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夏はイベントが多いし、セールもあるのでお金が出ていきやすい季節です。開放感もあるため、衝動買いしやすい人は、気をつけるべきタイミングだと思います。
これまでさまざまな衝動買い防止法をお伝えしてきましたが、今回はメディアリテラシーを高めることによって、賢くお金を使うことを提案します。
メディアリテラシーとは?
メディアリテラシーはざっくり書くと、情報にアクセスし、取得した情報を読み解く能力、さらに情報を発信する能力です。
メディア(media)は、情報を伝える手段や媒体で、たとえば新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、ウエブサイト、SNSなど。
リテラシー(literacy)は、読み書きをする能力。
メディアリテラシーは、その言葉が使われる文脈によって微妙に意味が変わりますが、この記事では、情報にアクセスすることと、その情報を活用する能力を向上させる方法を紹介します。
現代は情報社会で、多くの人がスマホで四六時中、インターネットにアクセスして何らかの情報を得たり、発信したりしています。
今ほど、人類史上、メディアの影響力が強いときはないかもしれません。
私が子供の頃(昭和です)は、新聞、テレビ、ラジオの影響力が強く、もちろんインターネットはなかったので、わりと皆の知っていることや、価値観も一律化していたと思います。
でも、今は違いますよね?
いろいろなところからいろいろな情報が発信されるので、メディアリテラシーがないと情報の海におぼれて無駄に忙しくなったり、必要のないものを買ってしまったりして、生活の質が落ちます。
特に最近はSNSの影響で買い物をしてしまうことが多いので、メディアリテラシーを高めないと、いつまでたっても無駄遣いがおさまりません。
多くの情報の裏には意図がある
メディアを読み解く能力でもっとも重要なのは、多くの情報には裏にその情報を流した人の意図があると知っておくことです。
もちろん、ごく自然に発生する情報もたくさんあります。
たとえば、通勤途中に交通事故を目撃したあと会社の同僚に、「今、来る途中で事故を見た。赤い車とトラックがぶつかったみたい。すごい人だかりができてたよ」と言った場合、この情報は、ごく自然に生まれたものです。
そこに意図的な操作や計画性はなく、ただ単に客観的な事実に基づく情報です。
まあ、人間には認知バイアスがあるので、客観的なつもりでも、主観が入っていることは多分にありますが、少なくともその情報を流すことで特定の結果を得ようという意図はありません。
しかし、買い物の意思決定のもとになる情報はたぶんに仕掛けられた情報です。
たとえば、
・商品の広告: 目的はその商品を売ること。その結果を得るために、メリットだけを強調したり、誇張表現を使ったりします。
・政治家の演説:究極の目的は次の選挙に勝つこと、または議席をたくさん得ること。国民のためになる政治をしたい、社会に役立ちたいという思いから、選挙に勝ちたいと思っている政治家もいるかもしれませんが。
この場合、実現不可能な公約をしたり、相手の政策を批判したりします(アメリカ大統領選を見ているとよくわかります)。
・インフルエンサーの投稿: 主な目的は商売。企業から報酬を受け取り、特定の商品やサービスをあたかも自分の「愛用品」のように紹介します(すべてがそうだとは言いません)。
・フェイクニュース:目的は世論の操作や撹乱。 誤った情報を意図的に拡散させます。
上の4つはすべてが一般庶民の生活に関係がありますが、節約したい人は、広告とそれに類するものの意図を見抜く力を養ってください。
情報を鵜呑みにしない
情報には発信者の意図がある、自然に生まれる情報でも、伝わるプロセスで人の主観や意図が入る。
情報を解するときには、この原則を忘れないようにすると、それだけで、メディアリテラシーが一段階アップします。
次に、情報をもとに行動する前に、ちょっと考えるくせをつけてください。
具体的なやり方を紹介します。
・ニュースを見る時: どのメディアが報道しているのか、そのメディアの立場は何かなどを考えながら見て、できれば複数のソースに当たる。
・広告を見る時: 商品のよさだけでなく、今、その広告が流されている背後にある売り手の戦略や意図を想像する
・SNSを使う時: すぐに拡散しない。情報の真偽を確かめ、拡散する前に拡散したあとの結果についてちょっと考える
SNSでは、不幸な人のエピソードやかわいそうな人の話は拡散しやすいと思います。
私たちは、かわいそうな人に共感して、連帯感を示そうとするし、人によっては正義感が強く、人によっては、自己顕示欲を満足したくて、拡散します。
SNSにはアルゴリズム(普段見ている投稿がどのように表示されるか決める仕組み)があるので、たくさん拡散された投稿は、多く人のフィードに表示されますます拡散されるようになっています。
このアルゴリズムも、プラットフォームの人がある意図を持って作っています。
「え~~かわいそうすぎる!」と思って拡散する前に以下のことをしてください。
- 真偽を確かめる(ニュースは当事者の立場を変えるだけで意味合いがかなり変わります)
- この投稿が拡散された場合、誰かを傷つける可能性はないか考える
- 拡散後、状況が悪化する可能性はないか考える
- プライバシー侵害につながらないか考える
・買い物をする時: 商品の口コミやレビューを鵜呑みにしない。
アマゾンのレビューを読めばわかりますが、いろいろな人が、いろいろな立場で好きなことを書いています。買い物の参考にするなら、客観的に書かれているレビューを参考にしてください。
ふだん冷静な人でも、感情的なときは、かなり偏った意見になります。
情報ソースをうまく選ぶ
情報を取得するときは、客観的な情報を流すところや信頼できるサイトや番組を選びます。
また情報を取得しすぎないことも重要です。
衝動買いを防止したいなら、SNSの利用は制限したほうがいいと思います。
SNS上で表示される広告やプロモーションは、アルゴリズムによってターゲティング(特定の顧客層に合わせた広告を流すこと)されており、ユーザーの購買意欲を高めます。
SNSのアルゴリズムは、ユーザーに最適なコンテンツを提供するために設計されているはずですが、消費行動や日常生活に大きな影響を与えています。
スマホを見るのはとても個人的な活動です。
ずっと小さい画面で動画やテキストを見ていて、ある意味、その世界に没入しています。そんなときに広告が流れてくると、ほかの可能性(買わない選択肢、またはその商品を使わずに生きていくこと)を思いつきません。
とくに長時間、休憩なしにスマホを見ているときは注意してください。
私はSNSのヘビーユーザーではないし、そこに流れる広告もわりに客観的に見ているので、広告がもとで買ってしまうことはありません。
ですが、アマゾンの「この商品を買った人はこちらも買っています」という親切なおすすめに、たまに心を動かされることがあります。
「あ、これいいのかも?」と思ったとき、もし隣に娘がいれば、「ねえねえ、これも買っといたほうがいいかなあ?」と聞くでしょう。
そして娘は「え、ママ、こんなのいらないって。そもそもいくらなの? え、40ドル? ぼったくりすぎる」と言うはずなので、私はその商品を買わない選択をします。
しかし、スマホを見ているときは、こんなふうに人に相談できません。
そのせいで視野が狭くなってしまい、衝動買いの可能性があがると私は考えています。スマホを使いながら意思決定するときは、すぐに決めるのではなく、一度、スマホから手を放し、ほかの世界に目をやることがとても重要です。
きょうのまとめ
情報を適正に理解し、使う力であるメディアリテラシーは現代においてひじょうに重要な能力です。
メディアリテラシーが向上すると、衝動買いが減り、買い物の満足度もあがります。
今後も情報は増えることはあっても減ることはないでしょう。情報には送り手の意図があることを忘れずに、うまく付き合っていってください。