完璧主義者

ミニマム思考

最終更新日: 2022.09.24

完璧主義すぎるといつまでたっても部屋が片付かない理由

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断捨離がうまくいかないとき、完璧主義に陥っていることがままあります。なぜ完璧主義だと、片付けが進まないのか、その理由をお伝えします。



完璧主義とは

完璧主義とは、その名のとおり、何でも完璧にやらなければならない、と思い込み、実際にその通りに行動する傾向です。完璧主義の人は、完全主義者とも呼ばれます。

まじめで几帳面な人が陥りやすい傾向です。

完璧主義でいることがメリットになることもたくさんあります。

よりよい成果、ベストの成果をめざしてがんばることはすばらしいです。そうしなければ素晴らしい結果は得られません。「まあ、適当でいっか」と中途半端にやっていると、適当な結果しか得られません。世間で名をあげた人の中には完璧主義者がたくさんいます。

ですが、こと断捨離になると、この傾向はデメリットとして作用することが多いのです。

完璧を求め過ぎる気持ちがこんな問題を生じます

1.捨て始めることができない(先延ばしする)

完璧主義の人は、何もやっていない前から、理想の作業工程を頭の中で作り上げてしまいます。「断捨離をやるには、ある程度、時間が取れる時でなければならない。だから、ゴールデンウィークがベストである」と言うように。

ところが実際ゴールデンウィークになると、家族がそばにいて、あれこれうるさいので、「家族がそばにいるとできない。家族がいないときがベストである」とまた先送りします。

ようやく家族がいなくなったので、開始しようとしますが、今度は細かいことが気になってできません。

45リットル入りの可燃ゴミ用の袋が見つからないと「大きいゴミ袋がないと捨てられない」と思ってしまうのです。手持ちの20リットル用ので充分なのに。

完璧主義の人は、完璧なタイミング(時間がたっぷりあるとき)で、完璧なツールや状況(45リットルのゴミ袋、自分の手にぴったりフィットした軍手、うるさすぎないタイマー、あまり暑すぎない天候など)が揃っていないと、行動に移せないのです。

完璧主義(以降は完璧ちゃんとします)の人は、自分の思い描くシナリオどおりにことが進まないと、スタートが切れません。





2.細かいことにこだわりすぎる

ようやく完璧なタイミングが来たと判断し、捨て始めることができたとしても、今度は、いちいち細かいことにフォーカスするのが完璧ちゃんです。

完璧ちゃんが近藤麻理恵さん方式で、洋服を捨てるつもりだったとしましょう。

☆近藤麻理恵さんメソッドとは?⇒近藤麻理恵の「人生がときめく片づけの魔法」の英語版の感想~ベストセラーの秘密は東洋の神秘にある?

この場合、家中にあるすべての洋服を一箇所に集めなければなりません。完璧ちゃんは、まず、どこに洋服を出すべきか、そこで、迷います。

自分の部屋のベッドの上がいいのか?

それとも和室の畳の上がいいのか?

キッチンのテーブルの上がいいのか?

全出しする断捨離に最適な場所はどこなのか?完璧ちゃんは、服の山を作るのに完璧な場所を見つけなければ気がすみません。

スマホを手に取り、「こんまり 片付け」で検索してみます。

すると、ベッドの上に出して実践する人が多いらしいとわかります。

完璧ちゃんは、30分ぐらい、インターネットをやりながら、あーでもない、こーでもないと考えて、ようやくベッドの上に出すことに決定します。

クローゼットや、押入れなど、家のあちこちから服を引っ張りだします。

するとまた新たな問題が。

完璧ちゃんは、「水着って服なのかな?」「水着の上に着るカバーアップって服の仲間に入れていいのかな?」と迷いだします。

彼女は、完璧ちゃんゆえに、水着の上に着る専用のレースのカーディガンとタンクトップは、普段着としては使っていないのです。

こんなふうに、いちいち作業は中断され、決断を余儀なくされ、完璧ちゃんはだんだん決断疲れしてきます。

決断疲れとは?⇒決断疲れを回避する方法。ミニマリストになるのが1番です

断捨離を開始して、90分たっているのに、まだ1着も捨てていません。

3.自分にも他人にもきびしい

完璧ちゃんが完璧を求めるのは、自分のことだけではありません。他人にも同じように、「完璧であってほしい」と願っています。

自分ががんばって「持たない暮らし」を目指しているのに、家族が余計な物を家に持ち込むと、猛烈に腹がたちます。

せっかくきれいにしたダイニングテーブルに、子供が、クレヨン、教科書、ノート、ハンバーガーの包み紙、こぼれたジュース、泥などを残すと、これまた大変なストレスになります。

