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楽しい毎日を送る参考になるTEDの動画を紹介します。
今回は、イマジネーションの力を駆使すれば、人生はよくなるという主旨のプレゼンです。
スピーカーは Patti Dobrowolski(パティ・ドブロボルスキー)さん。タイトルは、Imagination Changes Everything (イマジネーションがすべてを変える)。
イマジネーションがすべてを変える
イマジネーションとは想像力です。どんなに貧乏な人でも、想像力を持つことはできます。
つらいことがあっても、想像力を駆使して、明るい方向に向かうことができるのです。
たとえ今、汚部屋でも、自分がきれいで片付いた部屋に住んでいることを心から想像すれば、人生はそちらの方に向かいます。
想像力を駆使するヒントをパティさんに学びましょう。
収録は2013年、長さは14分。パティさんは若いころ、ストリートパフォーマンスや女優業をやっていたせいか、とても引き込まれるプレゼンです。
日本語の字幕がないので、動画のあとに抄訳を書きます。
イントロダクション:恐怖があるから想像力が生まれる
えっと、どなたかボランティアになってくださる方いますか?はい、あなたにします。こちら、ステージに立っていただいて、15分間、あなたの素晴らしいアイデアを語ってください。さあ、どうぞ、どうぞ。
いえ、いえ、冗談ですよ。でも、想像できますか?
ここに立って、そっちでもいいですけど、どんなに考えても、スピーチの最初の一行目しか思い出せない状態を。手は震え、心臓はどきどきして、吐き気すらしてきます。
落ち着くために深呼吸をしたり、何度も頭の中で考えて、祈るような気持で何とかして思い出そうとする、でも何も出てこない。このときのストレスや恐怖、想像できますか?
実は、恐怖ってすばらしいものなんです。恐怖があるからイマジネーションが生まれます。恐怖があるから、私たちはふりをすることができるのです。
私たちは自分で自分の人生の台本を書いている
私たちは皆、人生の脚本を書いています。主演は自分自身。誰もが自分の人生のシナリオを書いて、演出し、演じています。映画みたいに。ときには、恐怖映画、ときにはロマンチックコメディ。
すべて、私たちが作り出しているものです。
この映画はどこから生まれるのでしょうか?
イマジネーションです。
イマジネーションこそ、私たちの人生の原動力なのです。
イマジネーションはときには、災難をもたらします。ほかのことに集中しなければいけないとき、白昼夢を見ていると、トラブルに遭いますから。
でも、意識的に想像力を使うことは、ブレインストーミングと呼ばれます。
きょうは、自由にイマジネーションを使って、なおかつ、トラブルに遭わない方法をお伝えします。
イマジネーションは本当に役に立つんです。
一説によると、アインシュタインは、人が思うほど天才ではなかったとか。アンリ・ポアンカレという数学者がいて、彼の方がアインシュタインよりも、優れた頭脳の持ち主だったそうです。
けれども、アインシュタインの素晴らしかったところは、想像力に長けていたことです。彼は、「光のスピードで走ったら何が起こるだろう」と考えたりしました。
この想像力が、すでにある現象を説明する手がかりになったのです。
アインシュタインにできるなら、誰にでもできますよね?空想と現実を合わせてみましょう。子供はいつもやっていることです。
ブロードウエイに出演することをありありと想像した
私は若いころ、パフォーマンス・アーティストでした。街頭で芸をして、帽子を回して、お金をもらっていました。
ある時、友達にすすめられ、ニューヨークに行きました。私はほとんど文無し。週末に、道端で芸をしてました。シアトルから友達がやってきた時、いつもの場所で芸をして、8ドル手に入れました。
「すごいわ。このお金でダウンタウンにピザを食べにいこう」そう思いました。
その帰り道、ブロードウェイ付近を通ったとき、友達が「ねえ、パティ、ブロードウエイで演技をしたいと思ったことある?」と私に聞きました。
「フランク、私はパフォーマンス・アーティストなのよ。オフ・ブロードウェイの人間よ」。
その時はそう答えたけれど、ブロードウエイに出演することが頭から離れませんでした。
もしブロードウエイのミュージカルに出るとしたら?
