木の橋の上を歩く女性

ミニマルな日常

使わないのに捨てられないなら、変化を恐れない人になろう。

全然使ってなくて、持っている意味はないのに、何かをずっと持ち続けてしまうことがあります。

「もういらない」という自覚があるにもかかわらず、捨てられないとしたら、変わることを恐れているのかもしれません。

程度の差こそあれ、何かを捨てれば、当然、生活が変わりますから。

変わることが得意だと、もっと不用品を捨てられます。変化を恐れない人になって、すっきり環境に近づく方法をお伝えします。



変わりたくないからしがみつく

まず、変わりたくないという気持ちが、物を増やすことについて考えてみましょう。

人はいろいろなものに執着します。

長年集めた本やマスキングテープ、その他のコレクション。

集めすぎたマスキングテープを捨てる3つの考え方。やめる勇気を持て。

押入れの中に入れっぱなしなのに、捨てられない大量のタオル、何十年も前に使っていた教科書やノート。

私の夫も本当に捨てない人で、この家に引っ越してから、もう9年たつのに、未だに引っ越しのとき持ってきた不用品(40年以上前に学校で取ったルーズリーフや、1980年代の計算機のマニュアルなど)を、捨てていないんです。

夫は、幼いころ娘が使っていた小さなおもちゃも箱に入れていますが、これなどまだ新しい方です。

時々私が、「いい加減捨てたら?」と言っても、夫の脳はおそらく、私の意見を完全にはじいています。

自分には関係のない情報として処理されているんです。

私の夫は、人一倍物を捨てない人間ですが、何の役にもたたない物を捨てない人はたくさんいます。

片づけコンサルタントやトレーナー、遺品整理サービスの需要があるぐらいですから。

捨てない人にとっては、それが有用か不用かなんて、どうでもいいだ、と最近の私は思っています。

ただただ、そのままにしておきたい、現状を維持したい、変わりたくない、こんな気持が無意識にあるのではないでしょうか?

しかし、言っておきますが、ずっと現状維持のままであることなんて、この世界では起こりません。

変わることはデフォルトです。

変わるのがあたりまえなのに、変わることを拒否していると、大きな代償を支払うことになります。

では、次に、変わることが得意になる方法を2つ紹介します。





変化に対する反応パターンの把握

変化を強いられたとき、自分がいつもする反応を考えてください。

変化には、外的状況から強制的に変わることになったものと、自分から進んで変わることになったものの2種類あります。

外的状況によるもの⇒転校、転勤、交通事故、病気になった、子供がいきなり家を出ていった、夫から離婚を切り出された、友人が遠くに引っ越してしまった、リストラされた、など。

自分から変わろうと思ってしたこと⇒転職、引っ越し、新しい習い事を始めた、髪型を変える、やったことのないことをする、外国に移住など。

こんな変化があったとき、反応してしまうパターンをいくつか紹介します。

不安、心配、居心地悪い気分

変化を前にすると、たいてい人は不安になります。この度合いが大きい人と小さい人がいます。

不安が大きい人は、物を積極的に捨てないかもしれません。あとでいるかもしれないし、と無意味な心配をします。

完全な拒絶

何が起きても変わりたくないと思う人です。このタイプも、物を捨てないでしょう。

期待して積極的に変わる

変わることに対してどちらかというと前向きに考えられるパターンです。

このタイプは、変わることに積極的ですから、引っ越しが多いのではないでしょうか?

不用になった物にもしがみつかないと思います。

考えない、見てみないふり

変化が押し寄せてきていることは十分承知しているけれど、考えたくないので、目をつむって、嵐が過ぎ去るのを待つタイプです。

このようなリアクションを取る時、現実から気持ちをそらせる必要があるので、無駄な買い物や、推し活動による過度のグッズの獲得にのめりこむ可能性があります。

被害者っぽくなる

新型コロナウイルスのせいで、あれもこれもできなくなってしまった、夫のせいで、こんな目にあってしまったなど、自分以外の何かのせいでこんな目にあっていると思う反応です。

被害者的発想をする人も、買い物でストレス解消をします。

おすすめの反応

言うまでもなく、もういらない物を捨てやすい反応は、変化を前向きにとらえる態度です。

後ろ向きな反応をすることが多いと気づいたら、3回に1回ぐらいは、前向きな反応をするようにしましょう。5回に1回でもいいです。

変わることに積極的になる方法

以下のように考えると、変わることに対する抵抗が小さくなります。

変化するのは当たり前

生まれてから死ぬまで、変化の連続です。

私たちの細胞は日々古くなっていくし、生活環境もどんどん変わります。

変わることは不可欠であり、人生においては当然のことだと自覚すると、「変化しないこと」にしがみつかないと思います。

人は変わり続ける。未来の自分に対する心理:ダン・ギルバート(TED)

