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ミニマム思考

いくら断捨離本や片づけ本を読んでも部屋が片付かない本当の理由

なぜ何冊も片づけ本を読んでいるのに部屋が片付かないのか、その理由をお話します。結論から書くと自分のやり方を変えないからです。



本を読んだだけではだめ

先日、これまで断捨離本をたくさん買って読み、読んだときは、ちょっと片づけられても、結局すぐに散らかっていた、という人からお便りをいただきました。「筆子さんの本を読んで今度こそ片づけられそうな予感がします」というメールでした。

もし本当にそうなれば、私としてもうれしいです。

しかし、本は本でしかありません。

実際に部屋が片付くためには、その部屋の持ち主の行動が要求されます。毎日コツコツ捨てて、さらに買い物を控えて、物と向き合って自分との関係性を見なおしたり、といった地味でめんどくさい作業を積み重ねなければなりません。

本を読んでも片付かないのは、結局これができないからです。

一気に片付く夢の断捨離は文字通り夢のようなもの

近藤麻理恵方式で、祭りのようにすべての洋服や本を出して、一気に片付けることができれば、こんないいことはありません。

しかも、この方法はリバウンドしない、とされています。さらに、片付けたら、人生でいろいろ良いことが起きるといううれしいおまけつきです。

多くの人が、この方式に魅力を感じるのは、もしそれがうまくいけばとても楽だからです。ですが、考えてみると、世の中、そんなに楽にうまく行くことなんてそうそうありません。

私は、「一気にすべてを片づけて、リバウンドしない断捨離メソッド」というのは、「毎日英語を聞いていれば、いつのまにかしゃべれるようになる」というのと少し似ていると思います。

ちょっと英語を勉強すれば、そんなことはありえないとわかるはずです。わらないものをいくら聞いてもわかるようにはなりません。聞く一方で、何かほかの勉強をして「わかるもの」を少しずつ増やす必要があります。

ところが、こういう教材に手を伸ばす人があとを絶ちません。

この手の教材はそれこそ魔法のように人生を変える教材なのです。夢があるといえばあります。しかし、魔法なので、現実には起きません。

魔法は人間の力ではなしえない、世にも不思議なことです。だからそんなことは起きないのです。

人は、夢を見たくてこういう教材を買うのかもしれません。日本にいる限り、英語はできなくても、死活問題にはなりません。なぜなら、日本語が使えれば充分生きていけるからです。

仕事で英語が必要な人はもっと必死ですからこういうのんびりした教材は使わないでしょう。

「いつか英語がしゃべれたらいいな」と思いながら夢の教材を楽しむ。その教材がそこまで高いものでなければ、それはそれで1つのエンターテイメントとしてありだと思います。

しかし、断捨離は英語とは違います。

私は、本気で、多すぎる不用品は捨てたほうがいいと思っています。これは趣味とかレクリエーションではありません。生活術です。

ミニマリストみたいに極端に減らす必要はありませんが、ほんの少し捨てるだけで、生活がスムーズになるし、思考もクリアになります。

何よりストレスが軽減されます。ストレスは病気の大きな原因なので、自分で取り除けるストレスは極力取り除いたほうがいいと思うのです。





なぜ一気に片付けようとしても片付かないのか?

実は私も一気に片づけた経験があります。一番最初に大きな断捨離をしたときは、短期間に徹底的に片付ける形に似ていました。

最初の断捨離⇒断捨離を始めた5つのきっかけ~私はなぜミニマリストになったのか(2)

ただし、不用品の見極めが甘かったので、すべてを捨てたわけではありません。洋服は一気捨てしました。

けれど、結果的にリバウンドしました。

洋服を捨てたとき、確かにファンシーケースの中や、洋服ダンスの中の状態は変わりました。

ですが、私自身は変わっていませんでした。だからまたお金を手にしたとき、洋服を買ってしまったのです。

洋服が家にいっぱいたまってしまったそもそもの原因を取り除かないと、断捨離祭りを何度もやるはめになります。

そもそもの原因とは、たいてい自分の行動ですから、少しは自分自身の行動を変えないと、部屋はまた散らかってしまうのです。

ところが、洋服を一気に捨てても、私やあなた自身は変わりません。

私たちの日々の暮らしは、小さな無数の行動習慣の集まり。

物を捨てると人生は変わっていきますが、一気に何も考えず捨てたその日から、いきなりバラ色の人生になるなんてありえません。

物を捨てるとよい方向に変わるのは、断捨離を通じて、自分の行動も少しずつ変わっていけた時だけです。

そして自分を変える作業はそんなに簡単なことではありません。そこには必ず痛みが伴います。自分を変えることは、自己否定だからです。

自分のやり方を否定されてうれしい人なんていません。「やり方間違ってますよ」と駄目だしされたら、誰だってむっとします。

自分を変えたいとき、これを自分で自分にやらなければならないのです。しかし、これは不可能ではありません。

自分を変えるコツはあります。

どうしたら自分を変えて部屋を片づけられるのか?

