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春物が欲しくなる心理を解き明かし、服を買わなくても満足感を得る方法をお伝えします。
春になると、新しい服が欲しくなりますよね。
店頭には明るい色のブラウスや軽やかなワンピースが並び、SNSでは「春の着回しコーデ」が流れてきます。
「今年こそは増やさない」と決めたはずなのに、気づけば買いたい気持ちでソワソワしている方も多いのではないでしょうか。
つい欲しくなってしまうのは、意志が弱いからではありません。
春物に惹かれるのには、理由があります。
春物が欲しくなる理由
まず、なぜ春になると新しい服が欲しくなるのか?
大きく分けて3つ理由があります。
生物学的な理由:再生と変身願望
春は動植物が芽吹く再生の季節です。
木々は新しい葉を出し、花が咲き、動物たちも活動的になります。
人間も自然の一部なので、本能的に「冬の重い殻を脱ぎ捨てて、新しくなりたい」と感じます。
私が住んでいるカナダでは、この現象がとても顕著です。
冬はマイナス20度にもなる厳しい寒さが続きますが、気温が少し上がっただけで、街には半袖のTシャツ姿の人が現れます。
日本人の感覚からすると「まだ寒いのでは?」と思うのですが、長い冬から解放され、光が明るくなると、体中の細胞が「変わりたい!」と叫んでいるのでしょう。
私はさすがにいきなり薄着にはしませんが、ゴミ出しに行くときに重いコートを着なくてもよくなると、それだけで気分が軽くなります。
社会的な理由:日本の4月始まりというシステム
日本では、春は年度の始まりです。
新学期、入学式、入園式、異動、新入社員の歓迎会など、新しいスタートを切る行事が目白押しですよね。
こうした環境のせいで、「きちんとして見える服が必要」「失礼のないようにいい服を用意しなければ」と、買い物をする理由を思いついてしまいます。
子どもの入学式があるから、職場の歓迎会があるから、新しい部署で第一印象をよくしたいから。
春は、「新しい服を買わなければいけない」と思わせる状況が特に多いのです。
メディアの影響:幻想を見せる特集
雑誌やSNSでは、春になると「春の着回し特集」や「今年のトレンドカラー」といった記事があふれます。
こうしたコンテンツは、「これを買えば素敵な生活が始まる」という幻想を巧みに見せます。
新しい服を着てカフェでくつろぐ女性、春色のワンピースで颯爽と歩く姿。
そんな写真を見せられると、服を買えば自分もそうなれるような気がしてしまいます。
でも、それはあくまでイメージであって、現実ではありません。
服を買う前に自問自答したい10の質問。無駄なお金を使うのはもう卒業。
私たちが春物に求めているもの
春物を買いたいと思うとき、私たちが本当に求めているのは、服そのものではありません。
新しい服を通じて得たいと思っているのは、こんなものではないでしょうか。
・新しい自分:今のどんよりした気分をリセットしたい
・気分転換:手軽にウキウキした気持ちになりたい
・社会的な安心感:周囲から浮きたくない、まともな大人だと思われたい
まとめて言ってしまうと、私たちが求めているのは「満足感」や「充実感」なのだと思います。
でも、ここで厳しいけれど大事な現実をお伝えしなければなりません。
服を買っても、自分が抱えている問題や中身は変わらないのです。
新しい服を買っても気分は変わらない
新しい服を買ったその瞬間、さらにクローゼットに新しい服が増えた日は、少し気分が上がります。
でも翌朝感じる、だるさ、不安、やることの重さは、昨日と同じだったりしませんか。
服は「今日の自分」を飾ってくれるけれど、今日をどう生きるかまでは決めてくれません。
私も若い頃は買い物グセがありました。
生活のストレスを発散したくて服を買っていたのです。
でも、服が増えても楽しくない毎日はさして変わらず、クレジットカードの請求だけが増えていきました。
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新しい服を着ても人間関係の悩みは消えない
「これを着ていれば、ちゃんと見える」
そう思って選んだ服を着て出かけても、言いたいことを飲み込む癖、気を遣いすぎる関係、断れない自分は、そのまま一緒についてきます。
