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今回は、ものを増やしてしまう7つの心理的要因を紹介し、根本的な解決策を提案します。
知らないうちにものが増えすぎて、収納できない。そんな問題を抱えていませんか?
こんな時、「もっと収納を工夫しよう」と考えるかもしれませんが、実は収納では本当の問題は解決しません。
ものが増えてしまう原因は、収納スペースが足りないからでも、収納の仕方が下手だからでもありません。
そもそも、スペースに対してものが多すぎることが最大の問題です。
私たちは、心理的な要因のせいで、ものを増やし続けてしまうことがあります。
その結果、収納スペースが圧迫され、部屋が片付かないという悪循環に陥ってしまうのです。
では、ものを増やす心理的な要因をひとつずつ見ていきましょう。
1.日々のストレスからの一時的な逃避
仕事や人間関係のストレスを発散するために、買い物をしてしまうことがあります。
私自身、若い時は、仕事帰りにファッションビルに行ってウィンドウショッピングをするのが常でした。そして、あまり高くないもの(ファンシー雑貨など)を必要ないのによく買いました。
買い物が特に好きだったわけではなく、仕事のストレスを紛らわせたかったのだと思います。
忙しさの反動で週末にショッピングでストレス発散する、人間関係の疲れを部屋の模様替えや収納の見直しに力を入れることで忘れるというケースもあるでしょう。
こうした行動は、一時的にストレスを解消する効果はあります。
しかし、根本的な解決にはなりません。ものが増えれば、管理や整理の負担が増え、それは新たなストレスの元です。
クレジットカードの明細を見るのも、憂鬱な気分になりますよね。
2.コントロールしている感覚を取り戻すため
思い通りにならないことが多いと、人は自分でコントロールできることに熱中することがあります。
買い物して色々なものを集めたり、集めたものをきれいに収納すれば、何かをコントロールしている気分にひたれます。
職場の待遇や、会社の評価に対する不満を抱えている人が、ワードローブを完璧に整理して、コントロール欲を満たすことがあるでしょう。
以前、コロナ禍において、マスクやトイレットペーパーを買い占める人の心理を説明しましたが、こうした行動の裏にもコントロール欲を満たしたい気持ちがあります。
買い物や収納に熱意を傾ければ、一時的に自己コントロールの感覚を取り戻せるかもしれません。
しかし、それは、現実の問題から目を背けること。根本的な解決にはなりません。
家の中がものだらけになるまで買い物と収納を繰り返してしまうでしょう。
3.現実からの完全な逃避
現実の問題と向き合うのが辛いとき、人はその苦しさから逃れるために、別の世界へ意識を向けることがあります。
趣味のものを集めたり、コレクションに没頭したりするのも、現実逃避の一つの手段です。集めることに夢中になっていれば、嫌なことを考えなくてすむし、理想の世界に入り込める感覚があります。
たとえば、恋人との関係がうまくいかず、寂しさを紛らわせるためにペットや観葉植物をどんどん増やす人がいます。
ペットや植物の世話をする時間は、気持ちを落ち着かせる効果があるかもしれません。しかし、それがエスカレートすると、自分の感情と向き合うことを避け続けることになるでしょう。
コレクションや趣味自体は悪いことではないし、むしろ、もの集めは楽しいでしょう。
しかし、現実の不安や悩みを直視せず、ものを増やし続けてしまうと、本当に解決すべき問題が放置されます。
4.過去のつらい経験から目をそらすため
過去のつらい経験や嫌な記憶を思い出したくないあまり、ものを増やすことがあります。
たとえば、失敗の記憶を振り払うように、趣味や買い物で忙しくする人がいます。
何かに没頭している間は、過去の出来事を思い出さずにすむからです。
新しいものを手に入れれば、新しい自分に生まれ変わったような気がすることもあるでしょう。
昔の嫌な思い出を忘れるために、家具やインテリア雑貨を買い集め、家の中を頻繁に模様替えすることもあるかもしれません。環境を変えることで気分がリセットされたように感じるのです。
残念ながら、生まれ変わった感覚は一時的なものであり、本当の意味で過去を乗り越えたわけではありません。
問題に向き合わない限り、買い物も収納もやめられなくなるでしょう。 気づけばものが増えすぎて、ストレスを感じる状況になってしまうのです。
5.将来への不安に振り回されて
