汚部屋で瞑想する女性

ミニマルな日常

物を減らすことがもたらす効果。ストレスが減って、リラックスも集中もできます。

いらない物を捨てて得られる効果はいろいろありますが、一番大きなメリットはストレスが減ることです。

この点について、詳しく説明しますね。

不用品を捨て去ると、ストレスが減って、こんなことが起きます。



1.集中できる

物が減ると、ぐしゃぐしゃした場所、ごちゃごちゃした物を見なくてすむので、視覚的ストレスが減って、仕事や家事、趣味、その他、今やりたいことに集中できます。

自宅で仕事するより、カフェやホテルで仕事するほうがはかどる、という人はたくさんいると思います。

カフェやホテルは余分な物がないし、きれいに掃除してあるし、まわりは全員他人で、話しかけられないから、多少ざわざわしていても、集中できます。

グラスがカチャカチャしたり、レジがチーンとなったり、人の声でざわざわする雑踏の音は、ホワイトノイズだと思います。

ホワイトノイズは、あらゆる周波数成分を同等に含む雑音です。詳しくはこちらで説明⇒疲れの取れる昼寝の方法。睡眠不足ぎみの人は試す価値あり

雑踏の音は、自分にとって意味のない音だから、聞こえていても、脳は情報を処理しようとせず、今やっていることに集中できるのではないでしょうか?

これが、自分の家だと、またたんでない洗濯ものや、グシャグシャになったままの本棚が目に入るし、家族に話しかけられたりします。

これらは自分にとって意味がある刺激なので、無意識のうちにいろいろなことを考えてしまい、気が散ります。





物がないほうが気が散らない実例

「部屋に物がいっぱいあるから、気が散るんですよ」と聞いてもピンと来ない人もいるでしょう。

物がたくさんあるのが、ふつうの状態になっているからです。

スッキリしていると集中できる実例を写真でお見せします。

最近、私は毎朝、キッチンのダイニングテーブルで、フランス語の問題集を解いています(積ん読解消チャレンジ、及び死蔵品を使い切るプロジェクト)。

テーブルは窓に向かって置いてあり、椅子に座ると左手に、洗濯機と乾燥機、暖房設備のあるユーティリティエリアがあります。

きのうも書きましたが、ユーティリティエリアは夫の物置き場です。つまりごちゃごちゃしています。

幸い、ユーティリティエリアには、プラスチックのジャバラカーテン(アコーディオンカーテン)がついているので、私は、勉強を始める前に、このカーテンをしめます。

ジャバラカーテン

すると、ごちゃごちゃが目に入らないし、目の前は、白い壁だし、テーブルの上にはフルーツしか置いてないので集中して勉強できます。

カーテンをあけるとこんな状態です。

カーテンを開けたところ

乾燥機の上は、夫の調理ツール置き場で、トースター、コーヒーメーカー、ポップコーンメーカーが置いてり、ごちゃごちゃしています。

2つの写真を見比べるだけで、どちらが集中できるかは一目瞭然でしょう。

きのうの記事でも書きましたが⇒その紙袋、今すぐ捨てましょう~つい取っておくものだけど、捨てたほうがいいもの(その1)

私は、夫がポップコーンメーカーの中にポリエチレンの袋を押し込んでいることを知っているから、はっきり意識しなくても、「ここに余計な物があるよね」といった思考が、勉強への集中を妨げます。

余計な物がたくさんある家に住んでいる人は、物によって自分や家族の集中が妨げられている、ということに気づいていません。

一箇所でいいので、ごちゃごちゃエリアをきれいにすると、私の言っている意味がわかるでしょう。

2.リラックスできる

余計な物がない空間にいると、集中だけでなく、リラックスすることもできます。

集中することとリラックスすることは、真逆のことですが、そのとき自分がやりたいことである、という意味では同じです。

カフェはもともとくつろぎの場所ですよね?

日本人は、勉強好き、または貧乏性なので、カフェでばりばり勉強してしまうわけですが、本来、喫茶店は、お茶を飲みながら、くつろいだり、友達と談話したりする場所です。

くつろぎたいときも、物がごちゃごちゃしていない場所のほうが、しっかりくつろぐことができます。

以前、寝室に余計な物を置かないほうが安眠できる話を書きました⇒寝室にあるごちゃごちゃした物を捨てて快眠を得る:プチ断捨離22

寝室は寝る部屋であって、倉庫ではないので、ベッド下や、押入れに、やたらと物を収納しないほうがいいのです。

ベッド下の収納について⇒隠している物を捨てるススメ(プチ断捨離44)

前の前の家に住んでいるとき、まだしっかりミニマリストではなかった私は、寝床の横にズラーっと本を並べていました。

並べるつもりはなかったのですが、「夜寝る前に読もう」と思う本を、1冊、また1冊と置いているうちに、ズラズラと並んでしまったのです。

当時は、「できるだけたくさん本を読みたい」という欲のようなものがありました。だから、寝る前の数分間を使って読書したいと思ったのです。

しかし、私は本を手にとっても、すぐに寝てしまうタイプなので、全く読書が進まず、本だけが増えていきました。

現在は、シングルタスクを心がけているので、「布団に入ったら、寝ることに集中しよう、ちゃんと寝られればそれでいい」と思っていて、本は、起きているときに読んでいます。

