砂糖

健康・アンチエイジング

最終更新日: 2019.01.8

砂糖への依存性はこうして起きる。甘いものをやめるために1番大切なこととは?

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砂糖からだによくないシリーズ。今回は砂糖がにどんな影響を与えるのか、なぜ依存性があるのかTED-EDの動画を使って説明します。

「砂糖には依存性があるから気をつけましょう」という言葉、最近、よく目にします。

しかし、甘いおやつを食べるのはあまりにも普通のことになっているので、この楽しい時間を「依存性」というややネガティブな言葉と結びつけて考えることに心理的抵抗を持っている人も多いのではないでしょうか?

私もそうでした。なにせお菓子を作るのが趣味だったのですから。

しかし、実際依存性があります。この点を理解し、砂糖を控えるときは、あまり無理しないことが成功の秘訣です。

100%完全にやめようとしないで、たまには食べていい時を作っておいたほうが全体的に見て「砂糖を控えている状態」になります。

一気にやめようとするとリバウンドします。体験者として語っています。



おさらい:砂糖はなぜからだによくないのか?

ご飯などの炭水化物や甘いものはブドウ糖になります。ブドウ糖は人が生きるエネルギー源なので絶対必要ですが、昨今これを摂り過ぎてかえって不健康になっている人が多いです。

人間にとって便利で楽しいものであるはずの「物」をためこみすぎ、かえって生活しづらくなり、苦しい思いをしている人が多いのと全く同じ状況です。

何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しなのです。

糖分はお菓子やパンなどの加工食品だけでなく、牛乳や果物、はちみつなど自然のものにも入っています。

自然のものに入っている糖分をそのまま食べるときは、植物繊維やほかの栄養分(ビタミンやミネラルなど)もいっしょに摂取できるので、消化や代謝にそこまで負担がかかりません(食べ過ぎれは話は別です)。

しかし、高度に精製された白砂糖や、高フルクトース・コーンシロップなどはカロリーばかりでほかの栄養はありません。

高カロリーなので、血糖値が急上昇。これがまず問題の1つ。

カロリーばかりとりすぎると肥満になるのでこれも問題。

さらに、栄養分が一緒に入って来ないので、甘いだけのものを消化、代謝するときに必要な栄養分をほかの食品からひっぱってこなければならないという弊害があります。

栄養を食事で充分にまかなえなかったら、別の用途のために体がたくわえている栄養分を使うことになります。

そのため糖分をとりすぎると健康を害し、免疫系が弱くなってしまうのです。

詳しくは⇒白砂糖はこんなに体に悪い~私が砂糖をやめた理由とは?

生活習慣病が増えた理由は、

・日常生活でからだを動かす機会が減ったこと
・忙しすぎてストレスが多い
・忙しすぎて睡眠をしっかり取らない
・喫煙や飲酒などダイレクトにからだに悪い習慣を続ける人が多い
などありますが、個人的には、
・白砂糖や、高フルクトース・コーンシロップのような高カロリーで栄養は全くない人工的に作られた物質がたくさん入っている加工食品をごくふつうに消費するようになったこと

が1番大きな原因だと思います。

では砂糖の依存性について見ていきましょう。

甘いものを食べ続ける理由その1:血糖値の急上昇

食事をすると、糖質は消化酵素で分解されブドウ糖になります。ブドウ糖は小腸で吸収され、血液になって身体中に運ばれます。こうして体内の血糖値があがります。

血糖値というのは血液中にブドウ糖がどれだけあるか示す値です。

ブドウ糖はエネルギー源なのですぐに使われますが、多すぎると余るので、肝臓や筋肉組織、脂肪組織に蓄えられます。

健康な生活を送るためにはこの血糖値を常に好ましい数値(正常値)にしておく必要あり。

そこで、血糖値があがりすぎないように、ブドウ糖が血液の中にやってくると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、これが、うまい具合に内臓など、体のあちこちにブドウ糖を分配し、血糖値を下げます。

