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実家の母が物を捨てないのでゴミマンション化しつつある。どうしたらいいでしょうか、という質問に答えます。
実はこれまでも、家族が散らかすとか、実家の親が片付けない、という質問には何度も答えています。記事の後半に過去記事へのリンクを貼っておきますから、まずそちらを読んでください。
尚、他人の行動はどうしようもできません。自分が考え方を変えるしかないのです。
「他人を変えようとするな、自分が変われ」です。
まずいただいた質問をシェアします。お茶菓子さんのメールです。
実家がゴミマンションになりつつあります
件名: 本、面白かったです!
ブログや本を読んで、毎日不用品をチマチマ捨てるのがストレス発散になっています。
以前は幼稚園グッズについて相談に乗っていただきありがとうございました。
おかげで毎日子供達との時間を楽しく過ごせています。今まで自覚がなかった完璧主義も捨て、セルフエスティームも培う努力をしています。
が、今回の相談は実家のことです。
筆子さんのブログにあるように、掃除してと伝えるより自分のモノをドンドン捨てることで、断捨離って気持ちいいよと伝えてるつもりなんですが、母にはプレッシャーのようでした。
母は断捨離しなきゃと毎日言っては実行できない人間です。
大型スーパーが近くにあるので安売りといえば驚くほど買い込み、自宅のマンションの収納を超えてモノで溢れかえり足の踏み場も無いくらいです。
もう夫婦2人なのだから買い込む必要は無いと、私と弟がうるさく言っても、あれば使うと聞く耳もたずです。
筆子さんの本もプレゼントしました。
1日1個捨ててみるねと言ってくれたのですが、、、もともとストレスを買い物で発散するタイプでとても頑固なコンプレックスを持ちやすい人間で、まだ、買っては捨てられないを繰り返しています。
それに加えて父が退職し、もともと貧乏性な父がわずかな退職金のせいでネットショップで無駄なものを買っては捨てられないという、実家がまさにゴミ屋敷ならぬゴミマンションになろうとしています。
母本人は自覚があるので断捨離に触れると拒否反応をするようになってしまいました。
ちなみに祖母、母の実母も買っては捨てられない片付けられない溜め込み汚家に住んでいます。
片付けようとすると、私が死んでから処分しろとヒステリーを起こします。
こんな家族を救いたいのですが、やはり他人を変えることはできないのでそっとしておかなければいけないでしょうか、、、ヒントをいただけたら有り難いです。長文なうえに下手くそな文章でいつも申し訳ありません。
お茶菓子さん、メールありがとうございます。
本も購入していただき、重ねてお礼申し上げます。
はい。そっとしておいてあげてください。
「家族を救いたい」なんて不遜な考えです。
そんなことより、お茶菓子さん自身の暮らしを充実させることに注力したほうがいいです。
「断捨離って気持ちいいよ」と伝えているそうですが、押し付けがましいのかもしれません。
何も言わず、お母さんから「最近、なんだか楽しそうね。何かいいことあったの?」と聞かれたら、そのとき初めて、「実は、今、片付けをがんばってるの」と断捨離の話を持ち出してください。それも軽く、サラッと言います。
今後は向こうから言われるまで、片付けの話はしないほうがいいと思います。
今のままでは、お母さんは不幸になるばかりです。
お母さんはストレスがあると買い物をしてしまうのですよね?
今は、お茶菓子さんに、「捨てろ、片付けろ」と言われるのがストレスになっていて、買い物してしまっているのかもしれません。
「完璧主義は捨てた」とありますが、捨てていないように思われます。
実家やお祖母さんの家の悪いところ、足りないところばかりに目がいき、それを何とか自分の思い通りにしたい、と力が入っているのではないでしょうか?
断捨離をしている人にありがちなことです。人の部屋や家まできれいにしたくなってしまうのです。
お母さんが頑固なコンプレックスを持っているとか、お父さんが貧乏性で、退職金が少ないからネットショップで無駄なものを買う、といった見解は、お茶菓子さんだけのものであり、現実はそうでもないのかもしれません。
他人には他人の考え方や暮らし方があります。
お母さん、お父さん、お祖母さんは、それぞれお茶菓子さんとはまったく違う価値観を持っているので、それを尊重するべきです。
まず、実家の片付けの悩みに関する過去記事を紹介しますので、時間のあるときに読んでください。
「実家の親が片付けない問題」に関する記事
1ヶ月で家をきれいにする方法、親の家の片付けの注意点など質問3つに回答。
実家の断捨離やリフォームに態度をはっきりさせない兄にもやもやする。
家族に片付けを促す一番いい方法は、自分ができることにフォーカスすること。
同居の義理母が物をため込み汚屋敷状態、という悩みに答えます。
片付けない大学生と物を捨てない60代の父。家族のガラクタの悩みに答えます。
実家の片付け、どこから手をつける?親の家を断捨離する10のコツ
物をためこむ母親にスッキリ断捨離してもらう方法。実録・親の家を片付ける番外編
さらに以下の点について考えてください。
1.口出しすることで得たいと思っているものは何?
なぜ、お茶菓子さんは、お母さんに片付けを迫っているのでしょうか?
