クローゼット

TEDの動画

クローゼットにあるガラクタと向き合いなさい(TED)

ガラクタを片付けるのを先延ばしにしている人の背中を押してくれるTEDのプレゼンを紹介します。

タイトルは、Listen to the Monster in Your Closet (あなたのクローゼットの中の怪物の声を聞きなさい)。プレゼンターは、プロの片付け人でライフコーチのスター・ハンセン(Star Hansen)さんです。

この『怪物』とは、クローゼットの中にたまっているガラクタのことです。



クローゼットの中の怪物、TEDの說明

Certified Professional Organizer®, Star Hansen, helps people come face to face with every type of clutter monster lurking in their homes and behind closet doors.

In a powerful, funny talk at TEDxTucson, Star shares the radical idea that clutter is trying to tell us something about ourselves, and that listening to it will end up transforming our lives.

プロの公認片付け人、スター・ハンセンは、家の中やクローゼットの扉のうらにひそんでいるあらゆるタイプのガラクタというモンスターに、人々が向き合う手助けをしています。

ツーソンでのTEDXにおける、パワフルでおもしろい講演で、スターは、急進的なアイデアをシェアします。ガラクタは、私たちに私たちのことを教えようとしてくれていて、その言葉に耳を傾ければ、人生が変わる、というのです。

プレゼンは15分42秒。字幕はありませんが、『筆子ジャーナル』を愛読している人にとっては、なじみのコンセプトなので、わかりやすいと思います。動画のあとに抄訳を書きます

☆TEDの說明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に





ガラクタという名のモンスター

モンスターは本当にいます。みなさんのクローゼットの中に。

私の仕事は、モンスターたちを見つけ出し、白日の下にさらすことです。毎日のように、ベッドの下をはいつくばったり、屋根裏部屋の中をあさったりして、おそろしいモンスターを見つけています。