これはからだにとって想定内の量のブドウ糖が、想定内のスピードで摂取された場合です。

精製された糖分がいっぱい入っている甘いものを食べ過ぎて、いきなり血糖値をあげると、インスリンが大量に分泌され低血糖になります。

低血糖はからだにとって危険な状況です。

すると、脳が「栄養が足りない、おなかが空いている」と思ってしまい、「もっと糖分をとって血糖値をあげなさい」という指令を出します。

そのため、実はもう食事はしっかりとって、おなかはすいていないはずなのに、また食べてしまいます。

こうして、メインディッシュを食べたばかりなのに、「デザートは別腹」と言いながら、大きなケーキを食べてしまうのです。

別腹というのは、人が勝手に創りだした「言い訳」です。だって、体は1つ、脳も1つ、胃腸も1つずつしかないのですから。

甘いものを食べ続ける理由その2:脳内の神経伝達物質のアンバランス

これについてはTED-EDの動画を見てください。5分ほど。英語の字幕がでます。

※YouTubeで見る方はこちらから⇒How sugar affects the brain – Nicole Avena

【おおざっぱな要約】
一言で言うと、甘いものを食べると脳内の神経伝達物質であるドーパミンがたくさん出て「快楽」を感じます。

「楽しいから、また食べて」と脳は私たちに指令を出します。しかし何度も食べて、楽しくなってるうちに歯止めがきかなくなります。

そのうち、耐性が出て、少しの甘いものでは効かなくなり、甘いものをよりたくさん何回も食べたくなります。

以下は、動画のポイントを訳したものです。





砂糖とは?

砂糖は炭水化物(carebohydrate)のこと。

グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、スクロース(ショ糖)、マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)、デキストロース(右旋糖)、スターチ(でんぷん)、高フルクトース・コーンシロップ、果汁、粗糖、はちみつはみんな砂糖の一種です。

糖分は甘いお菓子以外にも、トマトソースやヨーグルトなどの加工品にも入っています。つまり砂糖はたいていのものに入っています。

☆砂糖をやめにくいさまざまな理由⇒甘い物をやめるのが難しい7つの理由:砂糖を断捨離するコツ(1)

砂糖を食べると起きる反応

甘いものを食べると、舌が甘みを感じて、脳にシグナルを送ります。

そこから前頭葉のさまざまなところに指令がとびます。大脳皮質(cerebral cortex)にも指令が届きます。

大脳皮質では、それぞれ違う場所で、違う「味」を司っています。甘みを感じると、報酬系のシステムが動きます。

このネットワークは複雑ですが、報酬系のシステムは、「この行動をもう一度やるべきか」という質問にイエスと答えるものです。

報酬系システムが活動すると「もう一度やってもよい」と指令を出すのです。しかしなんども報酬系システムを刺激すると以下のよくないことが起きます。

1.コントロールできなくなる(loss of control)
2.とても欲しくなる(craving)
3.砂糖に対する耐性ができる(前と同じ量では報酬系が動かない)(increased torelance to sugar)

脳がこんな活動をしている一方で、内臓もやはり脳にシグナルをおくります。すなわち

・もうお腹がいっぱいだ
・インスリンをだしてください

ドーパミンの暴走

前頭葉の報酬系システムにはドーパミンが分泌するところがたくさんあります。

ドーパミンは、快楽神経系の神経回路のスイッチを入れる物質です。

薬物を過剰摂取するとドーパミンが出過ぎ、バランスがくずれ、常にハイな状況を求めるようになります。つまり薬物の使用をやめられなくなり、量も増えます。

これと同じことが、かなりマイルドではありますが、砂糖の摂取でも起きています。これが人々がなかなか甘いものをやめられない理由の1つです。

食べ過ぎると、ドーパミンが暴走し脳的に甘いものに依存してしまうようになります。たまに食べるなら大丈夫ですけどね。

**********

この動画はすごく簡単に説明しています。実際は、ことはもっと複雑だと思います。

動画には、セロトニンは出てきませんでした。甘いものを食べると、心を落ち着かせてくれるセロトニンという神経伝達物質も出ます。

問題なのは、ドーパミンやセロトニンが分泌されることではないのです。

いったんドーパミンがたくさん出て幸せになったとしても、そのうちドーパミンレベルは落ちます。

そのとき、不幸せだと、また甘いものでドーパミンを出したくなるのです。

ふだんドーパミンレベルが低すぎると、つまり不幸すぎると、砂糖を摂ることで、ドーパミンをあげる行動をしがちになる、ということです。

ストレスが多かったり、心配ごとが多かったり、さみしかったり、愛に飢えていたり、悲しい気分でいると、ドーパミンやセロトニンなどの「楽しい」という気持ちを感じさせる神経伝達物質が恒常的に足りません。

そこで、脳は「幸せ」になりたくて、「じゃあまた甘いもの食べて、幸せになろうよ」とシグナルを送るのです。

甘いものを控えるためには、「家の中にお菓子を置かない」という方法も有効です。しかし、基本的に今の自分の暮しにある程度満足し、楽しい気分で生きていないと、ひじょうに難しくなります。

「甘いもの依存」をやめるためには、人生の質をあげ、充実感を持って前向きに生きるのが1番なのです。





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