1つずつ仕事を片付けよう。シングルタスクをする7つのコツ。

その結果、本を読んでいるときは、本に集中し、布団の中にいるときは寝ることに集中できるようになりました。

寝ることや休息に集中する、というのもおかしな言い方ですが、そのときのゴール、1つのみを、しっかり達成できる生活のほうが、気持ちが落ち着きます。

あれもこれもやりたいと思っていると、どれもできないし、できないから、それがストレスになります。

物を減らすと、「1つできればいい」という潔い生活態度になり、結果的にストレスが減って、リラックスしたいときも、ちゃんとリラックスできるのです。

3.探しものが減る

所持品が少ないと探しものが減るので、ストレスが激減します。

人は年間150時間探しものをしているとか、一生のうち150日間、探しものをしていると言われます。

こうした統計の数字をあげている人は、物をたくさん持っている人です。

ビジネス書を見ていると、「探しものをしている時間ほど無駄な時間はない」と書いてあったりしますね。

時間ももったいないのですが、物を探しているときに感じるイライラや、もやもや、もどかしさみたいなものも、そうとうダメージがあります。

「家の中にあるはずなのに、それが見つからない」という状態はとてもストレスです。

見つかるまで気持ちが落ち着かないので、どうしても見つけようとやっきになります。

そのときやっていた作業(今のゴール)を中断して、あちこち徹底的に探します。

それがないと、作業が進まない場合はもちろん、なければないで、なんとかなりそうなものであっても、見つからないとスッキリしないので、探し続けてしまうのです。

すると、それまでやっていたことに対する集中がとぎれ、場合によっては、探している間に、自分が何をやろうとしていたのか忘れます。

以前紹介したTEDトークで、「仕事中に、スマホに関係のないテキストが届くと気が散るが、気が散ったあと、もとの集中状態に戻すまでに23分かかる」という内容がありました。

スマホを使っても気が散らない技術を生み出そう(TED)

探しものは時間泥棒であるだけでなく、集中までうばってしまうやっかいごとなのです。

頻繁に探しものをしていたら、そのたびに、時間を失い、集中が途切れるわけですから、無駄なストレスが増大します。

いらないものを捨て去って、手持ちのものをほぼ把握できると、探しものは減るし、たとえ何か探す結果になったとしても、どのへんを探したら出てきそうか、あたりをつけることができます。

まあ、私も、今でも、探しものがゼロになったわけではありません。

私は、物が少ないほうですが、それでも、たまに「あれ、どこに置いたっけ?」と探しものをすることはあります。

スマホを変なところに置いて、「あれ、どこ?」と思ったり、探しているものが目の前にあるのに気づかなかったり、ということがふつうにあります。

人間は勘違いするから、探しものがゼロになることはないでしょう。

それでも、物を減らせば、しなくてもいい探しものは、相当減ります。

4.パターンどおりにすすむ安心感あり

汚部屋が「混乱」だとすると、物が少ない部屋は「秩序」です。

私たちの脳は、秩序ある世界を好むので、物が少ない部屋で暮らすほうが、ストレスがありません。

入ってきた刺激や情報を処理するとき、脳は、まずパターンを探します。

「過去にこれと似たパターンってなかったっけ? そのときどうしたっけか?」と、考えるわけです。

すべてを一から処理するのは大変ですからね。

脳がパターンを探す話⇒脳について知るべき、1つのこと。それは、あなたの人生を変えます(TED)

脳は、「いつもと同じパターン」で物事が展開することを好み、そのように進んでいると安心します。つまり、ストレスを感じません。

いつもと違うパターンや、予想外のできごとが起きると、処理に追われて、わらわらしてしまいます。

余分なものが大量に、気ままに、あちことに散らばっている汚部屋にあるのはパターンではなくカオスです。

毎回、物の置き場所が変わったり、あるはずの物がそこにないと、すごくイライラしますよね?

いつも乗る電車や地下鉄、よく行く喫茶店や定食屋、社員食堂で、自分の定位置を決める人は多いと思います。

私が新卒で入った会社でも、ランチタイムにテレビのある部屋で、皆が弁当や出前を食べる場所は決まっていました(たいてい同期同士で固まって座る)。

だいたい決っている、というよりも、あなたは右側、私は左側とかなり厳密に決まっていて、誰に言われたわけでもないのに、皆が、その定位置に座ることを尊重していました。

そうやって自分が勝手に決めた定位置に、いつものメンバーではなく事情を知らない人(通勤ではなく、たまたま外出で地下鉄を利用した人や、いつもは外に食べにいくのに、何かの都合でその日だけ食堂を利用する人)が、座っているとかなり違和感を感じると思います。

それぐらい私たちは、「いつもと同じパターン」で物事が進むことが好きなのです。

物がたくさんある部屋では、パターンどおりに展開しにくいので、心が疲れると思います。

まあ、中には、「私の部屋は、汚部屋というパターンである」とか、「グシャグシャに見えるかもしれないけど、私には、どこに何があるのかわかっているのよ」という人もいるかもしれません。

ですが、本当にそうでしょうか?

あなたは、その物だらけの部屋で、本当に、穏やかな気分で暮らしているのでしょうか?

不用品を捨てて、脳を休ませてあげる…… そんな生き方もあることを知っておいてください。

*****

物を減らすとストレスが減って、脳(気持ち)が楽になる話をしました。

私も、30年ぐらい前、会社の帰りに、喫茶店で勉強していました。

いくつかよく利用する店がありましたが、一番勉強がはかどったのは、ドムドムハンバーガー(千種店)の一番はしの席です。

この店、残念ながらすでに閉店して、今はコンビニになっています。





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