年買いすぎてしまった塗り絵用のカラーペンなどを使っています。
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
毎回、1本使い切るのに何日かかるか調べて、このセットを使い切るまでの時間(何週間、または何ヶ月)を数字で出しています。
12色のラメのゲルペンセットは使い切り、いまは、36色のファインライナー(先の細い水性ペン)を使っています。このペンは1本使うのに、1週間かかるため、全部使い切るには36週間かかります。
持たない暮しをめざすなら、ぜひマスターしておきたいボールペンを使い切るコツ
こうした計算をしていると、ふらっとボールペンやカラーペンを買う気にはまったくなりません。
収納スペースや容量を数字で把握し、どんどん物を減らしていくと、収納するためだけのグッズや家具を減らすこともできますし、いまより小さな家に引っ越すこともできます。
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暮しをダウンサイズすることを意識して、持ち物の見直しをすることをおすすめしました。
私は狭い家のほうが落ち着きますが、広くて大きな家のほうが、素敵でハッピーに決まってる、と思う人も多いでしょう。しかし、年をとったら考え方が変わるんじゃないでしょうか?
以前も書いたかもしれませんが、10代の頃、私があこがれていたものが3つあって、1つはベッドに寝ること(ずっと布団だったので)、2つ目はバスローブを着る生活、3つ目はウォークインクローゼットを使うことです。すべて洋物のドラマで見て知りました。
ベッドに寝るのは比較的早く実現し(マットレスじゃなくて、布団を敷いていましたが)、20代になってからバスローブも買って着てみましたが(結局、使いこなせず、その後、断捨離)、ウォークインクローゼットは実現しませんでした。
中学生のときに見た、『刑事コロンボ』のあるエピソードで見て、ウォークインクローゼットにあこがれました。
このドラマに出てくる犯人たちは、毎回、金持ちで社会的地位のある人という設定なので、みな、アメリカ西海岸の豪邸に住んでいます。
そういう犯人たちの1人に、ウォークインクローゼットを使っている女性がいて、「ああ、ああいうのいいなあ」と思ったのです。
しかし、今となっては、ウォークインクローゼットのある家を志向し、無理に実現させなくてよかったです。
いま、自分はいわゆる西洋に住んでいるのに、床に毛布敷いて寝ているし、お風呂からあがったらすぐにパジャマ着て寝てしまうし、服は20着もありません。
若いころは、拡大志向で突き進んでもいいかもしれませんが、ある程度年をとったら、縮小するほうが理にかなっています。