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持たない暮らしをしていても、物欲は自然にわいてきます。
今回は、物欲をペットとしてうまく扱う方法を紹介しますね。
物欲と戦おうとしてはいけない
整理整頓や断捨離をしていても、なかなか物欲が消えないかもしれません。
ふとしたスキに物欲が襲ってきて、うっかり買ってしまうことは誰にでもあるでしょう。
そんなとき、物欲と戦おうとしてはいけません。敵とみなし、戦えば戦うほど疲れます。
人には、新しいものを欲する本能があります。
進化の過程で人の脳が最優先してきたのは、人間という種の保存でした。
新しい道具や情報を求めることは、生き延びることを助けはすれ、邪魔はしなかったのです。物欲は人間らしさの証(あかし)なのです。
ですが、ものが豊富で手軽に買うことができる今は、物欲のせいで余計なものが増えて暮らしにくくなります。クレジットカードの借金を作る人もいます。
物欲は人間性の一部なので、悪とみなさず、うまく付き合っていきましょう。
付き合い方の一つとして、物欲をペットと考えることを試してください。
物欲をペットにたとえてみる
物欲を、ちょっとわがままだけどかわいいペットだと考えましょう。
ペットといっても、忠誠心のある番犬ではありません。
物欲ペットは、気まぐれな子犬やいたずら好きな猫です。
「あ、これ欲しい!」と思った瞬間、物欲ペットが元気に飛びついてきたと思ってください。
一緒に遊びたいから飛びつきます。
こんなとき、叱ったり、無視したりすると、ペットはますます気を引こうとして暴れます。
おすすめは、少し距離をとって観察することです。そのうち、動き疲れて勝手に静かになります。
物欲ペットは扱い方さえ間違えなければ、いつまでもあなたのそばにいてくれる愛すべき存在です。
相手を知るために観察する
物欲ペットとうまく付き合うために、観察を怠らないようにしましょう。
ペットはそれぞれ個性があります。そのペットに合った世話をするためには、相手のことを知る必要があります。
「欲しい!」と感じても、すぐに買ってはいけません。ペットを観察するチャンスがなくなります。
まず、物欲ペットがどんなふうに行動しているか文章にしましょう。
たとえば:
・何がきっかけで飛びついてきたのか?
・そのペットはどんな姿か? どんな声をしている? どんな癖がある?
・そもそも、なぜそのペットを飼おうと思ったのか?
ペットの観察日記は、以下の要領で書きましょう。
- SNSで新作リュックを見て、ふわふわした犬みたいな物欲ペットが現れた
- 友人が新しいスマホを持っているのを見たら、私の中で小さな嫉妬の小鳥が鳴き始めた
言葉や文章にすると、衝動を客観的に観察できます。
これは私がよくブログに書いているメタ認知*の働きです。自分の感情を外から眺めるだけで冷静になれます。
*メタ認知:自分の考えや感情、行動を客観的にとらえ、理解し、調整する力。
育て方のコツ
物欲ペットには、すぐにエサ(=買い物)を与えてはいけません。そんなことをするとペットはどんどん太り、わがままになります。
欲望は満たせば満たすほどふくれあがります。
おすすめは、24時間のお休みタイム。飛びついてきたら、「ちょっと待ってて」と一晩待たせてください。
翌日、ペットを見ると、昨日の勢いが消えて、すやすや眠っていることがよくあります。
時間を置くと欲望は自然に弱くなります。「欲しい!」という気持ちは一時的な感情の高まりなので、時間が経てば冷静になることができます。
これは「クールダウン効果」と呼ばれ、衝動買い対策として有効だとされています。
クールダウン効果を高めるために、こんな工夫もおすすめです。
・欲しいものを買い物かごに入れてそのまま放置する
・スマホにリマインダーを入れて1週間後に再確認する
・欲しいものを写真に撮ったり、絵に書いたり、文章で説明したりして満足してみる
私自身は、30日待つことにしており、欲しいものが出てきたら専用のノートに書いています(30日間待つノート)。
もし1週間経っても「まだ欲しい!」とペットががんがん跳ね回るなら、そのとき初めてエサをあげましょう。そうすれば、ペットの肥満を防ぐことができます。
物欲の正体と本当の願い
ペットの観察を続けていると、物欲の背後には本当の願いが隠れていることに気づきます。
・新しい服が欲しい → 自分に自信を持ちたい、気分を変えたい
・家電が欲しい → 暮らしをもっと快適にしたい、時間を節約したい
・本や教材が欲しい → 知識を増やしたい、成長したい
物欲ペットは特定のものに執着しているのではなく、心の声を代弁しているわけです。
その願いを買い物以外の方法で満たせないか考えてみましょう。たとえば、
・自信を持ちたい → 姿勢を正す、新しい髪型にしてみる、自分との小さな約束を守る
・快適にしたい → 不用品を捨て、部屋を掃除して風通しをよくする
・成長したい → すでに持っている本を読み直す、無料の講座を試す、友人と読書会をする
このように行動を置き換えれば、買わなくても満足感を得られる場合が多いのです。
というのも、繰り返しますが、私たちが求めているのは、ものではなく、それを手に入れたあとの生活ですから。
物欲と上手に付き合う
物欲ペットは悪者ではなく、あなたの心の一部であり、大切なメッセージを運んでくる存在です。
ときには、ペットにやさしくして、おやつやごほうびをあげることも大切です。
たとえば、ずっと我慢していた欲しいものがあるなら、注意深く選んで購入したり、小さな買い物でペットの気持ちを満たしてあげたりします。
こうしたことは、ペットとの信頼関係を築くうえで役立ちます。
物欲ペットは安心し、暴れたり騒いだりすることが減ります。きっと、あなたの生活に寄り添う賢いパートナーに育っていくでしょう。
物欲ペットとうまく付き合っていると、とてもかわいく成長することがあります。
つまり、衝動的で手に負えなかった欲望が、冷静に自分の本当の望みや価値観を反映するものへと進化します。
この段階にまで育てば、物欲はあなたの人生を豊かに彩る味方になります。
反対に、無理に押さえつけたり完全に排除しようとしたりすると、ペットは大暴れして、手に噛みつきます。
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あれもほしい、これも買いたい。その物欲は偽りの欲望の可能性が高い。
おわりに:物欲と向き合って味方にする
物欲がわいたとき、「見ない、考えない」と無理やり抑え込まなくても大丈夫です。
「あ、今日も物欲ペットが遊びにきたな」と受け入れて観察してみましょう。遠くから観察して日記を書いているうちに、何かに急かされるようにして買い物をすることがなくなります。
実際に、ある読者は、欲しい服が欲しくなったら、ノートに書いて1週間寝かせるのを始めたら、衝動買いが半分以下になったそうです。
書いているうちに、「自分が求めていたのは新しい服ではなく、気分転換だった」と気づき、散歩やカフェに行くことで気持ちを満たせるようになりました。
新しいものが欲しいと思うのはごく自然なことです。それは人間ならではの感情です。物欲を敵にするのではなく、遊び心をもってペットのように付き合ってください。
もし物欲がやってきたら、飼育日記を書いてみてくださいね。好きなものを買う生活が、今より楽しいものに変わります。