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ずっと部屋をきれいにしようと思っているのに、なかなか始められない。
少し始めても、すぐに止まってしまう。
そんな経験がある人も多いでしょう。
これは、片づけるとなったら徹底的にやらなきゃ、大事なものまで手放さなきゃ、と無意識に思っているせいかもしれません。
でも、すべてをきれいさっぱり捨てる必要はありません。
「全部捨てなきゃ!」という思い込みをはずしてみましょう。
大事なものを失う作業だと感じている
片づけが進まないと、自分は片づけが苦手なのだとか、ものが多すぎるせいだと考えがちです。
たしかに量は多いかもしれません。でも、できない理由はそうではありません。
大事なものまで手放す作業だと感じているから、怖くて動けないのです。
部屋の中には、思い出のある品や、まだ使えるもの、高かったものがあります。
これも捨てるのか、あれも手放すのか、と考えて気が重くなります。
片づけることは、自分の大事なものを一つずつ失っていくことだと感じてしまうのです。
そして、これは無意識に思っていることです。
これでは、なかなか始められません。
始めても、大事なものに手をつけたところで止まります。
たとえば、写真や手紙の入った箱を開けるだけで、その日はもう何も進まなくなるでしょう。
洋服も、これはまだ着られる、いつか着るかもしれない、と捨てられません。
思い込みを作るもの
では、なぜ、何もかも根こそぎ捨てなきゃいけないと思ってしまうのでしょう。
私は、世間に出回っているきれいな部屋のイメージが大きいと思います。
テレビや雑誌、ネットで見るミニマリストの部屋は、ものがほとんどありません。
床はどこまでも広々としていて、棚には何も置かれていません。
こんな部屋を何度も見ているうちに、片づけはあそこまでやることだ、これくらい捨てて当たり前だ、と自分の中で基準がどんどん上がっていきます。
私はSNSをやりませんが、雑誌やピンタレスト(気に入った画像を集めて楽しむサイト)をながめていると、現実にはありえないようなすっきりした部屋が並んでいると感じます。
こうした部屋は、人に見せるために整えられています。
生活のにおいを消したモデルルームに近いもので、日々の暮らしとは別もの。
人が暮らしている部屋には、生活に必要なものが必ずあり、それがふつうの姿です。
もう一つ、やるなら徹底的に、という思いも片づけを邪魔します。
中途半端にやっても意味がない、どうせなら一気にすっきりさせたい。こんな完璧主義が行動を縛ることはよくあります。
すると片づけは一大事業になり、まとまった時間と気力が用意できるまで手をつけられなくなります。
ただ、現代人の多くは忙しいですよね。なかなか大がかりな作業まで手が回りません。
先延ばしをしているうちに何年も経ってしまいます。
実際は、誰も全部捨てろとも、一気にやれとも言っていません。
自分がそう思い込んでいるだけです。
⇒インスタ映えを目指さない!現実的な片付けをしたほうがうまくいく。
目的は、きれいな部屋をつくることじゃない
片づけを始めると、いつのまにか、きれいな部屋をつくることが目的になっていきます。
ものを捨てると、まわりがすっきりして見た目が変わります。この変化を、脳は報酬として受け取ります。
思いどおりにならないことの多い毎日で、片づけはやった分だけ成果が見えます。
達成感があるので楽しくなります。
すると、もっと棚をすっきりさせたい、床にものを置きたくないと考えてしまいます。
そうしているうちに、部屋をきれいにすることがゴールになり、まだ使うものや気に入っているものまで、減らす対象に見えてきます。
しかし、気に入っているものは、そう簡単には手放せません。捨てたいのに捨てられず、身動きが取れなくなります。
でも、片づけは手段であって、目的ではありません。
不用品を減らす目的は、自分の暮らしをよくすることです。
探しものが減って気持ちがラクになる、掃除がしやすくなる、朝の支度がスムーズになる。
そういう暮らしにしたいから、もういらないものを家の外に出すのが片づけです。
たとえば、キッチンのカウンターにものがあふれて料理がしにくいなら、ここを片づければ暮らしやすくなりますよね。
私は、カウンターに置いていた水切りカゴを手放しました。
不便になるかと思いましたが、カウンターがすっきりして、料理も洗いものもしやすくなりました。
とはいえ、気に入って毎日使っている道具や、お気に入りの器まで手放したら、味気ない生活になります。
捨てる目的に立ち返れば、全部処分する必要がないことはすぐにわかります。
暮らしがよくなる分だけ片づければいい。
使っていて心地よいものは、残せばいいんです。
むずかしく考えず、今、暮らしのなかで引っかかっている場所やものを探して捨てればいいだけです。
⇒物を減らすことがゴールじゃない。入院してわかった私の一番大切なもの。
マイペースでやればいい
片づけは、人と競争するものではありません。
誰かと比べず、自分のペースで、少しずつ進めていきます。
私が本格的にものを減らし始めたのは、40年前の27歳のとき。
当時は断捨離という言葉も、捨て方のノウハウもありませんでした。
とにかく本がたくさんあったので、本棚をいっぺんにきれいにしようとしました。
一日中、雑誌の束をひもで結んでいたことを覚えています。
夏の暑い盛りにやったせいか、途中で疲れ果ててしまいました。
このときから、私のものは増えたり減ったりを何度も繰り返しました。
徹底的に捨てたつもりが、しばらくするとまた増えました。
そんなことを続けるうちに、少しずつやったほうがうまくいくと学びました。
手放すまでに、時間がかかったものもあります。
たとえば、日本から持ってきた、高校と短大の成績表はミニマリストになったあとも持っていました。
こちらの大学に入るとき必要になるかもしれないと思って、日本を出るときに持ってきたものです。
短大を出て家庭に入ってからも、しばらく手元に置いていました。
またいつか学校に戻るかもしれない。そう思っていたのでしょう。
結局その成績表を使う日は来ず、2年前の引っ越し前に破って捨てました。
今は、必要なものがある暮らしに落ち着いています。
何もかも手放したわけではありません。
インスタグラムに載っているようなおしゃれな部屋でもありません。
ただ、それなりに快適に暮らせています。
今、私の手元にいちばん残っているのは本です。
ラジオ講座のテキストや、語学の参考書。
使う頻度だけで考えれば、減らせるものもありますが、まだ残しています。
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片づけで目指すのは、きれいな部屋ではなく、自分らしい暮らしです。
あなたも、すべてを一気に捨てなきゃと考えるのはやめてください。
気に入っているものは、残しましょう。
どこまで減らすか、何をいくつ持つか。正解の数字はありません。残すものを決められるのは自分だけです。
きのうより、今日のほうが少し暮らしやすくなっている。
そんな状態を目指して片づけに取り組んでください。














































