物が多すぎる台所

ミニマルな日常

最終更新日: 2025.01.27

静けさを取り戻す~ものに支配されない暮らしへ

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家に不用品がいっぱいあるせいで、何が起きているか考えたことがありますか?

ただ単に部屋が狭くなるだけではありません。



不用品がいっぱいあると

日常のなかで、気づけば増えているものたち。

最初は小さな存在で、気づくこともなかったのに、いつの間にか部屋の片隅で山になり、視界を覆い、心の奥にまで入り込んできます。

もはやそれはただの「もの」ではありません。

それは、決められなかった想い、手放せなかった過去、そして、漠然とした未来への不安の影。

今日は、いつもと趣向を変えて、ノウハウではなく、散文調で『ものが多すぎることで生まれる問題』を描きます。

あなたの家が、そして心が、どのようにして不用品の重みに沈んでいくのか、一緒に考えてみましょう。

題して、

「静けさはどこへ消えてしまったのか?」

1.ものに埋もれる日々——行き場のない心

朝、目を覚ますと、昨日買ったものが、そのままそこにある

脱ぎ捨てた服の隣に

片付けるつもりだった紙袋、開かれぬままの本、押し入れの奥で息を潜める「いつか使うかもしれないもの」、もらったままになっているクリスマスプレゼント

冬のバーゲンで買ったコート、実は色が気に入らない

いつか読むつもりだった書類の束

おまけでもらったけど使わないマグ

全然使っていないものばかり

なぜこんなものを私は持っているのか?

それもひとつじゃない。同じものを3つも4つも

私はものの中で迷子になっている

ものはたくさんあるけれど、心はものの間に閉じ込められている

行き場を失った思考、重く沈む心。本当に、ここは私の家だろうか?





2. 決められない——宙ぶらりんの時間

アルバムを作ろうと思っていた写真、いつか整理すると決めたレシートの束

引き出しを開けると何年も前のイベントのチケットがたくさん出てくる

もういらないけど、捨てることはできない

大事な思い出の品だから

「とりあえず取っておこう」そうして、また元の場所に戻す。

思い出品に手をつけるたびに昔のことを考え、気づけば手が止まっている

捨てる? 捨てない?

きょうも私は決められない。

同じところをぐるぐる回るだけ。

不用品が多いということは、決められないということなんだ

過去の約束にしばられ、いまと未来の時間を奪われていく

3.失われる可能性——夢を押しつぶすものたち

机の上に積まれた書類の山、テーブルの上に散らばる化粧品

やりたいことがあったはずなのに、結局週末はいつもの表面的な片付けと掃除

ヨガをしたいと思うけど、床にマットを敷くスペースがない

絵を描こうと画材を買ったけど、散らかった机の上には置き場所がない

新しいことを始める余裕はなく、体も思考も、いつもの日常に埋もれていく

「このままでいいの?」

ときどきそう自問するけれど、まずは、テーブルの上にあるものを端っこに寄せないと

そうしないと食器を置けないから

4.不用品に消えたお金——心を満たすはずだったものたち

買ったときは心を満たしてくれると思った洋服

なぜか袋に入れたまま、タグをつけたまま

思い切って買ったブランドもののバッグ

でも、持っていくところがない

ネットで買った細々とした便利グッズ

数回使っただけで、引き出しの中で眠っている

買ったときはあんなにテンションがあがったのに、今は私の心を重くする雑貨たち

どうしてこんなに買ってしまったのか?

そのお金で旅に出ることもできた。家族と美味しい食事を楽しむこともできた

私のお金はどこに行ったの?

手元に残っているのは、誰も使わないものばかり

5.圧迫された空間——息苦しさに変わる家

お気に入りの椅子に座りたいのに、そこには置きっぱなしの洗濯物

何軒も店を回って見つけた大好きなダイニングテーブル。今は、書類や雑貨置き場だ

クローゼットはいっぱいなのに、着る服がない

気づけば、家は「安らぎの場」ではなく、「ものを置くための倉庫」になっていた。

目に入るのはどうにかして片付けなければならないものたち

私の息苦しさの正体は、ものの多さなのかもしれない。

6.失われた時間——「あとで」が積み重なる日々

「掃除が終わったら、宿題を見てあげる」

「時間ができたら、話を聞くから」

「この件が片付いたら、一緒にお茶しようね」

気づけば、「あとで」と言い続けた日々が積み重なり、子どもは成長し、親は年をとり、大切な人は遠くへ行ってしまった

本当に大事だったのは、ものを買ったり整理することではなく、人と過ごす時間だったのに

今の私に残るわずかな時間は片付けに費やされる

7.掃除ばかり——手間と疲労の蓄積

部屋が散らかるたびに、掃除をするのが億劫になる

テーブルの上に出しっぱなしの食器

床に散らばる衣類、テーブルの上に積まれた書類、押入れの中にいくつもある収納ケース

ほこりがたまる一方の飾り物

掃除機をかけるにもまず片付けから始めなければならない

ものが増えるほど、掃除の手間が増えていく

気づけば、片付けと掃除だけで週末が終わってしまう

—– どうですか? 不用品をたくさん抱え込む生活をしていると、それはあたりまえのことだと思うものです。

しかし、不用品があるせいで、かなり生活の質が落ちています。逆に、不用品を手放せば、以下のような状態になるでしょう。

不用品を減らすと取り戻せるもの

ものが少なくなると、家は広くなる

けれど、それ以上に広がるのは、心の余白、時間の余裕、そして大切な人と過ごす温かなひととき

使わないものが占めていたスペースに、ようやく陽の光が届く

散らかった部屋に響いていたため息が、心地よい静けさへと変わる

ものに支配されていた生活が、ゆったりとしたリズムを取り戻す

「いつか使うもの」ではなく、「今、大切なもの」を選ぶ

そうすれば、家は「倉庫」ではなく、「生きる場所」になる

私の家は、私の人生の舞台。

そこに広がる空間を、ものではなく、愛と喜びで満たしたい

不用品を捨てればいいだけ

不用品が多すぎる問題を紹介しました。

現在、ストレスが多い、家の居心地が悪い、仕事に集中できない、生きづらい、イライラする、ため息がつくことが多い、どうしていいかわからない、モヤモヤする・・・そんな生活をしているなら、まず自分の環境を見直してください。

持っている必要のないものが家にたくさんあるせいで、息苦しくなっているのかもしれません。

すでに所有するものには執着が生まれるので、捨てるのは難しいと思います。

でも、今、「使っていないもの」を捨てたところで、大きな問題は生じません。

だって、必要ないのですから。

必要ないから、使っていないんです。

不用品をそのまま持っているのは、「必要だから」ではありません。

-捨てるのがめんどくさい
-捨てる時間がないと思っている
-大事なものだと思い込んでいる
-捨てるのは大きな損失だと思っている

こんな理由から捨てていないだけです。

ためしに、ひとつふたつ捨てて、様子を見てください。

たとえば食器棚に置きっぱなしのマグカップをひとつだけ処分するのはどうでしょう?

なくても困らないことに気づきます。

失われた時間や心の余裕を取り戻せるかもしれない。そんな予感がするでしょう。

*****

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