うれしい気持ち

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最終更新日: 2017.11.20

本当の自分に出会う:セルフエスティームをあげるマニュアル(TED)

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自信がない、自分のことが好きになれない、劣等感でいっぱいだ、人の目がとても気になる。

セルフエスティームが低いと、こうした気持ちにさいなまれてしまいます。

セルフエスティームとは、自分で自分のことをどう思っているか、自分をどう評価しているか、自分をどんなふうに見ているか、感じているか、といった感情です。

汚部屋改善のためには、セルフエスティームの向上は欠かせません。今回は、セルフエスティームをあげる方法を、自分の体験から話してくれているニコ・エヴェレット(Niko Everett)さんのTEDプレゼンを紹介します。

タイトルは、Meet Yourself: A User’s Guide to Building Self-Esteem (自分自身に出会いなさい:セルフエスティームを作り上げるためのユーザーガイド)



どうやったらもっと自分を認めることができるのか?

このプレゼンのTEDの説明:

Niko Everett would like to introduce you to someone she thinks you should know-YOU!

As the founder of Girls for Change, Niko has helped many young teens transform their communities and themselves by holding up a powerful mirror.

In this engaging talk, Niko will demonstrate how anyone- from boys and girls to grown men and women can get a glimpse into their own transformationnel looking glass too. Inspirational and empowering.

ニコ・エヴェレットは、あなたが知り合うべき人を紹介します。それはあなた自身です。

Girls for Change(ガールズ・フォー・チェンジ)の創設者であるニコは、たくさんの10代の人に、パワフルな鏡を見せることで、コミュニティや彼ら自身を変えてきました。

この惹きつけられる講演において、ニコは、誰でも、少年少女から大人の男女まで、自分自身を変える鏡を見ることができると教えてくれます。ひらめきと力を与えてくれるトークです。

プレゼンの時間は9分30秒。

ティーンエイジャー向けのTEDなので、英語はそんなに難しくありません。日本語字幕はありませんので、抄訳を参考にしてください。熱のこもった講演なので、時間がある方は見てください。

TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

私は自分のことが嫌いだった

11歳のとき、私は脚のそばかすを隠すために、コスメを塗りたくっていました。すごくみっともなくて大嫌いだったからです。

15歳のとき、一緒に暮らしていた父と義理の母に、実母のことで嘘をついていました。

母はウエイトレスだったし、ちっぽけなアパートに住んでいたし、薬物依存から回復しようとしているところだったから。

17歳のとき、バスルームの床にひざまずいて、その朝、食べたものを無理やり全部吐こうとしていました。

どうしてもやせたかったから。完璧な人になろうと必死でした。

21歳のとき、自分ではそんなことをしていると気づかなかったけれど、友だちのジュリーに、共通の知人について何度も話していました。

どんなに彼らが素晴らしくて、輝かしい生活をしているか、自分もそうなりたい、うらやましくてたまらない、と。

友だちジュリーが見せてくれた新しいイメージ

すると、ジュリーはこう言ったんです。

「ニコ、自分自身に向き合わなきゃ(Nico you need to meet yourself)」。

ジュリーがこう言ったとき、何かが変わりました。まるで、ジュリーが鏡に映った私を見せてくれたような気がしたんです。

「ニコ、あなたは自分のことにヤキモチをやくべきよ。あなたはガッツがあるし、働き者だし、ちょっとやそっとじゃへこたれないし。本当の自分に出会えば、自分のことを好きになるんじゃないかしら」。

