筋トレ中の女性

TEDの動画

自分に自信がない?自信を持つことはスキルの1つ(TED)

何をやるにも自信が持てず今年もやりたいことをやらずに終わりそう…。そんな人のために、自信の持ち方を教えてくれるTED動画を紹介します。

タイトルは The skill of self confidence (自信というスキル)。プレゼンターは Dr. Ivan Joseph(アイヴァン・ジョセフ博士)です。



練習すれば誰でも自信を持てる

ジョセフ先生はカナダのトロントにあるライアソン大学の Director of Athletics(体育学部の部長)でサッカーのコーチです。今もコーチしているのかどうかは知りませんが。

人々に自信をつける方法を伝えるスピーカーでもあります。

このプレゼンの主旨は、自信を持つことはスキルの1つなんだから練習すれば誰でも自信が持てるんです、というもの。

実際、そうではないでしょうか?

幼少時、高圧的な両親、できないことばかり指摘する両親に育てられると自信を失ってしまいます。ですが、大人になってから自分で自信を持つ練習をすることはできます。

汚部屋が片付けられないまま、途方にくれている人はぜひごらん下さい。日本語字幕もあります。

プレゼンは13分。収録は2011年。簡単に抄訳を書きます。

※TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

この世でもっとも大事なスキルとは?

サッカープレイヤーとしてもっとも重要なスキルは自分に自信を持てることです。

自信を持つスキルとは、どんなに可能性が低く、困難で、逆境のときにも、自分を信じられる力。

「私は内気だし、自信はないです」という人がいるかもしれません。

でもこれは技術ですから、練習すれば身につきます。練習の仕方をいくつかお教えしますね。

繰り返し、繰り返し、また繰り返す

「私、自信があります」といきなり言っても自信はつきません。

自信をもちたいことを繰り返しやって下さい。

マルコム・グラッドウェルは1万時間ルールと言ってました。魔法はないのです。

南米のコロンビアの身長190センチのゴールキーパーをスカウトしたことがあります。彼はボールを受け取るのがすごく下手でした。投げても投げてもポロポロ落とす。

そこで、壁にボールを蹴って、返ってきたボールを受ける、という練習をやってもらうことにしました。

これを1日350回、8ヶ月やってもらいました。まめだらけでかさかさの手になって戻ってきた彼ですが、今はヨーロッパでプレイしています。

簡単な方法はありません。

繰り返し、繰り返し、また繰り返す。

これです。

やっていることに習熟しなければ自信は持てない

何か自信を持ちたいと思うことがあっても、その何かに習熟していなかったら自信はもてません。

何度も何度もプレッシャーを感じる状況に身を置く必要があります。

「これなら、もう1000回も練習しているから大丈夫」と思えるように。

私もスピーチを何度も練習しました。

鏡の前で練習、まあまあOK.子供の前で練習、次に妻の前。ちょっとどきどき。グレン・グールドの前でも練習。相当緊張を感じます。

こんなことをしているうちに、ACGのイベントで2500人を前にスピーチしても全く緊張しなくなるのです。

何度も何度も繰り返す。これがコツです。

簡単にあきらめない

ノックする手

何度でも繰り返す。

繰り返しをしても、多くの人はたった1度の失敗であきらめてしまいます。

エジソンは、電球を作るために1000回から1万回失敗したと言われています。

J.K.ローリングは「ハリー・ポッター」を12~13社の出版社に持ち込んでいます。

私なら、2~3回、ノーと言われたらがっかりです。6回から7回あたりで自信をなくし、9回目まで行かないでしょう。

何度も繰り返し、失敗しても、「もうだめだ」と思わないことが肝心です。

繰り返しというよりも、粘り強さですね。

繰り返す人は多くても、最後までやり通す人は少ないのです。これも自信を獲得するための1つの方法です。

肯定的なことを語れ

自信をつけるもう1つの方法は独り言(セルフトーク)の改善です。

みんなセルフトークをしています。

買い物に行きパンツを試着したら、女性なら「すごく太ってみえるわ」、男性なら「筋肉なさすぎる。貧弱だな」と頭の中で思うでしょう。

学生なら、授業中「先生、僕をささないで」と思って下を向いています。建築に関する会議では、私も「頼むから私に話をふらないでくれ」と考えていました。

こんなふうに誰もが頭の中で否定的な独り言を繰り返しています。

でも、すでに「あたなにはできませんよ、無理です」という人が、いっぱいいます。なぜ、わざわざ自分で自分にそう言わなければならないのでしょうか?

