計画を書く人

TEDの動画

行動を変えたいときに使える3つの効果的な方法(TED)

お正月に断捨離を誓ったのに、ろくに片付かないまま9月も半ばになった・・・。運動を始めるはずが、相変わらず何もやっていない。

そんな人のために、自分の行動を変える方法を教えてくれるTEDの動画を紹介します。

タイトルは、The Battle of Changing Your Behavior (自分の行動を変える戦い)。プレゼンターは、起業家で、The One You Feedという有名なポッドキャストを配信している Eric Zimmer(エリック・ジマー)さんです。



自分の行動を変える戦い:TEDの説明

Making a lasting change in our behavior is hard, few of us are successful at it for very long. In this insightful talk Eric describes three techniques you can use to be more successful at making real change in your life.

行動を変えてそれを維持するのは難しいものです。ごくわずかの人しか成功しません。この見識のある講演で、エリックは、人生を本当に変えるために効果のある3つのテクニックを説明します。

収録は2016年の11月。会場はオハイオ州立大学。動画の長さは10分41秒。字幕はありませんが、抄訳を書きます。ジマーさんは、飾り気のない語り口が魅力です。

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

習慣を変えられる人は少ない

行動を変えて、長続きさせるのはむずかしいものです。

ダイエットをする人のうち95%は失敗する、新年に誓ったことを継続できるのはたった8%である、という統計があります。

行動を変えて、それを維持するのは戦いのようなものです。難しく、たいていの人は、いったん成功しても、ずっと続けることはできません。

私は過去20年、行動を変えたいと思っている人々を助けてきました。

ポッドキャストも配信していて、150人の思想的指導者(thought leader ソートリーダー)や、著作家、心理学者、スピリチャル指導者について話しています。

充実した人生とは、何であるのか、語っています。





習慣を変えることはスキルだ

よい人生を生きるとは、自分がそうしたいと思う行動を選び、実際にそのように行動することです。

多くの人は、新しい習慣づけには、意志のちからか鍛錬が必要で、自分には両方足りない、と考えがちです。

心の底で、「自分には習慣を変えることなんてできないのかもしれない」と思っています。

行動を変えて、それを継続するなんて、自分ではなく、ほかの人がやることだ、と考えるてしまうのです。

きょう、みなさんにお伝えしたいポイントの1つは、行動を変えることはスキルであり、学ぶことができるのだ、ということです。

新しい習慣を身につけることが、だんだん上手になる可能性があるのです。

ちょっと前に、Risk(リスク)というボードゲームをしました。このゲームのゴールは、世界征服です。

リスクで勝つための戦略が、そのまま自分の行動を変えるのに役立つと気づきました。順にお伝えします。

まず小さな島を征服する

まず、小さな大陸を征服するのがコツです。

たいていの人が、いきなり大がかりなことをやろうとします。

運動習慣を身に着けようと思うとき、これまでまったく運動していなかったのに、いきなり毎日1時間、ジムで運動しようとしたり。

最初はうまくいっても、そのうちスタミナが尽きます。または、始めることすらできないかもしれません。

2週間のジュースクレンズをやろうと決めたのに、夕食には、ピザを食べてしまったり。

1日5分書くことから始めた小説家

私がコーチングした人に、作家がいます。作家として成功し、本も出て、賞も取りました。権威のある特別奨学金ももらっています。

ところが、その人は、新しい小説を書こうとしても、何も書けないのです。書けない日がつづき、1年以上、何も書かないままでした。

ものすごく小さなことから始めることで、この問題を解決しました。1日5分書くようにしてもらったのです。

皆さんは、「そんなのは馬鹿げている。1日5分書くだけでは、小説なんてできない」と思うかもしれません。

実際、その作家もそう言いました。

確かにそうでしょう。

ですが、この作家は、先延ばしをしていたのです。これからすべきことに、気後れし、それは難しすぎると感じていたのです。

小説を書き始めようとするときはそんな気分になりがちです。まず、小さなタスクである、5分間書くことで、とりあえず、スタートは切れます。

モチベーションがあるから行動できる、と思われていますが、この逆もあります。適切な行動を思いつかず、行動できないとき、まず、行動すると、思考はあとからついてくるのです。

1日5分書くことを始めたら、勢いがつき、やる気が出て、毎日ふつうに書けるようになりました。

これが、まず小さな島を攻略する例です。

自分がやるべきだ、と思っていることよりも規模の小さなことを毎日行います。やろうと思ったことをやり続けることにフォーカスしてください。

小さなステップを積み重ねれば、大きなことが達成できるのだ、と驚くでしょう。

自分の部隊を集結する

2つ目の戦略は自分の部隊を集結することです。

リスクというゲームでは、どんどん国を征服していきます。むずかしいのは、それぞれの領土に、軍隊を派遣すると、どの場所でも手薄になり、領土を失ってしまいかねない点です。

