公園で読書する人

ミニマルな日常

最終更新日: 2022.12.10

「今」を大切にできる本棚にしたい:本の処分(その9)

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文化遺産である本は捨てないほうがいいのでは? という質問をくださったHさんが、ほかの人の意見を読んだ感想と、今後の方針をメールで教えてくれました。

この記事で紹介しますね。

最初のメールはこちらで紹介しています⇒本は貴重な文化財だから捨てるべきではない、という意見に私が思うこと。

この記事をアップしたあと、たくさんの読者が、本に対する思いや、どんなふうに本を処分しているか教えてくれました。



必要ない本は処分します

件名:本を捨てることについて質問をした者です。

こんばんは。

以前に本を捨てることについて質問をさせていただいたHです。

その際は丁寧なご回答を下さり、どうもありがとうございました。

また、たくさんの方々から反響があり、大変嬉しかったです。

お礼が遅くなり申し訳ありません。

筆子さんのご回答、皆さんのお便りともに、非常に有益で、すべてに感想を述べたいぐらいですが、時間がないのでまとめての感想とさせていただきます。





自分の判断に自信がなかった

ご回答やお便り、さらには筆子さんの他の記事を読み、「今の自分に必要がない本はためらわずに処分しよう」という気持ちになりました。

何人かの方が「Hさんは本当は本を捨てたくないのではないか」とおっしゃっていましたが、私としては「捨てたくない」ということはありませんでした(無意識とか潜在意識では捨てたくない気持ちはあったのかもしれませんが、少なくとも自覚している感情としてはありませんでした)。

ただ、「本を捨てる」という自分の判断に自信が持てなかったのです。

それで、「本を捨ててもいい」と確信が持てる記事を必死で探し、それに反する記事を見ると確信が揺らいでしまっていたのです。

しかし、人は色々なことを言うし、自分の考えが100%支持されるなんてことはありません。

だから、周囲の意見に左右されず、自分が正しいと信じたことをしよう、と思いました。もちろん、法に触れたり著しく道徳に反したりしない限度で行うことは当然です。

図書館で感じた視覚的ノイズ

今日、地元の図書館に行ったのですが、図書館で背表紙を見ていたら、何だかクラクラしてきました。

背表紙のタイトルだけでも作者の自己主張が自分に迫って来て「視覚的ノイズ」を感じたのです。

それで、乱雑に本が入っている自分の家の本棚も視覚的ノイズなのではないか・・・と感じました。視覚的ノイズの弊害はつい先日も筆子さんが書いていらっしゃったことです。

「本がたくさん入った本棚がある部屋」というと、どこか知的なイメージがあるし、積読の効用を説く人もいますが、実際には、活用していない本が入っているだけの本棚は、効用より弊害の方が大きいかもしれません。

厳選された、今の自分にとって必要な本だけが入った本棚であれば、視覚的ノイズにもならず、知識と教養を与えてくれるでしょう。

以前にも書いたように、本は、絶版になったり翻訳者が変わったりすることから、一度手放すと同じものは二度と読めなくなる可能性はあります。

でも、大切なのは「今」です。たとえ将来読めなくなってもその時はその時です。過去や将来に縛られた本棚よりも、今を大切にする本棚にしたいです。

今回は本当にありがとうございました! 非常に気持ちがすっきりしました。

これからも有用な記事を楽しみにしています。

Hさん、こんにちは。お便りありがとうございます。

記事が参考になってよかったです。

少し、本を捨てることにしたんですね。私もそのほうがいいと思います。

そもそも、書棚を用意して、そこに本を収納する目的は、そこにある本をそのうち読むためですよね。

中には、インテリアとして書棚や本を置く人もいるかもしれませんが、日本は狭いから、そういうことを何年もできる余裕のある人は、そんなにいないと思います。

書棚にある本は、よく読む本、近いうちに読み直す本が中心であるべきだ、と私は考えています。

ほかには、先日、「写真は記念だからとても大事である」、というメールを拝見して思いましたが、⇒記念に取ってあった学生証、結局捨てたけど、全然大丈夫でした~読者の体験談。、本の中にも、実用品ではなく、思い出の品や記念品化して、そこに置いておくだけで、安心感を与える役割を果たしているものもあるかもしれません。