服は印象を整えてくれても、人間関係のあり方までは変えてくれません。
40年ほど前、まだ日本にいた頃の話ですが、おニューの服で同窓会に行ったことがあります。
昔話がはずんで楽しい気持ちもありましたが、苦手な友達に対する苦手意識はそのままでした。
結局、昔と同じ関係性に引き戻され、嫌な記憶がよみがえってきたのです。新しい服を着ていったからこそ、苦い気持ちが倍増したと思います。
高い服を買っても自己評価は上がらない
「これだけお金をかけたんだから」「ちゃんとした服を着ているんだから」
そう思って新しい服を着ていても、自分を責める声や、足りない感覚が消えるわけではありません。
むしろ、ちょっと無理してフォーマルな服を買うと、居心地が悪くなることさえありますよね。
自己評価は、何を着ているかより、どう自分を扱っているかで決まります。
私は今、服の数は少なく、いつも同じような服を着ています。
でも、そのほうが自分らしいので、「借りてきた猫」みたいな感覚になりません。
無理して自分らしくない服を着ていた頃より、ずっと落ち着いていられます。
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服を買わずに春の満足感を得る方法
ここまで読んで、「でもやっぱり春のウキウキした気分を楽しみたい」と思った方もいるでしょう。
実は、服を買わなくても、満足感や前向きな気分は得られます。
以下の方法を試してみてください。
1. クローゼットで「春の宝探し」をする
去年着ていた春服を全部出して、一点ずつ眺めてみましょう。
シワを伸ばし、毛玉を取り、ボタンが取れかけていたら付け直します。
「今年もよろしくね」という気持ちで手入れをするだけで、新鮮な気持ちになれます。
また、新しい組み合わせを考えるのもおすすめです。
去年とは違うコーディネートを試してみると、同じ服でも新鮮に感じられますよ。
2. ジャーナリングで心の棚卸しをする
服を買う時間があるなら、ノートに向かいましょう。
モーニングページやジャーナリングで、頭の中にあるモヤモヤを書き出します。
書くことが一番のデトックスになり、本当の意味でのリフレッシュになります。
春物を買いたいと思ったとき、その奥にある気持ちを書き出してみると、本当に欲しいものが見えてくるかもしれません。
3. 外に出て春の空気を取り込む
外に出て、ウォーキングやスロージョギングをします。光を浴びて、風を感じましょう。
五感を使うことで、買い物の快楽よりずっと深い充足感が得られます。
人間は自然の中にいると癒やされ、エネルギーがチャージされるようにできています。
新しい服を買って気分を上げるより、春の空気を胸いっぱいに吸い込むほうが、ずっと効果的です。
4. 朝の時間を整える
その日の気分は、服よりも、朝の過ごし方に左右されることが多いです。
朝、余裕があるかどうか、出かける前にバタバタしないか、服選びや着替えにどれだけ時間がかかるか。
こうしたことのほうが、実は気分に影響します。
前日に早く寝る、着る服を決めておく、朝の予定を減らすなど、余裕を持って1日を始められるようにしてみてください。
新しい服を買うより、朝の10分の余白のほうが、ずっと気分を上げてくれますよ。
5. 新しいスキルを学ぶ
新しいことを学ぶのもおすすめです。
新しい単語を一つ覚える、新しいレシピに挑戦する、気になっていた本を読み始める。
自分が少しずつ成長していると感じられれば、服で飾り立てる必要はなくなります。
春は何かを始めるのにぴったりの季節です。
服を買う代わりに、自分自身をアップデートする「春期講習」を一人で始めてみましょう。
おわりに:春は内側からアップデートしよう
春の軽やかさは、新しいものを「足す」ことではなく、不要な執着を「脱ぐ」ことから始まります。
社会やメディアは「これを買えば幸せになれる」というメッセージを発信し続けますが、それに踊らされる必要はありません。
本当の満足感は、クローゼットに新しい服を増やすことからは得られないのです。
今年の春は、外側ではなく内側をアップデートしましょう。
手持ちの服を手入れし、心の中を整理し、春の息吹を感じて自分らしく過ごす。
そのほうが、軽やかで心地よい春になります。














































