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汚部屋という現状を作ってしまうのは、自分の日々の行動にほかなりません。
人間の行動は、かなりの部分、無意識でやっていること、つまり、習慣です。
自分では気づいていない、一見、無害な習慣のせいで、部屋が散らかるのです。
そんな小さな、暮らし方のクセを3つと、それを改める方法を紹介します。
1.使い終わったのに捨てない
使い終わったあと、その品物をすぐに捨てず、そのへんに放置したり、しまいこんだりすると、物が増えます。
その結果、部屋が散らかります。
以前も書きましたが、30代のはじめごろ、私は、とある小さな会計事務所に勤めていました。
所長は、もちろん会計士で、みなに先生と呼ばれていました。ほかに、男性の会計士が4名いました。
そのうちの1人は、先生の息子で、私より若い人でした。
彼は、ティーバッグで紅茶を入れると、そのティーバッグを湯呑みに入れて流しの上にある窓のさんに置きました。
また、そのティーバッグを使って紅茶をいれて飲むわけではありません。ただ単に放置するのです。
彼のように、もう使い終わったティーバッグを、自分は使うつもりがないのに残す人はたくさんいると思います。
たまたま彼はティーバッグでしたが、もう着ない洋服、もらったけど使わない雑貨やコスメのサンプル、おまけのボールペン、雑誌の付録の安っぽいポーチ、子どもには小さくなった服を、使わなくなった携帯電話と付属品を捨てずに家のどこかに放置してはいませんか?
使わないことがわかっているのに、捨てない。
これが物を増やします。
すぐに捨てるには?
このようなクセがあるときは、最初からごみにならない工夫をするか、すぐに捨てられる仕組みを作るといいです。
ここでは、ティーバッグを例に対策を考えてみましょう。
ティーバッグというごみを出さない工夫
1)使い切る
もう一杯お茶を出すか(まずいです)、料理の風味づけ、紅茶染め、植物の肥料、コンポストなどにして即使い切り、捨てる。
2)ティーバッグはやめてルースティー(茶葉)で紅茶を入れる
3)紅茶そのものを飲まない
すぐに捨てる工夫
1)ティーバッグを室温に放置するとカビがはえ、バクテリアが繁殖する可能性があり、不衛生である、ということを学ぶ⇒即捨てられるようになる
(使い回すなら、冷蔵庫に入れるとか、密閉容器に入れるなどひと手間かける必要があります)。
2)いやなことを後回しにしない練習だと思って捨てる
すぐに捨てない人は、「もったいない」と考え、捨てる痛みを感じたくないために、無意識に、即捨てを回避するのだと思います。
きれいな空き箱や空き瓶、ショップの袋をためこむ人も同じです。
私がそういうタイプでした⇒リサイクルの落とし穴、再利用願望がシンプルライフを遠ざける理由とは?
すぐに捨てるのは最初は抵抗があるかもしれません。しかし、何度もやっているうちにそれが普通になります。
事実、昔は、私も1回使ったティーバッグを捨てるのは「もったいない」と思って捨てないほうでしたし、空き瓶や空き箱をいつまでもためこんでいました。
しかし、現在は、すぐに捨てないと、違和感を感じます。
2.部屋に服を脱ぎ捨てる
数年前、私の娘の部屋はいわゆる汚部屋でした。
その頃の話⇒汚部屋を片付けられないのはADHD(注意欠陥他動性障害)のせいだと言う娘
当時、娘の行動や部屋を観察してわかったのは、「娘が、服を脱いだあと、床に放置するから、汚部屋になる」ということです。
娘は、自分の外見や着るものに関して、私よりずっと神経を使い、時間、エネルギー、お金を投資しています。
しかし、部屋はどうでもいいらしく、服がどんどん投げ捨てられていました。
これは、娘だけではないと思います。ただ、放り投げるものが人によって違います。
服ではなく、食品、雑誌、CDやDVD、コスメ、よくわからない紙きれが散らかっている部屋もあります。
いずれにしろ、それを適正な場所に置かず、無意識に、床、ソファー、ベッドの上に投げ捨てるクセがあると、部屋が散らかります。
服を投げ捨てるのをやめるには?