その場合も、今の自分の生活を支えてくれる本であるべきだから、ずっと入れっぱなしで存在を忘れていることはないでしょう。そういうのは、もはや、大切な思い出品とはいえません。

書棚の片付けをするときは、一度、全部取り出して、「この本、今の自分に関係あるのかな?」とか、「この本を持っていないとして、きょうまた同じ分お金を出して買うかな?」と自問してみるといいでしょう。

多くの本が、「たまたま手に入れたから捨てるのももったいないし~」といった理由で、なんとなく置いてあるだけだと思います。

それでは、Hさんの書棚が片付けいて、シンプルライフに近づくことを祈っています。

どうぞ、お元気で。

自分自身に目を向けるすすめ

今回、たくさんの方から本の処分に関してメールをいただきましたが、意外に反応が大きかったので驚きました。

長く断捨離をテーマにブログを書いていますが、以前は本を捨てる話を書いても、さして反応がありませんでした。

人気があるのは、何と言っても洋服を捨てる話。その次は食器を捨てる話あたり。

本を捨てる話は、反応がよくないので、あまり書きたくなかったのですが、私は本をたくさん持っていて、よく捨てていたから、反応ないのがわかっていながらも、結局、しばしば書いていました。

今回、反響が大きかったのは、「文化遺産」といワードに対してだと思います。

「本を捨てることは、文化を大事にしないことだ」という意見に対して反応した人が多かったのでしょう。

この仮説は、「贈り物を捨てるのは、くれた人の気持ちをふみにじることだ」という意見に似ていると思います。

この2つの意見を大事にしてしまうと、「ガラクタがたくさんあって暮らしにくくなっている現状」や、自分自身の「もっとシンプルにスッキリと暮らしたい気持ち」が後回しになります。

悲惨な現状を無視し、自分の気持ちを大事にしないと、ストレスが増える一方です。

Hさんは、「自分の判断に自信がなかった」と書いていますが、今、部屋がどんな様子になっていて、どんな生活をしているのか、客観的に見れば、何かをキープしたほうがいいのか、それとも処分したほうがいいのかは、すぐわかります。

きのうも書きましたが⇒断捨離しすぎて頭が混乱し、判断できなくなったときにやってみるといいこと。

自分の判断に自信がないときは、さらに情報を求めようとするのはやめて、家の中と自分の心の中に目を向けてください。

そのほうがいい結果になりますよ。

ほかの読者の意見を読みたい方はこちらからどうぞ⇒本は捨てるな、という意見を読んで(その1)

****

以前、近藤麻理恵さんが、「私は本はいつも30冊にとどめています」と言っていたことがあります。

著書に書いてあったのか、ネットフリックスのショーで見たのか⇒近藤麻理恵が欧米で人気がある理由。

本人にサイトに書いてあったのか、そのへんは覚えていませんが、近藤さんは、自分の持っている本について話しただけで、ほかの人に、「30冊にすべき」と言ったわけではありません。

この言葉を聞いて、多くのアメリカ人が、「いや、本は大事だから、むやみに捨てるべきではないでしょう」と、ソーシャルメディアで反応しましたが、アメリカ人ですら、他人が何冊本を持つかについて、あれこれ意見を言いたいのだなあ、と思いました。

本を何冊持とうと、その人の勝手なので、好きにさせておけばいいですよね?

でも、人間には、他の人にも自分の思ったとおりに行動してほしいという気持ちがあり、自分が思っていることと違うことをしている人をスルーできない傾向があるようです。

この傾向は、日本人はなおさら強いと思います。

だから、迷ったときに、外に意見を探しにいくと、よけいなおせっかいの集中攻撃を受けて、ますますわからなくなります。

自信を持って、自分のしたいようにするのがベストです。





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