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ADHD(注意欠陥他動性障害)という病気の原因と、ADHDにかかっている人の行動の特徴についてお伝えします。
「自分はADDだから、部屋が片付けられない」
筆子の16歳の娘がそう言います。日本ではADDと呼ぶことが多いですが、正式にはADHD = Attention deficit hyperactivity disorder 注意欠陥他動性障害です。
ADHDは、だらしないとか、なまけものとか、そういう性格の問題ではなく、心の病気でもありません。
単に脳が正常に機能していないだけです。
今のところ、前頭葉に問題があり、神経伝達物質をうまく出すことができないからADHDになると考えられています。
ADHDの原因は?
先天的な理由と後天的な理由があります。
先天的なものは遺伝。
後天的な理由は、母親が妊娠中(特に最初の3ヶ月)に、何らかの理由で、毒物を過剰に摂取したこと。特にタバコのニコチン、アルコール、鉛がよくないとされています。こうしたものが子供の脳の発達を妨げてしまうのです。
ほかには環境ホルモンなども考えられます⇒環境ホルモンとは何か、その影響など基礎的なことをわかりやすく解説
たとえば、鉛は食器の釉薬から取ってしまう可能性もあります。
詳しくはこちらに書いています⇒森修焼(しんしゅうやき)のマグを使う理由はこれ~安全にこだわった食器です
また、何らかの事故で脳に損傷をうけると、ADHDになる可能性がありますが、症例は少ないそうです。
食事やホルモン、家庭環境などはいっさい関係ありません。症状をおさえる食事や環境というものはありえますが、大本の原因ではないのです。
これからまた新たな発見があるかもしれませんが、今のところ純粋に脳の機能障害と見られています。
☆この記事はADHDのお子さんを持つ母親を責める意図で書いているわけではありません。現代社会に生きる以上、私たちは、程度の差こそあれ、知らず知らずのうちに毒物をからだに取り込んでいます。
ADHDがどんな病気かは、前回の記事に書いています⇒汚部屋を片付けられないのはADHD(注意欠陥他動性障害)のせいだと言う娘
ADD(ADHD)の人の行動の特徴
前回のおさらいになりますが、ADD(ADHD)の人には以下の3つの特徴があります。
- inattentive インアテンティブ 無頓着
- hyperactive ハイパーアクティブ 異常に活発
- impulsive インパルシブ 衝動的
この3つが日常生活では、具体的にどのような行動となって現れるのか例をあげますね。
inattentive インアテンティブ 無頓着
・細かいことに目が行かない。よってケアレスミスが多い。
・集中力が続かない(ただし自分の好きなこと、興味のあることは別です)。すぐに気が散る。そのため、1つのタスクを終わらせることができない。
・人の話を聞かない。
・指導、説明に従うことができない。
・段取りや準備が苦手。たとえば、子供なら、時間割をそろえたり、宿題の提出期限までに、計画的に準備できない。大人なら、仕事を段取りよくすすめることができない。
・嫌いなこと、興味の持てないことは絶対しない。
・大切なものをなくしてしまう。
・やるべきこと、頼まれたことを、いともあっさりと忘れてしまう。
・1つのことが終わっていないのに、次のことに手をだす。
・ものごとにすぐに取りかかれない。ギリギリになるまでほおっておく。
・会話中、人の話を聞かない、話されている内容に、ついて行くことができない(他のことを考えている)。
hyperactive ハイパーアクティブ 異常に活発
・座っているとき、からだの一部分(手足など)をよく動かす。たとえば貧乏ゆすりをしたり、ずっと、人差し指にくるくると髪の毛を巻きつけていたりする。あるいは、足でいつまでもどこかを蹴っている、からだをゆすっている、など。
・席にじっとしていられない。立ったり、座ったりする。
・そうすべき時でないのに、走り回ったり、そこらに登る。
・静かにできない。たいていの人が静かにやること(たとえば、絵を描くことなど)も、大騒ぎしながらやる。
・いつもハイテンションで、先へ先へと進もうとする。
・しゃべりまくる。しゃべりだすと止まらない。
impulsive インパルシブ 衝動的
・衝動的な行動をする。たとえば、突然道に飛び出す。
・いろいろなことを待てない。子供なら先生の質問がまだ終わっていないのに、答え始める。ほかの生徒がしゃべっているのをさえぎってしゃべり始める。
・言うべきでないことを言ってしまう。
・浪費する
・危険なことに衝動的に手を出してしまう。たとえば、薬物の濫用、知らない人と簡単に性交渉を持つなど。これがエスカレートすると犯罪を犯す。
はたして、筆子の娘はADHDか?
今回症状をしらべてみて、筆子は「娘はADHDではない」という結論に達しました。
確かに娘の部屋はほっておくとどんどん汚くなります。ですが、ADHDの人の特徴を調べたところ、意外にも「部屋が汚い」というのは筆子が見た限り、出てこなかったのです。
さまざまな段取りができず、すぐに気が散るため、結果的に汚部屋になっている、いうことはあるかもしれません。
娘は宿題はちゃんと期日までに提出しようと努力するし、試験のスケジュールを見ながら準備します。嫌いな科目の勉強も一応します。
衝動的なところも別になく、言うことがころころ変わるわけでもありません。じっと机に向かっていることもできています。
編み物や裁縫、お絵かきなど集中力を必要とする作業も得意で、静かに取り組んでいます。
テレビのチャンネルをどんどん変えるようなこともありませんし、今やり始めたことを5分後にうっちゃって、別の何かを始める、ということもないのです。
しかも、バイト先の量り売りの店では、新人に仕事を教え、その中には、食品の入っているケースのフタをすべて食器洗い機で洗浄したり、床をモップでふくという作業が含まれています。
レジのお金もきっちり数えているようです。
それよりも、筆子は恐ろしいことに気づきました。
「無頓着」なADHDの特徴のいくつかが、すごく夫にあてはまるのです。
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さて、今回ADD(ADHD)の人の悪いことばかり書きましたが、よい面もあります。ADHDの人はひじょうにクリエイティブであると言われています。絵がとてもうまかったり。
また、新しいアイデアやユニークなビジネスプランを思いつくのに長けています。多くの作家、アーティスト、クリエイター、役者などがADHDだそうです。
そして皆、愛すべき、憎めない性格をしているとか。
考えてみると、脳の機能が人と違うことが、よい面に出れば「天才」であり、悪い面に出ると、病気であると言われてしまうのかもしれません。
症状が重く、日常生活を営むのに困難がある場合は治療したほうがいいでしょうが、治療しなくても、自分も周囲も幸せである、というケースもあるでしょうね。、