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「捨てたいのになかなか捨てられない」という人はもしかしたらNo(ノー)と言えない人なのかもしれません。
物を捨てるということは、その物にノーと言うことです。No, I don’t need you (いいえ、私はあなたが必要ありません)、と。
必要最低限のもので暮らすミニマリストは例外なく、ノーと言うことを知っています。
なぜノーと言うべきか
片付けをして、物を減らすという行為は、ほとんどの物にノーを言うことです。
考えてもみてください。これまであらゆるものに、Yes(イエス)と言い続けてきたから、部屋の中がぐしゃぐしゃになってしまったのです。
あなたはイエスと言った覚えはないかもしれません。しかし物が入ってくるときにノーと言わなかったので、ガラクタが増えてしまったのです。
私たち日本人は何にでもイエスと言いがちです。
たとえば、こんな経験をしたことはありませんか?
道でコンタクトレンズの名前がでかでかと入っている販促用のうちわを差し出されたら、イエスと言って受け取ってしまいました。家に帰れば去年のうちわがいっぱいあるのに。
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結婚式で引き出物をもらったので家に持って帰ったら、ペアの派手な花がら模様に、金色のラインのはいったティーカップとソーサーのセットでした。
全く自分の趣味に合いません。
すぐに捨てることができず、イエスと言って、そのまま自分のものにしました。ほかにも食器でいっぱいの食器棚。このカップを入れているせいで、いつも使っているお皿が取り出しにくくてしかたがありません。
花がら金色ラインのカップを見るたびにうらめしい気持ちがします。
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ある金曜日、睡眠不足で疲れているのに、隣の席の同僚に「仕事のあと飲みに行かない?」と誘われました。
「つきあいの悪いやつだ」と思われたくない一心でイエスと言って、ビアホールに行きます。
たくさん出されたおいしそうなごちそうにもすべてイエスと言って、食べ過ぎて、もちろんビールも飲み過ぎて深夜に帰宅。
翌朝は、ひどい二日酔いに胃もたれ。せっかくの休日が台無しになりました。
自分の仕事で手一杯なのに、新しいおもしろそうなプロジェクトに誘われました。「チャンスかもしれないし、勉強になりそうだから」、と、イエスと言って参加。
しかし時間は限られているので、自分の仕事も、新しい仕事も中途半端にしかできず、お客さんに迷惑をかけ、信用をなくしました。
毎シーズン、流行の服にイエスと言い、どんどん買っていたらタンスの肥やしが増えました。
100円均一ショップに並んでいるカラフルなプラスチックのピクニックセット。うっかりイエスと言って持ち帰りました。とても可愛く見えたからです。実は、ピクニックなんて行かないので、押入れの中に放置されています。
お金を使うことにいつもイエスと言っていたから、今月も赤字路線まっしぐらです。
・・・イエスと言い過ぎたばかりに、あとで大変な思いをしたこと、あなたもあるのではないですか?
「持たない暮し」を追求し、人生の質をあげるにはイエスと言うことより、ノーと言うほうが大事です。
オーストラリア生まれのアメリカの経営学者、ピーター・ドラッカーはこう言っています。
People are effective because they say ‘no,’ because they say, ‘this isn’t for me.’
人は「ノー」と言うから成果があがる。「これは私向きではない」と言うから。
つまり、自分にとってさほど大事でもないものには、ノーと言わなければ、本質的なもの、大切なものを見失ってしまうのです。
ノーと言えない日本人?
日本人はノーと言えない国民性である、と言われています。
日本は島国かつ村社会なので、「みんなの『和』が大事」という価値観が根強いからでしょうね。
実は私はどちらかというとノーと言えてしまう性格です。
これはたまたまそういうふうに生まれついただけで、ドラッカーの言うように、人として何か成果を得たいから、ノーと言っていたわけではありません。
事実、ノーと言える性格のおかげで得したことは1度もないと思います。
むしろあまりにはっきり「ノー」と言うので、可愛げがなく、どちらかというと損をしました。
私の弟はとても温和なので、人気があり、お正月にたくさんお年玉をせしめていました。ところが、私はそもそも年始のあいさつに行かないので、何ももらえないのでした。
そんなふうに損をしましたが、自分がノーと言いたいときは、そう言ったほうが精神衛生にいいことはわかっています。
やさしい弟はいつもストレスをかかえ、数年前に大病にかかりました。
人の顔を立てることより自分の気持ちを大事にしたいです。
☆ノーと言えない人はこれを読んで練習しよう⇒断る勇気を持とう。上手にNo(ノー)と言う方法
ノーと言っても問題なし
ノーと言えない人は、人に嫌われることを恐れすぎているのかもしれません。いわゆる八方美人です。
もちろん人には好かれたほうがうれしいですが、嫌われても別にどうということはありません。
それに人として誠実にふるまい、礼儀正しく「ノー」と言えば受け入れてもらえます。
いわゆる No thank you (ノーサンキュー)です。
時間、エネルギー、お金、部屋の収納場所など、自分の持っているリソースはすべて有限です。
単に「ノーと言いにくいから」「イエスと答えるほうが簡単だから」「イエスにしとくほうが、その場の空気を乱さないから」という理由で、ノーを言わないでいると、どんどん自分のリソースが圧迫され、あとで大変苦しい思いをします。
すべてのものを手に入れることなど私たちにはできません。
「何もかも全部手に入れよう」と考えるのは、最初から間違っているのです。
人生は、選択の連続。何を選んで、何を選ばないかそのつど決めてゆきます。何かを選ぶことは、常にほかのものにノーと言うことなのです。
「でもやっぱりいつか必要になるかもしれないから、捨てられない。ノーと言えない」。
まだあなたはこんなふうに考えていますか?
ではもうひとつ、ドラッカーの名言をお教えしましょう。
The best way to predict your future is to create it.
自分の未来を予測する最良の方法はそれを作ることです。
どんどん不用なものを捨てて自分のやりたい道に進みましょう。