私は、自分が劇場のドアから楽屋に入る様子を想像しました。そこには私のコスチュームがあります。私はメイクをして、ステージの分厚い赤いベルベットのカーテンの後ろで出番を待ちます。
それはとてもスリリングな体験でした。
シアトルではどん底の貧乏暮らし
シアトルに戻ってママズ・メキシカン・キッチン(レストランの名前)で、ブリートを作っていたとき、「もしブロードウエイに出演したら、初日のパーティはどんな感じかしら。どんな人と時間を過ごすのかしら?リリー・トムリンとエディー・マーフィーね」
そんなことを始終考えていたのです。
その後、しばらくブロードウエイのことを忘れていました。その年の秋、メキシカン・キッチンの仕事を失ってしまい、パフォーマンス・アーティストへの援助金も打ち切られました。
「家賃が払えない、どうしよう」。
困った私は、落ち葉かきの仕事をすることにしました。熊手を持って、シアトルの最も高級住宅街に行き、「10ドルで落ち葉かきをさせてくれないか」と、1件1件たずねて歩きました。
その時の私の髪の色はショッキングピンク。どの家のドアをノックしても、誰も出てきませんでした。
1件だけ、ある大臣の家で落ち葉かきをさせてもらえました。この人の家の庭、フットボールのフィールドみたいに大きくて。
その日は、シアトルの典型的な天候。雨が降っていて、風も強くて、そんな日に馬鹿でかい庭で、狂ったように、落ち葉をかき続けました。
ようやく大臣が出てきて、私に10ドル差し出し、「家に帰りなさい」と言ったので、そうしました。
現実が変わってきた
家に戻ったら、留守番電話のライトが光ってました。一つ目のメッセージは友達のカレンから。「パティ、シアトルのプロパティシアターでパフォーマンス・アーティストのオーディションがあるわ。行きなさい」。
二つめは昔のエージェントからで、「パティ、とうとう、きみのユニークなタレントを見せる機会を見つけた」というもの。
すぐにわたしは彼に電話をし、オーディションに出ることになりました。
翌日、履歴書を持って、オーディションに行ったら、ダンスをするように言われました。わたしはダンサーではありません。でも、とにかくダンスをしたら、ショーの最後に出られることになりました。
そうしたら、驚くべきことが起こったのです。
小さな劇場でやっていたそのショーは、もっと大きな劇場でやることになり、6ヶ月後には、シアトルからワシントンのケネディ・センターに移り、その6ヶ月後には、どこに移ったと思います?
そうです。ブロードウエイです。
オープニング・ナイトパーティでは、スティーブ・マーティンとロビン・ウィリアムスと一緒でした。
イマジネーションがすべてを変えたのです。
どの思考が実現するかはわからないけれど、より自由に想像力を使って、自分の脚本を書けば、それが現実に近づくのです。
ずっとあとになって、わたしはビジネスコンサルタントになりました。
ブレインストーミングに関するミーティングをしていたとき、ある男性が、ホワイトボードに大きな紙を貼り、文字ではなく、私たちが話していたことを絵にしました。
その絵には、みんなのイマジネーションが結集していました。それは映画のシーンを止めたような感じ。アインシュタインの思考の実験と同じです。
どうやって想像力を駆使するか?
イマジネーションをうまく使う方法を知りたかったので、わたしは、15年に渡って、人々といろいろな実験をしました。
そしてこんなことを発見しました。
恐怖や、チャレンジングなできごと、不安にさいなまれているとき、自分はその地獄のような状況を乗り越えて、向こう側にいることを想像するのです。
そこにあるのは、自分が求めている新しい現実です。そして、その現実がどんなものなのか絵に描いてください。
具体的に、その世界でどんなことを体験したいのか、感情など細かい情報もイメージします。すると、それが実現します。
すでに、それが起きたふりをするだけでいいのです。子供のように。そして、心からそれを夢見てください。
どうやってそこへ行くか考える必要はありません。人生が自然に、ここから、求めている場所へいざなってくれます。
どんな夢がどんな現実になるか驚くと思いますよ。たとえば、この「ランドフィル・ハーモニック(後述します)」のように。
この人達、ゴミの中に住んでいます。文字通り、ゴミの中に。
でも、オーケストラを作りたいと夢見ました。でもパラグアイのこの街では、バイオリンの値段は家1件の値段と同じ。
彼らは何をしたと思います?
