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時間管理術が大好きな人の脳内にある誤った考え方を紹介します。このような考えは捨てるべきです。そうしないと、本当にやりたいことができません。
時間管理術が好きすぎて、不幸せな人がいる
すでに2017年の手帳やカレンダーが発売されています。日本人は手帳が好きで、さらにタイムマネジメントが大好き、という人が多いと思います。勤勉な国民性のせいでしょうか?
サラリーマンやOLはもちろん、最近は主婦も、時間管理術に興味を持っています。
ここでの、時間管理とは、「計画的に時間を使うこと」という意味で使っています。
手帳を買って、時間の使い方を計画するものの、意外とやりたいことができずに1年が終わってしまう、ということはないでしょうか?
手帳を買えば、やりたいことができるわけでもないのです。タイムマネジメントをがんばりすぎると、こんな思い込みが生まれます。
1.時間を管理をすると、時間が増えると思っている
管理しても、しなくても、1日は24時間で、1年は365日です。
時間管理術に血道をあげる人は、「時間管理さえすれば、時間が増える」という錯覚を起こしがち。もちろん、頭の中では、誰だって1日が24時間だということはよく知っています。
しかし、時間を管理しようとしているうちに、自分はこんな仕事も、あんな仕事も、1日のスケジュールに組み込める、仕事をする時間が増える、と思ってしまうのです。
こんな人、周囲にいませんか?
本屋や雑貨屋、東急ハンズで、「夢や目標達成、時間管理にはこんな手帳がおすすめ」という言葉を信じて、けっこう高い手帳を買う。筆記具にもこだわる。シールや付箋もどっさり買う。
場合によっては、2冊も3冊も手帳を買う。
1冊は仕事用、もう1冊は家庭用と言って。
あるいは1冊だけを選ぶことができずに。
手帳だけで飽き足らず、有料アプリも購入。最新の時間管理術の書籍も購入。
買った手帳に、びっしりタスクを書いて、1つ終えるごとに、線をひっぱって消したり、チェック印を入れて、プチな達成感にひたる。
「いつも忙しそうですね」「充実してますね」と回りの人に言われ、「仕事ができる人」と見られていることに満足する。
しかし、現実は、やらなくてもいい仕事をやりすぎて、忙しい思いをして、ストレスをかかえている。睡眠不足で朝、コーヒーを飲まないと気分がしゃきっとしない。
会社の健康診断が恐ろしい。
気づくと1年の終わりが近づき、また新しい手帳や、時間管理術を物色する。
こういう人は、時間管理のワナにはまっています。
「7つの習慣」の著者、コヴィー博士は、「問題は時間を管理することではなく、自分自身を管理すること」と書いています。
2.時間管理は万能だと思っている
そもそも、なぜ人は時間を管理しようとするのでしょうか?
スケジュールを忘れないためなら、カレンダーに書きつけたり、ごくふつうの手帳を1冊持っていれば充分です。
たぶん、仕事が多いから、家事が多いから、やりたいことがたくさんあるから、時間を管理しようとするのでしょう。
では、なぜ仕事が多いのか、家事が多いのか、やりたいことがたくさんあるのか、考えたことがありますか?
1番で説明したように、時間管理をがんばっても1日は24時間なので、やれる仕事の量には限界があります。
しかも、会社では、なかなか自分で仕事をコントロールできません。どんなに素晴らしい時間管理ツールを導入してがんばったところで、仕事が多すぎたらできるわけはないのです。
手帳を買って、仕事を効率的に終わらせることを考えるのも悪くありませんが、仕事を減らすことを考えたほうが早いです。
家事や、やりたいことにしても同じです。
家事ならば、物を減らせば格段にラクになります⇒嫌いな掃除を楽しむ5つのコツ。ミニマリスト流で家事のストレスを減らす。
やりたいことがたくさんあるのは、夢が多くていいのですが、一度に何もかもやるのは無理があります。少し絞るべきです。
やりたいことすべてに手を出すと、いくら時間管理しても、すべてが中途半端に終わり、何も成し遂げることができません。
時間管理は万能ではありません。やるべきことの優先順位をうまくつけることさえできたら、複雑な計画をたてなくてもよくなります。
3.時間管理が究極の目的になっている
多くの人にとって、タイムマネジメントの目的は、仕事や家事、趣味の活動をたくさんやること、と言えるでしょう。
やりたいことがたくさんあるから、時間を計画的に使おうと思うわけです。
しかし、時間術や、生産性にこだわる人は、しばしば、それ自体が目的になってしまいます。
忙しいのに、時間管理術を学ぶセミナーに出て、ますます忙しくなったりして。
タイムマネジメントの究極の目的は、「幸せな生活をするために、自分にとって大切なことを、ちゃんとすること」だと思います。
時間管理そのものが目的になると、大切じゃない仕事もやってしまうことがあります。
「この仕事は自分の人生にとってやる意義があるのか、ないのか」ということは考えず、とにかく目の前に現れた仕事は、すべてスケジュールに入れてしまうのです。