ところが、せっかくジュリーが見せてくれた私の新しいイメージは、すぐに消えました。

私は混乱しました。私は自分のことを気詰まりで、人に好かれない、付き合いにくい人だと思っていたから。

でも、私はジュリーが作ってくれたイメージが気に入り、取り戻したいと思いました。

だから、このイメージを見つけて、ずっと持ち続けるための旅に出たんです。

少女たちのセルフエスティームをあげる仕事についた

その後、ある仕事につきました。

若い女性たちのセルフエスティームをあげるプログラムを作る仕事です。

お笑い草ですよね。だって、私自身がまったくセルフエスティームがなかったんですから。

けれども、こうも思っていたんです。「私たちは自分でセルフエスティームを作ることができるんじゃない?」

リサーチをしたところ、こんなことがわかりました。

セルフエスティームは、単に自分が自分について考えていることにすぎないのです。

自分の思考は自分でコントロールできることは知っていたので、セルフエスティームだって自分で作っていける、やってみよう、そう思いました。

少女たちとの最初のセッションでは、何をやったらいいのかさっぱりわかりませんでした。はじめての経験でしたから。

見よう見まねで、1人ひとりに、自慢できることを1つだけ言ってもらうことにしました。

うまくいきませんでした。

みんな、自慢できることが1つもなかったのです。彼女たちの気持ち、よくわかりました。私だって、同じでしたから。





自信をもつワークをやってみた

そこで、あるワークを考えだしました。

自分に関して何かポジティブなことを感じたら、そのボリュームをあげます。

自分についてネガティブなことを感じたら、削除します。脳内のデリートキーを押して消してしまうのです。

これは効果があります。

この練習をすると、自分のことを外側から見ることができるので、自分のことを好きになれる、ごくささいなことを思いつくたびに、自分への評価が少しずつあがっていきます。

ただ、私の場合、何か1つ自分の好きなポイントを思いつくと、10個ぐらい嫌いなところが出てきました。

私がサポートしていた少女たちもそうでした。

そこで、毎回クラスが終わるとき、1人ずつ真ん中に立ってもらい、他の人はその周りに立ち、中にいる人のよいところを1つずつ順番に言うことにしました。

その人の好きなところについて話すのです。

真ん中に立つのはすごく苦痛です。ほめてもらいたくない、と思ってしまいます。

そこで、ほめられたときは、シンプルに「ありがとう」と言うルールを作りました。

そのあと、自分について、1つだけほめることができるポイントを書き出すことにしました。

自分が大事な人間だと思える点を、無理に考え出すようにしたのです。

どんな言葉が出てきたか、少しここで紹介しますね。

初日にみんなが書いたことです。

私はこう書きました。

●この少女たちと行ったことに満足しています。

少女たちはこんなふうに書きました。

●親友をいじめた女の子に立ち向かった私ってすごいです。

●私は賢いと思います。

●自分が人と違っているところが好きです。

●私は短距離走が得意です。

●私はよいアーティストです。

この年の終わり、彼女たちは変わり始めました。より自信を持ち、自分自身にやさしくなり、お互いにやさしくなったのです。

私も変わりました。彼女たちが、私も、私の物語を書き直せると教えてくれたのです。

セルフイメージが低いことで起こる問題

自分の物語で、もがいていたのは自分たちだけではないと気づきました。少年やティーンエイジャー、大人ですら、自分について、1つか2つ、よいポイントを見つけ出すのに苦労します。