思考は行動に影響を与えますよね。

なぜ否定的なセルフトークをしてしまうのでしょう?

むしろ自分のことを認める言葉(self-affirmations)を言うべきです。

モハメド・アリは「俺は最強だ」と自分に言っていました。

こんなこと、自分に誰が言ってくれますか?

静かな場所で1人になって「私は自分の船のキャプテンで、自分の運命の主人である」と言う必要があります。

これが、私のアファメーションです。

私は小さな村の小さな学校の出身。この大学の体育学部長になるような境遇ではなかったけれど、「私は自分の人生という船の船長だし、自分の運命を決める人」なのです。

自分で言って、それを信じない限り、他の人だってそうしてくれません。

自信を回復できる手紙を書く

どうしたら自信がつくか?

自分のことを貶めるようなことを言う人からは離れてください。そういう人、いっぱいいます。

アリは、自分は最強だ、自分以上の者はいない、と言いました。これは傲慢さ、エゴ、作り物のプライドとは違います。

静かな時間を持ち、自分について考えてください。





私は、自分はどういう人間なのかリストにして鏡の横に貼っています。

私もたくさん失敗をするし、新聞でも書かれるし、まわりの人も指摘します。するとくじけてしまうし、人の言うことを信じてしまいそうになります。

以前、大きく自信を失っていたときがありました。

この大学の仕事を引き受け、アイオワからやってきたとき、ちゃんとできるかどうか心配だったのです。

このとき、自信を回復させる手紙を読みました。好調だったとき、自分で自分に書いた手紙です。

「アイヴァン、40歳になる前に博士号を取れておめでとう。全国大会優勝おめでとう。3人の良い子たちを育て、すばらしい女性と結婚してすごいよ」。

こんな手紙を自分に書きました。自分のことを自慢する手紙です。自分自身で誇りを持っていることを書きました。

人生において、誰でも自信をなくすことはあるものです。

そんなときはこの手紙を取り出して何度も何度も読みました。2週間もすれば元の自分に戻れます。

自分に対して否定的なことを言うのをやめましょう。

自分を励ます物を身につける

ブレスレット

自信回復のためのお守り。

運動選手の中には手首に包帯やバンドをしてる人がいます。

ランス・アームストロングのアファメーション、知っていますか?

Livestrong(強く生きろ)はブランドじゃないんです。彼はこの言葉によって、自分が誰であるのか自分自身に思い出させていました。それがブランドになったのです。

自分自身に対して疑いが生じたとき、ランスはバンドを別の腕に付け替えていました。「強く生きろ」と自分に言うわけです。

他人に自信をつけさせる方法

コーチや教育者といった、世界に価値を生み出そうとしている人々は、批判的になりがちです。

もし選手がゴールを決められなかったら、その選手のことをけなしたり、細かくプレイに注文をつけるべきではありません。

本人の間違いを正そうとすると、本人は自信を失います。

その選手ではなく、別の選手がゴールを決めたとき、「こういうところがよかった」とほめれば、うまくできなかった選手が感心を示します。

本人はやる気も自信もなくさないし、ほめられた選手はより自信を持ちます。

子育でをどんなふうに変えられるでしょうか?

「何してるんだ。さっさとコップを片付けろ」と言うかわりに、お母さんが片付けているとき「ありがとう。コップを流しに片付けてくれて」と言うのです。

単純なことに聞こえますが、私たちは忘れています。

もっと起きてほしいと思う、良い行動をほめることができたらどうなるでしょう。

子供たちがよいことをしている瞬間を捉えてください。

カンザス州である研究がありました。

プレー中のビデオを撮り選手に見せます。どこでもやっていることですね。

あるチームでは、「これがうまく行かなかったのは、ここがだめだったから。こうすべきだったのだ」と知らせるのではなく、まずいプレーやミスは全部無視して、うまくやれた部分だけ見せました。