つまり、皆さんのガラクタです。

私はプロのオーガナイザーで、人の家に行って、ガラクタやカオスをなくす仕事をしています。

私は自分の仕事が大好きです。誰かのスペースを美しく機能的なものにするのは、すばらしい気分です。

ですが、人は、私の仕事を怖いことだと思います。ふだん誰にも見せたくない場所へ、私が入り込むからです。

キッチンのガラクタを入れる引き出し、物置になっていて車を停められないガレージ、誰も入ることができない汚部屋。

いまや、ガラクタは、さらに恐ろしい存在になっています。

物理的なものじゃないものもたまっていますから。

いつまでも終わらない長いTo-doリストや、予定でいっぱいのカレンダー、見なければならないショーが列をなしているNetflixなんてのもあります。

物を捨てるだけではリバウンドする

人の家を片付け始めたとき、仕事はきわめてシンプルだと思いました。ガラクタを見つけて捨てるだけですから。

しかし、そうではありませんでした。何度も何度もガラクタが戻ってくるのです。

そこで、アプローチを変えることにしました。ガラクタという怪物をよく知ることにしたのです。

先入観を捨て、恐ろしい見かけにまどわされないようにしたら、ガラクタは、私に語りかけるようになりました。

ガラクタは語ります。その声に耳を傾けなければなりません。

物はみんな声を出している

この話を人にすると、たいてい、皆、ガラクタは自分についてひどいことを言うと考えます。自分はなまけもので、片付けられない人間なのだと。

ガラクタは決してそんなことは言いません。

私は、皆さんがガラクタの声を聞く手助けをしたいのです。何かを本当に理解したとき、はじめてそれを解放することができます。

ガラクタは本当にたくさんのことを語ります。

家にあるすべての物は、声をもっています。物がありすぎると、何千人もの人が、叫んでいるような状態です。

その叫び声に圧倒されそうになることもあります。でも、ガラクタの声を聞くと人生が変わりますよ。

私のクライアントのことをお話ししますね。

トリシアの割れたティーカップ

トリシアに、台所の片付けの手伝いを頼まれました。

トリシアは小柄でやせていて、せわしなく動き回っていて、ほとんどしゃべりませんでした。彼女には20年連れ添ったポールというご主人がいました。

ポールは堂々とした人で、ひじょうに雄弁でした。

キッチンのカウンターは物であふれていました。紙の山、キッチンツール、ビタミン剤、食器、調味料。3人で片付けて、きれいにしました。

ほとんど完璧に。

カウンターのはしに、小さなこわれたティーカップが残っていました。

「トリシア、このカップ、どうするの? 捨てずに持っておくの? それとも寄付するの?」

トリシアはポールを見て、それからうつむきました。

「ポール、このカップ、何かいわくがあるの?」

争いのもとを物でおおい隠していた

「彼女が悪いんだ! 私のお気に入りのカップをトリシアがこわしたんだよ。彼女が悪いことをしたとわからせるために、そこに置いてあるんだ」

これを聞いて、トリシアが反応しました。

「私はこわしてないわ。ポールがこわしたのよ。私には関係ないから、さわらないようにしているの」

このカップは、もう1年もここにあるというのです。1年間、このカップが毎日、沈黙の戦いに火を注ごうとしていました。

一緒に生活するために、トリシアとポールは、カップをほかの物でおおっていたのです。ケチャップや、ビタミン剤なんかで。

そうしないと、お互いに殺し合いかねませんからね。

ガラクタは声を出します。このカップは、トリシアの、「私の言うことをちゃんと聞いてよ」という言葉を代弁していました。

カップは、自分の家で、自分の気持ちを表すことを恐れていた女性だったのです。トリシアは、自分では声に出せないことを、物に言わせていました。

家の中を片付けることは、その人の問題をすべて解決する特効薬ではありません。

ときには、問題を表面化させます。トリシアの場合のように。

ガラクタは秘密を語る

ガラクタの心配をしていない人のために、ガラクタの真実をもう1つお教えしましょう。ガラクタは、あなたの秘密を語ります。

私がみなさんの家に入り、一目見れば、みなさんの暮らしがわかります。

誰が恋愛中なのか、誰がお金の問題で悩んでいるのか、誰がその家で主導権を握っているのか。

クローゼットを片付けるために雇われたのに、結婚問題や仕事の悩みのカウンセリングをすることがよくあります。

本人がそう言うんじゃないんです。ガラクタが語るのです。

ジェームスのベッドの秘密

伯母さんが亡くなったとき、ジェームスは、家族のガラクタを全部引き受けることになりました。LAに住んでいた彼は、夢の生活を送っていました。

ジェームスはハンサムで、仕事でも成功し、素敵な家に住んでいました。雑誌の表紙になりそうな家です。はじめは、なぜ、自分が呼ばれたのか、不思議でした。

廊下のはしにある部屋のドアの前に来た時、自信にあふれていたジェームスが、神経質な子供のようになりました。

そこは彼の寝室です。

ドアを開けると、ガラクタがありました。片側の壁にそって、大きなダンボール箱が、積み上げられていたので、ドアが完全に開きませんでした。この段ボール箱は伯母さんの荷物です。

ベッドの片側に物がいっぱいのっていました。雑誌、お菓子の包み紙、紙類、洗濯物。

家の中にあるたった1つのガラクタスポットが、寝室ではなく、ベッドの片側であるのが奇妙だったので、彼に質問しました。

ベッドは、ロマンスや親しい関係を生み出す場所です。「考えすぎかもしれないけど、恋愛を恐れているなんてことはない?」

彼は横を向き、考え込んでいましたが、そのうち泣き出しました。

「最後に付き合っていた女性にひどい目にあわされた。2度とそんな思いをするのはごめんだ」。

ガラクタが語っていたのはこれです。痛みが大きすぎると、言葉にできません。

ベッドにのっていたガラクタは、「恋愛は危険だ」と叫んでいたのです。積み重ねれられた段ボール箱は、彼の心を守っていました。

ずっと独身で安全でいられるように。

自分自身ではできないことをガラクタがやってくれます。

ガラクタは自分を映す鏡

みなさんのガラクタは何を語っているでしょうか? 家の中の様子を思い浮かべて、ガラクタを見てください。ぐしゃぐしゃで恥ずかしい物のことを。

最後にそういうガラクタと向き合ったのはいつですか?

1年前、5年前、1982年?

10年間、開けていない箱と対話する心の準備ができていますか?

