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夢のない生活を送っている人に見てもらいたいTEDトークを紹介します。
タイトルは、How books can open your mind(本がどんなふうに心を開いてくれうるか?)
作家のLisa Buさんの有名なプレゼンです。
邦題は「読書で心が広がる」
読書:TEDの説明
What happens when a dream you’ve held since childhood … doesn’t come true? As Lisa Bu adjusted to a new life in the United States, she turned to books to expand her mind and create a new path for herself. She shares her unique approach to reading in this lovely, personal talk about the magic of books.
子供の頃からの夢が破れたら何が起きるか? リサ・ブーはアメリカで新生活を始め、本を読み、心を開いて自分のために新しい道をつくりました。
魅力的でパーソナルな、この本の魔法に関するトークで、彼女は読書への独自のアプローチ法をシェアします。
収録は2013年の2月。長さは6分。日本語字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。
☆トランスクリプションはこちら⇒Lisa Bu: How books can open your mind | TED Talk
☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
本との出会いが自分の人生を大きく変えてくれたと語るシンプルなプレゼンです。
体操をすることを反対した母
1970年代、私は中国の湖南省で、2年間、体操選手になるトレーニングを受けたことがあります。
1年生のとき、政府から、お金を出すから、運動選手のための学校に転校するよう促されました。
でも、厳格な母は反対しました。
両親は、自分たちと同じように、私をエンジニアにしたかったんです。
文化大革命のあと、両親は、幸せへの唯一の道は、安定して高収入が得られる仕事につくことだと頭から信じていました。
私が、その仕事が好きかどうかは関係ないのです。
夢が敗れる
でも、私の夢は、中国のオペラ(京劇)歌手になることでした。
京劇の歌手になるためには、子供のとき曲芸を学ばないといけないので、私は、劇の学校に行くために、できることはなんでもしました。
校長先生やラジオのホストにも私の夢を伝えたほど。
でも、大人たちは、誰も私の考えに賛成しなかったし、私が真剣だとも思わなかったのです。
友人たちだけが応援してくれましたが、みな子供だったので、私と同じように力不足でした。
そして私は15歳になり、曲芸の訓練を受けるには年を取りすぎました。
もう私の夢は絶対かないません。
残りの人生で、二流の幸せしか得られないのではないか? 私は恐くなりました。
でも、そんなのは不公平すぎます。
本を読んで夢を見つけた
そこで、私は別の夢を探すことにしました。
誰も私に夢を教えてくれません。だから私は本に向かいました。
私は両親のアドバイスに対する不満を、『君よ弦外の音を聴け』を読むことで満たしました。
作家と音楽家一家の書いた本です。
従順であることを求められる儒教文化の中で、自立した女性像のロールモデルを、『ジェーン・エア』で見つけました。
『1ダースなら安くなる』 という本からは、効率の大切さを学びました。
こうした本を読んだあと、海外留学することにしました。
価値観も変わった
1995年、アメリカに来て、私が一番最初に読んだ本は何だったか?
中国では販売が禁止されていた本です。
中国の農民の生活が描かれている『大地』。
聖書はおもしろいけど、奇妙です。
でも、「あなたの父と母を敬え」という十戒の、第5戒には目を開かされました。
敬うことは、服従よりずっといいと思いました。
この本のおかげで、儒教の教えに背く罪悪感から解放され、両親と新たな関係を作るきっかけが得られました。
比較読書した
新しい文化に出会ったので、比較読書を始めました。
この読み方をすると、多くの洞察を得られます。
たとえば、この地図をはじめて見た時、おかしいと感じました。
中国の学生は、中国が中心にある地図を使うからです。
中国が世界の中心である必要はないなんて、これまで考えたこともありませんでした。
地図は、特定の人の視点で描かれているのです。
比較読書という手法は新しいことではなく、学問の世界ではふつうに行われています。
比較宗教学や比較文学という研究分野もあります。
比較し対照させると、その内容をより広範囲に理解できます。
研究で使われている比較読書を日常生活にも活かしたいと思い、2冊の本をペアにして読むことにしました。
私がペアで読んだ本
たとえば、『ベンジャミン・フランクリン』と『ジョン・アダムズ』という本には、同じできごとや経験をした人々について書かれています。
キャサリン・グラハムの『わが人生』と『スノーボール: ウォーレン・バフェット伝』も同様です。
異なるジャンルの同じ物語を比べたり、違う文化の比較もしました。
たとえば、キリストと仏陀はともに3つの誘惑について書いています。
キリストの言う誘惑は、経済、政治、精神(スピリチャル)。仏陀の言う誘惑は、欲望、恐怖、社会的義務。おもしろいですよね。
もし外国語を学びたいなら、好きな本を2つの言語で読むのも楽しいです。
翻訳のせいで失われるものもあれば、得られるものもあります。
夢をもつ目的とは?
本は過去と現在をつなぐ魔法の扉を与えてくれます。
もう孤独や無力感を感じることはありません。
苦しんでいる多くの人に比べたら、夢が敗れることなんてたいしたことではありません。
実現させることだけが夢の目的ではないと信じるようになりました。
夢の一番重要な目的は、その夢や情熱、幸せがどこから来るのか気づかせてくれることです。
叶わなかった夢でさえ、そういう気付きを与えてくれます。
本のおかげで、今、私は幸せで、目的をもち、たいていいつも、迷わずに暮らすことができています。
皆さんのそばにいつも本がありますように。
//// 抄訳ここまで ////
本に関係あるほかのプレゼン
悩んでいる人には読書をおすすめする
先日の記事で⇒仕返しをすることとはっきり自分の意見を言うことの違い~質問に回答します。
人間関係や何やらで悩んでいる人に、
1.気持ちを書き出す
2.健康にいい生活をする
この2つをすることをおすすめしましたが、もう1つ、
3.読書する
こちらもおすすめしたいと思います。
本を読むと、異なる文化や時代、視点に触れることができるので、視野が広くなります。
悩んでいる人は、たいてい視野が狭くなってますよね? 視野が広くなれば、今は見えていない可能性や選択肢に気づくことができます。
あえて、自分とは全然関係のなさそうな世界の本を読むといいでしょう。
本の中の人々が生きている時代が、今よりずっと昔とか、国や文化が違うとか。
そして自分の夢について考えてください。
リサさんは、にこにこと話していますが、両親との対立はけっこう深刻だったのではないでしょうか?
最初は、両親に服従するしかないし、そうできない自分はよくない子供と思っていたようですから。
ですが、敬うことは服従ではないと気づいて、リサさんは楽になりました。
こうしたことは、本を読むと本当に起きます。
映画やドラマでも同様の体験はできますが、本を読むのは、時間がかかるから、自動的にスローライフになります。
スローライフを送る15の方法:ゆっくり心穏やかに暮らすためにできること
そこも、読書のいいところです。
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小学生か中学生のとき、『大地』をよんですごく感動した記憶があります。
内容は、すっかり忘れましたが。しばらく好きな本を聞かれたら、『大地』と答えていました。
あの頃は、インターネットがなかったので、今よりじっくり読書できる環境がありましたね。