お金がない人。

ミニマム思考

みんながミニマリストになったら日本経済は衰退するのでは? という質問への回答。

読者の方から、こんな質問をいただきました。

節約するには何より物を買わない事!って、本当に私もそう思いますが、その様に、みんなが物を買わなくなってしまったら、物がどんどん売れなくなり日本経済は衰退し、みんな薄給になりますます苦しくなっていくのではないか?との畏怖かあります。

筆子さんのご意見をお聞きしたいです。

今回はこの質問にお答えします。



ミニマリストになるのは悪か?

同様のことを言う人、少なからずいらっしゃいます。「おまえら、ミニマリストなんて言ってかっこつけてるけど、日本経済に貢献していないんだぞ。自分だけよければいいってもんじゃないんだぞ」と言う人が。

先に結論を書くと、もし仮に、現在大量消費をしている人のほとんどがミニマリストになったとしたら、確かに、短期的に打撃を受けるセクターはあるでしょう。

たとえば、100均、ファストファッションの店など、使い捨て商品を安く販売している店とその周辺産業です。貸し倉庫や収納グッズを売っている人も、仕事がなくなります。

片付け産業も衰退し、やましたひでこさんの本も、近藤麻理恵さんの本も、一緒にするのはおこがましいですが、私の本も、もう本屋には並ばないでしょう。

しかし、長期的には、今よりよい世の中になると思います。

そもそも、マキシマリストが大半の社会は(今もそうですが)、かなり暮らしにくく、生きづらい世の中ではないですか?

これまで、ミニマリストは少数派だったはずなのに、すでに充分景気が悪かったと思います。

「ミニマリスト的生き方は、国民としてどうよ?」という言う人たちは、景気を回復するために、日本国民はこれまでどおり、いらない物を買い続け、家の中にためこみ続け、時々、大量に断捨離し、また買い直し、ストレスをかかえて働き続けるべきだ、と考えているのでしょうか?

お金がないのにクレジットカードを使って、不用品を大量に買って、借金を作ることが、日本経済の活性化につながるのでしょうか?

国も国民も大量の借金をかかえることが、景気回復への道でしょうか?

私は違うと思います。それはこんな理由からです。

経済は人の幸せのためにある

そもそも経済というものは、人間がより幸せになるために、自分たちが作ったものです。

私は、人が経済のために何かするのではなく、経済が私たちの暮らしために、機能するべきだと考えています。

チリの経済学者のマンフレッド・マックス=ニーフ(Manfred Max Neef )の言葉を引用します。
———-
The economy is there to serve the people and not the other way around.(経済は人のためにあるものであり、その逆ではない)。
———-

この言葉は、こちらの記事で紹介しているTEDの動画で紹介されたものです⇒お金を使わずに1年暮らしてわかったこと:キャロライン・ホーグランド(TED)

国の経済活動にはこんなものがあります。

●国民の個人的な買い物(個人消費)
●企業が製品を作るための工場などを作る(設備投資)
●国がインフラ(道路、橋、水道など)に投資する
●作った物を海外に輸出する。

日本やアメリカでは、個人消費の割合が高いです。だから、人がたくさん買い物をすればするほど、景気がよくなり給料もあがる、というのは、一面では本当です。

しかし、そのやり方を追求してきた結果、今の世の中があります。

日本はこれまで、たくさんの物を作り、消費し、捨てる経済を推し進めてきたわけですが、その結果、はたして本当に私たちの生活は豊かになったのでしょうか?

買って、買って、買って、買いまくったから、大多数の女性のクローゼットは、いらない服で満杯。さらに収納ケースや収納グッズも大量に買い込み、ウルトラ級の収納術を発揮したにもかかわらず、にっちもさっちもいかなくなり、今はみんな物の捨て方に悩んでいます。

今の世の中、確かに便利な物はいっぱいありますが、ゴミのように余計なものもどっさりあります。「お金がすべて」「物は多ければ多いほどいい」と考える人が多く、仕事ばかりして、ストレスがたまり、心を病んでいる人の数はどんどん増えています。

バブル経済のときは潤っていたかもしれませんが、長くは続かず、バブルがはじけたあと反動が来ました。

大量生産、大量消費、大量廃棄を続けることは、地球のリソースを枯渇させるので、長い目で見ると、持続可能な理想的な経済ではありません。

すでに、ファストファッションを作るために、発展途上国の人や環境に大変な負担がかかっています⇒『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』11月日本で公開。服を買い過ぎる人は必見です

物を作るときにコストがかかるだけでなく、いらない物を廃棄する時にも、多額のコストがかかっています。

国民の大量消費に頼る経済を続けても、未来は暗いです。

別の経済を模索するべきではないでしょうか?





