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なんとなく疲れていて何もしたくない。
そんな日でもできる片付けを7つ提案します。
とことん落ち込んでいる日は、布団をかぶってさっさと寝たほうがいいでしょうが、「かったるいなー」と思うぐらいなら、実は少しだけ動いたほうが気分は晴れます。
これは精神論ではなく、脳科学的に裏付けられた事実です。
人の脳は「やる気があるから動く」のではなく、「動くからやる気が出る」ようにできています。
この「作業興奮」と呼ばれるメカニズムを利用すれば、少ないエネルギーで行動を開始できます。
そして、実際に、ほとんどエネルギーを要しない片付けはたくさんあります。
少しだけ整えることを意識して、ぜひやってみてください。
1. 1分だけ動く:行動のハードルを極限まで下げる
タイマーをセットして、1分だけ片付けてみましょう。
「1分間」と時間を区切ると、行動のハードルがぐっと下がります。「たった1分なら…」と脳が抵抗なく受け入れるからです。これは、新しい習慣を身につけるのに、非常に効果的なテクニックです。
1分でもいろいろなことができます。
・床に置きっぱなしの服をハンガーにかける
・玄関のたたきにある靴をそろえる
・シンクのコップをいくつか洗う
・机の上の不要な紙を数枚まとめてゴミ箱に捨てる
こんな小さなことをするだけでも、脳の報酬系が刺激され、「ちゃんと片付けた」という達成感と満足感(ドーパミン)が分泌されます。
このドーパミンが、次の行動への意欲、つまりやる気につながります。
気分が乗ってきたら、もう1分延長してもOK。逆に気が進まなければ、タイマーが鳴った時点で即座にやめましょう。
片付けを完了させる経験を積むことが大切です。
短くても「できた!」と感じることが、長期的な自信につながります。
やる気のもと、ドーパミンについて知っておくべきこと(TED)
2. 視界に入る気になる場所をきれいにする:ストレスの源を断つ
目の前にある、「ごちゃごちゃした場所」を一箇所だけ片付けます。
家の中が散らかって見えるのは、まんべんなくものが散乱しているというより(もちろんそういう家もありますが)、視界のどこかに乱れた場所があるからです。
たとえば、
・キッチンのカウンターの上にある郵便物や雑多なもの
・リビングのテーブルの上の読みかけの本やリモコン類
・玄関の棚の上に置かれた鍵やマスク、チラシ
私たちの脳は、散らかった光景(無秩序な状態)を見ると、その情報を処理しようとしてストレスを感じます。整った光景を見るほうが、脳に負担がかからないので気持ちが安定します。
どんよりした気持ちを軽くするためにも、まずは目につく「視覚的なノイズ」を消去しましょう。
目立つ場所を整えるだけで、部屋全体の印象がとてもよくなります。
3. ついでに片付ける:移動をきっかけにする
何かをやるついでに片付けをしてみましょう。
「わざわざ片付ける」と思うとしんどいけれど、「ついで」なら、すでにしている行動と込みになるので取り組みやすいです。
・階段を上るときに、1階に置きっぱなしの本を1冊持っていく
・洗面所やトイレに行くついでに、床に落ちたゴミを1つ拾う
・郵便物を取るついでに、その場で不要なチラシを分別し、そのまま捨てる
・キッチンに行くついでに、リビングの空のコップを持っていく
どれも小さな行動ですが、その都度「元の場所に戻す」「ゴミを捨てる」という行動をはさむので、これ以上散らかることを防げます。
片付けることを特別な家事にせず、生活の一部にしましょう。
立ち上がるたびに、そして家の中を移動するたびに「何か1つ持っていけるものはないかな」と意識してください。
4. 一時置き場に放り込む:判断を先送りする
エネルギーレベルが下がっている日は、「捨てる・捨てない」という困難な判断を伴う作業は避けましょう。
代わりに、捨てたいと思うものをどこかにまとめる作業をしてください。