脱いだ服を床に投げる方法を3つ紹介します。
強制的に置き場所を決める
服を床にほうり投げるのは、適当なしまい場所を思いつかないからだと思います。
そこで、脱いだ服を置く場所を自分なりに設定します。
たとえば
・特定のフックにかける
・クローゼットのハンガーにかける
・ランドリーバスケットに放り込む
どこでも、いいので自分で置く場所を決めます。その場所に正解・不正解はありません。とりあえず、床の上でなかったら、どこでもいいのです。
無理やりにでも置き場所を決めて、服を脱いだらそこにかけるなりなんなりします。
ここで、問題になるのは、完璧主義的傾向のある人です。
床に服を脱ぎちらしておくのが平気な人でも、「脱いだ服を置くのに最適な場所に置きたい」と思ってしまうことがあります。
その結果、その場所が見つかるまでは、床に投げ捨てることを続けます。
現実には、「完璧な場所」などありません。「だいたいこのあたりでいい」という置き場所を決めて、そこに服を置くほうが、部屋はきれいになります。
完璧主義について⇒完璧主義すぎるといつまでたっても部屋が片付かない理由
娘の場合はこうしました⇒脱いだ服をどこに置くかという問題の考察~汚部屋脱出
脱いだあとの行動をシミュレーションする
服を脱いだあとの行動プランを考え、頭の中でシミュレーションします。
いま、無意識に脱ぎ捨てているのですから、意識的になればいいのです。
たとえば
・脱いだら、ブラシをかけて、ハンガーにかける
・脱いだら、着替えの都合上、いったんは床(ソファー)の上に置くけれど、着替えが終わったらすぐに拾って、ハンガーにかける
・脱いだら、どこにも置かず、直接ハンガーにかける
ほかにも、行動計画はいろいろ考えられるでしょう。自分の実情に合わせて、望ましい行動を考え、いったん頭の中でシミュレーションしてください。
そして、帰宅したら、そのとおりやってみます。
忘れないように、手帳や付せんに書いておくといいです。
「たかが、服のことでそんな大げさな」と思うかもしれません。
しかし、無意識にやっている行動を変えるために、最初はかなり意識を向け、エネルギーを注がないと、新しい習慣が根付きません。
投げ捨てのきっかけになるものを置かない
床に投げ捨ててはいないが、そのへんにある椅子にどんどん積み重ねている、という人もいるでしょう。
この場合、その椅子を撤去してしまえば、そこに置くことができなくなります。
置き場所がなくなるので、所定の場所に戻しやすいのではないでしょうか? 椅子がないと床に置いてしまう、という人は別ですが。
3.始めたことを最後までやらない
片付けをしようと思って、大量の本や服をひっぱりだしたが、ちょっと片付けただけで時間切れになった。その後、何日も引っ張り出したものが出たままになっている。
こんな中途半端な行動をした結果、部屋が汚い人もいるでしょう。
部屋の片隅に、たたまない洗濯物がいつまでもあったり、流しの中に洗うべき食器がごっそり入っているもの、作業を完了していないせいです。
このように、未完了の物が部屋にたくさんあると、本人はすっかり見慣れているつもりでも、かなり心の負担になっています。
やるべきことが、いつまでも終わらず、心の中でくすぶっているからです。
こんなクセがある人は、次のような対策をしてください。
最後までやるには?
一度にやる量を減らす
最後まで完了できない一番の理由は、自分のキャパシティを越えた大きなタスクを、やろうとするからです。
それが片付けであるなら、1回15分ぐらいで終わらせられる量をひっぱりだせば、どんなに行動が遅い人でも、ちゃんと終わります。
くれぐれも、一度に、大量の物をひっぱりださないでください。
誰かに手伝ってもらう
「いえ、私は、何も好んで、大量のタスクを自分に課しているわけではありません。
1度、食事をすると、これだけの量の鍋やフライパン、食器が出て、すごい作業量になるんです」と言う人もいるかもしれません。
その場合は、1人でやらず、誰かに手伝ってもらえばいいのです。
一般的な家族が、1回の食事で出す食器を、1人で洗いきることができない、なんてケースはそんなにないと思います。
しかし、家族が多すぎるなど、それなりの理由があって、大量の食器が出ているなら、食器洗い乾燥機を導入することを考えてもいいでしょう。
洗うのは自分、拭くのは子ども、と担当者を増やす方法もあります。
家族が家事を手伝わない5つの理由。原因をクリアして解決に導く。
タスクを減らす工夫をする
家族それぞれに、お皿や茶碗をあてがうと、洗う食器が増えます。
食器洗いの負担が大きいときは、できるだけ食器の出ない料理にすれば、負担が軽くなります。
たとえば、何もかもワンプレートに盛れば、家族それぞれが、食器を使いつつも、洗う食器の数は減ります。
シンプルなデザインの食器(平皿)のほうが、こったデザインの食器(柄がついている小鉢や、特殊な形の小鉢など)より、洗いやすいです。
今すぐ、食器を総入れ替えする必要はありませんが、ゆくゆくは、洗いやすい食器だけを持つ生活に変えていくよう、努めてください。
最後までやるための工夫はほかにもあると思います。
現状:汚れものがいつまでも流しにある
理想:食事が終わったらすぐに洗えるようになる
この間のギャップを埋めるよう努力してください。
汚れた食器を流しにいれたままにしておいても、何も解決しませんし、それを見るたび、うんざりして、セルフエスティームがさがる一方です。
汚れた食器をシンクにためこまない4つの方法。洗い物が嫌いでも大丈夫。
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部屋が散らかってしまう、ちょっとした習慣を3つ紹介しました。
ほかにもあるので、また別の記事に書きます。
あたりまえですが、物が勝手に、そのへんにわさわさと散らかっていくことは、絶対ありません。
その部屋にすんでいる人が、汚部屋を作るのです。
自分が作ったのだから、自分の生活の仕方を変えれば、きれいになります。