ローマ帝国がいい例です。

帝国が大きくになるにつれて、より多くの領土を防衛しなければならず、それぞれの領土に派遣する軍隊の規模が小さくなりました。そのため、帝国は次第に弱体化したのです。

多くの人は、自己啓発のやりすぎ(self-improvement binge セルフインプルーブメント・ビンジ)をしてしまいます。

きょうか、運動を始め、食事を気をつけ、日記をつけ、夕食後に1時間子供と過ごすことにして、先延ばししていた創作を始めよう。そしてそれを、死ぬまで毎日やろう、という具合です。

これではうまくいきませんよね。軍隊を集結させれば、こんなミスを防げます。

私が麻薬依存から抜けられた理由

20歳のとき、私はヘロイン中毒のホームレスでした。いまより、50ポンド(22キロぐらい)やせていて、C型肝炎で、死にかけていました。

ある寒い雨の日のこと。私はレストランでコックとして働いていました。警官が2人、店に入ってくるのが見えました。

2人は、テーブルにはつかず、キッチンのほうに歩いてきました。

「エリック・ジマーですか?」と聞かれ、「ええ、まあ」と答えたら、手錠をかけられ逮捕されました。

私は、この「機会」を自分が変わるチャンスに変えようと決めました。

翌日、治療に出かけました。牢獄から出るためだったんですが、クリニックにいるとき、はっと気づいたのです。

今やっていることをやめなければ、このまま変わらなければ、自分は死んでしまう、と。

これは20年前の話です。それ以来、麻薬はいっさいやっていません。

実は、その前にも依存の治療に行ったことがあり、何度かやめようとしましたが、うまくいきませんでした。

この時と、それ以前と何が違っていたのでしょうか?

この時、「すべては、自分が麻薬をやめるかどうかにかかっている」とわかっていたのです。

だから、麻薬をやめることに全力で取り組みました。

その前は、薬をやめるだけでなく、同時に、新しい仕事を見つけたり、大学に戻ったり、新しいバンドを作ったり、新しい恋人を見つけようとしたのです。

20年前は、持てる力すべてを薬をやめることに注ぎ込み、薬を使わない自分があたりまえになるまで努力しました。

この土台がしっかりできたから、その後、別のことを始めることもできたのです。

これが、軍隊を集結する、ということです。

一度に、何もかも変えようとするべきではありません。

1つだけ選び、それに集中してください。それが、自分の人生の中にしっかり組み込まれたら、次のことを始めればいいのです。

協定や同盟を結ぶ

最後の戦略は、協定や同盟を結ぶことです。

行動を変えようとするとき、ほかの人に助けを求めることを忘れがちです。

ジョセフ・グラニー(社会心理学者)のチームの研究によれば、仲間が6人以上いれば、行動を変えるのに成功する確率が40%あがります。

べつに、コーチを6人雇ったりする、チアリーダーを呼んだりする必要はありません。

自分のやっていることを知って応援してくれる人が6人いればいいのです。そうすれば、変われる可能性が増えます。

数年前、運動やダイエットを始めては、やめるというサイクルを繰り返す友達や同僚を何人も知っていました。

そこで実験することにしたのです。「ボディファット(身体の脂肪)チャレンジ」というコンテストを企画し、運動やダイエットに挫折つづきの人々に参加してもらいました。

参加料を払い、一番、ボディファットを落とすことができた人が、みなの参加料を獲得できる仕組みです。

全員、ものすごくがんばったので驚きました。

挫折ばかりしていた人が、本当に習慣を変えつつあったのです。単に、みなで一緒にやっている、というだけの理由で。

友情が感じられました。なかには、競争意識の強い人もいましたが。

一人ではできなかったことが、ほかの人と助け合いながら行えばできるのです。

サポートしてくれたり、元気づけてくれる人がいると、行動を変えやすくなります。

皆さんのゴールは、世界征服ではないでしょう。食事を変える、規則的に運動する、もっと子供と一緒に時間を過ごすといった、地に足のついたものだと思います。

リスクで勝つための3つの原則は、変えようとするものが、何であろうと、応用できます。

1.まず小さな大陸を攻略する
2.軍隊を集中させる
3.仲間を作る。

この3つの戦略を使えば、望むように行動を変えられます。行動を変えれば、人生も変わります。

単語の意味など

Risk  リスク
戦略ボードゲーム。世界地図の上に書いてある領土を奪っていくゲームです。世界征服した人が勝ちです。

Juice cleans  ジュースクレンズ
数日間、ジュースだけを飲むダイエット

consistency   (主義と行動の)一貫性、決めたことを(何があっても)最後までやること。

binge  過度にすること、やりすぎること
ビンジ・イーティング(暴食)、ビンジ・ドリンキング(暴飲)、ビンジ・ワッチング(Netflixなどで、ドラマのエピソードを一気に見ること)というように使われます。

moment of clarity  もやが晴れるような瞬間、はっとする瞬間。直訳は「明確になる瞬間」

hinge upon  ~次第である、~で決まる

camaraderie  友情、友愛

習慣づけに関する別のプレゼン7選

悪い習慣を断ち切る簡単な方法(TED)マインドフルネストレーニングのすすめ。

大々的に変えようとしないこと。小さな習慣から始めよう(TED)

