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高齢のご両親が物をためていて困っている、どうしたらいいか、という質問をいただきました。
実は、似た質問を別の方からもいただいており、こちらは、メールの引用不可なので、内容だけかいつまんで紹介し、まとめて回答しますね。
では、まずご両親のことで悩んでいるみなこさんのお便りを引用します。
買いだめる両親
件名:親の買いだめ癖
ポイント〇倍キャンペーンなどでトイレットペーパーやカレールーを大量に購入し、倉庫に蓄積され、両親は自分たちが死んだら処分してかまわない。生きている間は絶対捨てるな。と。
カレールーなども10箱くらいあるし。実際カレーは作らないし。期限は切れているし。
備蓄だそうです。
貯金のこととか、将来高齢者施設代や病院代なども心配です。
母は最近ネットスーパーも利用し始め、なるべく早めにいいアドバイスをお願いします。
親子で口論しなりがちで、私が冷静に話していても両親が感情的になりがちです。
物がいっぱいある妻
・妻は買い物好きで所持品が多く、あまりに多すぎて困っている
・子供をもうけるつもりなのに、ペットも飼いたいという
・せめて私物を減らしてほしいがどう説得すればいいか?
こんな内容でした。
みなこさん、お便りありがとうございました。
自分1人の裁量で進められることならば、断捨離でも節約や貯金でも自由にできます。
ですが、他の人がからんでいる問題は自分の思い通りにはなりません。だから、自分がコントロールできる範囲で対応してください。
何もかも、自分の思い通りにしようとするとストレスがたまります。
両親も奥さんも大人だから、本人の人生の責任は本人が取るべきだし、本人の物の管理は本人がすべきださい、本人の問題は本人が解決すべきです。
この点を踏まえて、以下のように行動してはどうでしょうか?
1.方針を立てて冷静に進める決心をする
その場の思いつきで、やみくもに相手を説得しようとしてもうまくいかないので、説得する方針を立てて、コツコツ計画的に進めることをまず決心してください。
みなこさんは親子で口論になりがちと書いていますが、相手が感情的になっても、冷静に対応していたら口論にはなりません。
感情的になっても、問題解決から遠のくばかりだし、何より、自分が疲れます。
2.一番解決したい問題(ゴール)を決める
自分が感じている不快感を解きほぐし、一番解決したい問題を見極めてください。そして、まずはその問題の解決にいそしみましょう。
みなこさんのメールには、「早めにいいアドバイスをお願い」と書いてありますが、いったい何に対してアドバイスしてほしいのか(つまり、何が問題なのか)書かれていません。
たぶん、今自分がなんとなく不快かつ心配に思っていることが、きれいさっぱりなくなれば解決なのでしょうが、そんな魔法のようなことは起きません。
問題が不明確だと、解決しようがありませんので、まずは解決したい問題を見つけてください。
みなこさんは、以下のどれが一番気になっているのでしょうか?
・両親が倉庫にトイレットペーパーとカレールーをためていること
・両親が無駄なものにお金を使っている(と自分には思える)こと
・そもそも食べないカレールーを買うこと
・死んだ後の所持品の処理を自分に丸投げしていること
・期限が切れているカレールーを所持する意味不明さ
・もしものときのお金(将来の施設代や入院代)を、両親が十分準備していないこと
・両親が将来のために取っておくべきお金を、今使わない物のために使うこと
・両親が自分の意見に耳を傾けないこと
お便りを読んでこんな不満があるのだろうと解釈しましたが、他にもあったら全部書き出して、一番大きな問題(自分が一番解決したい問題)を見つけます。
それが問題解決のゴールになります。
ゴールは、自分と両親のお互いのためになるものに選びますが、できれば、両親の利益を一番に考えたほうが、相手を説得しやすいです。
現状を冷静に洗い出す
今、悩んでいるポイントを書き出すときは、現状を客観的に調べてください。
親が物をたくさんためている、と頭から思っていても、よくよく見たら、そんなにたいしたことはないかもしれません。
カレールーが10箱なんて、全然多くありませんし、処分は簡単です。
自然災害、経済恐慌、その他、世界が滅亡するような状況に備えて備蓄している人たちの備蓄量はそんな生易しいものではありません。
ご両親がどれだけためているか調べてみて、たいしたことがないのなら、今は問題視しなくてもいいでしょう。両親が死んだら、自分で捨てればいいだけです。
仮にガレージいっぱいにトイレットペーパーがたまっていたとしても、その処理はそんなに難しくありません。
