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母親に対する思いをつづった読者のお便りを2通紹介します。
お二人とも、母親との関係に長いこと悩んでいたけれど、考え方を変えたら、気持ちが落ち着いてきたそうです。
親子関係で悩んでいる方の参考になればと思い、紹介いたします。
内容:
・親子関係を客観的に見るようにした
・自分を育て直している
・エッセオンラインに新しい記事を書きました by 筆子
では、まずNさんのお便りです。
50歳を過ぎて目が覚める
件名:母のこと
私も母親との関係に、長いこと悩んだので、またお便りします。ずっと、親子関係の本をあれこれ読みあさったり、母が死ぬ前に思いのたけをぶちまけたいと真剣に悩んだり…。
そんな中、50才を過ぎた頃、友人の高校生の息子さんが「友達が自分の母親の悪口を言うのを、聞くのが耐えられない」と言うと聞き、何故かすごく恥ずかしくなりました。
高校生ならまだしも、50才を過ぎてなお母親との関係に悶々としている私って…と。
憑き物が落ちたように目が覚めました。
そのとき初めて、自分と母親のことを客観視したのです。
そうしたら、母のことをこの人はこんな人だから…と思えるようになり、ずいぶんラクになりました。
いつも母のことが頭から離れず、自分からわざわざそのネガティブな感情にはまり込んでいっていたような節がありますが、その気持ちが冷めていったのです。
すべてにクレームをつけ、すぐ不必要な物を送りつけてくる母は相変わらずで、今も私をコントロールしようとしてくるけれど、なんとかうまくかわせる(自分の気持ちを逸らせる)ようになりました。
そして、私の気持ちが変わった時、驚くことがありました。
変わり者の母なので孫たちは誰も懐いていません。(おおらかで暖かな父には皆べったりです。)
でも、私の気持ちが落ち着いたら、娘が自然と母の隣に座ったのです。
今までなかったことなので、母自身も驚いていました。
もちろん、私の思いが変わったことは、誰にも言ってません。
不思議ですね。私から怨念みたいなものが消え、良いオーラが出てたのでしょうか。
また、今まで母には小出しにいろいろお願いしてみましたが、結局全く変わりませんでした。
そして、そのこと自体が、私自身も、私が良いと思うように母をコントロールしようとしていたのでは…と思いいたり、母のことをそのまま認める努力をしています。
一方で、子供たちには母のようには接するまいと思いながらも、似たようなことをしてしまいがちだと気づき、自分自身をコントロールするように気をつけています。
本当に筆子さんのおっしゃるとおり、自分のコントロールできることに注力するのは大事ですね。努力のしがいがありますし、達成感もあります。
また、今回書かれていた、子供をあるがままに受け入れることの大切さを、子供たちが小さいときに理解していたら…と悔やまれます。怒り過ぎました。
今、本当にしんどい状況にいる方には慰めにならないかもしれませんが、私も母との関係(自分の気持ち)を改善できたので、みなさまも悩みから解放される日が来ることを願ってやみません。
みなさん、筆子さんの言葉を、心から噛みしめてみて!
Nさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
Nさんの気持ちが楽になってよかったです。
自分の考え方を変えたら、まわりの人の行動も変わったのですね。
Nさんがこれまで持っていた感情は、怨念というか、執着でしょうね。
自分の母親を、「過干渉しないふつうのお母さんに変えたい」とか、「こんな親子関係にしたい」という執着。
そうしたい気持ちはよくわかります。
母親とうまくいっている方が幸せだし、あれこれ干渉されたら、誰だって不愉快だし。
それに世の中、やたらと「お母さんを大事にしよう」とか、「お母さんと仲良くしよう」と言いますよね?