同じことを教えているのに、うまくできた部分を見せたほうが、ずっとプレーを改善できたのです。

この研究はコーチが選手にかかわる態度を大きく変えました。

仕事でも学生が共同でする研究でも使える方法です。簡単です。よくできていることをほめるのです。

自分の好きなように解釈する

自信のある人というのは、他人のフィードバックを自分の受け取りたいように解釈します。

私の息子はその典型。私もそういうところがあります。

妻をはじめてデートに誘ったとき、断られました。

そこでまた誘いました。彼女には自分がよく見えなかったのかも、シャツのせいかも、なんて自分の好きなように解釈しました。

再度誘ったとき、友だちを通じて、こう言われました。

この世にあなたしかいなくて、地球が凍りついていて、あなたとデートすると地球を救う可能性がほんの少しある、という状態でない限り、断る、と。

望みはない、と思う人もいるでしょう。

ですが、私は、「望みがあるってことだね」と解釈しました。

最後に、このプレゼンから1つだけお伝えしたいことがあるとしたら、それは、自分で自分を信じないかぎり、誰もあなたを信じない、ということです。

ビデオの言葉に耳を傾けてください。

クレージーな人、はみ出し者、反逆者、問題児、四角い穴にはまった丸いくい。私たちはみんな違って当然です。人が自分のことを見たとき、自分を信じてください。

補足

◆マルコム・グラッドウェル Malcolm Gladwell 
英国生まれでカナダ育ち、現在はニューヨークに住んでいるノンフィクションライター、ジャーナリスト。

Outliers: The Story of Success (天才! 成功する人々の法則)という本で、もともと才能に恵まれていた人たちも成功するためには、同じことを1万時間繰り返している、と書いています。

◆グレン・グールド Glenn Gould
カナダ生まれのピアニスト。もう他界しているのでグールドの彫像か、グレン・グールドスタジオのことだと思います。

◆J.K.ローリング J.K. Rowling
イギリスの小説家。大ヒットシリーズ「ハリーポッター」の著者

ローリングさんが、「ハリー・ポッターと賢者の石」を執筆していたときは、赤ん坊の娘をかかえたシングルマザーで極貧、生活保護を受けたりしていました。

しかもうつ病でもあったそうです。しかし物語が書くのが好きなので、なんとか完成させ、実際には1年かけて12社に持ち込んだそうです。

◆モハメド・アリ Muhammad Ali
ヘビー級のチャンピオンだったボクサー

◆ランス・アームストロング Lance Armstrong
元自転車のロードレーサー。癌から奇跡的に生還し、ツール・ド・フランスで7連覇をするも、ドーピングの使用で自転車競技界から永久追放されました。

この動画は2011年の収録で、この当時、多くの人々にとってランス・アームストロングはヒーローでした。

◆最後に出てくる言葉
最後の、Here’s to the crazy ones, the misfits, the rebels, the troublemakers, the round pegs in the square holes. というのは1997年のアップルコンピュータのCMである ”Think different”(シンク・ディファレント)の冒頭の言葉です。

この世界とはこういうものなんだ、とあきらめがちだけど、自分で自分の人生は変えられるんだ、というスティーブ・ジョブズの思いがこもったCMです。

スティーブ・ジョブズのプレゼンはこちら⇒スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式のスピーチからミニマリストが学んだこと

自信をつける助けになる他のTED

自信を持ちたい人は以下の動画もごらんください。

2分で人生を変える方法「ボディランゲージが人を作る」(TED)

言い訳を作り出してしまう私たち:あなたに夢の仕事ができない理由(TED)

まとめ:自信をつける7つの方法

ジョセフ先生によれば、自信をつけるためには以下の方法があります。

1.)自信を持ちたいことを何度も行い慣れておく。

2.)1度や2度の失敗でめげない。粘り強く何度も繰り返す。

3.)自分にたいしてネガティブなことは言わず、肯定的なことを言う(アファメーション)。

4.)自分を信じる。

5.)自分をけなす人からは離れる。

6.)自信を回復させてくれる物を準備しておく。
たとえば、自分への手紙、手首につけるバンドのような物。

7.)状況を自分の好きなように解釈する。

すべては練習次第

汚部屋が片付けられないとか、人に物を押し付けられて断れない、という人は、3番、4番、5番あたりをやってみるといいのではないでしょうか?

まずはふだん自分が頭の中で、自分にどんな言葉をかけているのか、客観的に考えてみるといいですね。かなりひどいこと言っています。

自信のない人って、意外とまじめな人が多いような気がします。目指すところが高すぎる完璧主義の人もそうです。

私も他人の言葉や視線に傷つけられたと感じることは多いし、実際ぐさっときます。ですがすぐに「いや、でも私は平気でいるほうを選ぶこともできる」と思い、そっちの道を選ぶようにしています。

ぐさっときた5秒後にそうすることにしています。

うまくいかないときもありますが、心がけているとだんだん上手になります。

すべては練習次第です。





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