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家の中に、物を収納する家具が多すぎると、確実に物が増えてしまう実例を写真とともに紹介します。
物を入れるスペースがあるから物が増える
「断捨離で家具やタンスも捨てるのか?」と聞かれました、むしろタンスなどの収納家具を先に捨てたほうが断捨離は、飛躍的にはかどります。
というのも、人は余白があると埋めたくなり、入れものがあると詰め込みたくなるからです。
「しまい場所があるから、中身が増えてしんどくなる」。
この真実は、実際に「持たない暮し」をめざし、捨てる体験をした人なら誰もが気づいていることでしょう。
人が手にするもので、1番大きな収納スペースの単位は「家」です。
これが大きければ大きいほど、ガラクタがたまってしまいます。そこで最も強力な断捨離のやり方は、今より小さな家に引っ越すことです。
しかし、これはそう簡単にはできません。次善策は、家の次に大きな収納スペース、たとえばタンスなどを捨てることです。
タンスを捨てる前に、いやでも中身を出すので、自分が持っている死蔵品を目の当たりにします。
いったんしまい込んでしまうと、ガラクタを持っていることになかなか気づけません。
タンスを捨てたあと、中身をそのへんに山にしておくとひじょうに不快です。正常な神経の持ち主ならば、なるべく早く中身も捨てようとするでしょう。
こうしてタンス1つと、その中に収まっていたものが、わりと早い段階で捨てられます。
このことからわかるように、暮しをダウンサイジングしたいとき、収納は問題の解決にはなりません。
たんすの中身を少し断捨離して、きれいに整理整頓したとしても、そのたんすがあるかぎり、またいろいろと詰め込み、早晩同じことを繰り返すことになるのです。
本当に断捨離したいなら、収納家具も捨てるべきなのです。
では高齢の1人暮らしなのに、収納家具を持ちすぎているせいで、不用品をためこんでいる私の母の実情をお見せします。捨てた物も写真に撮りました。
ぜひ、反面教師としてください。
母は当時81歳。昔は4人家族が住んでいた家に、もう20年ほど一人暮らしです。
芸能人でもないし、人に見られる仕事やファッション関係の仕事をしているわけでもない、ごくふつうの年金で食べているおばあさん。なのに、なぜか洋服ダンスを4つも持っています。
しかも日本家屋なので、押し入れも豊富にあり、さらに、洋服をかけるバーまであります。
収納家具1) 洋服ダンスA
母の寝室にあります。
引き出しの中身は、1つは下着、もう1つがスカート、もう1つがパンツ(ズボンのこと)。「あとは洋服、洋服、ここも洋服・・・」。
上部の右側にある引き出しを引っ張ってみたところ。ハンカチやスカーフが入っているそうですが…。
収納家具2)洋服ダンスB
これも寝室にあります。中に服をつるすバーがついています。
タンスの扉を開けると母のスカーフの収納(?)が。
ぶらさげすぎです。
確かにスカーフのような巻物は収納が難しいですね。オーソドックスな収納方法は
1.ぶらさげる
2.巻く(たとえばラップの芯などに)。
3.たたんで薄いものにいれる(たとえばジップロックや、書類ケースなどに)。
この3つぐらい考えられます。
2と3は一手間かかるので、ひまな人以外おすすめできません。
すると、ぶら下げておくのがいいということになりますが、たくさんありすぎると、重なってしまい、1つ1つのスカーフへのアクセスが大変困難に。
一見、何がどこにあるのかわかりませんし、1つひっぱると他のスカーフも雪崩のように落ちてくるでしょう。
スカーフの量を半分にすればこの問題は解決できます。
吊り下げ収納が好きな母は、フックをつけてネックレスもぶらさげていますね。
吊り下げ収納の話⇒吊り下げ収納?何でもぶらさげる母に資本主義社会の構図を見た~実録・親の家を片付ける(15)
このシリーズを最初から読む方はこちらから⇒実録:親の家を片付ける(1)~まずは自分のものをどんどん捨てる
収納家具3)ワードローブ用のバー(ハンガーラック)
母の部屋にあります。ふだんよく着用するものはここにかけているみたい。
ここにもいろいろぶらさげています。
