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今回は英語に関する質問に回答します。これとはべつに、YouTubeの本要約チャンネルで、『1週間で8割捨てる技術』を紹介いただいたので、記事の最後でリンクします。
では、メールをシェアしますね。聞き取りに関する質問を、kurocoさんからいただきました。
英語のリスニング力をあげたい
件名:英語の勉強
筆子さんの紹介されているTEDが好きで、よくチェックしています。
字幕なしで半分くらいは聞き取れるのですが、完璧とはいかないまでも9割くらいは聞き取れるようになりたいです。
筆子さんは最初どのようにして英語のリスニング力を身につけられましたか。またネイティブの会話が不自由なく聞き取れるようになるまで、どれくらいの期間がかかりましたか。
特に海外ドラマのセリフは本当に早口で、聞き続けても聞き取れるようになる気がしません。
断捨離とは関係ない話ですみませんが、もしお時間があればブログかメールでご回答いただけると嬉しいです。
kurocoさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
TEDの記事を読んでいただき、うれしく思います。
ニュースをたくさん聞いた
リスニングの勉強は、ふつうに単語や文法を覚えて、英文を読んでという感じで、スキルをあげていきました。
特に私が効果を実感したのは、ニュースを聞くことです。
会社員や派遣社員時代、よく通勤時間に、ウォークマンで、NHKニュースの副音声を聞いていました。
かなり昔なので記憶があいまいですが、当時、テレビの音声も入るラジカセを持っていて、それで副音声を録音していました。
帰宅後は、NHKの衛星放送で、アメリカの ABC World News Tonight という番組を毎日見ていました。
知らない単語や言い回しを調べるとか、覚えるということはしていませんでしたが、ニュースの場合、キャプションが多いから、「ああ、これはこんな単語なんだ~」となんとなく、脳にインプットされていきました。
このとき、私はニュースをよく理解していたかというと、それほどでもなかったと思います。
しかし、ずっと続けていたら、CNNの一般的なニュースは、特殊な用語をのぞけば、ほぼ聞き取れるようになりました。
ニュースのアナウンサーはゆっくりわかりやすくしゃべるので、聞き取りの練習にはとてもおすすめです。でも、興味がなければほかの素材を使ってください。
ニュースがわかっても、自分の知らない話題や、聞き慣れないアクセントで、適当に思いつきで、非論理的に、あいまいにしゃべる一般人のインタビューなどは今でも聞き取れません。
つまり、ある程度、文法や単語を覚えたら、あとはたくさん聞きました。
やさしい英文を大量に読む
読んでわからない文章は、絶対聞き取れないので、読解の練習にも力を注ぎました。
私は、以前、ペーパーバックや講談社の英語文庫で、やさしめの英語の小説をよく読んでました。児童文学が好きなので、Roald Dahl(ロアルド・ダール)の小説などです。講談社英語文庫では、星新一や阿刀田高の小説の英語版を読んだ記憶があります。
ちょっと読んで、「これ、わりと簡単かも」と思うぐらいのレベルの文章を選んでください。
日本語もそうですが、日常会話で使われる英語は、構文も単語も自分が思っているよりずっと簡単です。
だから、難しい英文を苦しみながら、ものすごい時間をかけて読むのではなく、簡単な英文を大量に、高速で読むことをおすすめします。もたもた読んでいると、量をこなせないので、英文のレベルは意識して落としてください。
いっぱい読んで、聞いているうちに、英語の処理能力があがるので、ドラマのセリフにも、だんだんついていけるようになります。もちろん、実際に発音したほうが聞き取りの力はあがりますが、一言もしゃべらなくても、量をこなせば聞き取り能力はあがります。
ドラマよりリラリティーショーがおすすめ
日本の人は、なぜか海外ドラマで勉強することが、こんなに好きなのでしょうか?
YouTubeにも、Netflixのドラマで勉強しろとか、この海外ドラマがおすすめとか、そういうコンテンツがたくさんありますが、私は、海外ドラマよりリアリティショーのほうが即戦力に結びつくと思います。
ドラマのセリフは、ドラマだから、やはりどこか、凝ってますよね? ふつうではない。
Friends(フレンズ)というドラマが勉強素材で有名ですが、このドラマのセリフの聞き取り、私は簡単だとは思いません。
登場人物のセリフは、よく言えば気が利いていますが、悪く言えば、きざだったり、わざとらしかったり、知識をひけらかしていたりして、こんなふうにしゃべる人は現実にはいません。いるかもしれませんが、一般的ではありません。
つまりちょっと不自然なので、海外ドラマを全部聞き取るのは難しいし(文化的知識や、その国固有のギャグのセンスの理解も求められる)、聞き取る必要なんて全くないと思います。
海外ドラマを聞き取らないと個人的にすごく困る状況があるというわけでもないですよね?