タイムマネジメント好きな人にとって、もっとも大切なことは、時間を管理することであり、自分がどんな仕事をどんなふうにやっているのかという点には、あまり注意を払いません。
これはダイエットと健康の関係に似ています。ダイエットとは、本来、より健康になって、幸せな暮らしをするためにするもの。それなのに、多くの人は、ダイエットの成功だけが目的になっています。
だから、健康度外視で、無理なダイエットをしたり、理屈に合わないダイエットをします。そして失敗します。
4.短時間に仕事をすればするほどよいと信じている
時間管理術が好きな人は、とにかく、どんな仕事もできるだけ短い時間に終わらせるのがいいんだ、という不思議な信仰を持ってしまいがちです。
早くやればやるほどいい、と。
しかし、これは仕事によります。じっくり時間をかけるべき仕事もたくさんあります。
また、短時間にできるだけたくさんの仕事をしようとして、マルチタスクをする人がいます。
ですが、マルチタスクをすると、仕事の質は落ちます。
その理由⇒マルチタスクが脳に負担をかけ仕事の効率を落とす理由。1つのことに集中しよう
テクノロジーが発展し、かえって私たちは忙しくなりました。
そんな時代に、「できるだけ短時間に、できるだけたくさんの仕事をするのがよい」という価値観で生きていると、やることが雪だるま方式で増えます。
手帳を何冊持っても、時間管理のアプリを駆使してがんばっても、燃え尽きてしまうのが関の山です。
5.忙しい人生は充実した人生だと思っている
時間管理をしているうちに、スケジュールを埋めるのが無上の楽しみになる人がいます。
ある時間に何の予定も書かれていないと、「これはよくないことだ、ここにスケジュールを入れなければ」と思ってしまうのです。
芸人の予定がすかすかだったら、ちょっと困るかもしれません。
しかし、ふつうのサラリーマンやOLは、すでに、会社に1日8時間ぐらい拘束されているのです。
これ以上スケジュールを入れてどうしようというのでしょうか?
忙しいほうが充実している、というのは幻想でしかありません。
多くの場合、やらなくてもいいこと、やりたくもないこと、人のやるべき仕事、そんなもので手帳を埋めているから、忙しいのです。
忙しい方が充実している、という考え方は、簡単に睡眠不足につながります。これはとても危険なことです。若いうちは大丈夫に思えるかもしれませんが、50歳をすぎると、そのツケがじわじわと返ってきます。
睡眠不足がよくない理由⇒睡眠不足はとっても危ない。寝足りないと起きる5つの弊害
今、将来を悲観して、あまり長生きしたくない、と思っている日本人が多いようですが、生きている間に、重い病気になるとつらいです。
☆関連記事⇒なぜそんなにいつも忙しいの?~忙しさを生む7つの理由と忙しくなくなる方法
6.ベストの時間管理ツールがあると思っている
毎年、多種多様な時間管理のツール(手帳やアプリ、ソフト)が出たり、時間管理術に関する本が出版されたり、生産性をあげるビジネスセミナーが行われています。
このようなものにたくさん投資している人も多いでしょう。
ですが、その投資効果はあるのか、と言ったらそうでもないと思います。
効果があるなら、こんなにいろいろな商品が販売されることはないでしょう。
まだまだ、「もっとうまく時間を管理したい」「時間管理能力をアップしたい」と思っている人がたくさんいるから、あらゆる種類の手帳が販売されるのです。
時間管理術はダイエットと同じで、「これを使えば、誰でもミラクルに仕事がバリバリできます」といったツールや方法はないと思います。
それぞれの仕事も生活環境も千差万別なのですから。
「このアプリ最強です」と言われても、合わない人はたくさんいるのです。
「誰にでも合う完璧な時間管理ツールがある」という思い込みを捨てると、こういう物にお金を使わずにすみ、ムダな物も増えません。
予定の立て方は、人それぞれだし、何も高いツールを買う必要もありません。
私は、50x15mmの付箋を25個(枚数にして2500枚)をアマゾンで1200円ぐらいで買い、これにTo do(タスク)を書いています。
1日15枚ぐらい使うので、半年持ちます。
ということは年間で2400円。
手帳はツイン手帳で、1600円。使う筆記具はコクヨの200円の鉛筆シャープ(0.9mm)。2Bの替芯(40本いり)が200円。すべて合わせて年間4500円ほど、時間管理ツールに投資しています。
1日12円ですが、ふつうに時間管理できています。
ツイン手帳について⇒ツイン手帳を愛用中~手書きにこだわる50代節約系主婦の手帳術
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時間管理が度を越すと
●やらなくていいことをやって、ストレスがたまる。
●自分が本当にやりたいことができない。
●休息や睡眠をとるのが怖くなる(その時間、仕事をしたい)。
●仕事をすべて自分でかかえこむ
●ツールや本、セミナーに無駄遣いする。ガラクタが増える。
こんな弊害があります。
なぜ、「自分は時間管理をするのか、したいのか?」「時間を管理をして自分はどうなりたいのか?」そんなことを考えてみると、もう少し意味のある時間管理ができるのではないでしょうか?