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片付けを始めたものの、途中で手が止まってしまうことはありませんか?
特に、思い入れのあるものや高価だったものを前にすると、「本当に捨てていいのだろうか?」と迷ってしまい、断捨離が停滞してしまうことはよくあります。
捨てるのが難しいものを目の前にすると、葛藤が生まれ、思うように片付けが進みません。
この記事では、なぜ捨てるのに悩む物があるのか、そしてそのような物を無理に手放そうとせず、後回しにすることが実は片付けを進めるための効果的な戦略であることをお伝えします。
0.捨てにくいものたち
まず、捨てにくいものと、それが捨てにくい理由を紹介します。
捨てるのが困難なものは、人によって違います。たとえば、私は服を捨てるのは比較的簡単でしたが、本や書類は今でもけっこうあり、まだ片付けている最中です。
それでも、たいていの人にとって捨てるのが難しかろうと思うものがあります。
1)思い出の品
写真、手紙、旅行先で買った何か、子供時代の愛用品や作品など。
思い出の品は、物質的価値はたぶんゼロか、むしろマイナスです。
しかし、感情的な価値が高いです。
昔のできごとや特別な瞬間と結びつけている人が多いので、捨てると、その記憶がなくなってしまうと恐れて捨てにくくなります。
2)贈り物
贈り物も、使っていないなら物質的価値はたいしてありません。
しかし、それをくれた人との関係に価値を見出していたり、相手に感謝したいという気持ちを重要視していたりするので捨てづらくなります。
使っていないものでも、捨てるときに、罪悪感を持つ人が多いです。
3)高価だったもの
購入価格が高価だったものや、ブランド品などは、捨てるのはもったいないと思います。
そう感じてしまう一番の理由は、すでに投資した時間やお金を惜しむサンクコスト効果のせいではないでしょうか?
物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
さらに人には、「値段が高いものはそれだけの価値がある」という思い込みもあります。
500円のファストファッションのTシャツを捨てるのは平気でも、5000円のブランド品のTシャツは、「よいもの」なので捨てたくありません。
損得勘定に敏感な人は、リセールバリューが頭をよぎり、「どこかで売れば、少しはお金を取り戻せる」と感じます。
4)本や書類
本や書籍は、突き詰めて考えればただの紙。しかし、その紙に情報や知識、知恵などが書かれているので、知的欲求が強かったり、学習意識が高かったりする人には捨てづらいものです。
絶版に近い状態のものは、入手困難なので、「捨てると2度と手に入らない」という恐怖も感じます。
手放せない本への執着を解消する考え方~たっぷりあるマインドを採用する。
5)受け継いだもの
亡くなった家族や友人の遺品、家に代々伝わるものも、捨てにくいです。
それは、大事にしたい人間関係や、自分が属する家系の歴史が詰まっているから。
以上が、捨てにくいものの代表5つです。
こうしたものを捨てる考え方は、過去記事で紹介していますが、捨て活を始めたばかりの人は、後でゆっくり片付けましょう。
べつに今、捨てなくてもそのうち捨てられるようになります。
以下は、私が後回しをおすすめする理由です。
1.片付けが止まってしまう
難しいものを攻略するのをおすすめしない理由は、そんな時間とエネルギーがあったら、もっと捨てやすいものを捨ててほしいからです。
捨てるのが簡単なものはどんどん捨てられるので、片付けに勢いがつきます。
モチベーションも続くでしょう。
いらないものを少しずつ減らしていくうちに、気持ちもフットワークも軽くなり、そのうち大きな決断もできるようになります。
2.感情を整理する時間が必要
思い出品など、思い入れがたっぷりあるものを捨てるときには、ある程度、感情の整理が必要です。
この整理、人によってはかなり時間がかかります。
ストレスマネジメントの方法として、気持ちを書き出すことをおすすめしていますが、捨てにくいものがたくさんあるときは、捨て活と同時に、自分の思考や感情を紙に書くこともやってみてください。
日記を書いてもいいし⇒日記を書くことは心の断捨離に効果的。10年日記を使っています
