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ミニマルな日常

最終更新日: 2019.02.6

シェアリングエコノミーがシンプルライフにもたらすもの(前編)

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シェアリングエコノミーに疑問を投じ、私の意見を求めているメールをいただきました。この記事で回答します。

シェアリングエコノミーは、簡単に言うと、物、サービス、場所などを、大勢の人たちと共有貸し借り)・交換する仕組みです。

通常、オンラインを使って構築された仕組みを指します。

前編では、シェアリングエコノミーの具体例を紹介します。

まずメールをシェアしますね。Kさんからです。



月額サービスで物を借りること、どう思いますか?

件名: 新月定額サービスと断捨離

初めまして。

いつも楽しく筆子さまのブログを拝見たいしております。

というのも、一昨年、病気で手術をする際にもし麻酔から覚めなかったら……もし、万が一があったら……

という不安に襲われ、身の回りの整理を始めた時に何をしたらいいのか? という疑問からネットで探し回っていたら筆子さまのブログに行きつきました。(私は47歳自営業妻です)

以来、毎日楽しみに拝見いたしております。

その人にとって不要なものは持たない、
不要なものを簡単に持ち込まない
使わないものは捨てる、
使い切ってから処分すること が当たり前の世の中になってきたように感じます。

最近よく目にするものが、高級ブランドBAG、時計等を月定額でレンタルできます!というもの

さらには、車は乗りたい車にどんどん乗る時代!!(こちらも月定額で好きな車に乗り換えれる内容と思います)

あらたな車人生のあり方(トヨタ)

ここで疑問なのですが、この提案は断捨離の勧めのようで、実は勧めではないような気がしないでもないのです。

私が思う断捨離

・・・・大切によきものは長く使う → 簡単にものを増やさない だと思うし、 

・・・・必要のないものはどんどん捨てる → 維持費の節約 だと思うし

なのですが、このような月定額で○○を簡単に手に入れる時代は、物を大切にしない、一生懸命はたらいて稼いで、それでやっと手に入れた○○という時代の終焉のような気がします。

それに、月額いくらで何かをするというのを筆子様は勧めていらっしゃらないですよね? (フェリシモとか)

つまり、怠け者を作る日本社会・・・・のような・・・・・私が、【 ザ:ショーワ (THE・昭和)】なのでしょうか(笑)

筆子さまは このような日本のスタイルの変化と断捨離をどのようにお感じになられ、どのように考えますでしょうか?





Kさん、お便りありがとうございます。いつもブログを読んでいただき、重ねてお礼申し上げます。

ひじょうに興味深い質問ですね。

シェアリングエコノミーが、日本社会に怠け者を増やす。

え? 

なるほど~、そういう見方もあるんですね。昭和な発想というか、古い発想かもしれません。

怠け者は増えないと思います。そもそも、昭和の時代、日本人は働きすぎでしたから、のんびりするぐらいでちょうどいいんじゃないですか?

シェアリングエコノミーが進めば、たいして、お金がなくても、高級バッグや高級車にアクセスできるから、私のような貧乏人にはありがたいシステムです。

苦労して財を築いた人は、「おまえら、貧乏人は、こんなものにさわっちゃいかん」的な発想になるのでしょうか?

変わるのは人間ではなくて、30万円するブランドバッグや高級車の価値のほうだと思います。

むしろ シェアリングエコノミーは、シンプルライフを目指す人にとってありがたい仕組みではないでしょうか? 物をたくさん所有しなくてすみますからね。

シェアリングエコノミーとは? 言葉の説明

シェアリングエコノミーとは、そのへんで眠っていたり、遊んでいたりして、有効活用されていないさまざまな資源を、必要な人と共有したり貸したりして、活用させていくシステムです。

英語の Sharing economy をカタカナにしたもので、sharing とは、シェアすること、共有することです。

貸す人、借りる人、交換する当事者はインターネットを使ってやりとりをします。

シェアする資源は5つあります。

1.場所・空間

たとえば、開いてる公民館やホールを、一般に貸し出す。

民宿(Airbnb、エアビーエヌビー。開いてる家を必要な人に宿泊場所として提供します。Airbnbは、そういうことをできるプラットフォームを提供しているサンフランシスコの会社の名前です)。

自分の家の一部を塾やダンススタジオなど使ってもらうために空いているときに誰かに貸し出す。

観光客をターゲットにしたお寺ステイもあります。お寺に泊まって、お寺の生活や食事を楽しみ、座禅なんかもやってみたりするステイです。

物の貸し借り

手持ちの物で、使っていない物を他人に貸したり、そういう物を借りたりします。連絡はネットを使います。

以前、エアークローゼットというサービスを紹介しましたが、典型的なシェアリングエコノミーです⇒服が好きで買わずにいられない、どうしたらやめられますか、という質問の回答。