紙袋や大きなかごを「一時置き場」として1つ用意して、「いらないと思うけど、今すぐ判断できない」「どうしようか迷う」と感じるものをどんどん放り込んでください。
こんなものを別にしましょう。
・もう読まないかもしれない雑誌
・全然着ていない服
・ためこみすぎたマグカップ
入れるだけなら手間もかかりませんし、「いずれ見直す」と決めて分けるだけで、部屋が散らかるのを止めることができます。
一時置き場に入れたものは、体力が回復した週末や気分のいい日に改めて見直し、判断してください。
完璧に片付けるより、今できることを1つだけ行いましょう。
5. ながら片付けをする:リラックスと作業の同時進行
休みたい気分の日は、何かをしながら軽く片付けてみましょう。
メインの活動(音楽鑑賞、ラジオ、動画視聴など)で脳をリラックスさせながら、片付けというサブの活動をすることで、作業に対する抵抗感が和らぎます。
・好きな音楽やポッドキャストを聞きながら、洗濯物をたたむ、郵便物を開封して仕分ける。
・お風呂の湯をためている間に(たった数分間)、洗面台の鏡をさっと拭いたり、中途半端に残っているシャンプーボトルを処分する。
・朝、出かける準備をしながら、バッグの中身を整理したり、玄関を整える
どれも頭を使わずに、流れ作業としてリラックスしてできると思います。
「ちゃんと片付けよう」と思うと構えてしまいますが、好きな音楽を聞きながら少し手を動かすのはそんなに苦にならないでしょう。
やる気を出すより、「少し動いてみよう」くらいの軽い気持ちで、お気に入りのBGMをかけながら取り組んでみてください。
6. 5個だけ見直す:小さな成功体験を積み重ねる
不用品を5個見つけて捨てます。
たった5個だけ、と決めることで、片付けが「無限の作業」ではなく「明確な目標を持ったタスク」に変わります。
たとえば、
・古いレシート
・インクが薄くなったペンやマーカー
・ほこりをかぶった雑貨
・期限の切れた調味料やサプリメントの空き容器
・読み終わった新聞や雑誌
5個という数には、ひと区切りがつく感覚がありますよね。
多すぎず少なすぎず、「これくらいならできる」と思える量です。このぐらいにしておくと、やりすぎて疲れることもありません。
机の上でも冷蔵庫の中でも、思いついたところから5個間引いてください。
この「5個捨てる」を毎日続ければ、1週間で35個、ひと月で150個以上、一年で1800個近くの不用品を処分することになります。想像以上にたくさん捨てられ、家全体のスリム化につながります。
7. 動かずにできる片付けをする:しんどい思いはしない
体も気持ちも重いときは、立ち上がらずにできる小さな片付けをやってください。疲労を最小限に抑えつつ、部屋の状態を改善できます。
・ソファに腰かけたまま、クッションの位置を整える。
・そのままコーヒーテーブルの上の紙や雑誌をまとめる。
・座ったまま手を伸ばし、足元に落ちたチラシやティッシュを拾い、近くのゴミ箱に入れる。
・スマホから不要な写真を5枚削除する。
片付けるというより、軽くストレッチする、あるいは指先を使うアクティビティだと考えるといいでしょう。
ほんの少し体を動かすだけで身の回りがきれいになるし、環境が整うことで気分も軽くなります。
大がかりな片付けは、元気な日に任せてください。疲れているときはこの程度でよしとしましょう。
おわりに:行動するからやる気が出る
多くの人が「やる気(モチベーション)がわいたら行動しよう」と考えますが、実際は、行動が「作業興奮」という名のやる気を生み出します。
この記事で提案した方法のように、時間を区切って、最初の1歩に集中すると、片付けのエンジンをかけることができます。
少しでも片付けると、部屋が整ってストレスが減るだけでなく、「できた」という達成感があり、気分が明るくなります。
小さな片付けをしておけば、週末に何時間も費やすような大がかりな断捨離をする必要もなくなりますよ。












































