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老朽化している実家の断捨離やリフォームを計画しているが、実兄が態度をはっきりさせないので、もやもやする、という相談メールをいただきました。
この記事で回答します。ひじょうに答えにくい質問だと思うのですが、あなたならどう答えますか?
どうしたら兄が意見を言ってくれるでしょうか?
しまっちさんより。
件名:実家と実兄のこと
ブログを楽しみに拝読し、日々のやる気にさせていただいてます。
私には実兄が一人います。実家は出ており1人暮らしです。
優しくて穏和ですがイマイチどう考えているのか測れないところがあり、もやもやします。
私自身は結婚し、家を出ています。
実家は両親が二人で住んでいます。
老朽化しており、建て直し又はリフォームしたいと思い、兄に話をふっても「そうだねぇ」くらいしか言いません。
建築メーカーにざっと見積り&図面を書いてもらったものを見せたりもしましたが、他人事な感じです。
両親は家の事はどうしてくれても構わないけど、お金はないからあんた達でお願いね、という意見です。
兄は金銭的に厳しいから乗り気ではないのかも、とも思いますが、はっきり言わないのでよくわかりません。
実家の断捨離の相談もしましたが、のらりくらりで助けてくれないし(結局ひたすら母と二人でぼちぼちやってます)実家のことを考えているのかもわかりません。
どうしたら意見を言ってくれると思いますか? どんな聞き方が良いのでしょう? ざっくりと話をふっても言わないので、ちょっと改まって聞いたりもしたのですが、、。こんな相談ですみません。
しまっちさん、こんにちは。
ご質問ありがとうございます。
これは、片付けに関する質問ではなく、家族関係の問題です。他人の私にどうこう言えることではありません。
いつも書いているのですが、問題は本質は何なのでしょう?
そこがひじょうにあいまいです。
お兄さんに意見を言ってもらわなければならない事情があるのですか?
お兄さんが意見を言わないのは、べつに意見がないからじゃないですか?
はっきり聞いたんですよね?
正直、このメールだけでは、家族の力関係も、性格も、問題にある背景も何もわからないので、私には何とも言えません。
ご両親の年代すらわかりません。
「どうしたら意見を言ってくれるでしょうか?」と聞かれても、「はっきり質問してください」としか言いようがありません。
質問に的確に答えるためにはそれなりに情報が必要
今、私はこんな疑問を感じています。
●実家をリフォームしたいのは、しまっちさんだけなのか?
●そもそも実家をリフォームするのに、お兄さんの承諾がいるのか?
●両親が亡くなったら、お兄さんが実家を相続することになっているのか?
●なぜ、ご両親は自分の住んでいる家なのに、「どうしてくれても構わない」などと言うのか?
●ご両親はいったい何歳ぐらいなのか?年金暮らしなのか?
●ご両親は2人ともまだまだ元気なのか?それとも自分たちが住んでいる家のことなど考えられない身体状況なのか?
●お父さんは何を考えているのか?
●実家は今すぐリフォームしないと倒れてしまいそうなほど老朽化しているのか。すでにいろいろと難が出ているのか?
●しまっちさんは、お兄さんの金銭的協力がないと、実家のリフォームができないのか?
●もし、お兄さんが、「実家の改築には反対だ」と言ったら、しまっちさんは、改築を断念するのか?
●お兄さんはもともと、実家のことにかかわることを避けて生きてきた人なのか。それとも、この件だけは沈黙しているのか?
●どの程度はっきりお兄さんに意見を聞いたのか?
●お兄さんはどういう性格の人なのか?
●しまっちさんはお兄さんにも一緒に実家の断捨離をしてもらいたいのか?
●断捨離に関しては、どの程度はっきり依頼したのか?
●そもそも、実家にはどれぐらいガラクタがたまっているのか?
●なぜ実の兄と妹なのに、コミュニケーションを取れないのか?
●この件において、しまっちさんが得たいゴールは何なのか?
もちろんこんな情報をメールに効率よく盛り込むのは大変だし、そもそも他人に言うことではないのかもしれません。ですが、ご質問に答えるためには、どれも重要なことだと思いませんか?
私はしまっちさんも、お兄さんもご両親のことも何も知らないのですから。
以前いただいたメールから、しまっちさんは転勤族である、ということがわかっていますが、それは、今回の問題には、さして、かかわりのないことです。
態度があいまいな家族から意見を引き出す方法
わからないままに、
どうしたら意見を言ってくれると思いますか?
どんな聞き方が良いのでしょう?
