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先のことを心配するがゆえに、悩んでしまう、ということがよくあります。
先のことがわかる人は、1人もいないのに。
いろいろなお便りをいただきますが、「誰にもわからないことなのに、無理にわかろうとしているから、悩むことになる」というケースが少なくありません。
今回は、3つの悩み相談を紹介しながら、「将来に対する不安」とのつきあい方をお伝えします。
まず、母ちゃんさんのお便りです。
悩みその1、転職すべきかどうか?
件名: せっかく転職したのに仕事がありません
4時間のパートからフルタイムのパートへ、職種も違うものへ転職しました。
子供も小学校高学年になり私も40を越えて、転職のタイミングも「今だ!」と思い切りました。
長く勤めたいと考えておりましたが、仕事があまりなくひまなのです。
私は納品書の打ち出しを担当しています。他の事務はもう一人の方が全てします。毎日どうにか時間をやりすごしていますがそれも限界です。
中には「何もしなくてもお金がもらえるなんて良いわね。」と言う人もいますが、特にすることもなくかといってぼんやりも出来ません。
上司の方が同じ空間にいていつも見られているような状態です。もう一人に相談しましたが、その方もひまなそうです。なぜ求人が出ていたのかすごく謎なのです。
また転職すべきか考え方を変えてこのまま頑張るか、頭を悩ませています。
この方は、仕事をやめるべきか、どうか悩んでいます。
もし仕事をやめると、すぐに次の仕事が見つからないのではないか、という不安があるからでしょう。
先の心配をしているわけですね。
この方には、こんなふうに答えました。
仕事をやめるべきか? 筆子の返事
こんにちは。筆子です。お問い合わせありがとうございます。
ひまなんですね。私なら転職するでしょう。
ですが、まず人事に相談します。ひまだから、もっと仕事をまわしてほしい、と頼みます。
仕事はない、と言われたら、フルタイムからもっと時間の短いパートに変えてもらいます。
会社だって、そのほうが得です。ようするに、会社側は、社員の仕事量が的確に把握できていないのです。
勤務時間を短くしてもらい、仕事のない時に、べつの仕事を探します。40歳だったら、まだまだ仕事がありますからね。
悩みその2:マイホームを買うか、賃貸でいくか?
4月の終わりに、マイホームを買うべきかどうか、という質問をいただきました。この方は、30代のうちに35年ローンを組んで、家を買うべきかどうか悩んでいるそうです。
いったい、何を心配しているのか聞いたところ、
・老後に賃貸払いを継続できるかどうか
・高齢夫婦に、家を貸してくれる人がいるのかどうか
この2点が心配である、という返事が返ってきました。
この方はまだ若いので、高齢者は人間ではないというか、いまの自分とは大きく違う存在である、という発想があるのかもしれません。
この方が高齢になるときは、みんなすごく長生きだし、あたりは老人だらけだのはずです。よって、「高齢者の住む場所は今より絶対増えている」と、ほぼ高齢者の私は考えています。
私、以前、雑誌「日経Women」の取材を受けたことがあります。
こちらの記事の最後で紹介⇒シンプルライフを目指す私の今年の目標(前編))、後日、本誌を送ってもらいました。
「誰でも1000万絵貯まる最短ルート」という別冊付録ももらいました。
この冊子に、すでに2017年は女性の3人に1人は高齢者とあります。この高齢者がいったい何歳の人なのか具体的に書かれていなかったのですが、たぶん、65歳以上でしょう。
さらに、2033年には全国の3戸に1戸が空き家になるし、2065年には2.5人に1人が高齢者、ともあります。
人口の半分が住む場所がないなんてありえないですよね。
いずれにしても、マイホームを買うか、賃貸でいくか悩むのも先のことがわからないからです。
この手の問題に正しい答えはなく、その人の価値観と生活環境によって選択は変わります。
老後の住まい、私はこうするつもり
相談者さんは、「筆子さんは賃貸派だそうですが、どうするつもりなのか」的な質問をされていました。
この記事を読まれたそうです⇒家を持たない暮しがあってもいい、筆子が持ち家に住まず賃貸生活を続ける理由とは?
私は、「80歳すぎたら、シニアハウスかリタイヤメントホーム(老人ホームみたいなところ)に入るかもしれないが、できれば、今のように、賃貸で暮らしたい、そのために貯金をする。家がないと不安なら買えばいいんじゃないですか?」と答えました。
まだ私は元気なので、リタイヤメントホームのリサーチはしていません。いま、カナダ政府のサイトを見たら、高齢者のハウジングサービスの選択肢はたくさんあるそうです。
自宅で1人で住んでもいいし、ヘルプを頼みながらひとり暮らしすることも可能だし、食事とケアつきのリタイヤメントホームに入ってもよい、とありました。
シニアが住むアパートの個室(1食つき)の平均家賃は、2210ドルだそうです。サービスが増えれば増えるほど値段はあがります。
北米では、75歳あたりに、持ち家を売り、ダウンサイジングする人が増えています。もちろん、この場合、住宅ローンの支払いはすんでいます。
悩みその3:歯の治療方針を変更したい
歯の治療に関する質問もいただきました。これも、先のことを心配しています。メールを引用しますね。Sさんからです。
歯科治療で悩んでおりこちらにたどり着きました。4月に右下を6本ブリッジにするべく治療を開始しました。
現在は仮歯装着中です。
上の歯もあちこち痛いのですが、診てもらえず、4本のブリッジを勧められました。
自費での契約を交わしましたが、治療に対する不安と不信感で違約金を取られる事を覚悟でキャンセルしました。
ここ一月痛みのストレスと、今後の不安、お金を使ったことの後悔で悩んでおりました。
ようやく決心して、上の歯は別の歯科にかかることを決めました。
下の歯は現在の歯科でやるしかないのですが、はっきり言って怖いのです。
ノーと言う事で被害にあいそうで。
何かアドバイスをいただけたらと思います。よろしくお願いします。
歯の治療について、筆子の返事
この方には、こんなふうに返事をしました。
~~~~
下の歯の治療は、いまの歯医者で続行するしかないが
それが怖い。
どうしたらいいか?
