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片づけているつもりだけど、なかなかきれいにならない。
そんなとき、断捨離(片づけ)と掃除を混同している可能性があります。
部屋をきれいにしたいと思ったとき、多くの人はまず「掃除をしよう」と考えます。
ゴミを捨て、ホコリを取り、テーブルの上を拭く。こうした行動をするのはいいことだし、実際、掃除をすれば一時的に部屋はすっきりします。
でも、掃除をしているだけでは、シンプルライフにはなりません。
そのときはきれいになっても、時間がたてばまた散らかります。
シンプルライフをめざすなら、掃除をする前に、断捨離をする必要があります。
この2つは、同じものだと思われがちですが、明確に違います。
どこが違うのか、混同しているとどんな問題があるのか説明しますね。
掃除と断捨離が同じだと思ってしまう理由
掃除と断捨離を同じものと考えてしまう理由はいくつかあります。
一番大きな理由は、子どもの頃から教えられてきた「家をきれいにする方法」が、ほぼ掃除一択だったからです。
学校や家庭で教わるのは、整理整頓の仕方、ほうきの使い方、雑巾がけなどでしょう。
日本の学校は生徒が掃除をするので、掃除が得意な人は多いかもしれません。
でも、「ものを減らす」「不用品は手放す」「それを持ち続けるかどうか判断する」といった片づけの考え方を、教わる機会はありません。
多くの人が、「一度手に入れたものはずっと持っているべきだ」と無意識に思っています。
そのため、家を整える=掃除と考えてしまうのです。
言葉の問題もあります。「部屋をきれいにする」「片づける」「掃除する」は、日常会話では同義語のように使われています。
だから、本当は別の作業なのに、すべて同じことだと思うのです。
家を整えたいと思ったとき、とりあえず掃除をするのはごく自然なことです。
でも、掃除と断捨離は役割が違うので、切り分けて考えなければなりません。
掃除と断捨離を混同すると、なぜうまくいかないのか
掃除と断捨離は性質の違う作業なので、同時にやろうとすると負担が増します。
掃除は、基本的に手を動かす作業です。
床を拭く、ホコリを取る、汚れを落とす。やることが明確で、順番もほぼ決まっています。一方、断捨離は判断する作業です。残すか、手放すか、今後も使うかどうかを考えなければなりません。
この2つを同時にやろうとすると、あれこれ判断しながら掃除をすることになるので、どちらも中途半端になります。
掃除を始めたはずなのに、途中で「これは必要か」「どこを定位置にするか」など考え込んで、手が止まってしまいます。
決めることに疲れてしまい、掃除もしっかりできないかもしれません。
こんなことを何度もしていると、「掃除は大変」「家事は苦痛だ」と思ってしまいます。
掃除だけで終わっていると、不用品はそのまま家に残っているので、状況はほとんど変わっていません。
でも、掃除をすれば、見た目は確実にきれいになるので達成感があります。そのため、「終わった。これで大丈夫」と安心して、本当は必要な「捨てる作業」をしません。
掃除の目的は今の状態を整えること
では、掃除の目的や掃除で達成できることは何でしょうか?
それは、今すでにある汚れを取り、散らかった状態を直して、目の前の状態を整えることです。
床に掃除機をかける、ほこりだらけの棚の上を拭く、コンロの油汚れを落とす。
掃除は生活の質を保つために必要な作業です。
ただし、掃除が扱うのは、乱れた状態や汚れであって、ものの量ではありません。
掃除中は、基本的にものを減らすことはしません。床にあるものをどけて掃除機をかけ、終わったら元に戻す。棚の中も、並べ直すことはあっても、中身そのものは変わらないままです。
掃除をすれば暮らしが楽になると思っていると、思ったほど変わらない現実にがっかりします。
掃除は、汚れたものや散らかったものを元通りにきれいにすること。この役割に限られます。
断捨離の目的は、管理と選択の負担を減らすこと
断捨離の目的は、部屋をきれいに見せることではありません。もちろん、部屋はきれいになります。でも断捨離の本質は、日々の生活についてまわる選択や管理の負担を減らすことにあります。
ものが多いと、暮らしのいろいろな場面でさまざまな判断をしなければなりません。
たとえば服を考えてください。
クローゼットに服がぎっしり入っていると、今日はどれを着ようか迷います。
調理器具や食材が多すぎると、どの鍋を使う?、あれどこにあったっけ? これ、賞味期限は切れてないかな、などなど決めることや確認事項が増えます。
机の上に書類が山積みになっていると、探し物をする時間が増えます。
家にあるストックがありすぎると内容を把握できず、使いきれなかったり、よけいに買ったりします。
つまり、ものが多すぎると、考えることもすることも増えるのです。
断捨離をしてものを減らしてしまえば、探しものも迷うことも減り、家事の段取りもスムーズになります。
断捨離をすると見た目がすっきりしますが、それより重要なのは、目に見えない負担が減ることです。
不用品を探して捨てるとき、時間や労力が必要ですが、いったん片づけてしまえば、その後は、もうあんまり考えなくていい状態や、ストレスの少ない暮らしが待っています。
先に断捨離、そのあと掃除をする
ここまで説明したように、掃除と断捨離は本質的に違うことなので、しっかり区別して考えた方がいいです。
捨てようかどうしようか判断しながら掃除をするのは避けたほうがいいでしょう。
掃除をしているときは、どれを残すか、どこにしまうかといったことは考えません。床にものが落ちていたら拾い、汚れがあれば落とす。掃除の時間は、手を動かす作業に徹します。
一方、断捨離をするときは、きれいにしようとしないこと。
ホコリを取ったり、並べ直したりする必要はありません。考えるべきなのは、それがこれからの生活に必要かどうか、それだけです。必要でないなら処分します。
ものを減らしたほうが掃除がラクになるので、先に、断捨離をすることをおすすめします。
棚や床にものがあふれていると、掃除機をかける前にどかさなければなりません。
先に断捨離をして、不要なものを減らしておけば、掃除という作業に集中できます。時間もそんなにかからないし、頭も疲れません。
特に年末の大掃除のように大々的に掃除をするときは、先にできるだけ不用品を捨てることは不可欠です。
そうしないと、必要なものもそうでないものも一緒くたにして、棚や押し入れにしまいこむことになります。
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おわりに:50代以降は、掃除より断捨離に力を注ぎたい
掃除と断捨離を区別して考えることをお伝えしました。
掃除は今ある状態をきれいにすること、断捨離は、今とこれからの暮らしをラクにするための準備です。どちらも大切ですが、暮らしをシンプルにしたいなら、力を入れるべきなのは断捨離です。
掃除だけやっていても、時間が経てばまた同じように散らかります。
一方、ものを減らしておけば、掃除や整理整頓にかかる負担は確実に軽くなります。掃除は、ふだんの状態を保つためのメンテナンスとして少しやればいいのです。
特に50代を過ぎたら、断捨離を意識的に進めてください。
年を重ねると、体力や集中力は若いときのようにはいきません。日々の掃除に時間や労力をかけ続けるよりも、手間のかからない環境をつくってしまうほうが、自分がラクです。
若いうちは、多少ものが多くても、こまめに整理整頓することができるかもしれません。ですが、家事の手間を省きたいと感じるなら、ものを減らしておくほうが、暮らしは回りやすくなります。
頑張って掃除をする暮らしから、手をかけなくても回る暮らしへ。
こう切り替えるために、断捨離に力を注ぐことをおすすめします。
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60代、年末年始に「手放してよかったこと」3つ。あえて大掃除はやらず、特別な料理もつくらない | ESSEonline(エッセ オンライン)
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