心配している女性

断捨離テクニック

だめな自分に向き合うのが怖い:物を手放すことに対する不安と恐怖(その2)

不用品の片付けや断捨離を無意識に避けてしまう心理の背後にある不安や恐怖を取り上げて、一つひとつクリアしていくシリーズ。

今回、取り上げるのは、

片付けをすると、嫌な自分、だめな私、過去の失敗に直面してしんどいことになりそうだ、という不安です。



どこまでも悪いセルフイメージ

汚部屋に住んでいる人の多くはあまりセルフイメージがよくありません。

どちらかというと、自分を否定し、悪くとらえています。

たとえば、

・こんな物だらけでぐしゃぐしゃの部屋、とても人に見せられないわ。突然誰かが来たら絶対ドアを開けられない

・他の人は、ちゃんと家をきれいにしているのに、なんで私はできないんだろう

・片付けるべきだけど、今日もできなかった。こんな簡単なことができないなんて、私はなんて愚かなんだろう

・こんなにいろいろ買ったのに、ただためこんでいるだけ。こんなもったいないことしている自分は、どこかおかしいんじゃないのかな?

こんなふうに、自分に対して、かなりネガティブな見方をしています。

だからこそ、少しでも片付ければ、自信がついてセルフイメージがよくなりますが、ネガティブ感情が強すぎると、「片付け」と聞いただけで、底なし沼の中に落ちていきそうな気がして、片付けに着手できません。

耳が痛すぎて私のブログの記事を読めないとか、お母さんに怒られている気がする、というメールをもらうことがありますが、そういうふうに感じてしまうのも、自分のことをあまり評価していないからです。





ガラクタはよくない自分の象徴か?

汚部屋や片付けに対してマイナス感情をもっていたら、片付ける気になれないのは当然です。

ガラクタを見るたびに、「だめな自分」を思い知らされるのですから。

誰だって、いやな自分、愚かな自分、まずかった決断(失敗)に向き合いたくありません。

ほめられるとうれしいのでもっと言ってほしいけど、けなされるのは嫌ですよね?

私たちは、北風には吹かれたくない、できれば心地よい春風に当たりたいと思っています。

自ら北風の中に飛び込むような断捨離なんてやりたくないのです。

中には、「修行として」取り組む人もいますけど。

もちろん、ガラクタは何も言いません。何も言いませんが、自己肯定感の低い人は、ためこんだ物を見ながら、いちいち自分を責めます。

それはしんどいことなので、捨てる作業を後回しにしてしまうのです。

こんなときは、どうしたらいいのでしょうか?

考え方を変えれば、ぐっと断捨離のハードルが下がります。

べつに自分は悪くない、と思えばいい

物をたくさんためこんでしまったことに、強いネガティブ感情を感じているときは、「別に自分は悪くない」と、いい意味で開き直ってください。

なぜ、こんなに不用品をためこんでしまったのか?

自分がなまけものだから、だらしないから、掃除が下手、経済観念がない、こらえ症がないから(欲しい物をがまんできない)、そもそも私が欠陥品だから、と思うかもしれませんが、そうではありません。

物をためこむ一番の理由は、あなたが人間だからです。

ほかの動物は、今を生きています。

しかし人間は過去や未来のことを後悔・心配しながら生きる脳力があります。

人間は高度な脳を持ち、時間の観念があり、起きるかどうかわからないことに対して、みょうにリアルに心配し、もう使い終わったものに対して、「そのうち使うときが来るかもしれない」と期待し、ほかの人の仲間に入れてもらうために、物で自分を演出したりします。

すぐにドーパミンが出る行動にとても弱く、買い物も大好きです⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。

スマホをいじったり、ジャンクフードを食べるのも大半の人が大好きで、嫌いな人は、むしろ少数派です。

その証拠に、物をたくさんためこんでいる人はたくさんいます。

自宅がガラクタだらけなのは、あなたが人間として生まれてしまっからなのです。

この部屋にいっぱい物があるのは、特に私に問題があるのではなく、私が人間だからなのだ、と考えてください。

ジャッジしない

次に、物を捨てるときに、いちいち自分の行動や自分自身をジャッジしないでください。

私たちは必要以上に自分を責める傾向があります。

その理由⇒自分自身の親友になる技術(TED)

不用品を捨てるときは、いちいち自分を責めず、批判的にならず、淡々と捨ててください。

ジャッジしたり、恥じたりしても、何の助けにもなりません。

「なんてだめなやつなんだ、私は」と思ったからといって、目の前からガラクタは消えないし、過去の行動が変わることもないし、部屋がどんどん片付くわけでもありません。

いやな気分になり、自己肯定感がさがるだけです。

もちろん、過去の行動から学ぶことは必要です。

「あのとき、こんな物を買わなければよかったな。そうすれば、今ごろも片付けなんかにしんどい思いをすることはなかった」。こんな気づきがあれば、あくまでも、一つの気づきとして、心の中のメモ帳や、リアルのメモ帳に書いておくといいでしょう。

自分を責めることと、気付きをメモしておくのは全く違う行為です。

まあ私も、「なんでこんな物を買ってしまったのだろう。馬鹿だなあ」と思ったことは何度もあります。

今朝も、「こんな塗りにくい塗り絵本に、こんな使いにくいマーカーで毎日色を塗る行為は、まるで過去の行為の罪滅ぼしのようだ」と感じながら、フッと苦笑いしました。

しかし、だからといって、私は自分のことはそんなに責めません。

「ま、いいか、このこと、ブログに書こう」と思って、今、実際に書いています。

私はどちらかというと、転んでもただでは起きないタイプなのです。

考え方を変えれば誰でもそうなれます。

新しい生き方を学ぶと考える

自分を責めることが多く、断捨離に対して、負の感情を抱いているときは、ガラクタを「よくない自分の象徴」と考えるのをやめましょう。

そうではなく、「私に新しい生き方を教えてくれるありがたい物たち」、と考えてください。

あなたは人間ゆえに、これまで必要じゃない物をたくさん買いすぎて、使わず押入れにしまい込み、使い終わった物も捨てずに、やはり押入れにしまい込み、無料でもらった紙袋やタオル、タッパー、コスメのサンプルにも、ものすごく執着し、ろくに貯金しない人生を生きてきました。

