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人に物を頼まれたとき、上手に断る方法をお伝えします。
断りたいのに断れない
日常生活のいろいろな局面で、物事を頼まれることはよくあります。
会社では、好きでもない人にデートを申し込まれたり、同僚に飲み会に誘われたり、上司に残業を頼まれたり。
家にいても、新聞の講読を勧誘されたり、義理のお母さんに、「これ、もらって」と変な服を押し付けられたり。ギリギリになって子供に宿題の手伝いや、備品の買い物を頼まれたり。
本当は断りたいのに、ついついいつものクセで「いいよ」と言ってしまうことはないでしょうか?そしてあとでものすごく後悔することが。
日本には、「人の和」を大切にする文化があります。義理で何かをやることが多い社会です。
そのため、多くの人が、周囲の顔を立てるようにプログラミングされています。半ば自動的に「イエス」と言っているのではないでしょうか。
本当は断りたいのに、「いいよ」と言い続けていては、自分らしい人生を生きることはできません。
できないときや嫌な時は、頼みごとを断らなければ、自分の人生を自分でコントロールできないと思うのです。
なぜNOと言うべきなのか?
Noと言わないとこんなデメリットがあります。
1.自分の大切なリソースを失う
時間
すでに忙しいのに人の頼みごとを引き受けてしまったら、当然のことながら時間がなくなります。
特に専業主婦は「何でも屋さん」になりがち。9時~5時という就業時間が、はっきりしていないので、一日中、義理の家族、自分の親兄弟、夫、子供、近所の人、町内会の人からありとあらゆる頼みごとが来る可能性があります。
すべてに「はい、はい」と言って引き受けていたら、自分のやりたいことをする時間はなくなります。
物
人に物を貸してと言われたことはありませんか?まだ自分でも履いていない新品のブーツやコートを妹に「貸して」と言わるようなことが。
「持たない暮らし」をするために、物の貸し借りをするのはいいことです。ですが、この場合はちょっと違います。
人の物が何でもよく見えて、欲しがる人は少なくありません。
うっかり貸してしまって、「これ、私にぴったりぃ。ちょうだい」なんておねだりされるのも珍しくありません。
ここで断らなければ、お気に入りのブーツを失うことになります。
本やCDの貸し借りもよくあります。絶対返してくれそうにない相手に、「貸して」と頼まれたとき、ちゃんと断っていますか?
お金
これはシンプルです。「お金を貸して」と言われたことがない人は、まずいないでしょう。10万とか200万など大きなお金から、自販機でジュースを買う小銭まで。
借金の保証人になるのも同じようなもの。へたをすると全財産を失います。
2.あとで後悔する
本当は断りたかったのに、つい「いいよ」と言ってしまうと、あとで後悔します。本1冊貸して返ってこないと、貸したほうはいつまでも覚えているものです。
借金を踏み倒された時のネガティブな感情はたぶん一生忘れないでしょう。
3.お人好し、八方美人だと思われてしまう
毎回、どんな頼まれごとにも、自動的に「いいよ」と言っていると、人から軽く見られてしまいます。
「いい人」と「お人好し」は違います。
人は、あなたに物を頼んでおきながら、いつも簡単に承諾してもらうと、あなたのことを「いいカモ」だと思います。
どんな時もあなたに頼めば大丈夫だと。
あなたは自分を殺して、「いいよ」と言って仕事を引き受けたり、お金を渡しているのに、相手は感謝するどころか、心の中であなたを軽蔑するのです。
4.暮らしがシンプルにならない
断捨離の「断」の訓読みは「断る」です。まわりの誘いを断らないと、家の中に物が増えます。
たとえば新聞の勧誘。断りきれなくて1ヶ月だけ講読したら、31日分の新聞がたまり、紙ゴミ断捨離の手間が増えます。
新聞をとってくれるお礼に粗品なんてもらったら、さらにゴミが増えます。
この点についてはこちらの記事で説明しています⇒ミニマリストはNo(ノー)と言うことを知っている~シンプルに暮らしたいあなたへ
5.相手のためにならない
自分がNo(ノー)という勇気がないばかりに、常にYes(イエス)と言っていると、かえって相手のためにならないことがあります。
たとえば腐れ縁の恋人や、怠け者の子供に毎月借金を頼まれお金を渡している場合など。あなたがお金を出すから、相手はいつまでたっても自立できないのです。
なぜNoと言えないのか?
