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成人したお子さんの物の片付けで悩んでいる方からメールをいただきました。
この記事で回答します。
息子さんは病気で入院中で、いつ回復するのかわからないそうです。
まずメールをシェアします。meguさんからいただきました。
息子の部屋を片付け始めましたが
件名:迷っています。
最近、筆子さんのブログを拝見するようになりました。
とても参考になることが多く、日々、楽しみに拝見しております。
3年ほど前にも断捨離して、だいぶ捨てたはずが、田舎の大きいだけが取り柄の古い我が家は、主をなくした部屋ばかりになりました。
その家の中を気持ちよく暮らせる空間にしようと思っているところです。
長男のところに面会に行かない日は断捨離に励んでいます。
今日は、長期入院中の長男の部屋と巣立った次男の部屋に取りかかったところです。
次男の部屋はモノが多いだけなので何とかなりそうなのですが、いつ戻って来られるか分からない遷延性意識障害(植物状態です)の長男が大事にしていた趣味のグッズをどうしようか・・・と考えています。
開眼するものの意思の疎通は出来ない長男が(もう3年になります)果たしてこの先、元に戻って我が家に帰ってくることがあるのかどうか。
戻ってきたとして、果たして以前の記憶があるのかどうか・・・。
長男がもしかして元気になって、自分のグッズがまだあったら喜ぶだろうか?
・・とか、すべて想像の中のことなんですが。
衣類や寝具は古くなってしまったので処分したのですが、長男のグッズは今は使えない必要ないものなのですが、いつかを考えてしまうのです。
処分してしまったら、もう手に入らないものも多いのです。
長男にとって大事だっただろう その品は、目にするたびに元気だった頃を思い出す 私にとっては、ちょっと辛い品物なんです。
今日は、その品を出しては仕舞い、また取り出して、結局また押し入れの奥に片付けました。
亡くなった家族の持ち物は、何とか処分できるのですが、こういうのは特殊な例でしょうか。
きちんと命があって、いつか意識が戻るかもしれないと希望を持って生活している私なのですが、どうも迷ってしまうのです。
私の気持ちを優先していいのか、長男の気持ちを考えるべきか(それも想像でしかないんですけどね。彼の本心は分かりませんから)
決断するのは私なんですよね。
どんな風に自分の気持ちと向き合えばいいのか、結論の出ない私なんです。
どんな感情もそのまま受けとめる
meguさん、はじめまして。メールありがとうございます。
ブログを楽しみにしていただいてうれしいです。
お便りにはmeguさんご自身のブログのURLを書いていただいていたので拝見しました。
meguさんは数年前から、片付けや断捨離をして、いいことがあったりしていたのに、突然、息子さんが病気で倒れてしまい、平穏だった日常が大きく変わりました。
息子さんは遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)で、寝たきりになって3年がたとうとしています。
とてもおつらいですね。
「どんなふうに自分の気持ちと向き合えばいいのか」ですが、自分の感情をそのまま受けとってはどうでしょうか?
「ああ、私、こんなこと考えているんだなあ」というふうに。
自分の考えをジャッジしたり、「そんなふうに考えちゃだめ、もっと前向きにならなくちゃ」といったことは考えず、ただ、自分が思うままのことをそのまま受けとめるのがベストだと思います。
そうすると、本当はどうしたいのか、わかるんじゃないでしょうか?
こちらの記事を参考にしてください⇒自分の気持ちをそのまま受け入れる勇気のパワーとその素晴らしさ(TED)
つぎに、息子さんの物の断捨離について、思うことを書きます。
いまはまだ手をつけない
ご長男の物は、何もいま、断捨離しなくていいと思います。
見れば、いろいろ考えてしまいますから。
しばらく封印してはどうでしょうか? そのまま押入れに入れておくのです。
meguさんは、息子さんが帰ってくることを願っているし、希望を捨ててもいません。
それならば、そのまま残しておけばいいんじゃないですか?
今すぐ家をリフォームするから、息子さんの部屋を片付けなければならないという事情があるわけではないですよね?
