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来年、定年退職しますが、今、ちょっとゆううつです。定年後の生活のイメージは孤独しかありませ。こんなお便りをいただきました。
このお便りに返信します。
まずメールを引用しますね。灯りさんからいただきました。
定年後は孤独になりそう
件名:60歳前の憂鬱
いつも拝見させていただいて、本も購入いたしました。
今年は家を整理をしよう、と目標をたて、まずキッチンのシンクだけから始め、その後ずいぶんスッキリさせたことは、本当に筆子さんのおかげだなあ、と感謝して暮らしています。
私は、来年いよいよ定年を迎えます。
もうフルタイムは難しいと実感し、再雇用は望まないことはすでに伝えています。さすがに40年近く働いてきて少しゆっくり何にもしばられたくないのです。
定年までまだ1年近くありますが、いざ、辞めるとなると急に不安になりました。
煩わしい人間関係に悩むこともない反面、気の合う同僚との会話もなくなるのかと、とりのこされるような寂しい気持ちがわいてきます。
今まで何度も辞めたいと願い、生活のためと泣く泣くどんな天候の日でも出勤していたというのに、いざ手放すとなると惜しくなってしまうのでしょうか?
持ち物も頭の中もスッキリさせてスムーズに退職できた話(2021/6/4)を拝見し、
ぜひそうしよう!と思ったのに、定年後の生活は、ダラダラ過ごし孤独になるイメージばかりで、前向きに取り組めません。
あれほど願った退職なのに、全然ときめかず引き継ぎの準備が面倒になっています。
灯りさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
ブログや本を愛読いただき、とてもうれしいです。
家の中がスッキリしてよかったですね。
このメールは1ヶ月ほど前にいただきましたが、その後、お元気でしょうか?
来年定年なんですね。
確かに、定年は、一生に1度だけ体験する大きなイベントなので、不安になるのもわかります。
実際、「定年前うつ」という言葉もあります。
以下のように考えて、行動を起こしてみると、もっと前向きになれると思います。
1.自分は恵まれていると考える:お金について
私に言わせれば、60歳で仕事をきっぱりやめることができる人は、恵まれています。
灯りさんの不安は、主に、「さびしくなるかもしれない」ということですよね?
金銭的な不安もあるかもしれませんが、それはトップではない。
退職すると食べていけない人は、定年だろうとなんだろうと、働き続けなければなりません。
私は、日本の年金はもちろん、カナダの年金もほとんど期待できないので、ずっと働くつもりです。
先日娘に、「体が機能しなくなるまでブログを書き続ける、ブログが書けなくなったら、他の仕事をする」とメッセージを送ったら、今すぐソーシャルワーカーに相談してアドバイスをもらうよう言われました。
まあ、年金がないのは、私が、若い頃、積んでこなかったせいですから、自業自得です。
それでも、60歳で今の仕事をいったんやめることができるなんて、恵まれていると思いませんか?
2.自分は恵まれていると考える:40年勤続できることについて
同じ職場で40年も働き続けることができる人は、恵まれています。
その職場がずっとあり続け(私が新卒で入った会社は、私がやめて数年後につぶれました)、これまで首を切られることもなく、早期退職を促されることもなく、重病になるなど自分からやめる事情もなかったのですから。
女性が、同じ仕事や職場で、定年退職まで働くことはそんなに多くないですよね?
妊娠・出産・子育てで仕事をやめざるを得なかったり、夫の転勤について行くことになったり、介護をしなければならなくなったりして、本人は望んでいないのに、キャリアが断たれることはよくあります。
定年まで続けやすいのは、教師や看護婦など、社会的なキャリアとして認められ、ふつうの仕事よりも年収がよく、産休など、勤続しやすい制度がある仕事ではないでしょうか?