そうするのが自分のためになると思っていたのです。

しかし、いつのまにかアパートは物だらけで、息苦しい部屋となり、貯金は全然増えず、宅配便のベルにおびえる日々(最近は置き配が多いと思いますが)。

物をたくさん買ってためこむのは、かえって自分のためにならないかもしれない、と思い、「筆子ジャーナル」を読んでいるうちにそれは確信に変わりました。

それならば、もっと自分のためになる生き方に方向転換すればいいのです。

あまり物を持たない生活は、これまで生きたことのない人生だから、いきなりうまくはできないと思います。

ちょっと失敗してしまうこともあるでしょう。

しかし、新しい生き方を学ぼうとしているからこそ、失敗するのです。

失敗するたびに、何かを学んでいます。

自分はだめな人間だと思うのはやめ、今、私はライフスタイルを正すために新しい生き方を学んでいる、と考えれば、「いやな自分に向き合うのが怖い」という恐怖や不安を感じなくてすみます。

それどころか、もっといい未来に対する予感があふれてきて、うれしい気分になるでしょう。

☆この続きはこちら⇒失敗するんじゃないか、という心配:物を手放すことに対する不安と恐怖(その3)

☆初回の記事はこちら⇒物を手放すことに対する不安や恐怖に向き合う(その1)~どこから始めたらいいの? という不安。

☆セルフエスティームに関する記事もどうぞ。

セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴

セルフエスティームを高めて自信を取り戻す10の方法

もっと自分を好きになろう。ラディカル・セルフ・ラブのすすめ(TED)。

*******

「いやな自分と向き合うことになる」という恐怖との付き合い方を紹介しました。

ものすごく嫌なことを無理にする必要はありませんが、何かをやりたいのに、「ああ、でもちょっとこれが嫌だなあ」と思うことがあるとしたら、たぶん、それこそ、あなたがやるべきことだと思います。

行動して前進してください。





母親と娘母親のことで長年悩み、ネガティブな感情に入り込んでいた私が楽になれた理由。前のページ

家に入ってくる物を観察したら、物が増えてしまう理由がわかった。次のページスーパーで買い物する女性

ピックアップ記事

  1. ムック・8割捨てて二度と散らからない部屋を手に入れる、発売しました。
  2. 筆子の新刊『買わない暮らし。』(6月16日発売)著者による内容紹介。現在予約受付…
  3. 筆子の新刊『書いて、捨てる! 』3月11日発売。著者による内容紹介。
  4. 新刊『本当に心地いい部屋』4月14日発売のお知らせ:現在予約受付中。
  5. いつか使うかもしれない、と思うものを本当に使う方法、あるいは見切りをつける方法。…

関連記事

  1. ブランドもののティーカップ

    断捨離テクニック

    断捨離初心者のための上手な不用品の処分の方法、モノの捨て方

    GW中に断捨離を始めた多いかもしれませんね。断捨離すると、ゴミがいっぱ…

  2. 新年

    断捨離テクニック

    正月休みが終わったらすぐやりたい。年末年始に増えた物を処分するコツ。

    早いもので1月も3分の1を過ぎました。今年も断捨離をがんばりたいあなた…

  3. 断捨離してます

    断捨離テクニック

    片付けができないと悶々とする人が、今度こそ片付け始める5つのコツ。

    部屋がぐしゃぐしゃで、まるでゴミ屋敷。汚部屋を片付けたいと思っているの…

  4. 散らかった部屋

    断捨離テクニック

    物置になってしまった離れの片付け方。ガラクタ部屋の断捨離はこうやる。

    ふだん使わない離れに季節用品などを収納していたら、物でいっぱいになり、…

  5. 迷う人。

    断捨離テクニック

    もう迷わない。いらない物をバシッと捨てられる決断力をつける方法。

    断捨離していると、捨てようかどうしようか迷うものが多いと思います。「捨…

  6. もういらないおもちゃ

    断捨離テクニック

    断捨離の5つの落とし穴。わざわざ疲れる片付け方をしていませんか?

    心が疲れる断捨離を5つのパターンに分けて、解決法とともに紹介します。…

新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」

ムック:8割り捨てて二度と散らからない

ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。

 

8割捨てればお金が貯まる・バナー

ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」

「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)

筆子のムック(第5刷)

筆子の本、『書いて、捨てる!』

更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,813人の購読者に加わりましょう

新しく書いた記事を読む

  1. タイニーハウス
  2. 黒いバッグを持つ人
  3. 庭いじりする人
  4. コーヒードリンク
  5. 電子書籍を読む女性
  6. 1つ
  7. ガラクタの中にいる女性
  8. 通帳を見ている女性。
  9. 片付けている人
  10. 引っ越し荷物の梱包

筆子の本・10刷決定です

オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック

 

1週間で8割捨てる技術
 
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事

  1. ベンチで読書
  2. 食器棚
  3. 悩む人
  4. 写真を撮る女の子
  5. そうじ
  6. 老夫婦
  7. ユーテンシル
  8. 散らかった流し
  9. 食器がたくさん
  10. お皿を買っている女性

過去記事、たくさんあります♪

PAGE TOP