クライアントの家へ行くと、たいてい皆、恥ずかしいと感じています。ガラクタのことや、人がそれをどう思うか心配し、屈辱を感じています。

ですが、もっと恐ろしいのは、自分にとってそのガラクタはどんな意味があり、自分は、自分のことをどんなふうに考えているかです。

自分はガラクタそのものだと恐れているのです。

それは真実です。私たちが、ガラクタというモンスターなのです。

私には私の物があり、皆さんは皆さんの物があります。

皆さんの持っている物は、皆さんを映す鏡です。それは皆さんの希望、ゆめ、経験が集まったものです。

同時に、皆さんのユニークな考え方も表しています。それは恐れるべきものではありません。人生を歩む助けになる、パワフルな力です。

ガラクタと仲直りすれば、自分と仲直りできます。

大事なのは自分の心の中

私は、皆さんの家がどんなふうだろうと気にしません。一度も片付けたことがなくても、ものすごくきれいでも。

皆さんの持っている物もどうでもいいです。

私が気にかけているのは皆さん自身です。私はヒーラーです。ガラクタを使って、皆さんの大きな傷をいやします。

私にとって片付けは、家をとおして、皆さんの心の中を探求することです。

自分の素晴らしさを思い出すことを手伝っているのです。

私が見るのはぐしゃぐしゃのガラクタではなく、みなさん自身です。私はそれを愛しています。いいことも悪いことも含めて。

みなさんの人間らしさやガラクタを愛しているのです。

ガラクタはこころの中の嵐を外的に表していますから。人生における未解決の課題や感情を表しています。

誰もがそういう問題を持っています。そういう課題や気持ちに対処しないと、人生のどこかに表れてきます。

ガラクタはありがたいもの

ガラクタではないべつの怪物をかかえている人もいます。食べ物、愛情、お金、仕事の分野にモンスターがいます。

私は物の片付けで悩むことはありませんが、問題はかかえています。誰もがそうです。

ガラクタや、その他の問題は、すばらしい教師です。もしその声に素直に耳を傾ければ、解決に向けて、自分の進むべき道を見せてくれます。

ガラクタと向き合ったおかげで、ジェームスは、孤独から抜け出しました。段ボール箱を片付けた2年後、彼はある女性と出会い、結婚して8年たちます。

トリシアのガラクタは、彼女の声を引き出しました。人生や結婚生活をどうやってはぐくむか、教えてくれたのです。

翌年、トリシアは、セラピストになり、いまは、ほかの女性が声を見つけることを手助けしています。

いつも、こんな大きな変化が起きるわけではありません。ときには、何かを終えたり、安心したり、心が穏やかになることもあります。

実は、こういうことが、人生を変えるのです。

外側なんてどうでもいいのですから。大事なのは、心の中でどう感じているかです。

ガラクタはいやしを誘うものです。傷をいやし、ベストの自分になるために、歩かなければならない谷間です。

ガラクタはありがたいもので、呪うべきものではありません。

クローゼットの中には本当に怪物がいます。しっかり向き合って、ガラクタを通して、自分自身と対話をしてください。

ベッドの下にいる怪物だと思っていたものは、ただのほこりのかたまりかもしれません。ガラクタは一見、恐ろしく見えるけど、その言葉をしっかり聞けば、実は友だち、ヒーロー、救世主だと気づきます。

それは皆さんを自由にし、人生をすばらしいものに変え、よりよくしてくれます。

イディオムなど

larger-than-life personalitty  力強い人、堂々としている人、スケールが大きい感じを与える人

silver bullet  特効薬、確実な方法

wear the pants in the family   その家庭で主導権を握る

make peace with  ~と若いする、仲直りする

picture-perfect   完璧に絵になる、全く欠点のない

care about   大事にする、大切にする

dust bunny   ベッドやソファの下にあるほこりのかたまり

rock your world  人生をすばらしいものにする

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考えながら捨てる

部屋にあるガラクタが、自分という人間を表している、というのは、そんなに突飛な考えではありません。

カレン・キングストンも同じことを言っています⇒スペース・クリアリングとは何か?そのやり方とは?~カレン・キングストンに学ぶ

実際、すべての物が、過去の自分の判断や選択の結果ですから、そこにあるものを見れば、自分がどんな生き方をしてきたか、わかるのです。

ですから、自分のガラクタは自分で捨てたほうがいいし、何も考えず、やみくもに捨てるよりは、考えながら捨てたほうが、のちのちリバウンドしません。

ガラクタには大きなヒントが隠されているのですね。

ガラクタを見ても、何の声も聞こえないときは、「これ、なんでここにあるのかな?」と考えてみるといいですよ。

*****

こわれたティーカップのエピソード、おもしろいですね。

夫婦の間でありそうなことです。

見せしめのために物を置く。

自分には関係ないことを示すために、絶対手を出さない(しかし、心の中ではいつもその物のことを考えて不愉快になっている)。

ともに、私も経験あります。

こんなときは、相手を完全に許すか(そのまま受け入れる)、話し合って歩み寄るほうが、ストレスがたまりません。





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