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不用なもらい物を受け取らないために、もっと自己主張することをおすすめしています。前回は、断る方法にフォーカスしましたが、今回は、日常生活で、自分の意見をすんなり述べる方法をお伝えします。
なぜ自己主張が必要なのか?
自己主張しないと、いらない物をどんどんもらってしまい、家が倉庫になります。
いらない物は、物理的なものにとどまりません。
PTAや地域の仕事を断るのが苦手という人も多いでしょう。義理でいらない物を買ったり、保険に加入している人も珍しくないでしょう。
最初に自己主張をきっちりしておけば、このようなよけいな物がおのれの人生に入ることは避けられるのです。
もちろん、PTAの仕事をやってみたら楽しかった、義理で買ってみたら意外とよかった、ということはあります。
さらに、「義理と人情を秤(はかり)にかけりゃ 義理が重たいこの世の世界」という世界観もわからないではありません。
義理堅い人は好かれます。
けれど、いつもいつも、人に押し切られて、やりたくないことをすることで時間を失い、体力を消耗し、ストレスをため、人をうらんだり、情けない思いで涙するパターンで生きているなら、生き方を変えるべきではないでしょうか?
これは、幸せな人生とは言えません。
社会生活で、自分のニーズをはっきり主張しないと、人生という舞台において、自分はいつまでたっても端役か観客のままです。
へたをすると、不満がどんどんたまり、あとで大爆発して、舞台を吹っ飛ばすかもしれません。病気になって、やむなく途中退場になるかもしれません。
卑屈になっても、逆に切れていきなり独善的になっても、もろくなことがありません。
自己主張できる人になる方法を4つあげるので、参考にしてください。
1.まず罪悪感を手放す
自己主張が苦手な人は、自分の希望を述べることに罪悪感を感じてしまいます。「こんなことを言うのは嫌な奴のやることなんじゃないのか?」というように。
ですが、自信を持って、自分の希望を述べることは、わがままを言うこととは違います。
自分のことを尊重できない人は、他人も尊重できません。
他人の操り人形みたいに暮らすことは、決して操っている人間に対して、よいことをしているわけではないのです。
自分を含めた、周囲の人全員が、自分の意見を気持ちよく交換するためには、みんなが、自分の希望を口にするべきです。
誰でも、自分の意見を素直に口にできる環境なら、卑屈になったり、高圧的になる必要がないので、余計なエネルギーを使いません。解決すべき問題にフォーカスできるので、ものごとがうまく回ります。
仮に、あなたが、コンビニで売っている食べものを避けているのに、義理のお義母さんがいつも買ってきて迷惑しているとします。このとき、「せっかく、お義母さんが買ってきてくれるお弁当やスイーツを断るのは申し訳ない」と考えてしまうなら、次のように思考を転換してください。
「私は健康でいる権利がある。自分と自分の子供の健康をおびやかすような添加物いっぱいの食品を食べて、病気になるリスクに自分をさらすのはやめよう」。
そして、深呼吸をして、緊張をとき、お義母さんに、「買ってきてくれるのは、うれしいのですけど、今、できるだけ添加物を摂らないようにしているので、これをいただくことはできません。お気持ちだけありがたくいただきます」とはっきり言ってください。
勇気を出して言わないと、今後、毎回コンビニのお弁当とスイーツをもらうことになってしまいます。
自分の食べたいものを自分で選ぶのは悪いことでも何でもないのです。個人によって、物事に対する見解が違うのは当然のことです。
2.察してもらうのを期待しない
何かを断るときや、ノーと言うときだけでなく、ふだんから口まめになって、自分の気持ちを伝える練習をしてください。
日本には、阿吽(あうん)の呼吸というものがあり、他人に、「言わなくてもわかってもらえる」という期待をしがちです。
しかし、実際には、他人は他人の気持ちをそんなに簡単に推し量ったりはしません。
よく「部下は、言わないとわからない奴だ」、とか、「夫は察しがわるくて困ってしまう」とこぼす人がいますが、やはり口に出さないと、誰にも自分の気持ちなど伝わらないのです。
相手からしたら、「どうして言ってくれないのだろう?」となります。
ふだん、「なんで、この人、言う前に気づいてくれないの?」と思うことが多いなら、もう少し、自分の気持ちを詳しく具体的に言ってください。
日曜日のお昼、ご主人が「ランチを作るけど、何がいい?」と言ったら、「何でもいい」と答えてはいけません。
日本人は自動的に「何でもいい」と言いがちなのです。
「サンドイッチがいい」も、「何でもいい」よりましですが、まだ足りません。
「胚芽パンにサワークリームぬって、きゅうりとハムとトマトをはさんだサンドイッチがいいな」と言ってください。
作るほうも、具体的に言われたほうが作りやすかったりするのです。
