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家にある物を、自分で評価する方法を4つ紹介します。
断捨離に行き詰まっている方におすすめです。
ガラクタがあるのに気づかない
断捨離を始めると、最初のうちは誰でも調子よく物を捨てられます。
明らかなゴミや、押入れに何十年も入っていて、見た目がしっかり劣化しているガラクタは、手放しやすいでしょう。
こうしたガラクタ度の高いものをだいたい捨ててしまうと、「もう捨てるものがない。だけど、家の中は相変わらずゴタゴタしているし、私の頭の中もスッキリしない」という状態になるものです。
実は、この段階ではまだガラクタが残っています。
誰も使っていないけれど、まだまだきれいな物、使いみちを思いつかないけれど、買うとき高かったから捨てられない物が。
自分で、それぞれの物を評価できると、「見かけは美しいけれど、誰の役にも立っていない物」も手放すことができます。
見かけにまどわされずに、ガラクタを発見するために、以下の4つの方法をお試しください。
1. 2段階の問いかけで物の本質を見抜く
残すべき物とガラクタの違いは、いまの自分にとって価値があるかどうかです。
自分にとって価値がある⇒家にあったほうがいい物
自分にはもう価値がない⇒ガラクタだから捨てたほうがいい物
そこで、その物が、今の自分に何をもたらしているか、考えてください。
1)自分に何かもたらしてくれるものがある
2)もたらされたものが、自分にとってプラスである
この2つが揃えば、それは価値ある物です。
ポイントは、1と2の2段階の考察をすること。
1の段階で、止まってしまい、「これはこういうところがいいよね」で終わらせると、ガラクタに気づくことができません。
物が自分にもたらしてくれることはいろいろあります。
見た目がおしゃれ、便利だ、かわいい、持っているとうれしい、これで作業すると気分がいい、など。
これらは、その物が自分に与えてくれることであり、段階1での評価です。
次に、そのもたらされたものが、いまの自分にプラスになるか、考えます。
見た目がおしゃれだけど、それが自分にとって何か意味があるのかどうか?
便利だけど、自分が使っていなかったら、その便利さは全く意味がないのではないか?(たんすの肥やし、宝の持ち腐れ)
2段階で評価すると、ガラクタを見つけやすいので、やってみてください。
2. それがなくなったらどう思うか考える
捨てようかどうか迷っている物が、もしなくなったら、自分はどう思うか、自分の生活や人生はどう変わるか、部屋の様子はどんなふうになるか想像してください。
大事な物は失ったときにわかる、と言われます。
先日、ずっとお店で気になっていた店員さんがいなくなって寂しい、というメールをいただきましたが⇒どうしたら相手に伝える勇気が出ますか? という質問への回答
あるのがあたりまえだと思っているものや状態が突然なくなると、人は喪失感を感じます。
そして、それが大事なものだったことに気づくのです。
つまり、自分にとっての価値がわかるわけです。
そこで、「もしなくなったら、自分はどう思うか?」と頭の中でシミュレーションします。
多くの場合、ほっとするんじゃないでしょうか?
いらない物なのに、捨てないのは、捨てるのがいやなだけですから。
「捨てるのがもったいないわ」と思う物は、積極的にそれが欲しいから持っているのではなく、単に捨てるのがいやだから持っているだけじゅないですか?