もしかしたら以前に、お母さんから「手伝って」と言われたのかもしれません。でも今は拒否反応を見せているのですよね?
実家の片付けをする究極のゴールが、「お母さんとお父さんが幸せに暮らすこと」だとしたら、今、やいのやいの言うのは、逆効果です。
快適な老後を過ごすことも大事ですが、いちばん大事なのは今の生活です。現在、毎日のように、娘にせっつかれて不愉快だとしたら、それはお茶菓子さんのめざすところではないでしょう。
それがわかっているのに、口出ししないではいられないとしたら、お茶菓子さんはご両親のため、というより、自分がそうしたいからそうしていることになります。
2.あれこれ口出しせずにはいられない理由は何?
お茶菓子さんは、もしかしたら、お母さんの暮らしを自分の思い通りにしようとしているのかもしれません。
お母さんのため、と言いながら、自分のニーズを満たそうとしているのではないですか?
人を必要以上にコントロールしようとする人(コントロール・フリーク)は、そうせざるを得ない理由があります。
たとえば、
●自分自身の人生で、自分がコントロールできないことがあるため、その欠落を埋めるために、他人のやることをコントロールしようとする。
仕事がうまくいかなくて(自分の思い通りにできずコントロールを失って)イライラした親が、家で子供に「勉強しろ」「部屋を掃除しろ」とあれこれ指図するのは、てっとりばやく、コントロールできるものに向かっているのではないでしょうか?
人は自分の中の欠落を埋めるために、外に働きかけます。
自分が果たせなかった夢を子供に託し、無理やり勉強させるのも、自分の欠落を埋めるためです。
●先の不安を回避するためにコントロールしようとしている。
将来起こることが心配で、人の行動をコントロールしようとすることもあります。
やたらと恋人の行動を監視する女性がいます。
以前、恋人が今どこで何をしているのか気になって仕方がない、というメールをもらったことがあります⇒不安や疑いを手放し、再び相手を信頼するためにできること。
恋人の行動を監視する人は、将来、彼に別の恋人ができて、自分は捨てられるかもしれない、という怖れを抱いています。
そんな状態になって傷つきたくないので、先回りして、いつもいつも相手の行動をチェックするのです。
これは、自分ではコントロールできない、将来起こることや他人の行動を思い通りにしようとする行為です。
恐怖心からそういう行動に出てしまうのです。
お茶菓子さんは、お母さんが今片付けないと、将来自分が全部片付けなければならないことを心配しているのかもしれません。
実際、「実家の片付けがとてつもなく大変だった、すごくお金がかかった」というメールはよくもらいます。
けれども、そんなことは先になってみないとわからないのです。
お母さんに、私の本をプレゼントしたそうですから、ほっておけば、お母さんは自発的に片付けを始めるかもしれません。
実際、年をとってくると、「もうこんなに物を持っていてもしょうがない」という心境になります。
友人知人の葬式に出る機会も増え、「あの世には何も持っていけないんだ」「もう人生の残り時間もあとわずかだ」ということが、身をもってわかるからです。
3.セルフエスティームをあげる
自分に自信のない人、今の暮らしに不満がある人は他人をコントロールしようとします。
他人のせいで自分は不幸なんだ、という発想をするからです。
たとえば、
- 家の中がいつまでも片付かないのは、物をためこむ夫のせいだ、だから私は不幸だ、私が幸せになるためには、夫に変わってもらうしかない。
- うちが貧乏すぎて私は不幸だ。私が幸せになるためには、もっと夫に働いてもらわなければならない。
自分の人生でうまくいっていないことは、全部自分以外のもののせいだ、と考えている人は、周囲の人を思い通りに動かそうとします。
周囲が変わらなければ、自分が幸せになれないからです。
権力を握って世界を思い通りに動かそう、と強く願っている人は、意外と弱い心の持ち主です。周囲を思い通りにできないと、安心感を得られないのです。
その他、人を思い通りにしてしまう心理についてはこちらに詳しく書いています⇒人をコントロールしようとする心を捨てる7つの方法。おせっかいはストレスの元。
この記事も読んでください⇒母親がネガティブすぎてストレスいっぱいです、という質問の回答。
4.お母さんの立場になって考える
最後にお伝えしたいのは、お母さんの身になって考えることです。
もしお茶菓子さんが、将来、お子さんに、「お母さん、片付けられなくてしょうがない人だね。買い物ばかりしているね。頑固だね。コンプレックスの固まりだね。すぐに片付けなさい」と言われたらどう思いますか?
きっとうれしい気持ちにはなれないでしょう。
たとえ自分で、「少し捨てないとだめよね。私ってだらしないよね。片付けられないよね」と自覚していたとしても、他人にそんなことを言われると不愉快です。
図星をつかれるだけに、心が傷ついてしまいます。
片付けの話をするときは、できるだけ相手の身になって聞くことを心がけてください。
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今回は、「片付けない親」への対応の1つとして、ほっておく、思い通りにしようとしない、ということを提案しました。
いつも同じ結論を書いて恐縮ですが、まずは自分の人生の面倒をみるようにしてください。