多くの場合、自動的にイエスと言っています。断らないことが習慣になっているのです。
たとえば会社の飲み会、幼稚園に子供を送っていったあとのママ友との喫茶店でのお茶、クラス会で必ず3次会までつきあうこと、デートやランチでいつも自分がおごってしまうこと、子供や孫に大金のお小遣いを渡すこと、毎週金曜日の残業、など。
最初は、その場の空気をこわしたくない、人を喜ばせたい、いい人だと思われたい、という理由があったと思います。本当に相手を助けたい気持ちがあったのかもしれません。
しかし、毎回同じことをしているうちに、すっかりそれが習慣になり、その行動をすることに何の疑問も持たない場合が多いのです。
どうやったらうまくノーと言えるのか?上手な断り方
自分の行動をじっくり振り返り、本当はノーと言いたいのに、習慣でイエスと言っている、無理して誘いを受けている、ちゃんと断ることができていない、ということに気づいたら、次回はこんなふうにやってみてはどうでしょうか?
思考を変える
相手の申し出や誘いを断ることは、相手を全面的に否定することではありません。
単に今回の希望にそえないだけです。
「事情があって、今回は誘いを受けることができない」という事実と、相手を1人の人間として大切に思うことは、完全に切り離して考えましょう。
上手に断る
感情的に真っ赤な顔をして「だめなものはだめなの!きーーーっ!」と反応するのは、うまい断り方ではありません。
以下のステップで、丁寧に礼儀正しく、しかし断固として断りましょう。
ステップ1:相手の話をしっかり聞く
まずは、相手の言いたいことを最後まで聞きます。途中で遮ったりせず、相手の目を見て、「ちゃんと聞いてます。考えてます」ということを伝えます。
途中で「ああ、また、あの話か」などと思わないこと。相手には敬意を持って接しましょう。
何も悪びれず頼む人もいますが、必死に勇気をふりしぼって頼んでいる人だっています。
ステップ2:手短かに断る
相手の希望にそえないときは、手短かに、しかしはっきりとノーと言います。
感情的になったりせず、ごくシンプルに自信をもって、できないことを伝えます。
ステップ3:簡単な理由を添える
断る理由をくどくど説明してはいけません。いろいろな事情を話せば話すほど、相手に、別の角度から、頼まれごとをされる可能性が生まれます。
特に老練の営業マンの勧誘を受けているときは、話はできるだけ短く切り上げるのがコツ。「これから出かけるところなので」などと言って、席を立っても失礼にはあたりません。
ステップ4:あくまで友好的に礼儀正しく
「できればやりたいけど」「今回は残念ながらできないけど、またの機会に声をかけてね」など、「断ることが残念である」という気持ちを表明します。
事実、時間やお金がたっぷりあるのなら、誘いや頼みを受けることができたのですから。
ステップ5:罪の意識を感じない
断り慣れていない人は、1つ断るごとに、すごく罪の意識を感じてしまうものです。
しかし、なるべくそういうことは考えないようにしましょう。むしろ、ちゃんと断ることができた自分をほめてあげるべきです。
自分の都合を優先して申し出を断ることは別に悪いことではないのです。
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この社会では他人とうまくやっていくことは不可欠。そのため他人に親切にすることは大切なことです。ですが、いつもいつも他人の都合を優先して、自分のリソースを枯渇させると、結局それは他人や社会のためにはなりません。
他人の都合を優先しすぎて、自分がつぶれて、かえって他人に迷惑をかける典型的な例は、風邪をひいたとき、無理に出勤することです。
本当は、家で寝ていたいのに無理に会社に行くと、まず、まわりにウイルスを撒き散らして、他の人まで病気にします。
さらに、自分は体力を失い、2週間ぐらい家で寝込み、会社を休むことになり、結局同僚に多大な迷惑をかけるのです。
断り慣れていないと、断ることは最初は勇気がいると思います。しかし、礼儀正しく、誠意を持って話せば相手もわかってくれます。
まずは小さなことから断る練習を始めてください。