もちろん、両方とも激務です。きっとすごく忙しいと思います。
教師の方から、仕事が忙しくて汚部屋だという相談メールも何通かいただきました。
灯りさんも、この40年間、雨の日も風の日も、会社に行って、すごくがんばってきたのでしょうね。
体調が悪いときも、お子さんが熱を出したときも、上司と折り合いが悪かったときも、わけのわからない部下が入ってきたときも、同僚に嫌味を言われたときも、得意先にドタキャンされたときも、ものすごく仕事が忙しいときも、残業続きの日も、震災で電車やバスが止まったときも、どんなときも、毎日出勤して仕事をしてきました。
仕事を終えて、帰宅したあとは、家事と子育てを精一杯しました。
確かに、灯りさんは、すごくがんばってきたのですが、そういうがんばりを許してくれた環境があったのも事実です。
産前・産後の休暇は、労働基準法で認められている制度ですが、どこの会社でもすんなり取れないと思います。取りにくい職場もあるんじゃないでしょうか?
妊娠した社員に対して、理解を示さない職場環境だってあるでしょう。夫や家族が理解を示さないこともあります。
こちらの記事の相談者さんは⇒モーニングページを書き始めるコツ~朝、そんなもの書いてる時間がないというあなたへ。 つわりが重く、切迫早産になって会社を急に3ヶ月休んだら、復帰後、嫌がらせを受けて、かなりメンタルをやられています。
幸い灯りさんには、そういうことがなく、無事に40年勤め上げられそうなのですから、とても恵まれています。
「でも、私はどんなにつらいときも、すごくがんばってきたのよ」と思うかもしれません。ですが、他の人もがんばっています。
がんばっているけれど、さまざまな事情のせいで、仕事をやめざるを得ない時があります。そして、いったんキャリアを絶ってしまうと、年金の支給額が、どーんと下がります。
人生は、運が左右する部分が大きいのです⇒人生において運が果たす役割とは?:バリー・シュワルツ(TED)
「私は運がよかった」とわかれば、「老後は、さびしくなるかも」なんて、自分のことをかわいそうがったりしませんよ。
3.あと1年、悔いのないように働く
定年前に、不安になっても、いざ退職すると、わりと楽しく過ごせるものです。
取り越し苦労をするのはやめて、今の生活の充実を心がけてください。
マインドフルネスの記事、読んでください⇒マインドフルネスで実現する。今この瞬間を生きて幸せになる4つの方法。
とりあえず、今しかできないことを思いっきりやってはどうでしょうか?
仕事でやり残しがないように、ずっとやりたいと思っていたけれど、できなかったプロジェクトをやってみるとか、40年の勤続生活の中で、最良の1年にするために、勤務態度を変えてみるとか。
しっかり引き継ぎするのもその1つだと思います。
べつに、今、定年後の生活に、わくわくときめく必要なんてありません。
今日の仕事をしっかりやってください。
わくわくしようが、不安になっていようが、定年の日は来ます。
その日が来たら、思いっきり、のんびりダラダラすればいいじゃないんですか?
ダラダラするのに飽きたら、また働いてもいいわけだし。
人生、まだ先は長いです。いつか、いやでも終わるので、生きている間は、悔いのないように過ごしたほうがいいと思います。
それでは、どうぞお元気で。
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取り越し苦労をやめる7つの方法。先のことを心配して物をためこむあなたへ。
60歳以降は可能性に満ちている「人生の第3幕」ジェーン・フォンダ(TED)
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私の友人(全員主婦)の中には、職場を定年退職した人や、気分的に定年退職した人がいます。
私より若いのに、何の仕事もしておらず、趣味に打ち込んでいる人、60歳で会社をやめて、ボランティアで犬の世話をしている人、ご主人が高給取りで、老後の生活の心配が全くない人など。
そのうちの1人がこう私に言いました。
「筆子さんはいいわね。書く才能があって。趣味がお金になって。私は、お金を稼ぐ才能はないみたいで、夫に、お前はもう何もやるな、と言われているのよ」
確かに、私はブログを書くことが好きだし、それで収入を得ていますが、家にうなるほどお金があり、老後の生活に金銭的不安がなかったら、ブログは書いていないかもしれません。
宝くじで20億円ぐらい当たったら。
ブログを書いている可能性もありますけど。
まあ、宝くじは買わないので、絶対当たりません。
それではあなたも、感想、質問、近況などありましたらお気軽にお寄せください。
お待ちしています。