映像を使って勉強したいなら、海外ドラマよりリアリティ・ショーのほうがいいと思います。
先日、娘の家で、Netflix の、Love is blind(ラブ・イズ・ブラインド)という婚活系のリアリティショーを見ましたが、この番組は、すごく英語の勉強になると思いました。
というのも、この番組では、カップルになる前は、お互いに会わないのです。壁越しに、何度か話をするだけで、相手を決めて、それからはじめて対面して、ふつうに付き合い始める流れになっています。
当然、付き合い始める前の段階では、何を話すかがひじょうに重要視されるので(黙っていたら相手をゲットできない)、登場人物は、わりと中身のある話をしています。
今、どんな服装をしているのか、みたいな話から、仕事は何か、過去の恋愛体験、結婚に何を求めるか(結婚がこの番組に出る人の目標)など、似たようなテーマを、違う人達がえんえんと、ある意味だらだらと話をしているので、ものすごくリスニングが鍛えられます。
こういう番組を英語字幕をつけて見ることをおすすめします。
英語教え系のインフルエンサーの中には、「字幕をつけたらだめ」と言う人も多いですが、音だけでほぼ理解できる段階にいないのなら、字幕はつけたほうがいいと思います。音声だけでのトレーニングは、映像がないもので行えばいいでしょう。
確かに字幕をつけると読む方に意識を取られますが、先ほども書いたように、読むことが不足しているとリスニング力はあがりません。
もし恋愛系に興味がないなら、近藤麻理恵さんの片付けの番組でもいいし、ファッション系、メイクオーバー(ださい人からいけた人に変身する番組)系とか、昨今、いろいろなリアリティ・ショーがあるので、好みのものを見てください。
人と比べないのがコツ
「ネイティブの会話が不自由なく聞き取れるようになるまでの期間」ですが、私は、まだ、「不自由なく」とはとても思えないので、このレベルにはありません。
母語の日本語に比べると、英語の聞き取り能力は段違いに劣っています。
英語だと、私は、そばで誰かが立ち話をしていても、文脈を知らないため、よくわからない部分が多く、あまり耳に入って来ません。
そのため、自分の考え事に没頭できます。しかし、日本語だと、私の意思に反して、どんどん入ってくることがあります。
先日、日本に帰ったとき、東京のある有名ドーナツ店の前で、娘と並んで買う順番を待っていました。
このとき、うしろで若い女性2人が、バイト先の話をえんえんとしており、それが、どんどん頭に入ってきて、「うるさいな、この人たち。そんなことどうでもいいじゃん。いい加減、だまって、お願い」と切実に思いました。
同じ日本人だから、文化や思考回路が似ており、言葉が入ってきやすいというのもあると思います。
コミュニケーションにおいては、発せられている言葉以外のものが、大きな役割を果たしますから。
聞き取りスキルを習得するのに、どのぐらいの時間がかかるかは、個人差があるし、勉強の内容や集中度にもよるので、一概には言えません。ただ1つ言えるのは、時間をかければ、かけた分だけ上達します。しかしこれも、他人との比較ではなく、自分比です。
人と比べず、マイペースでトレーニングするのが、語学上達の1つのコツです。
「海外ドラマは聞き取れるように思えない」と書いておられますが、先にも書いたように、べつに聞き取る必要なんてありません。
吹き替えで見ても、おもしろいものはおもしろいし(むしろ吹き替えのほうが字幕にしきれない部分がわかるのでより楽しめる)、字幕をつけて見れば、新しい発見があります。
あと、内容にもよりますので、見るなら、自分がよく知っている内容のドラマを見たほうがいいでしょう。
日本語のドラマや映画でも、私は、「え、今、なんて言ったの?」と思うことがあるし、セリフが聞き取れたとしても、「いったい何を言いたいのかさっぱりわからない」と思う作品もあります。
では、kurocoさん、これからもお元気でお過ごしください。
英語の学習関係の過去記事もどうぞ
質問とその回答特集(親にもらった物の処分方法、英語の勉強法、塗り絵)。
「ときめく」って英語でどう言うの?こんまりの片づけ本で学ぶ英単語。
1週間で8割捨てる技術
YouTubeの人気チャンネル、本要約チャンネルで、私の「1週間で8割捨てる技術」を紹介していただきました。
今回も力作です。まだ、この本を読んだことがない方、断捨離が停滞している方、ろくに物を捨てたことがない方。その他、興味のある方はぜひごらんください。
本はこちらで紹介しています⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」3月5日より予約開始
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久しぶりに英語の勉強に関する質問に回答しました。
私が子供の頃は、海外ドラマは吹き替えがふつうで、ずっと吹き替えで見てきましたが、十分面白かったです。
コロンボ(『刑事コロンボ』の主役)の声は、ピーター・フォークより、小池朝雄のほうが好きです。