私たちの文化では、ネガティブなセルフイメージのせいで、問題が起きています。

若者の死の原因の第3位は10代の自殺ですし、4人のうち1人の女性が、好かれたいがために、もっと人気者になりたいために、はじめて性交渉を持ったと語っています。

少年少女が非行グループに入るのは、安心感を得るためではなく、自分は大事な人間だと実感したいからなのです。

今日からできる自信を持つ方法

ですが、よいニュースがあります。

私たちは、こうした傾向に対抗できるのです。

私が少女たちと行ったセッションや、過去15年にわたって行ってきた仕事の体験から、今日からすぐに、自分に自信を持てる方法を見つけました。

そのうちのいくつかをシェアしますね。

1.自分のことをよい気分にさせてくれる人たちと時間を過ごす

2.自分に対するポジティブな考えのボリュームをあげ、ネガティブな考えは削除する

3.まわりの人のよいところ、好きなところを伝える

4.ほめられたら、相手の目をみて「ありがとう」と言う

自分の新しい物語を作る

新しい文化を作りましょう。誰もが自分に自信を持てる文化を。自分の物語を書き換え、新しい物語を作り出せる文化を。

私がやってみますね。

私は11歳。私は自分の脚が好きです。いつか、この脚でマラソンを走ることができるから。

私は15歳。私は母のことを誇りに思っています。薬物依存から立ち直り、私たちがよりよく暮らせるようにしてくれたから。

私は17歳。完璧な人などいないとわかっています。

私は21歳。私は友だちと同じようにうまくいっています。

私は37歳。これがいまの私の物語です。そして、みなさんに2つのことをやってほしいのです。

1つめ、誰かのジュリーになってください。ほかの人が、自分自身に出会える手助けをするのです。それが彼らの人生を変えるかもしれません。

2つめ、紙を取り出し、自分について、「すごいな」と思うところを10個書いてください。ほかの人が、嫉妬してしまうかもしれないことです。

それが、あなたの新しい物語の開始です。

みなさんがスタートできるようにお手伝いします。

私はほんの数時間前に皆さんと出会いました。でも、もう皆さんのことがわかっています。

あなたは、根性があり、あなたは頑張りやで、あなたはユニーク。あなたは粘り強く、あなたは有能で、あなたは優しく、あなたは冷静、みなさんは素晴らしい人たちです。

//// 抄訳ここまで ////

覚えておくと便利な日常表現

be proud of  自慢に思う、満足する

I’m proud of myself.  自分自身をすごいと思う。直訳すると、「誇りに思う」ですが、日本語で感じるような、堅いニュアンスはありません。日常生活でごくふつうに、「満足だ」「すごいね」「えらいね」といった意味で、使われています。

gutsy  根性がある

stand up for  立ち向かう、味方する、かばう

walk tall  自信に満ちた態度をとる、堂々としている

jump-start  活性化する

stand one’s ground  地面にしっかり立つ、自分の立場を守る、一步も引かない

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人は自分で自分の物語を作ることができる

セルフエスティームは、自己肯定感と訳されたりしますが、自分が自分に対してどんなイメージを持っているか、その総体だと言えます。

たとえば、私ならば、ズボラだ、どんぶり勘定だ、家事が超苦手、なまけもの、どう考えても太り過ぎているうえに最近は薄毛だし、顔にしみもたくさんある、ナッツを食べるのが止まらない、

捨てることを人に押しつけるな、というクレームもくるし、筆子のプロフィール画像は、いかにもふてぶてしい中年のおばさんみたいだ(その通りなんですが)、なんてコメントも来る、

などなど、ネガティブなイメージがたくさんあるわけですが、全体としては、「自分はこれでいいやん」というところに落ち着いています。

ニコさんのように自分の素晴らしいところをいちいち確認しなくても、わりとセルフエスティームは高いのです。

これは生育環境や、これまでの体験からそうなったのだと思います。

子供のころ、親や周囲の人に充分愛されていると感じることができ、かつ、自分はいろんなことができるし、こんないいところもある、と感じる体験を持てれば、セルフエスティームは高くなるでしょう。

さまざまな事情から、そういう気持ちを自分の中に持てなかった人も、いま、この時から変えることができます。

ニコさんの言うように、新しい物語を作っていけばいいのです。

セルフエスティームが低いままでいると、あまりいいことはありません。

失敗を恐れすぎて本当にやりたいことに着手できないし、人の評価ばかり気になるし、見栄を張って、よけいなものを買い込み、ガラクタを増やして、汚部屋になってストレスがたまる、なんてことが起きます。

会社で働きすぎてしまうのも、結局はノーと言えないから。ノーと言えないのは、人の顔色をうかがいすぎてしまうから。自分のことを一番大事にできないからだと思います。

ふだんはわりと前向きな人も、ストレスのあるできごとが続くと、自信をなくすことがあります。

煮詰まることがあったら、自分は自分のことを大事にできているか、考えてみるといいでしょう。

自分に対する考え方をちょっとだけ変える。

たったそれだけのことで、毎日が明るくなります。何か特別な物を買う必要はないし、お金は1円もかかりません。ぜひお試しください。





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