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人生を変えたい人がするべき3つのこと(TED) シンプルが鍵。

マット・カッツに学ぶ30日間で人生を変える方法~30日間チャレンジのススメ(TED)

知っているのにできない私たち

・小さなことから始める
・それ1つだけに集中する
・友達と協力しあう

汚部屋の片付け方の記事でも紹介している方法です。

この3つの戦略、知っている人も多いんじゃないでしょうか? 習慣づけの方法の本や記事にはたいてい書いてありますから。

知っている人は多いのに、できない人がたくさんいるから、習慣づけの本も片付け本と同じくらい人気があります。私も知っていることとできることに、ギャップがあるほうです。

3つともそんなに難しいことじゃないのに、なぜできないのでしょうか? その理由を考えてみましょう。

なぜ小さなことから始められないのか?

汚部屋から脱出したいと思っているのに、目の前のゴミ1つ捨てられない人は、小さなことから始める威力を知らないのかもしれません。

「もっと大々的な断捨離をしなきゃだめなんだよ」と心のどこかで思っているのでしょう。野心がありすぎるわけです。

いきなり100%片付けたいと思うから、片付けゼロ%状態が続くのです。完璧主義者がはまりがちなわなです。

だまされたと思って、1日5分の断捨離や、毎日シンクを磨くといったごく簡単な行動をきょうから始めてください。

「千里の道も一歩から」というのは本当です。

なぜ1つのことに集中できないのか?

1つのことに集中できない人は、欲張りなのだと思います。

あれもこれもできるようになりたい、解決したいと思っているのです。別のことをあきらめきれないわけです。

どれもこれも優先順位が高いと思えるときは、本人にとって、「どれもこれもさして重要ではない、入れ替え可能なんだ」とも言えます。

小さなタスクから始められないのと同じで、野心がありすぎるのでしょう。

何もかも一度に変えたい、という欲張りなマインドセットを捨てない限り、何も変わりません。

もしかしたら、それに全力で取り組んで、失敗したらどうしよう、と恐れているのかもしれませんね。何もやらなければ、失敗もありませんから。

全力を傾けて、何かに取り組んで失敗したら、失うものより、得るもののほうが多いです。

なぜ人と一緒にやれないのか?

習慣を変えたいと思うとき、人と一緒にやろう、という発想にならないのは、「知らないうちに変わってびっくりさせよう」と思っているか、「失敗したときに恥ずかしいから、言わないでおこう」と思っているかのどちらかでしょうか。

人に協力をあおげないのは、高すぎるプライドのせいかもしれません。あるいは、人に弱いところを見せたくない、と思うのかもしれません。

「全部自分でやりたい」という完璧主義もありそうです。私もあまり人に相談しないほうです。

実家の片付けにしても、「すべて、私(たいてい主婦)が、がんばって片付けよう」と思っている人が多いです。

断捨離も、人に言わずこっそりやっている人が意外にいます。「知らないうちに片付けて、びっくりさせよう」なんて思ったり。

読者のメールを見てよく思うのは、自分が持たない暮らしをめざしていることを家族に告げていない人が多い、ということです。

1人でこっそりやっているので、「家族がいらないプレゼントをくれた!」と、憤ってしまうのです。

汚部屋の人は、自分が汚部屋に住んでいることを、人に知られるのをすごく恐れています。汚部屋の方のメールをブログで紹介すると、その後、全削除や、部分的修正を頼む人がたまにいます。

私のブログはそこまで有名じゃないから、そうそう簡単に身元は割れないと思うのですが。

だいたい、日常的にブログを読んでいる人が、そんなにたくさんいるかどうかも疑問です(私の周囲の人は、家族、リアルの友達を含め、全員私のブログを読んでいません)。テレビを見ている人はたくさんいますが。

自意識過剰すぎるのか、他人は敵に見えているのか?

人間は意外と親切なので、話してみると、応援してくれます。自分1人で行動を起こそうとして、行き詰まっている人は、試しに、自分の計画を家族や友達に打ち明けてみてはどうでしょうか?

*****

ジマーさんが、麻薬中毒から立ち直ろうとしたときは、文字通り「戦い」だったでしょうね。

私たちが、日常変えたいと思っていることも、「戦いである」と思うぐらい、本気でやったら、変わると思います。結局、どこまで本気なのか、が重要ですね。





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