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使っていない教材を捨てたほうがいい理由を、「選択肢がありすぎると行動できなくなる」という観点からお伝えします。
教材はたくさんあるけど、なかなか勉強が進まない。
そんな経験がある人も多いでしょう。
私は語学が趣味なので、いろいろな教材を持っています。物理的な本も少しありますが、大半の教材がデジタルファイルで、Google Driveの中にたくさん眠っています。
このような教材を捨てない理由はいろいろありますが、ひとつは、「オプションを残しておきたい」という気持ちではないでしょうか?
「時間があるとき、いつか使うかもしれない」。「この教材を使う選択肢を捨てたくない」こんな気持ちです。
一見、たくさん選択肢を持っておくのはいいことのように思えます。
しかし、実際は、選択肢を残しすぎているせいで、その教材を使って学ぶ行動が妨げられることが多いのです。
以下に、なぜ行動が止まってしまうのか、5つのポイントから説明します。
1. 選択肢が多すぎると、動けなくなる
オプションが多いと、人はかえって決断しにくくなります。これは心理学でよく知られた現象です。
書店の参考書コーナーに立ったとき、「どれを選べばいいのかわからない」と迷うことがありますよね。あれと同じことが、家の中でも起きていると考えてください。
手元に何冊も教材があると、「こっちを先にやるべき?」「これはまだ早いかも」と考えて、決断疲れが起こります。その結果、どの本も開くことができず、結局今日も何も進まなかったということになりがちです。
気持ちに余裕がないときは、決断疲れを防いでみよう。やり方を7つ紹介します。
選べないのは、結局、動けないのと同じこと。
1冊の教材しかなければ、それをやるしかありません。でも、「ほかにもある」「あっちの方がいいかも」と思うと、迷っているうちに勉強する時間がなくなります。
今はYouTubeに無料で使える教材がたくさんあります。手持ちの教材にオンラインの無料教材がプラスされ、ますます選択肢が増えてしまいます。
選択肢が多すぎて、スタート地点にすら立てないのです。
バリー・シュワルツに学ぶ『選択のパラドックス』(TED)~所持品をミニマムにすると生きやすくなる理由とは?
2. 未完了のタスクが、ストレスになる
手元にある使っていない教材は、「いつかやろうと思っているけど、まだ手をつけていないこと」、つまり完了していないタスクです。
未完了のものが目に入ると、人は無意識のうちに「やらなきゃ」「まだやっていない」という気持ちになります。すると、脳は軽く緊張して、目の前の作業に100%集中できません。
実際、「見るだけで疲れる」「存在がプレッシャーになる」といった経験をしたことがある方も多いと思います。
未完了のまま放置されたタスクが、日々の小さなストレスの種(たね)になるわけです。
もし、あなたが私と同じように完璧主義的傾向があるなら、たくさんの教材を「全部やらなきゃ」「最初から最後まで読まなきゃ」と思ってしまい、ますますストレスが増えるでしょう。
もう使わない教材を手放してしまえば、晴れてそのタスクは完了します。やらないと決めるだけで気持ちがとても軽くなるのです。
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3. 教材があるせいで、今、やれない
不思議に聞こえるかもしれませんが、教材がたくさん手元にあるせいで、かえって勉強という行動をできないことがあります。
教材がそろっていると、「いつでも取り組める」という安心感が生まれ、すぐに行動する必要性を感じにくくなってしまうのです。
これは、私たちが、「いつでも行けるから」、地元の名所になかなか行かないのと同じ心理です。
人は、「今しか体験できない」と感じたものを優先的にする傾向があります。いつでも使える教材は、「べつに今やらなくてもいいもの」になってしまうのです。
その結果、「今日は忙しいから明日」「もっと時間があるときにやろう」と、その教材を使うことをどんどん先延ばしにします。
つまり、たくさん教材(選択肢)を残しているせいで、その教材を使うことができません。
私は、これまでの人生でたくさんの教材を手に入れましたが、実際に使ったのは、そのうちの5%もない気がします。
4. 過去の理想にしばられて、今の自分に合った行動ができない
古い教材がたくさんあると、今の自分のニーズにあった勉強をできなくなることがあります。
使っていない教材の中には、以前の自分が「こうなりたい」と思って買い集めたものも多いかもしれません。
たとえば、「英語を話せるようになりたい」「資格を取ってキャリアアップしたい」。そんな思いで買った教材です。
でも、今の自分にはその目標がもうしっくりこなかったり、興味や生活スタイルが変わっていたりすることはよくあります。
それなのに、過去の教材が残っていると、「せっかく買ったからやらなきゃ」という気持ちになってしまいます。
これは、すでに払ったお金や時間がもったいないと感じて、やめる決断ができないこと、つまり「サンクコスト効果(埋没費用効果)」と呼ばれる現象です。
本来なら、現在や今後の利益や価値を考えて何をすべきか判断すべきなのに、過去の投資に引っ張られて、まずい決断をしてしまいます。教材について言えば、昔の自分がいいと思った教材がありすぎるせいで、本当に今やりたいことや、必要な学びに集中できなくなります。
自分の本音はべつのところにあるのに、教材を手放さないせいで、その事実から目をそらしているかもしれません。
昔の自分が選んだ教材を思い切って手放せば、もっと今の自分に合った学びに集中できますよ。
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5. スペースと管理の負担が、行動を妨げる
教材がたくさんあると、物理的にも心理的にも管理の手間が生じます。
書棚や引き出しの中がいっぱいだったり、パソコンやクラウドのフォルダに未整理の教材が散在していたりすると、探したり、整理したりするだけでエネルギーが奪われますよね。
私も、毎日15分、Google Driveの中身の整理をしていますが、5分やるだけでどっと疲れます。
Google Driveのようなストーレージは、ついなんでも放り込んでしまって、魔窟のようなものになりがちです。
この点では、まだ物理的な教材のほうが扱いやすいかもしれません。
いずれにしろ、使っていない教材は、存在しているだけで、貴重なリソースを奪っています。
もう使わない教材を手放せば、スペースも、頭の中もすっきりします。本当に勉強したいなら、今すぐ始められる状態を作ることに注力すべきです。
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おわりに:選択肢を減らすと前に進める
教材という選択肢をたくさん残していると、かえって勉強できない理由を説明しました。
今日書いたことは私自身が痛感していることです。
クラウドの中には「どうしてこんなものまでダウンロードしたんだろう?」と不思議に思うものがたくさんあります。
教材に限らず、選択肢が多すぎると、日々のフットワークが重くなります。
「どれを読むか迷う本棚」「どれを着るか迷うクローゼット」「どれを食べるか迷う冷蔵庫」。
選択肢が多すぎる環境は、決して自分のためにはならないのです。
「使わない教材を手放す」という小さな行動が、あなたのエネルギーを取り戻すきっかけになります。
長年使っていないものは思い切って手放して、今したい行動に集中できるようにしましょう。