自分は何もしていないのに、勝手になくなってくれたら、こんなありがたいことはありません。
しかし、物は勝手に消滅したりしません。
いやでも、めんどくさくても、自分で始末をつける必要があります。
もちろん、「それがなくなったら、悲しくて毎日泣いてしまう」と思うなら残してください。
3. 現実的な線で使う頻度を考える
「よく使う物は残し、あまり使わない物は、このさい手放して」なんて、雑誌の片付け特集によくのっています。
使う頻度が少ないものは、自分にとって価値のないものと評価できます。
なぜ、使う頻度を問題にするのかというと、使わない物は、家に置いておく意味がないからです。
なぜなら、物は、使うために(人の生活に役立つために)開発されるから。
使わない物を家にたくさんためこんでいることは、誰も住まない家をもう一軒持っているようなものです。
コレクションが目的で置いてあるならともかく、それを「いつか使うために」取ってあるなら、現在の使用状況を振り返り、本当に使うことがあるのか、理性的に判断すべきです。
お客さん用としてとってあるタオルや食器があるなら、過去1年、いったい何人のお客さんが来たか、現実に照らし合わせてください。
人の生活は変わっていきますが、いきなり180度変わったりはしません。
たいてい、その人の枠の範囲内で、少しずつ変わっていきます。特に、「もっとこんな生活をしよう」と意識してしない場合は、去年も今年も来年も似たようなものです。
去年の生活がAだったら、今年はA′(Aダッシュ)、来年はA′′(Aダブルダッシュ)です。それはずっとAという線上をなぞり、いきなり、BやCになったりはしません。
なぜなら、人の価値観、考え方、習慣は、そんなに簡単に変わらないからです。
ブログを解説してから、時期を変えて、同じ人から何度もメールをもらうという体験をしました。
それぞれ、暮らしをシンプルにして、だんだん前向きになってきている、とおっしゃっていますが、考え方はあまり変わっていない感じです。
完璧主義的傾向のある人は、物がなくなっても、違う面で相変わらず、完璧主義的な面を見せています。
同窓会に行って、昔の友達に会うと、ずいぶん長い間会っていなくても、話しているうちに、すぐにまた打ち解けて昔話に花が咲きます。
自分も相手も、ずっと同じ線上を歩きながら、年をとっているからです。つまり、基本的なところは変わっていないのです。
「これからは、180度違う生活をするんだ」なんて覚悟がない場合は、来年も、再来年も同じような生活になりますから、いま、使わないものは、この先も使いません。
4. 金銭的な価値をリサーチする
「これは高かったから捨てにくいです」と言う人は多いです。
そういう人は、それをお金にしたいと考えているのでしょうか? それとも、何とかして使って、元を取りたいと考えているのでしょうか?
いずれにしても、そのままそこに置いておくだけでは、お金には変わりません⇒高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
「高かったから捨てられないわ」と、そのままにするのではなく、現在の市場価値をリサーチしてください。
いま、インターネットがあるので、売るとだいたいどのぐらいの価格になるのか、簡単に調べることができます。
メルカリやラクマで、類似商品を検索してもいいですし、Googleで、「ピンクハウス ワンピース」なんてキーワードを入れて検索してもいいです。
私が検索したところ、ラクマに、ピンクハウスのワンピースが1万7千円で出品されていました。10数年前に、10万円以上した服で、1度だけ着用したそうです。
買ったときの値段にも驚きましたが、1回着ただけで、10年以上、家に置いていたというのもびっくりです。
どんなに高い服でも、一度誰かのものになると(つまり古着になると)、市場価格は大きく下がります。日本人は新品を好むので、なおさらそうです⇒お金を貯めたいなら今すぐ捨てたい、日本人ならではの3つの習慣。
ブランドものや特殊なもの(スパイダーマンのお面とか?)じゃないなら、古いものを買い取りしている業者に査定してもらってもいいでしょう。
とにかく、一度、現在の市場価格を調べてください。
その後、手間と時間をかけて、1万7000円確保に向けて動いてもいいし、「時間がもったいないから、このまま寄付しよう」と決めてもいいです。
大事なのは、何らかのアクションをとることです。
「高かったから捨てにくい」で止まっていると、現状は何も変わりません。
◯価値に関するほかの記事もどうぞ⇒価格と価値の違いを知れば、余計な物も浪費も減る。
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物の評価をくだす方法を4つ紹介しました。やってみてくださいね。
余談ですが、先日、インターネットで、「万引き家族」という日本映画を見ました。
映画の内容はおいといて、その家族の住んでいる家の中が汚いことに(ガラクタばかり)、びっくりしました。
なぜ、掃除をしないのでしょうか?
「お願い、掃除して!」と何度も心の中で叫びました。
何かを食べているシーンがやたらと多く、掃除や洗濯をしているシーンがありません(おばあさんが縫い物をしているシーンはありました)。
よくあんな汚部屋で食事ができるものです。
そこで、思い出したのは、NHKのテレビ小説の「ゲゲゲの女房」で、布美枝(ふみえ)さん(水木しげるの奥さん)が、お嫁に行ったボロ家を、家の内外とも、よく掃除していたこと。
一度、水木しげるの部屋を勝手に掃除して怒られますが。
どんなにひどい家でも、掃除をしてきちんと整えることは、人間としてまっとうな生活をする基本だと、改めて思いました。