音楽でいっぱいの街を夢見て、ゴミから楽器を作ったのです。
★ここでランドフィルハーモニックの少年の映像が移ります★
すばらしいと思いませんか?
イマジネーションは、誰でも持っているもの。夢見ることは誰でもします。
危機や混乱、大きな災難に直面している人こそ、想像力の翼をはためかせるべきです。だから、自分自身を信じてください。誰でも、困難や不幸に見舞われます。そんな時は、イマジネーションを働かせればいいのです。
—– 抄訳ここまで ———
ランドフィル・ハーモニックについて
ランドフィルとはゴミ捨て場、ゴミを捨てるための埋立地です
ランドフィル・ハーモニックとは、ゴミから作った楽器を演奏するオーケストラのことです。
パラグアイにカテウラという街があります。
ここは街全体がゴミ処理場の貧しいスラム街。人々は、ゴミ処理場の中から、リサイクルできるゴミ(プラスチックなど)を探して、それをリサイクル業者に売って、ほそぼそと生計をたてています。
ある時、ゴミのリサイクルに携わるファヴィオさんという人が、学校にも行けず、ゴミを集めて暮らしている子供たちに、音楽を教えようと思いたちます。ファヴィオさんは、元音楽の先生でした。
最初は手持ちの楽器で教えていたけれど、音楽をやりたがる子供たちが増えたため、ゴミ処理場で働いていた大工の腕を持つ人とコラボして、ゴミから楽器を作ることにしました。
次第に大勢の人が協力してくれるようになり、オーケストラが生まれ、このオーケストラのことはドキュメンタリー映画になりました。
こちらが予告編です。
ネガティブ思考の人はパワーがある
最近、本当に暗い人生相談のメールが多くて、どうしてみんなこんなに暗いのか、と私は考えていました。
ネガティブなことばかり考えるのは思考のクセです。習慣なのです。
人は毎日やっていることはだんだん上手になるので、ネガティブなことばかり考えていると、どんどんネガティブになっていくと思います。
その行き着くところはうつ病ではないでしょうか?
どこかでこの鎖を断ち切る必要があります。
習慣はきっかけ⇒行動⇒報酬、と進みます。ネガティブな人にとって、きっかけは自分の身の回りでおこるすべてのことでしょう。行動は悲観的に受け止めること。ではその報酬は何でしょうか?
自分を哀れんで束の間の安心感を得ることでしょうか?うじうじ考えている間は、痛みを忘れることができるのでしょうか?
でもそれはまやかしの報酬です。
習慣の仕組みについてはこちらをどうぞ⇒悪い習慣を断ち切る簡単な方法(TED)マインドフルネストレーニングのすすめ。
ネガティブな人のメールの特徴は、異様に長いこと。そして、描写が微に入り細にうがっているところ。怨念に満ち満ちています。そこに私はある種パワーを感じます。
マイナス感情満載のメールを読みながら、私がいつも思うことは、「このエネルギーを別の方向に向けることはできないのか?」ということです。
だから、今回、パティさんの動画を紹介しました。
今度、ネガティブなことを考えそうになったら、その世界を超えた向こうにある、自分の理想の現実を思い描いてください。
ネガティブなことばかり考えている人は、脳内がぐしゃぐしゃで自分が求めていることすらわからなくなっているかもしれません。
そんなときは、ノートに気持を書き出してください。
そして、求めている理想の暮らしを明確にし、それが起こることを念じてください。
パティさんが話していることは、引き寄せの法則とちょっと似ていますね。
私は引き寄せの法則に関して、詳しくは知りませが、ロンダ・バーンの「ザ・パワー」という本をオーディオブックで聞いたことがあります。
愛にはパワーがある、愛に代表されるポジティブな感情を持てば、良い物が引き寄せられる、という主旨の本です。
感動的な本ですが、実際に何かを引き寄せるのはそんなに簡単なことではないと思います。引き寄せるより、取りに行ったほうが早いだろ、と思ったりもします。
ただ、ネガティブなことばかり考えるより、「こうありたい未来」を考えるほうがいいのは明らかです。
ネガティブ思考はクセになりますから、気をつけてください。
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それにしても、ゴミから楽器を作ってしまうってすごいですね。物をゴミにするかしないかは持ち主次第である、と改めて思いました。