ページに広告が含まれることがあります。
今、家にある服は全部好きなので、減らせません。今回はそんな悩みのある読者のお便りに返信します。
それが自分の子どもなどではなく、単なるものであるなら、全部を同じように好きなことはないと思います。
ただ単に、捨てるのがもったいないので、とりあえず、「全部好き!」と思っているのではないでしょうか?
つまり、その「好き」は、捨てなくていい言い訳なのです。
では、まずお便りを紹介します。マリさんからいただきました。
好きなものがたくさんある私
ここ5年ぐらい、少しずつ断捨離をしています。キッチン道具や書類、本などはだいぶ整理できました。でも、どうしても洋服だけは減らせません。
どの服も本当に気に入っていて、手放す服を選べません。
あまり着ていませんが、シンプルだけどシルエットがきれいなワンピース数着や、微妙な色が気に入って買ったストールなどは特にお気に入りで、見ているだけで気分が上がるので、持っていたいと思います。
昔から服が好きで、買うのも着るのも楽しくて、私にとっていろいろな服をもつことは趣味みたいなものです。
ただ、最近は年齢的にも、持ち物を少し減らして暮らしを軽くしたいんです。
片付けの本には、本当に好きなものは持てばいいと書いてあることが多いから、このまま持ち続ければいいでしょうか?
それとも、割り切って少し捨てるべきでしょうか?
マリさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
ファッションがお好きなんですね。
好きなものは無理して捨てなくてもいいですが、服が暮らしを圧迫しているのであれば、私なら、少し手放します。
というのも、ありすぎると管理が大変だから。
管理が大変だとストレスが増えるから、好きな服を楽しめないんじゃないでしょうか?
結局、以下のどちらを優先するかという問題になります。
・好きな服を全部持ち続ける⇒捨てなくてもいい、しかし身軽にはならない
・少し整理して数を減らす⇒服が減るが、暮らしは快適になる
今後の方針を決めるために、以下のポイントについて考えてください。
「全部好き」は本当か?
どの服も本当に気に入っていて、とても手放せない、と思うとき、本当に全部好きなんでしょうか?
「好き」という感情は相対的で、状況や比較対象によって揺れ動きます。
毎日、すべてのものを同じような熱量で、「好きだ」と感じないと思うんですよね。
それを手放したくない、断捨離という面倒な作業をしたくないという気持ちが、「好きだから」と自分に言わせている可能性があります。
マリさんが、「これが好きだ」という気持ちを少し深堀りしてください。
もしかしたら、「高かったから」「あのとき気に入って買ったから」「いつかまた着るかもしれないから」、こんな理由があって「だから捨てたくない」というのが本当のところかもしれません。
とりあえず、今、手元に残っている服すべてについて、どう感じているか、確認しましょう。
ひとつずつ着てみて、それがどんなふうに好きなのか、口で言ったり、書き出したりしてください。
意外とそこまで好きではないことに気づくと思います。
存在を忘れているものがあったら、好き・嫌いを考える前に、「必要のない服」だと私は判断します。
「好き・嫌い」以外の判断基準を使う
残す服を決めるとき、好きか、嫌いかではなく、「今とこれからの暮らしにプラスになるか」という基準で選ぶと、今より数が減らせると思います。
確かに、断捨離本や片付けの本には、「本当に好きなものを残しましょう」とか、「ときめくものを残しましょう」と書かれていることが多いです。
それは、「嫌いなものを残すな」という意味で、「好きなものを全部手元に置いておけ」という意味ではありません。
好きなものがあり、そうしたものに囲まれてハッピーでいることは悪いことではありません。
ですが、手持ちのものを「全部好きだ」と思ってしまう時、好きか、嫌いかで残すものを決めようとすると、ものが多すぎて暮らしにくい状況は変わりません。
つまり、「好きか嫌いか」で判断する方法はマリさん向きではないのです。
たとえば、以下の基準で選別してみてはどうでしょうか?
・最近、使っているか?
・今の暮らしに合っているか?
・これがなくても困らないか?
・メンテナンスが簡単か?
・これからの暮らしでも持ち続けたいか?
できるだけ客観的で現実的なルールで見直してみると、手放してもいい服が見つかります。
私が服を捨てていたときは、過去1年さわらなかったものは手放すというルールを採用していました。
実際は、1年以上着ていない服がまだ残っていますが、1回目の判別ルールとして使いやすいと思います。
好きなものを全部持つ必要はない
自分が好きなものをすべて持つ必要はありません。
「好き」という気持ちは大切にすべきですが、その感情は、実際の生活での「必要性」とは関係ありません。
衣類のような実用品は、実用的かどうかで判断すべきだと考えています。
実用性の低いものをたくさん持ってしまうと、スペースを取られるし、考えることもやるべきことも増えます。
それに、本当に気に入っているものなら、数が少なくても十分満足できます。
今持っている服を全部残さなくても、厳選したワードローブがあれば、日常で役立つのはもちろんのこと、ファッションを楽しめると思いますよ。
マインドレスからマインドフルへ、ファッションを変えていく(TED)
コレクションとして持ちたいなら、管理方法を変える
「この服は着るためというより、ただ持っていたい」「見るだけでうれしいから残しておきたい」。そんな服は、実用のためのアイテムとは分けて管理するといいでしょう。
クローゼットやタンスには、あくまで今の生活で活躍している服を入れておきます。
そうしないと、「いつも着る服」にアクセスしにくくなります。
コレクションとして持つ服は、きちんと分類して、専用の保管場所を用意したほうが、よりコレクションを楽しめます。
たとえば、特別なケースにしまう、写真に撮ってデジタルフレームに入れ、いつも見られるようにする、ディスプレイスペースを用意してそこに並べるなど、美術館の展示品みたいに扱いましょう。
正直、このような作業は手間も時間もかかります。
でも、本当に好きで、持ち続けたいならできるんじゃないでしょうか?
実用品とコレクションをしっかり線引きして管理すれば、どちらの服も最大限の機能を引き出せます。
◆関連記事もどうぞ⇒どれも大事で捨てられない、そう思うものを減らす5つの方法
*****
どの服も大事だから減らせない読者のお便りに返信しました。
よく、「お気に入りのものに囲まれた暮らし」を目指す人がいます。
あなたがその一人なら、ガチガチに追求せず、「嫌いなものや不便なものがあまりなければいい」ぐらいのところでよしとすることをおすすめします。
記事にも書きましたが、「好き」とか「お気に入り」という感情は、自分や生活環境に応じて変わります。
「好き」という気持ちは強烈ですが、一方で、とてもうつろいやすいものなのです。
いつも好きなものを求めていたら、どんどん服を買うことになるでしょう。
そうではなく、今、そこそこ不便なく暮らせている、着心地のいい服が数着ある、こんな状態なら十分だと考えてください。
そうすれば、ものの管理に疲れる生活から抜け出すことができます。