ブレインダンプでもいいし⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
モーニングページでもいいです⇒ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
不定期で捨て活日記をつけてもいいでしょう。
半年ぐらい書いていると、思い入れの強いものに対して向き合う準備ができます。
物を捨てたいのに捨てられない。そんなときは心の整理から始めよう。
3.わざわざストレスをためることはない
捨てようとするけど、捨てられない。捨てようと思って引っ張り出すけど、結局、また元に戻す。翌日もその繰り返し。
こんな状態だとストレスがたまります。
ストレスが多いと脳が疲れるので、集中力も思考力も低下します。
こういうときは、どんな選択もしにくいです。
断捨離は、身軽になるために行うことなので、わざわざストレスがたまることをする必要はありません。
日常生活には仕事、家事、人付き合いなど、ほかにもストレスを感じることはたくさんあります。
捨て活は、「心を軽くするための趣味」や「リラックス法」と考え、問題をこじらせることに手を出すのはやめましょう。
4.難しいことをすると挫折する
断捨離は習慣にしてしまうと勝算があがります。
習慣にするとき、難しいことから始めるのはまずいやり方です。習慣になる前に嫌になってやめてしまうでしょう。
人間は成果が見えないとやめたくなるので、簡単なものを捨てて、スッキリ片づいた空間を感じるなど、何らかの成果を体験するよう、自分を仕向けましょう。
できるだけハードルを下げて、簡単なものを毎日少しずつ捨て、断捨離を習慣にしてしまいましょう。
大々的に変えようとしないこと。小さな習慣から始めよう(TED)
5.簡単なものを捨てているうちにスキルがあがる
私は部屋の片付けも、不用品も捨てることもスキルの1つだと考えています。
部屋を散らかす人は、そうなってしまう生活習慣があります。
たとえば、使ったものをすぐに戻さないとか⇒なぜ物を出しっぱなしにするのか?その5つの理由と対策法。
出したものをちゃんとしまうことは、幼稚園や小学校で習うスキルの1つですが、これができないから、部屋が散らかってしまいます。
スキルを身につければ、もう汚部屋になりません。
スキルを身につけるのにもっとも効果的なのは、誰でも知っていると思いますが「練習」です。
いきなり難しいことをしようとせず、簡単な「捨て」から練習しましょう。
練習なので、1度や2度では効果を見込めません。毎日、簡単なものを捨てることを続けてください。
捨てているうちに、ものを手放すスキルも判断力も向上します。
自分が何を捨てるべきか、本当に必要なものは何か、残すものはどこにどんなふうに収納したらいいのか、試行錯誤を続けるうちにわかってきます。
ある程度スキルが身につけば、難しいものを捨てるのは、もはや難しくありません。
6.視点が変わる
捨てるのが容易なものを捨てていても、生活は十分シンプルになります。
すると、生活における優先順位やものに対する考え方が変わります。
最初は、部屋にあるものは、すべて大事なものだと感じてしまうでしょう。
でも、不用品を捨てているうちに、それは間違った認識だと気づくものです。
なぜなら、たいていの場合、いらないものを捨てたほうが生活の質がよくなるからです。
何かを捨てたあと「ああ、捨てるんじゃなかった」と後悔するより、「こんなに楽になるなら、もっと早く捨てればよかった」と思うのではないでしょうか?
片づいた部屋の暮らしやすさに感激し、感謝の気持ちも持つでしょう。
「みんな大事だと思っていたけど、意外とそうでもなかったな」という考え方ができるようになるので、「ものすごく大事で捨てにくい」と思っているものも、「私の生活にはそこまで必要ない」という見方ができるようになります。
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捨てるのがむずかしいものを捨てようとがんばるのは、試験で難しい問題を解くのに時間を使ってしまい、得点できたはずの問題を落とすことに似ています。
総合的に暮らしやすくなればいいのですから、難しいものは、
・スキルがあがってから
・ある程度気持ちの整理がついてから
・捨てるのが習慣になってから
・ものの見方が変わってから
ゆっくり捨てればいいのです。