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さまざまな事情で親や家族のものに囲まれて暮らしている人も多いかもしれません。
自分の家とはいえ、なかなか自由に片づけられません。
家族の所有物だから勝手に触れない、業者を呼ぶ余裕がない、親戚や兄弟姉妹と話が噛み合わない。
そんなとき、どうやって身辺をきれいにするか?
今回はこの問題を見ていきましょう。
私がおすすめするのは、身の安全を守ることを最低限のラインにすることです。
思いどおりに片づけられないのは自分のせいじゃない
なかなか片づけ作業が進まないとき、自分のせいだ、と感じてしまう人がいます。
意志が弱いから、だらしないからと。
ですが、家族と暮らす家、とくに親や配偶者のものが多い家では、意志だけでは解決しません。
たとえば、実家の2階に住んでいるとしましょう。
1階では、母親が長年、小さな美容室をしていました。
店はすでに閉店していますが、古いレジ、未開封のシャンプーや整髪料、メーカーのカタログ、壊れたパーマ機、販促ポスターが残ったままです。
2階の居住スペースには、両親の服のほか、常連さんからもらった贈り物、子ども時代のアルバム、父親が好きだったカラオケ機器が積み重なり、床が見えない場所が多いです。
こういう家で、思い切って全部捨ててすっきりさせよう、と思っても、すぐには動けません。
もし母親がすでに亡くなっているなら、全部捨ててもいいと思えるかもしれませんが、なんとなく大事そうなものもあったりしますから。
同業の親戚がたまにお店の備品を持っていってしまうなど、複雑な事情があるケースも考えられます。
仮に自分の判断で処分していい状況だとしても、体力が落ちて、大きなものを下ろせない可能性もあります。
業者を呼びたくても、まとまった費用がすぐには出ない。
このように、動けない理由はいくつも考えられます。
自分ひとりの決意でどうにかなる話ではないのです。
最優先すべきは寝床と通り道の安全確保
家全体を片づけきれない。そんなときは、まず自分の身を守る場所を確保しましょう。
最近は地震や台風のニュースが続き、家のなかのリスクを見直そうという声が増えています。
夜、寝ているところに重い家具やものが倒れてくれば、ただではすみません。
頭の上、足元、左右に、高さのある棚や箱を置かないようにします。
タンスや本棚を寝室に置かなければならないなら、扉が開いて中身が飛び出さないよう、突っ張り棒で固定するか、家具の前に低い家具を寄せて支えにします。
次に、寝る場所から玄関までの通り道の安全を確保します。
地震や火事のときに、暗くてもつまずかずに出られるよう、足元のダンボールや積み上げた紙袋をどかしてください。
階段、廊下、玄関、トイレ、毎日使う台所のあたりだけでも、ものがない状態にできれば、危険地帯はかなり減ります。
⇒私の防災メモ~災害にあって断捨離と防災について考えました。
自分のものとそれ以外のものを分けて考える
一口にものといっても、性格が違います。
手を出してよいものと、勝手に動かしてはいけないものを、区別しましょう。
紙に書いて整理するのがおすすめです。
真ん中に線を引いて、自分のもの(自由にできる)、それ以外の人のもの(勝手に処分できない)の2つの欄を作ります。
そして、家にあるもので処分したいものや整理したいものを書いていきます。
自分のものは、今日にでも処分の判断ができます。
クローゼットの中の服、本棚の本、引き出しの中の文具、台所の自分専用のマグカップ。
これらは誰の許可もなくても捨てられますよね。
まず、こうしたものを徹底的に捨てましょう。
それが終わったら他人のものに入ります。
環境によってはこれも2つに分けたほうがいいかもしれません。
本人と相談すれば捨てられるものと、完全にアンタッチャブルなものです。
親や子どもなど本人と連絡が取れるなら、一緒に決めます。
賞味期限の切れた食品、もう使わない調味料、古いタオルなど、判断しやすい小さなものから声をかけて減らしていきます。
アンタッチャブルなアイテムは当面、目をつむりましょう。
うっかり処分してしまうと、後日になって、あれはとても大事なものだった、と言われるかもしれません。
⇒実家の荷物問題:子どもの荷物を手放せない親、持っていけと言えない親
重いものは無理してひとりで動かさない
腰や膝に痛みがあるなら、重いものの処分は後回しにします。