自分を変えるためには、まずは「私は変わろう」と思うこと。これまでのやり方はまずかったから少し変えていこう、と意識することが第一歩。

何も意識してないところでは何も始まりません。

そして自分自身を全否定するのではなく、物ごとに対する反応の仕方を変えてみるといいと思います。

自分の核みたいなものは変わらないし、それは別に変えなくてもいいと思うのです。ただ、思考に変なクセがついているから、それを1つずつ変えていけばいいのです。

断捨離に関していえば、まずは流しを磨くといった小さな片づけをやってみるといいと思います。

流しを磨く話⇒流しをピカピカに磨くことが家全体の片付けにつながる~ミニマリストへの道(26)

小さな片づけをきっちりやると
1.達成感がある。
2.成功体験を得て自信が生まれる
3.片づけをやった分だけ断捨離の経験値が増える
4.片づけた場所の周囲の汚さが目立つので、ほかの場所も片付けたくなる

こんなメリットがあります。

私は、台所の流しを磨くと本当に片づけ効果があると思っていますが、「シンクの中、磨いただけじゃ、くしゃくしゃの台所は変わらない(だから私は磨きません)」と反応してしまう人も多いようです。

そういう人たちは、きれいになったシンクという「良いこと」より、くしゃくしゃの台所という「悪いこと」にフォーカスしてしまう考え方のクセを持っています。

自分でこれに気づけるかどうかが大切です。世の中、いやなこと、つらいことは、はいて捨てるほどあるので、「良いこと」にフォーカスできるクセを身につけると、とても楽になります。

思考にはクセがあるのだと知り、さらに自分の行動を客観的に振り返ることができれば、こういうクセは少しずつ矯正できます。

さらに、「流しを磨いただけで何が変わるの?」と反応してしまったとしても、「でもひょっとしたら(ほかの場所も片付くかも)」という気持ちを持って、謙虚に磨く姿勢が、自分を変えていくと思います。

自分を変えることができる人は、自分とは違う意見に耳を傾けることができる心の余裕のある謙虚な人です。

そういう意味では、本をいくら読んでも、何も変わらない人は、謙虚さに欠けるか、あまりにも自分のやり方にこだわりすぎているのかもしれません。

そこで、断捨離本を読んで片づけをするかたわらで、デール・カーネギーの「人を動かす」を読んでみるのもいいのではないかと思います。

「人を動かす」についてはこちらに書いています⇒1ヶ月文句を言わない挑戦中:1月の30日間チャレンジ

これは人を動かす本ですが、ここで語られているテクニックは自分を動かすことにも応用できます。どのみち、人を動かすには結局自分を変えるしかないのですが。

たとえば、「相手は間違っていても、自分が間違っているとは絶対思っていない」というくだりがあります。これを自分にあてはめると、自分は間違っていても、自分では全くそうは思っていない、ということになります。

自分は「流しを磨いたくらいで部屋はきれいになりっこない」と思っていて、それは正しいと信じているわけですが、この考えが間違っている可能性は大いにあるのです。

カーネギーの本を読んで、謙虚で客観的な視野に立ちながら、断捨離本片手に、片づけをすると、これまでとは違ったよい結果が得られるのではないでしょうか?

多くの人は片づけ本を読んでもそこに書かれているノウハウに本能的に「こんなのだめ」「こんなの無理」「そんなバカな」「できるわけないじゃん」「こんなめんどくさいこと、誰がするというの?」と反応してしまうのです。

そして、そのノウハウを「人ごと」だと思ってしまいます。もちろん、「自分ごと」として捉えなければ、自分の部屋は片付きません。

謙虚な気持ちを持ち、すべてを自分ごととして捉えれば、たぶんどんな片づけ本を読んでも部屋はきれいになるでしょう。そして、もう何冊も片づけ本を買う必要はなくなるのです。





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