また、日曜日に、自分の用事で出かけてばかりいるご主人を、「もう、あなたって勝手なんだから!人の気も知らないで」となじってはいけません。
「2人の子供の育児で毎日疲れているの。だから、日曜日は出かけないで、子供をみてくれない?」と具体的に自分の要求を言ってください。
しっかり自分の気持ちを述べないと、相手は「いったい、何怒ってるんだろう?もしかして生理なのかな」程度にしか考えず、事態はまったく改善されません。
前回の記事はこちら⇒欲しくないときは「いりません」と言え。もっと自己主張する3つの方法。
3.Iメッセージ(アイメッセージ)を使う
アイメッセージとは、iPhoneの機能のことではありません。英語のI(アイ)、つまり、「私」が主語のメッセージです。
Iメッセージを使うと、私がどう思っているか、どう感じているか伝えることができます。相手をなじったり、否定することができません。
なぜなら、主語はいつも「私」なのですから。
もちろん、「私はあんたなんか嫌い」と言えば、相手は傷つきますが。
あなた(YOU ユー)が主語になるのは、ユーメッセージです。
ユーメッセージを言いそうになったら、アイメッセージに変換してください。
たとえば、
「あなたって最低ね」ではなく、「私は悲しいわ」。
「あなたって思いやりがないのね」ではなく、「ドタキャンするなんて、私、がっかりだわ」。
「(あなたは)本当に何度言ったらわかるの!」ではなく、「私は何度も注意するのに疲れたわ」。
英語だと、I(私は)のあとに、すぐに動詞が続くので、私は悲しい、私はがっかりだ、私は怒っている、私はこうしたい、と自分の気持ちをいいやすい構文になっています。
しかし、日本語は動詞が最後に来ることが多いので、「私、思うんだけど…」という言い方を使うといいでしょう。「私、思うんだけど」で始めれば、何を思っているのか、うまく伝えることになります。
ママ友がしみだらけの古着をくれそうになったら、「私、思うんだけど…あのね、家にも服がいっぱいあるから、これは遠慮しておくわ」と言えばいいのです。
アイメッセージを使うと、「この人、どうして、いつもこんなしみだらけの服をよこすんだろう」と思わずに済み、ストレスが減ります。
自分が口にする言葉をふりかえってみると、私も、あまり「I」を使っておらず、Youを使うことが多いのです。
「だって、あんたそう言ったじゃない」とは、私が娘によく言う言葉です。こういう場合、「私は、こうだと思っていた(ごめんなさい、誤解していました)」と言ったほうがいいのです。
4.自分の求めていることを明確にするクセをつける
人の言いなりになりやすい人は、自分が何を求めているのか、自分でもよくわからないことが多いものです。
以前紹介した、友達からいらない物を押し付けられて困っているNさんは、「押し付けられるのもストレスだし、断るのも凄いストレスになります。どっちにしろストレスなんです」とメールに書いていました。
この記事で紹介しています⇒いらない贈り物をきっぱりと断る方法。プレゼントを受け取ってはいけない時もある。
Nさんは、「とにかくすごいストレスだ」ということはわかっていても、では、「あなたのはいったいどうしたいのか、ことがどう進めば満足なのか、400字にまとめてみよ」と言われると、さっとできないと思います。
「あ~、なんだかわからないけど、ストレスなのよぉ」と思考が停止してしまっているのです。
自分の本当の気持ちが自分でわからない人が、誰かに自分の気持ちをうまく伝えることなんてできるわけがありません。
自分がストレスを感じていることに対して、自分はどういう状況を求めているのか、自分の要求はなんなのか、明らかにするクセをつけてください。
簡単でいいので、ノートに自分の考えを書いておくといいと思います。
たとえば、
私はあなたの意見に反対です。その理由は◯◯です。
私は、あなたに古着を回すのをやめてもらいたいです。その理由は、家にもたくさん古着があって処置に困るからです。
私はその仕事をやりたいと思います。
私は、部屋の掃除をあなたと交代でやりたいと思います。
私は昇給を要求します。その理由は◯◯です。
などなど。
自分が求めていることは、ごく短い文、1つか2つで表すことができるでしょう。
もし、相手に自分の気持ちを伝えるのに失敗しても、家に帰って、私はこう伝えたかったんだ、と日記にでも書いておいてください。
ふだんから自分の望みを言語化しておかないと、いざというとき、さっと口から出てきません。
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自信を持って、要求をしっかり口にすることは、スキルの1つです。練習すれば誰でもできます。
最初は、うまくいかないと思いますが、小さなことから練習を重ねると徐々にうまくなります。
自分の気持ちを表す機会は、日常生活でたくさんあるでしょう。そういう機会を流してしまわないので、一言でも二言でも、言いたいことを言うようにしてください。言ってみると、意外とすんなり、要求が通ることも多いのです。