ライトバンやトラックで何回か往復すれば、トイレットペーパーは全撤去できます。かさばりますが、そんなに重くないので搬出・運搬も簡単です。
トイレットペーパーは生活必需品ですから、寄付できるところも多いし、道ばたに出しておけば、必要な人が持って行ってくれます。
ご自由にお持ちくださいボックスに、不用品を入れて出したら、すぐに処分できた。
古い食品はたぶん全廃棄になるでしょう。その作業を未来の自分ができるかどうか考えてください。
ご両親がなくなるまで、その状態が続くとは限りません。
途中で病気になったら、そもそも買い物なんてできないので、物の増殖は止まります。
あと何年かのちに、ご両親の心境が変わる可能性もあります。
3.解決策をいくつか用意する
解決する問題を決めたら、どんなふうに解決できるか、自分ができることをいくつか考えて案としてまとめてください。
この案は、ご両親や奥さんを説得するときに提示します。
財政面の問題を解決したいのであれば、まず、現在の両親の貯蓄額や年金額を明らかにする必要があります。
その上で、ご両親が買い物の習慣を変えたほうがいいなら、その手伝いをしてください。
物が増えている問題を解決したいのであれば、整理整頓や断捨離に関する案を考えます。
備蓄するにしても、ローリングストックなど、もっと自分の環境に合った理性的な備蓄方法もあるので、その点についても考えるといいでしょう。
いくら備蓄でも、ふだん自分が食べないものは、ストックしないほうがいいですよね。
ご両親や奥さんの過度の買い物の原因は、たぶん、心の中にある欠乏や恐怖ですから、その欠乏を埋め、恐怖を取り除くのも有効です。
この解決策は、あくまで自分ができることをピックアップしてください。
人の行動を変えるのではなく、自分の思考と行動を変えるほうが簡単ですし、そうしたほうが望むゴールに近づきます。
4.正直にオープンな話し合いをする
両親にしろ妻にしろ、自分でない人間の行動を変えてもらうためには、話し合いが不可欠です。
2番と3番で考えたことをもとに、自分のゴールとそのゴールを達成するための方法をご両親に話してください。そして、共通のゴールを見つけます。
話し合いのポイントは過去記事に何度か書いています。
たとえばこれ⇒人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。
特に大事なポイントは:
・自分が希望していることを正直に言う
・相手の意見も冷静に聞く
・相手の視点、立場から物事を見てみる
・感情的にならない
・恩着せがましくしない(これは、あなたのためなのだから、などとは言わない)
・必要なら妥協する
根気よく、粘り強く話し合い(交渉)をして、お互いの共通ゴールを見つけることが、この話し合いのゴールです。
相手が納得しないと、その人の行動はいっさい変わりません。
5.その他のポイント
家族だけで話し合いをしていると喧嘩になるときは、第3者に入ってもらうのもいいでしょう。
ほかの兄弟姉妹や親族、共通の友人、仲人さんなど、身近で自分たちのことをよく知る人達でもいいし、縁もゆかりもない専門家でもいいです。
家族の問題を家族だけで話し合っているとこじれることが多いので、他人に入ってもらうほうがいいかもしれません。
口頭だと喧嘩になるなら、手紙や、メッセージを送るのもいいでしょう。
いずれにしても、そのときの状況や家族の性格、家族との関係によって、ベストな策は変わるので、状況に合わせて調整してください。
尚、親や配偶者にもっとシンプルに暮らしてほしいときは、自分がシンプルに暮らしたほうが効果があります。
自分の身の回りにある不用品を処分し、その体験を家族に共有するのは思ったより効果がありますよ。
それでは、みなこさんの問題が解決することを祈っています。
似た質問に回答した過去記事もたくさんあるので、ぜひ目をとおしてください。人を説得するコツを紹介しているTED記事もあるので、そちらもごらんください。
いくつかリンクしておきますが、これ以外にもたくさんあります。
義理母の浪費癖、ネット通販での買い物癖を直すには?←質問の回答
物に対する価値観が夫と違うのでもやもやします。どうしたらいいでしょう?
まとめ記事もあります⇒家族に物を捨ててもらいたい人へ。他人の物が邪魔なときに読む記事のまとめ。
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読者の質問に回答しました。
すでに何度か書いていますが、私の母もすごくたくさんの物を持っていました。
しかし、いざ、今の家を出て転居しなければならない状況になったときは、自分でどんどん捨てました。
今は、ためこむことが好きな70歳のご両親でも、80歳ぐらいになると、考え方が変わるかもしれませんし、それまでに生活環境の変化もあるかもしれませんよ。