この質問に答えます。
しまっちさんのゴールによって、ふさわしい質問の仕方は変わってきます。
ここでは、便宜上、
●お兄さんがリフォームに賛成なのかどうか知る。
●お兄さんにリフォーム代を出す気があるのかどうか知る。
この2つをゴールに設定しました。
この場合、しまっちさんにできることは5つあります。
1.お兄さんに単刀直入に聞く。
2.お兄さんに充分な情報を提供する。
3.お父さんかお母さん(場合によっては第3者)に聞いてもらう。
4.お兄さんは無視してリフォームをすすめる。
5.リフォームしない。
1つずつ詳しく説明します。4と5はゴールを達成できなかった場合のバックアッププランです。
1.単刀直入にはっきり聞く
相手が、イエスかノーで答えられる質問文にしてください。さらに、自分が聞きたいポイントを明確にして聞いてください。たとえば、
●実家のリフォームを考えているけれど、決行していいですか?イエスかノーで答えてください。
もし、お兄さんの金銭的援助が必要なら、
●リフォームにかかる費用は300万ぐらいです。150万円出してくれますか?イエスかノーで答えてください。(金額は適当に書いています)
こんなふうに聞けば、答えるんじゃないですか?
「どっちでもいいよ」と答えたら、それはイエスです。
「わからない」と言ったら、2番にいきます。
2.お兄さんが決められるように情報をしっかり提供する
お兄さんが、「そうだねぇ」と言って、意思表示をはっきりしないのは、情報が足りないから決め兼ねているのかもしれません。
なぜリフォームが必要なのか、その点について明確な根拠をお兄さんに示したほうがいいでしょう。
なぜ自分がお兄さんに質問しているのか、その点についても説明するといいでしょう。
さらに、なぜ住んでいるご両親ではなく、すでに家を出たしまっちさんが実家のリフォームを進めようとしているのか、そのあたりも説明してください。
これでも返事が得られなかったら3番にいきます。
3.お父さんかお母さんに聞いてもらう
しまっちさんではなく、お父さんかお母さんに聞いてもらってはどうでしょうか?
妹に聞かれたら、答えられないことも、親に問われたら意見を言うかもしれません。
お父さんとお母さんは、リフォームした家に住むのですから、もっと当事者意識を持ってもらいたいところです。
何らかの事情で、ご両親が息子(お兄さん)に話をするのを嫌がるなら、誰か、ご家族のことをよく知っている信頼できる第3者に頼むという手もあります。
しまっちさんのご主人はどうでしょうか?
お兄さんとご主人の仲に関してはわかりませんが。
ご両親や第3者に聞いてもらっても、まだ「そうだねぇ」というあいまいな返事しか返ってこないなら、4番にいきます。
4.お兄さんは無視して話をすすめる
なぜ、お兄さんが態度をあいまいにしているのか、私にはわかりませんが、もう家は出ているわけだし、お兄さんのことはほっといてリフォームを決行する、という手もあります。
もちろん、将来、お兄さんが実家を相続する、両親の介護をする、という事情なら、やはりお兄さんの意見を聞いたほうがいいでしょう。
しまっちさんは転勤族ですから、ご両親に介護が必要になったとき、物理的な事情から、世話はできないかもしれません。
それに、お兄さんの金銭的援助が必要なら、やはり、リフォームチームに入ってもらいたいところです。
5.リフォームしない
老朽化の程度や、ご両親の年齢などによっては、リフォームせず、そのままにする、という選択もあると思います。
家の中のガラクタをすべて捨ててすっきりすれば、住みやすくなるかもしれません。
お風呂や階段に手すりをつけるなど、部分的なリフォームだけですむかもしれません。
ご両親が高齢で、亡くなったら廃屋にする予定なら、何もリフォームに高いお金を使わなくてもいいでしょう。
ただ、しまっちさんは、すでに建築会社に見積もりしてもらっているそうなので、家は相当ボロボロなのかもしれませんね。
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先にも書きましたが、自分のゴールが明確になっていないと、効果的な質問はできません。
自分はどうしたいのか、目標を決めて、それを達成するためにはどうしたらいいのか、考えてください。
メールを見ると目標は2つあるように思います。
1.実家のリフォーム
2.実家の断捨離
それぞれの目標を達成するために、何をするべきか、紙に書き出すといいでしょう。
「お兄さんが断捨離を手伝ってくれない」と書いていますが、お兄さんにはお兄さんの事情があるんじゃないですか?
また、「お兄さんが何を考えているのかわからず、もやもやする」というのはしまっちさんの考えていることです。
お兄さんは、状況がよくわかっていないだけなのかもしれません。
断捨離についても、率直に「手伝ってほしい」と伝えれば、手伝ってくれるかもしれませんね。
これに関しては、「断捨離手伝って」という大雑把な頼み方ではなく、「◯月◯日に、実家のタンスを粗大ごみ置き場に持っていきたいんだけど、運ぶの手伝ってくれない?」と具体的に頼んだほうが援助を得やすいでしょう。