~~~~~
というのがご質問ですね。
歯医者を変えることができないなら、そのまま続行するしかないんじゃないですか?
怖いと思うかどうかは、自分次第です。
なぜ、怖いと思うのか考えて、その歯医者さんと相談して、不安に思うポイントを解消してもらってはどうでしょうか。
> ノーと言う事で被害にあいそうで。
この文章の意味がよくわかりませんでした。
何に対してノーと言うのですか? 治療は続行するのですよね?
続行したくないなら、別の歯医者に行くしかないでしょう。
改めて読むと、わりと身ふたもない返答ですね。ですが、これが私の意見です。私は歯医者じゃないので専門的なことはわかりません。
このあと、Sさんから、お便りをいただき、新たな情報を得ました、それによると、
電話で申し出たので、先生(歯医者)とじかに話していない。
つぎの治療のときに、上の歯の治療をキャンセルしたことを先生に説明するのが怖い。上の歯の治療をキャンセルしたから、下の歯の治療に差し障りがあるんじゃないか、と心配だ。
下の歯はブリッジ装着なのでこのまま通う。筆子さんに聞きたかったのは、自分の気持ちを歯医者さんに伝える方法だった。
とのことでした。
ですが、べつに何も心配する必要はないですよ。プロの歯医者なら歯の治療にベストを尽くすんじゃないですか?
仮に、下の6本のブリッジがうまくいかなくても、別の歯科医院でやり直しできますよね。まあ、お金も時間もかかりますし、麻酔の注射も痛いですが。
歯が全部だめになって抜けたとしても、総入れ歯があるし、骨が残っていたら、インプラントもできます。
やり直しできるのでそんなに心配しなくてもいいのでは?
私は歯の根の治療に大金を払って、結局、インプラントにしました。ですが、昔うまくいかなかった治療に意識を向けたりはしません。そんなことをしても、自分が不幸になるだけです。
先の心配から悩んでしまうときはこう考える
もし、自分が悩む大元の原因が、「不確かな将来に対する不安」なら、以下のように考えてはどうでしょうか?
1.思い込みを捨てる
こうなるに決まっている、という思い込みを捨てます。
もう仕事はない、年をとったら住む場所がない、歯の治療をちゃんとやってもらえない、というのはすべて思い込みです。
思い込みはとりあえず、横において、冷静に現状を分析して対策をたててはどうでしょうか?
客観的な現実と、自分の妄想を区別し、いたずらに取り越し苦労するのをやめます⇒取り越し苦労をやめる7つの方法。先のことを心配して物をためこむあなたへ。
2.悩むより行動する
あれこれ悩むより、いま自分ができることをさっさと行動に移したほうがいいです。
人事の人に相談する、とか、客観的な判断が下せるように、リサーチする、とか、さっさと歯医者に相談するとか。
先延ばししていることがあるなら、すぐにやってしまえば、それだけで問題が解決します。やらなければ、いつまでもくよくよ考えることになります。
3.自分は大丈夫だと自信を持つ
どんなことが起きても、自分は大丈夫、だって私はクリエイティブな人だから、という自信をもちます。
クリエイティブになる方法⇒よりよく生きる技術としてのクリエイティビティ(TED)
物を減らすと創造性が高まります⇒物が少ないメリット:足りないからこそクリエイティブになれる(TED)
実際、さまざまな悩みは、みんな自分が頭の中だけで作り出していることなのです。
ネガティブなことではなく、よいことに目を向けるクセをつけると、悩むことに多大な時間を費やすこともないでしょう。
自信を持つ方法⇒自分に自信がない?自信を持つことはスキルの1つ(TED)
4.自分のできることに注力する
先のことは誰にもわかりません。わからないことに対して、万全の準備をしようとするのは、非現実的なことです。
自分でコントロールできないことをどうにかしようとやっきになるのではなく、いまの自分ができることを、淡々とやっていくのがいいと思います。
人事をつくして天命を待つわけです。
自分のできることをちゃんとするのは、意外と難しいもの。そうすることを人生のテーマにしてもいいですね。
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今回は、先の不安のために生じる悩みの解決法を実例とともに紹介しました。
大きな問題にぶつかると、一瞬、恐怖でパニックになります。それは自然な反応でしょう。
そういうときは、深呼吸したり、お茶を飲んだりして、気持ちを落ち着け、その後、ゆっくり対策を考えればいいですね。
それと、今の時間を充実させるほうに意識を向けることが大事だと思います。病気になってしまうかもしれないし、自分は元気でも、自分の大事な人が突然亡くなってしまうこともあります。