こちらでは、物を借りられる図書館を紹介しています⇒真の意味で物を減らす3つの方法。地球のガラクタも減らさなければ片手落ち。 2.物をシェアする、の部分をお読みください。

メールに出てきた、月々定額を支払ってブランドバックを貸し出すサービスとしては、ラクサスが有名です。

ラクサスの仕組みを説明した30秒の動画です。なぜか英語です。この会社は広島が本社の日本の会社ですが、英語圏でも展開しているのでしょう。

スマホのアプリを使ってバッグを借ります。自分の家で遊んでいるブランドバッグをラクサスにあずけて、収入を得ることもできます。一番、稼いでいる人で150万円以上、得ていますね。

自分が預けたバッグを、誰かほかの人が、月6400円払って借りるわけです。

好きな車に乗り換えるサービスは、トヨタ自動車のキントのことですね。

豊田章男社長の言葉を引用します。

クルマが誕生してから100年以上にわたって人々に愛されてきたのは、『便利だから』だけでなく、所有する楽しさ、運転する楽しさ、移動する楽しさなど、人々に様々な『楽しさ』を提供してきたからだと思います。

クルマが所有から利活用にシフトしていくなかで、お客様にもっと気楽に楽しくクルマとお付き合いいただくための新たな提案が今回の愛車サブスクリプションサービス『KINTO』です。

クルマが欲しくなったら簡単にクルマライフをスタートし、違うクルマに乗りたくなったら乗り換え、不要になったら返却する。

必要な時にすぐに現れ、思いのままに移動できる、まさに『筋斗雲』のように使っていただきたいと考え、『KINTO』と名付けました。

引用元⇒トヨタ自動車、クルマとの新しい関係を提案する新サービスを開始 | CORPORATE | トヨタグローバルニュースルーム

4.交通、移動手段

カーシェアリング、カープール(行き先が同じ人が複数、一般人の同じ車に乗って移動すること)。

Uber(ウーバー)(配車サービス、ふつうの人が、自分の車を使って、空き時間に、ほかの人を乗せて指定の場所につれていくサービス。ふつうの人がやるタクシー業です)。

Uberもスマホのアプリを使って、車を呼びます。私は、使ったことがありませんが(アプリもダウンロードしていない)、娘はよく使っています。

娘は自分の車を持っていますが、クラブに踊りに行って、お酒を飲んだときは、必ずウーバーを使っています。

5.スキル・労働

家事代行サービス(主婦が空き時間にパートで行う、とか)、ガイディングサービス(観光ガイドをする)、ライティング、IT系の作業、ベビーシッティング、その他あらゆる仕事。

専業プロじゃなくて、ふつうの人よりはスキルや時間がある人が登録しているサイトで、やってくれる人を探します。

観光ガイドをまともに頼むと、それなりにお金がかかります。

街なかの名所旧跡の歴史をばっちり説明するような、しっかりしたガイドはいらない、地元の人で、電車とかバスの乗り方を教えてもらえれば充分だ、

なんて時は、インターネットで、「空き時間にガイディングをするよ」という人が登録しているサイトにアクセスし、条件のあった人に、ガイドを頼むのです。

6.お金

(銀行でもサラ金でもない)ふつうの人が、ほかの人にお金を貸します。ソーシャルレンディングと呼ばれます。

アメリカにあるLending Club(レンディングクラブ)というサイト(会社)が有名です。

レンディングクラブにお金を投資すると、レンディングクラブが、そのお金をほかの人に貸します。

クレジットカードや銀行のローンを利用してお金を借りるよりも、利子が安いので、借りるほうにはメリットがあるし、お金を出すほうも、投資なので確実にリターンがあるそうです。

借金がある人だけでなく、ビジネスを始めたばかりで、銀行には融資してもらえない人には、ありがたい仕組みですね。

何かプロジェクトのアイデアや企画を持っている人が、インターネット上で、自分の企画をアピールして、一般の人から資金をつのる、クラウドファンディングも、お金をシェアするシェアリングエコノミーの1つです。

後編はこちら⇒シェアリングエコノミーのメリットとデメリット(後編)

*****

インターネットが発達したため、このようなシェアリングサービスの可能性が広がりました。

それは、断捨離と相容れない精神なのか?

私の考えは後編に書きます。





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