そして、「テーブルの上には何ものせちゃだめと言ってるでしょ!ほんとうにもう、何度言ったらわかるの?」と、まだ小学校に入ったばかりの息子に、怒声を浴びせかけてしまうのです。

びっくりした息子は泣き出します。

完璧ちゃんには、「理想のワーキングマザー像」があるため、息子を泣かせてしまったことを強く後悔します。

ですが、テーブルに余計なものが出ているのは許せません。同時に、息子を泣かせた自分も許せません。

何もかも許せない!

完璧ちゃんはストレスでいっぱいになり、夕食の買いものに出たついでに、さしてほしくもない、この春流行のフリンジがついた薄手のニットのトップスを衝動買いしてしまいます。

かくして、またしても、洋服の数が増えてしまうのです。

4.何をしても幸せになれない

完璧ちゃんは、理想のワーキングマザーになりたいと思っているだけではありません。

理想の妻、理想の娘、理想の上司、理想のママ友、理想の先輩、理想の長男の嫁、理想の住人(マンション住まいです)など、シチュエーションごとに、理想像があります。

いつどこでも「完璧な◯◯」でいたいのです。仕事にも家事にも完璧を求めます。

彼女は、実はほかの人からは、「すごい人」と思われています。何しろ、いつも限界いっぱいまでがんばっていますから。

会社でも家庭でも、すばらしい成果をあげています。ところが、完璧主義なので、どんなに成果をあげても満足できません。毎回必ず「ここがダメ」「あそこがダメ」と自分で自分に駄目だしをしてしまいます。

この世に完璧などありえないのですから、ダメ出しをする種(たね)はつきません。完璧ちゃんは、いつまでたっても自分のパフォーマンスに満足できません。

さらに、1つでも間違いをしてしまうと、とても大きなダメージを受けます。人は、失敗するのが当たり前なのに、自分はミスをしてはいけない、という大きな幻想をいただいているのが完璧ちゃんなのです。

うまく行かないことがあると、「私ってだめ、ろくでもない人間だ」と思ってしまい、自分のことが嫌いになります。完璧ちゃんはいつも不幸です。

こんな状態なので、毎日ストレスでいっぱいです。そのストレスを解消するために、またまたこの春流行のプリーツスカートを衝動買いします。

服の数はいっこうに減りません。

5.手放すことができない

完璧ちゃんは、どんなものも手放すことが苦手です。

すべてが自分の思い通りに進まないと気がすまないからです。

常に完璧な結果を求める完璧主義者は、何か1つでもうまくいかないことがあると、そのことに執着してしまいます。

仕事でミスをした時、「まあ、いっか。今度がんばろう」とさらりと流すことができません。起きたことに対して、いつまでもくよくよします。「あの時、私がこうしていればよかったのに」「なぜ、あの時私は、こうできなかったのだろう?」とお風呂の中で、うじうじ考え続けます。

職場でも家でも、気持ちよく、ほかの人に仕事を任せることができません。なぜなら、ほかの人が、ちゃんとやってくれるかどうか心配だからです。

たとえ任すことができたとしても、自分の思い通りにことが進むかどうか、心配でしかたがありません。

このように、何もかも、自分の手元に引き寄せ、自分で采配しないと気がすまない人は、物をさくさく捨てることなどできるわけがないのです。

「なぜ私はこんな置物を買ってしまったのだろう?」「なぜこんな高価なバッグを買ってしまったのだろう?」何か1つ、手に取るたびに、今さらいくら考えてもしかたのない過去のできごとについて、えんえんと考え続けます。

そしてまた決断疲れします。

悩んでばかりいて、何も捨てることができないのです。

☆完璧主義を治す方法はこちら⇒完璧主義を克服する7つの具体的な方法。
* * * * *
この記事では、多少誇張して書きましたが、完璧主義の人には多かれ少なかれ同じことが起きているはずです。

つまり、自分ではどうしようもないことに対して、とても執着が強いのです。こういう傾向がある人は、まず「完璧主義的な自分」を捨てなければ、とても断捨離などできないのです。





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