下はアイロン台とミシン。
このバー、よく見ると2段になっていますね。
収納家具4) 洋服ダンスC
裏の部屋にあります。この部屋は、昔は、母が手袋を作る内職をするために機械を入れてあった小屋のような部屋だったのですが、数年してから防音設備のある部屋を増築しました。
当時高校生の私の弟が、バンバンドラムを叩く音がうるさいとお向かいの人から苦情が来たからです。
弟が家を出てからは私がピアノを入れて練習していました。
今は母の趣味のカラオケ練習用の部屋兼絵手紙を描くアトリエになっています。防音設備のせいか、すごく湿気ています。
タンスの中身は多分着物です。ぶらさがっている紙は歌詞カード。隣の本棚にカセットテープが250本以上ありました。それにしてもぶらさげるのが好きな人です。
収納家具5) 洋服ダンスD
タンスCの右隣に設置。これも中身は多分着物です。大きなぬいぐるみが置いてあるため、引き出しをひっぱり出すことすらできません。
タンスの中では、中身はガラクタ化の一途をたどっています。
この日の断捨離
タンス1つ、ぼーんと捨てたかったのですが、時間もないですし、到底母を説得できそうになかったので、まずは問題のスカーフを間引きました。
●スカーフ(7)とテディベアの服(2)
昔、テディベアを作るのが流行ったときに母もよく作っていました。私の部屋にも2匹います。
●着ない服(2)とスカーフ(1)
夏用のジャケット。もらいものだけど「気に入らん」とのこと。なぜもらうのでしょうか?
母の年代の人は、いらない服を親戚や友だちに押しつける人が多い気がします。本人は「押し付けている」つもりはなく「善意でやっている」と思っているかもしれませんが、結果的にそうなっています。
なぜ人に押し付けるかというと、「もったいない」気がして、捨てることができないのです。自分の罪悪感を少しでも軽くするために、人に譲渡しようとします。
しかし、こんなことを繰り返していては、断捨離力がつきません。
押し付けてはいけない話は前回の記事でも書きました⇒洋服が捨てられない母をこんなふうに説得した~実録・親の家を片付ける(16)
こんな気持で押し付けられているだけなのですから、もらったものを捨てるのは何ら問題はありません。
プレゼントの捨て方⇒罪悪感を感じる必要なし、人からもらった贈り物を捨てる3つのコツ
●袋物(8)
日本人が大好きな袋もの。私が80年代に使っていた汚い袋もみんなとっていました。
右上の湯たんぽケースみたいなのは、母手作りの巾着。昔、母の友だちが手作り品の店を持っていました。その頃、母はいろいろ手作りして、そのお店に置いてもらっていたのです。
このシリーズの巾着は5千円で売れたとか。なぜこれも売らなかったのでしょうか?
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2人で断捨離しているとき、母はよく「うちは物が少ない方だよ。友だちの家にはもっといっぱいある」と言っていました。
とても信じられません。
私の衣類なら、母のハンガーラック1つあれば、すべておさまります。余るぐらいです。
私の衣類⇒ミニマリストの服全16着公開~非おしゃれ系50代主婦の場合(写真あり)
こうしたラックに洋服をかけるのは、「見える化」とも言えますが、見えすぎて、非常に見た目がよくありません。
母の家には押し入れがあるので、着るものを厳選して徹底的に断捨離すれば、特に洋服を収納する家具など必要ないです。
捨てても捨てても断捨離が終わらず徒労感を感じている方は、収納家具を捨てることをおすすめします。
シンプルライフを送っている女優のいしだあゆみさんも、「大は無駄をかねる」と言っていますよ。
☆次回は箸置きを捨てる話です⇒箸置きのストックが増えてしまう真の理由とは?実録・親の家を片付ける(18)
☆後書き☆
洋服にしても、雑貨にしても、吊るす収納は、探しやすくて便利ですね。しかし、吊るしすぎると見た目がとても悪いです。
自分は毎日それを見ているので、見慣れてしまうのですが、一度すべて取り去ってみると、とてもすがすがしい気分になります。
「何もない余白」を大事にすることで、心の余裕が生まれます。