ミニマリストは消費をしないわけではない

多くの人はミニマリストを誤解しています。

ミニマリストは消費を全くしない人たちではありません。一部のミニマリストは、自分の家は持たず、ホテル住まい、食事は外食と、一般人より消費する割合が高いこともあります。

もちろん、私のようにあまりお金を使わないミニマリストもいますが、かすみを食べて生きるわけにはいかず、家計簿には買った食品の名前と値段がびっしり並んでいますよ。

家賃だって払っています。服もたまには買います。先日、5本指ソックスを買い替えたばかりです。それに歯医者にはとてつもなくお金を使っています。

ミニマリストは、消費をしないわけではなく、お金を投下する場所が、マキシマリストとちょっと違うだけです。

一口にミニマリストと言っても、いろいろな人がいますが、一般にミニマリストは、チープなFMCGをあまり買いません。

FMCGとは、fast moving consumer goodsの略で、低価格の消費者向けの日用品、一般消費財です。FMCGは消費者の需要に合わせて、わりと短期間で販売されています。回転が早い商品ということです。

その「需要」はたぶんに作られたものである、と私は考えていますが。

よって、先にも書いたように、ミニマリストが増えると、ファストファッショの店などは、存続が難しくなるでしょう。

しかし、より品質がよく、長持ちする商品を扱っている企業や小売店にはお金が流れていきます。さらに長持ちする、質のいい物が開発されるでしょう。

ミニマリストは物理的な物にはあまりお金をつかわず、サービスや情報にお金を使うと思います。

私のような貧乏ミニマリストはともかく、海外のミニマリストの多くは「物にお金を使うな、経験を買え」と言っています。

たとえばこの人⇒物にお金を使わず体験に使おう:ショーン・ボナー(TED)

すると、旅行産業や文化事業(美術館、スポーツのイベント、音楽コンサートなど)や、高度な情報産業(テクノロジー)の需要が増え、発展すると考えられます。

安価なだけの物はあまり売れなくなり、質のいいものが売れ、その価値が測りにくい絵画など文化的な商品が、今より求められていくでしょう。

つまり、一時的に給料が下がったり、失業をする人が出ても、長期的には、雇用は生まれ続けるのです。

全体としての雇用口は減るかもしれません。ファストファッションを作るために、人件費の安い労働者を大勢使っていたのが、職人が1人で質のいい服をゆっくり作る、というふうに変わるでしょうから。

しかし、高品質の服を作る職人は、1人で、ファストファッションを作っていた100人と同じぐらい稼ぐでしょうから、国が得る税金はあまり変わらないでしょう。

ただ、ファストファッションを作っていた人たちは、あんな工場では働きたくはないとしても、給料は必要なので、別の仕事を見つける必要はあります。

貯金が増えるのは悪いことではない

消費者が、買い渋って貯金が増えると、経済が衰退する、と言われていますが、これも短期的な現象だと思います。

ミニマリストたちが、物を買わず、たくさん銀行にお金を預けたとします。すると、銀行はよりたくさん投資するお金を持ちます。

国民の大半がミニマリストの国の銀行家は、もはやFMCGを作っている企業には投資しません。

エネルギー産業や、不動産、有機農業、サービス産業、IT系の産業に、より投資するのではないでしょうか。

また、消費者自身も、よけいな物を買わないことで、余ったお金を長期投資にまわすかもしれません。

=======
長期的には、よい社会になっていくと思いますが、それまで、さまざまな調整が必要なので、山あり、谷ありの道をたどることは充分想像できます。

実際には、私が書いたようには、うまくはいかないかもしれません。

現在の日本政府は、個人消費に頼っている面が強いので、金利がとても低く、「貯金なんてしたらあかん、物、物、物、物を買いなはれ」というメッセージを送っています。

100均で、そこそこ高品質なFMCGをとても安く買うことができます。品質のいい物は当然のことながら高く、不動産の税金も高いです。

それでも私は、このままみんなが、どんどん物を買い続けるより、1人でも多くの人が、ミニマリストにはならないまでも、自分が大切に思っている物にお金を使うようになったらよいな、と考えています。

そのほうが本人の幸せにつながるし、地球にとってもよいと思うからです。





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