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現代人が毎日食べている加工食品。健康という観点から見ると、加工食品の摂りすぎは害になります。ですが、そもそも加工食品が何であるのか知らないと、避けることもできません。
この記事では、加工食品とはいったい何か、そのメリット、デメリットと合わせて紹介します。
まず、加工されていない食品の説明から始めますね。
加工されていない食品とは?
一般に、自然から採れたままの状態を保持している食べ物は加工されていない食品です。
具体的には、農産物、畜産物、水産物。このような食品は、最近、リアルフード、ホールフード、ナチュラルフードと呼ばれることもあります。
それぞれの定義は時と場所によって微妙に違いますが、だいたい、自然に近い状態で栄養のある食品はナチュラルな食べ物です。
農産物は、農業で採れる物。穀類、野菜、果物、お茶など。畜産物は、牛、豚、鶏などの家畜から取れる肉、卵、皮など。水産物は海や川から捕れる魚や海藻、貝などです。
とはいえ、最近は遺伝子組み換え食品もあるし、近代的な畜産は、自然の摂理を無視して、不自然に動物を成長させたり、卵を産ませたりしているので、ナチュラルかと言われるとそうとも言い切れません。
遺伝子組み換え食品とは?⇒遺伝子組み換え食品(GMO)の何が問題なのか?
加工食品とは?
先に説明した、自然から得られた食品に、何らかの加工を施したものが加工食品です。
リアルフードとの簡単な見分け方は、箱や容器に入っているかどうか。加工食品は、自然から採れたものに誰かが手を加え、箱に入れたり、個別包装しています
加工の種類
加工とは、例えば以下のようなことです。
●加熱する
●冷却する
●乾燥する
●塩漬け
●砂糖漬け
●お酢を添加
●製粉する
●圧力をかける
●煙でいぶす
●食品添加物を加える
なぜ加工するのか?
人類は大昔から食品を加工してきました。
その理由は、
1.食べ物の持ちを長くする(保存性を高める)
2.安全性を高める(バクテリアなどの微生物を殺す)
3.栄養を添加する
4.食べやすくする
5.おいしくする
6.運びやすくする
など。
現在は、食品の価格を安定させるため、流通を安定させるため、あるいは、企業の利益を最大限にするため、という理由でも加工されています。
人が食品を加工してきた主な理由は、1番と2番です。昔は、塩漬けなど、ごく自然な方法で、食品の寿命を伸ばそうとしていました。いわゆる保存食です。
しかし、現代は技術が進んだので、人が作った不自然な物を保存料として添加して、食品の持ちをよくすることが多いです。
ホールフードに含まれている自然な脂肪分は、数日たつと腐ってへんな匂いがしてきます。そこで、この脂肪分を取り去り、より安価で、安定しているトランス脂肪酸を添加します。すると、その食品は持ちがよくなり、スーパーに長く置いておけるのです。
トランス脂肪酸についてはこちらをどうぞ⇒トランス脂肪酸が入っていそうな健康によくない食べ物リスト
食品加工技術が進んだので、一見、自然のもの、古くからある加工技術を使っているように見えるものでも、こういう高度な加工がなされていることがあります。
カナダの一般スーパーで売っている牛乳やヨーグルトはかなり賞味期限が長いです。最初はびっくりしました。
牛の乳という、きわめてナチュラルなものがベースになっている食品なのに、賞味期限が長かったら、近代的な技術を駆使した化学的な保存料が入っていると考えていいと思います。
また、値段が妙に安かったら、自然から大きくかけ離れている、と疑ったほうがいいでしょう。
加工食品のメリット
食品加工技術は一面においてはとてもありがたいものです。加工食品にはこんなメリットがあります。
安全(ある意味で)
多くの加工食品は缶や瓶、袋など、空気にふれない、気密性の高い容器に入っているので、細菌が入り込まないようになっています。うっかり腐った食べ物を口にする危険性がありません。
とても便利
季節を問わず、どんな食品でも手に入れることができるのでとても便利です。近くで野菜が採れない場所に住んでいる人でも、冷凍の野菜や、半加工された野菜、缶詰の野菜を食べることができます。
近年、加工食品がこんなに人気なのは、忙しい人が多いという理由もあるでしょう。
コンビニに行けば、はじめからカットしてある野菜が袋に入って売られています。半調理品なども、共稼ぎの主婦にはありがたい食品です。