「いつか必要になるかもしれない」「これを持っていれば安心できる」という気持ちから、ものを増やしてしまうことがあります。
特に、将来に対する大きな不安があると、ものを持つことで安心感を得ようとするかもしれません。
たとえば、すぐに使う予定がないのに、資格の教材を次々と買いそろえてしまうケースがあります。
「今の仕事にこのまま就いていて大丈夫だろうか?」「もっとスキルをつけないといけないかも」と思いながら、実際には勉強する時間がないのに、とりあえず教材を買ってしまうのです。
教材を買うことで、「準備している」という気持ちになり、不安が和らぐように感じるのでしょう。
老後の生活が心配で、収納スペースを圧迫するほど生活必需品をストックしてしまう人もいます。
ある程度の備蓄は必要ですが、「いざというときのため」と思って買いすぎると、家の中がものであふれ、逆に管理が大変になります。
「ないと困る」という不安がさらに増幅するかもしれません。
6.自信のなさを埋めるための買い物
「自分には価値がある」と感じたくて、高価なブランド品や美容に投資しすぎてしまうことがあります。私たちは、ものをそろえて自分をよく見せようとしたり、私にはこれを持つ資格があると思いたくなります。
他人からの評価を気にするあまり、高価なブランド品を買い続けてしまう人は少なくありません。
周囲の目を意識し、「劣っていると思われたくない」「成功している人のように見せたい」という気持ちから、流行のファッションや高級なバッグを次々と買い揃えてしまうのです。
SNSの影響で、他人と比較しやすい現代は、こうした心理が強まっています。
ものを買っても、「本当の自分には価値がないのでは?」という根本的な不安が消えない限り、さらにお金を使い続けることになるでしょう。
7.孤独を紛らわせるための買い物
寂しさから、ものを買って安心感を得ようとすることがあります。
SNSを利用する人の中には、「いいね!」やフォロワーを得るために、映える服やインテリアを次々と買ってしまう人もいます。
「こんな素敵なものを持っている私を見てほしい」「おしゃれな生活をしていると思われたい」といった心理が働き、実際には必要のないものまで買ってしまうのです。
アイドルグッズやキャラクターグッズを集めて、心の隙間を埋めようとするケースもあります。
好きなアイドルやキャラクターとつながっている感覚を得るために、関連グッズをどんどん増やしてしまうのです。
「手に入れないと置いていかれるのでは」という不安のために、限定品や新作が出るたびに購入することもあるでしょう。
好きなものを楽しむこと自体は悪いことではないし、人生を豊かにする部分もあるでしょう。
しかし、SNSでどれだけ注目を集めても、それが心の充実につながるとは限りません。
むしろ、「もっといい投稿をしなければ」と焦り、さらに買い物を続けてしまうのではないでしょうか?
学生時代に好きだったアイドルのグッズをたくさん捨てて感じたこと。
根本的な解決策:日々、自分と向き合う
心理的な要因のせいでものを増やしてしまう時の根本的な解決策は収納ではありません。
自分と向き合って、心を整えていくことが一番効果的です。
自分と向き合うことは別に難しくありません。意識してそういう時間を取ってください。
これまで買い物や収納することに使っていた時間の一部を当てて、以下のどれかをやってみてください。
・モーニングページや日記を書く⇒頭の中を整理し、自分の感情に気づく
・今自分が何を感じているか自問する⇒自分の気持ちに正直になる
・買い物している原因を考える⇒ストレスや不安を買い物で埋めていないか客観的に考える
・不用品を片付ける⇒不用品を捨てながら、自分の気持ちや価値観を振り返る
・外からの情報を減らし、自分の中の声を聞く⇒SNSや広告の影響を減らし、今の自分が本当に求めているものを考える
ものを減らすためには、買い物を減らすことも効果がありますが、自分と向き合うことを優先すると、意識しなくても、買い物は減っていきます。
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ものを減らしたい問題の解決策は収納ではなく、心の整理にあるとお伝えしました。
部屋の中にものがあふれているのは、収納が足りないからではなく、心の中に向き合うべき問題があるからだと考えてはどうでしょうか?
心理的な要因は、どれだけ買い物をしても、解決されません。買い物よりも、自分を満たす方法を見つけてください。