ご長男の物があるせいで、生活の質が落ちてしまうわけでもないでしょう。
ご長男の部屋はそのままにしておき、ほかの物の片付けをしてください。
下のお子さんには連絡が取れるから、彼の物を片付けるのはいいと思います。ですが、一番最初にやるべきなのは、自分の物の片付けです。
自分の物をコツコツ片付けることに専心することをおすすめします。
自分の物を捨てているうちに、心の中が整ってくるから、息子さんの物に対しても、また違う見方ができるようになります。
そのときは、そんなに迷わず、決断ができると思います。それがどんな決断であっても。
少しだけ残す
息子さんの物をいつまでも持っていると、逆に気になってしまう、苦しいから、どうしても片付けたい、と思うなら、ふつうの思い出品と同じように捨ててください。
本当に大事な物を少しだけ残し、ほかの物は手放します。
たとえば、CDが100枚あったら、そのうち5枚だけ残して、残りはリサイクルセンターに持っていくとか。
人の物だから、どれが大事なのかわかりませんが、「ああ、これは、息子が特に好きだったものだ」と気づくものがあるなら、そういうのを残します。
皆目検討がつかないなら、自分の独断で、ジャケットの絵が素敵なのを選びます。
もし息子さんが回復して、家に戻ったとき、自分のCDがなくなっていたって、怒ったりしませんよ。
彼は3年も寝たきりだったのです。
命拾いしたのですから、前とは、まったく心境が変わっているはずです。グッズなんてもうどうでもいいんじゃないですか?
思い出品の断捨離の仕方⇒今度こそ捨てられる。思い出の品を断捨離する5つのステップ。
自分の気持ちを優先する
断捨離は自分のためにすることだから、優先すべきはいまの自分の気持ちです。
人の考えていることなんて、自分にはわかりません。
それは、meguさんも、メールに書かれていますね。
息子さんは、話すことができないから、何を考えているかわからないわけですが、話ができる相手のことだって、しっかり問いただしてみない限りわかりません。
話し合いをしても、わかりあえない相手もたくさんいます。
みんな、人のことがわからないなりに、きっとこうなんだろう、と思いながら、手探りでなんとか毎日暮らしています。
それと、先のこともわかりません。
息子さんは回復するかもしれないし、回復しないかもしれない。
それはその時になってみなければわからない。
だから、いまの自分の気持ちが、多少なりとも穏やかでいられる選択をするしかありません。
断捨離を急ぎすぎないこと
気持ちがまいっているときは、のんびり断捨離してください。
meguさん、今年になってから、同居の義理のお父さんも亡くなっておられますよね?
きっと、お義父さんの遺品の整理もしているかと思いますが、あまり無理して、バリバリ断捨離しないほうがいいです。
断捨離を始めて、たとえば、1日〇〇個捨てようとか、1000個捨てチャレンジをしようと決め、みょうにがんばってしまう人がいます。
捨てると決めたのだから、すぐに捨てなきゃだめなんだ、と自分で自分をしばってしまうのです。
その結果、本当の気持ちを置き去りにして、捨てることばかりにフォーカスし、物は減っているのに、気持ちはスッキリしません。
たとえば、こんなケース⇒断捨離しているのにイライラします~断捨離に好転反応はあるか?
しかし、先ほども書いたように、よりよい暮らしをするために、物を捨てるわけですから、あまりハードルをあげすぎないほうがいいです。
特に、思い出の品は人によってはとても捨てにくいので、先を急ぎすぎず、自分の気持ちを確かめながら片付けてください。
それでは、meguさんの息子さんの体調が少しでもよくなることを祈っています。
笑顔になれるできごとが、たくさん舞い込みますように。
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子供がいつ帰ってくるかわからないから、捨てられないというケース、ほかにもあるかもしれませんね。
何かあったら帰ることができる場所があり、そこに自分のことを大事に思ってくれる親がいるのなら、物なんかなくても子供は充分幸せではないか、と思います。
物は物にすぎないですから。
目に見えないもののほうが大事です。