このように、通年で、安全で便利な食品を比較的安価に入手できるのは食品加工技術のおかげです。
バラエティ豊富
加工食品は加工されているのですから、自然にはないような食べ物を作ることができます。たとえば、お菓子やパンはすべて加工食品ですが、洋風のスイーツに和風の何かを掛けあわせたりするのは、加工食品ならではです。
見た目や味も面白いものがたくさんあり、実際多くの人に人気があります。これは1つの文化と言えましょう。たとえ、どんなに体に悪くても。
加工食品のデメリット
加工食品のデメリットを一言で書くと、栄養がないのに、体に悪いものがたくさん入っている、ということになります。
栄養が失われる
食品を加工すればするほど、もとあった栄養が失われます。特に、野菜や果物の、ビタミンと食物繊維がなくなってしまいます。
加工度があがればあがるほど、栄養の流出はさけられません。小麦粉は、もともとあったビタミンの60%ほど失われています。あまりに栄養がないので、わざわざ、ビタミンを添加したものが売られているほどです。
胃腸の機能を損なう恐れあり
加工度の高い食品は、自然から採れたものというより、工業製品と呼んだほうがいいものです。
人にとって、異物なので、胃腸の機能が損なわれ、人によっては、下痢をするなど消化器官の不調に悩まされます。
消化器官はとても大切な部分ですから、ここがうまく機能しないと、ほかの内臓も調子が悪くなり、その被害は全身に及びます。
炎症を起こしやすい
加工食品にはトランス脂肪酸や砂糖がたくさん入っています。この2つは、炎症を引き起こすので、体によくありません。
これは、上に書いた、腸の不調とあいまって、慢性的な炎症になり、これが動脈硬化、肝臓病、糖尿病などの生活習慣病の原因になります。
加工食品の害はこちらでもまとめています⇒健康とダイエットの敵~加工食品の3つの害を知っていますか?
腎臓によくない
食品添加物の多くは人の体にとっては異物です。
安全性(毒性)は添加物によって違います。政府は、「安全なものだけ加味しています」といいますが、あまり信用しないほうがいいでしょう。
人類が、こんなにたくさんの加工食品を食べるようになったのは、わりと最近のことです。
すでに肥満などの問題は表面化していますが、まだまだ未知の危険性がひそんでいると思われます。
加工食品と肥満の関係⇒子供たちに食育をして肥満と戦おう~ジェイミー・オリヴァーに学ぶ(TED)
たとえ安全と言われている添加物でも、人体には異物なので、老廃物を排出する働きをしている腎臓に負担がかかります。
それでなくても、腎臓の機能は年を取ると低下します。
中高年になったら、もう若い人みたいに、日常的にマクドナルドのハンバーガーを食べたり、コーラを飲んだり、インスタントラーメンを食べたり、ポテトチップスを食べたり、スイーツをおやつに食べるのはやめたほうがいいでしょう。
イライラする、切れやすくなる
加工食品の摂取が多い人は、怒りやすく、イライラします。栄養のバランスが悪くなるからです。
ちゃんと栄養を取っておかないと、気持ちも健全な状態に保てないのです。栄養が偏っていると、気分を安定させるホルモンや神経伝達物質がうまく分泌されません。
ビタミン、ミネラル、アミノ酸などは、人の気持ちを安定させるのに必須の栄養素です。
特に、白砂糖は、ビタミンやミネラルを奪ってしまうので、これがたくさん入っているもの(スイーツ)を食事代わりにすべきではありません。
白砂糖の害について⇒白砂糖はこんなに体に悪い~私が砂糖をやめた理由とは?
何でもスピードの早い現代は、イライラしている人が多いです。ですが、これは決して、ふつうの状態ではありません。
ストレスが多くて、情緒不安定ぎみな人は、甘い物でストレス解消すると逆効果。リアルフードを食べてください。
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大昔の人は、どちらかというと人類の利益のために、食品に加工を施していたと言えるでしょう。しかし、今は、「自分たちだけがもうかればいいんだ」と思っている人が、加工していることも多いです。
本人たちはそんな気はないかもしれませんが、システムとしてそういうことが起きやすい社会になりました。
加工食品を避けたい人は、どんな食品でも、ラベルのチェックが必須です。