人の生活は変わるから一生ものなんて幻想なんだ:ミニマリストへの道(100)

恐れを具体的な言葉にする

今、身に降りかかっている変化を拒絶しようとしていたり、これから変えようと思っているのに、なかなか前に進めないときは、変化することの何が怖いのか、言葉にしてください。

よくあるのは、

・この先、何が起こるかわからないので、漠然とした不安を感じている

・転校や転勤先で、新しく知り合った人全員に拒絶される、うまく勉強や仕事ができなくて、周囲の人に見下される

・引っ越した先は、知らない人ばかりなので、孤独になる

こんなふうに、人は、孤独になること、仲間に入れてもらえないことをすごく恐れています。

断捨離で起こる変化に対しては、たとえば、年賀状を捨てると、くれた人のことを忘れてしまうのが怖い、と思っていた読者がいました⇒コツコツ不用品を捨てて9ヶ月、本当に家の中がきれいになってきた。

捨てたあと必要になったとき、新しい物を買うお金がもったいないと感じている人もいるし、必要になったとき、それがない状態になるのが怖いという人もいるでしょう。

着ていない服だけど、捨てると2度と手に入らないかもしれないことを怖がることもあります。

自分の恐れが、恐れても仕方のないことや、今の段階では誰にもどうすることもできないことなら、恐れることに時間を使いすぎるのをやめましょう。

コントロールできる部分に目を向ける

今と状態が変わると、何が起こるかわからないから、自分の自由にならない、制御不能な状態になりそうだ、だから変わりたくない、と思うこともよくあります。

完璧主義で、いろいろなことをきっちりコントロールしたいという気持ちが強いと、アウトオブコントロールになることにすごく抵抗を感じます。

この理由から変化を厭うなら、「100パーセントアウトオブコントロールになることはない」と気づいてください。

どんな状況になっても、自分でコントロールできる部分は必ずあります。

最低でも、思考はコントロールできますよね?

今の生活を捨てて新しい生活になったら、その生活を作りあげるのに、自分の裁量を使うことができます。

手持ちの服のうち、95パーセントぐらい捨ててしまっても、5パーセントの服をどんなふうに着ていくかコントロールできるし、服を捨てたおかげで得られたスペースや時間をどんなふうに使っていくかもコントロールできます。

変化するとき、何かを失うと思うことが多いですが、失えば必ず、新しいものが入ってきます。その新しいものと付き合うさいに、自分でコントロールできることがたくさんあります。

変化から得られるものに目を向ける

先日変化に関するTEDトークを紹介しましたが⇒どんな変化も、考え方を変えれば喜んで受け入れられる(TED)

このトークで語られているように、私たちは変化からさまざまなものを得ることができます。

変化イコール喪失とは言えないのです。

物を捨てるという変化で得られるものは、リソース(詳しくはこの記事をどうぞ⇒物だらけの部屋で暮らしていると、生活の質が落ちる理由(その1)~リソース編)や、心の余裕、自己成長です。

不用品を捨てないと、ずっとこのままですが、思い切って捨てると、新しい生活や自分が手に入ります。

小さなルーティンをキープする

変化によって、得られるものがたくさんあることはわかったけど、やっぱり、今の状態を失うのは怖いと思うときは、小さなルーティンを心の拠り所にしてください。

それは、自分が毎日習慣的にやっていて、生活の一部となっているものです。

たとえば、日記やモーニングページを書いたり、運動をしたり、1つずつ物を捨てたり、流しを磨いたりといった行動です。

流しをピカピカに磨くことが家全体の片付けにつながる~ミニマリストへの道(26)

このようなルーティンを継続すると、きのうまでとは変わった状況に100パーセント飲み込まれることはありません。

ルーティン:習慣、練習、儀式の思いがけないパワー(TED)

*****

変化を恐れない人になって、不用品を捨てることをおすすめしました。

変わるのは、コンフォートゾーンを出ることなので、コンフォートゾーンを出る練習をするのもおすすめです。

これまでやったことのないことや、きのうとはちょっと違ったことをやるチャレンジをしてみるといいでしょう。





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