特に母の日のあたりに。
確かに、親は大事な存在ですが、相性があるし、親のほうが自分より人間的に成熟しているとは限りませんので、なかなか、世の理想どおりにはいきません。
母親とうまくいってない人はたくさんいるはずです。
だから、無理に理想形にもっていかなくてもいいと思います。
Nさんは、お母さんをそのまま認めるよう努めているそうですが、私もそうすると思います。
さて、確かに「子供をあるがままに受け入れよう」と私は書きましたが、娘が小さいときは、そういうことは意識していなかったので、娘に対して怒ったり、八つ当たりしたりしたことはありました。
口やかましく何かを言うことはありませんでしたが(むしろ放任しすぎたと思っています)。
ミニマリストになったら、心のガラクタがだいぶ減って、比較的おだやかに対応できるようになりました。
それでは、Nさん、今年もお元気でお暮らしください。
過干渉の母親の記事⇒すでに大人の私に、母親が勝手に服を買ってくる記事を読んで。
次はJackieさんのお便りです。
自分を育て直している
件名:自分の母になる
今日の「自分自身の親友になる」TEDの記事、心に沁みました。
ちょうど、このあいだから、「自分の母になる」ことを始めた矢先だったからです。
母が他界して、来月で2年。
そのあいだにいろいろなことが重なって、先日ようやく、「母は私をかわいく思っていなかったのだ」ということにはっきり気づきました。
母の存命中は、親に対してそんなことを思うのは失礼、と感じていたのか、意識しないようにしていたのかもしれません。
けれど、気づいてみると、いままでのいろいろな事実に、どれも説明がつき、ものすごく納得できました。
悲しい、とか、寂しい、とかではなく、好き嫌いは親でもあることなのだろうから仕方ない、と、いっそ、あきらめがつきました。
三姉妹の中で自分だけがかわいがられていない、と感じてしまう自分はいけない子なのだと、自分を責めてばかりいたのは、ある種の認知のゆがみだったと思います。
母が私をかわいく思ってくれなかったにしても、それは、全人類のうちのたったひとり。
ほかに、私を慕ってくれたり、敬ってくれたり、大切に思ってくれる人はたくさんいる。
たったひとりの好き嫌いに振り回されることはない。
母に好かれなくても、自分が価値のない人間というわけではない。そう思うようになりました。
私自身は、母親として、自分の娘を何よりも大切に、心からかわいく思っていますが、こういう気持ちを、母が私に持っていたとは、考えてみると、とうてい思えない。
そういう真実に向き合ってみると、目をそむけていた時より、むしろ楽になれました。
自分の娘と同じくらい、それなりにかわいくて賢かったはずの、子どもの自分を、いまはときどき呼び出して、声をかけて、かわいがっています。
自分の娘を育てたときと同じように。
すると、昔の私は、にこにこして、ついてきます。
そうすると、心がほぐれて、温まり、幸せが体中に広がります。
子どもだった時の自分を、いま私は、育て直している感じです。
あの頃には得られなかった、自分を愛してくれる母になって。
「もう、がまんしなくていいよ、泣かなくていいよ、つらかったね、だいじょうぶだよ、ちゃんとしたおとなになれるよ、こわくないよ」と。
私が長い年月、見えないところの一番奥に押し込んでいたもの、それは、顧みられなかった自分自身でした。
筆子さんに導かれて歩んできた道のりの果てに、一番片づけるべきものに、ついに出会うことができました。
いま鏡を見ると、60年近い人生で、いまが一番、晴れ晴れとした表情をしていて、好きな顔になっています。
ジェーン・フォンダの言う「人生の第3章」は、1章よりも2章よりも、明るくなりそうです。
Jackieさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
このブログを暮らしのバイブルとしていただき、恐縮です。
Jackieさんは、お母さんにかわいがってもらえなかったことを、ずっと悩んでいたんですね。
やはりそういう場合、子供のほうが「私が悪いのかも?」と思ってしまいますよね。
ですが、誰も悪くないと思います。
たまたまそうなってしまったのでしょう。
それに自分を愛してくれる人が、母親である必要もないですね。
それが理想だと思うけれど、そうならなかったとしても、この世の終わりではありません。
私の夫は、実の母親より、祖母(すでに他界)のほうが好きで、母親に対して、けっこう冷たいです。
私は、母親と仲がよいというか、ごくふつうの親子なので、最初、夫の態度に違和感を感じました。
なんでも、子供の頃、夫の母親は働いていてほとんど家にいなかったし、夫は祖母の家で生活していた時間が長かったので、祖母のほうが母親に近いんだそうです。
この祖母が、一族のゴッドマザー的な存在で、亡くなったとき、家族がバラバラになってしまったとか。
こういう例もありますので、お母さんの愛が得られなかったときは、それに変わる人を見つけるか、Jackieさんのように、自分で自分をかわいがってあげればいいですよね。
結局、自分で自分を好きでいられれば、気持ちが安定しますから。
Jackieさんの人生で、今が一番いい時期とのこと。
これからも、ますます楽しく暮らしてください。
自分の親友になる⇒自分自身の親友になる技術(TED)
人生の第3章⇒60歳以降は可能性に満ちている「人生の第3幕」ジェーン・フォンダ(TED)
■母親に関するほかの記事
疲れない片付け
エッセオンラインに新しい記事を書きました。
今回は、片付けのコツです
⇒50代からの「疲れない」片づけ。この先一生散らからない5つのコツ | ESSEonline(エッセ オンライン)
コツを5つ書きましたが、これが全部できれば散らからないのでぜひお試しください。
「50代からの」と入っていますが、べつに何歳でも使える方法です。
ただ、50歳ぐらいになったら、だんだん体力が落ちてくるから、もうあまり家に物を入れないほうがいいと思います。
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今回は母親に関するお便りを紹介しました。
2日前に読者のあやさんから、災害用の備蓄に関するお便りをいただきました。ありがとうございます。
返信希望とありましたが、メールアドレスが書かれていなかったので、返信していません。
メールアドレスがないと、問い合わせメールが届いたときに、自動で送信される「届きました」と知らせるメールもそちらにいきません。
しかし、メールはちゃんと届いていますので安心してください。
それでは、あなたも、質問、感想、思うことなどありましたらお気軽にメールください。
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