気合いで重いものを動かそうとしないように。
けがをすると、しばらく作業が止まります。
読者の中にも、はりきって断捨離を始めたら、五十肩になった、腰痛が出たというお便りをくれる方がいます。
古いレジ、壊れたパーマ機、大型の本棚、ピアノ、カラオケ機器、衣装ケースを積み重ねた山。
こうしたものを動かすときには、人の手を借りてください。
自治体の粗大ごみ回収を申し込む、便利屋に頼む、不用品回収業者にまとめて持っていってもらう、リサイクルショップに買い取りに来てもらう、知人に手伝ってもらう。
いろいろな方法があります。
費用、予約の取りやすさ、家のなかまで取りに来てくれるかどうか。こんなことを考えて、最適な方法を選んでください。
自治体の回収は安いですが、家のなかからは出してくれません(自治体によりますが、玄関先や指定場所まで自分で運び出す必要があります)。
不用品回収業者は家のなかまで来てくれますが、相場よりかなり高い料金を提示してくる業者もあるので、複数の業者で見積もりを取ってください。
お金をすぐに出せないときは、無理に処分しなくて構わないと思います。
その代わり、寝る場所や通路から、別の場所にずらす対応をしてください。
寝床の真横にある重いダンボールを、空いている部屋の奥に移すだけでも、夜の不安が減ります。
中身が分からない大きな箱は、ふたを開けて、複数の小さな箱に詰めなおすと、後で運びやすくなります。
すぐに動かせないものは、写真を撮っておくのもおすすめ。
半年後、1年後など期日を決めて、見直す予定を立てておきます。
家族の説得は片づけではなく安全の確保を理由にする
家族のものを動かそうとして、もめてしまう人はたくさんいます。
言葉の選び方を変えるだけで、うまく交渉できます。
捨てたい、邪魔、もう使わないでしょう、などと言うと、相手はいい気がしません。
長年大事にしてきたものを、勝手に誰かに評価されると、抵抗したくなるのが人間です。
なぜ片づけたいのか、その目的を言ってみてください。
通路をあけたい、安全な環境で寝たい、地震が不安だから、自分が倒れたとき救急隊員が入れない。
このように、本人や家族みんなの安全を理由にすると、向こうも真っ向から反対できません。
あなたのものをどうこうしたい、ではなく、家の状態が心配だ、という話に変えるのがコツです。
それでも、相手から触らないで、と言われたものは、処分しないでください。
返事が出るまで一か所にまとめておくか、それができないならノートにまとめておきましょう。
半年経っても使う気配がなかったら、もう一度相談する、と期限を決めて、とりあえず保留にします。
⇒親の家が大きいから、早めに片づけたい。でも、身内が協力してくれないから、先が不安~こんなときにすべきこと。
頭の整理に効果的:片づけをプロジェクト化してノートに書く
先ほど、自分の判断で動かせるものとそうでないものを書き出すことをおすすめしました。
さらに踏み込んで、家全体の片づけを一つのプロジェクトと考え、ノートに計画を書いていきましょう。
頭の中だけで思案していると、考えがまとまらないからです。しかも、他に大事な用事などがあると、どうしてもそちらに意識を引っ張られてしまいます。
ですが、家の中にある自分の身を危険にさらす恐れのあるものを片づけることも、非常に重要な作業です。
ノートに書き出して考えを整理しながら、次に何をやるか意識して一つずつ進めていくほうがうまくいきます。
ノートに書いておくと、今すぐ手をつけられないことでも後でやればいい、この日までにはやろう、と目安を立てることができます。
思いがけないアイデアもふっと降りてきますから、ノートに書いて作業を進めましょう。
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人のものがたくさんあって、しかも自分では動かせないものが多い。そんな時にどうやってシンプルに暮らすか、アイデアを紹介しました。
家族のものは手をつけることができませんが、自分のものやテリトリーは自分で整えられます。
そう考えて、できることを一つずつ行っていきましょう。
家全体を完璧にきれいにしようと思わなくても大丈夫です。
自分の手の届く範囲を少しずつ整えていけば、生活のストレスが目に見えて減っていきます。














































