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もういらない物だとはっきりわかっているが、売ってお金にしたいから、なかなか物が減りません。アドバイス、お願いします、というメールをいただきました。
この質問に回答します。
まず、メールをシェアします。Oさんからです。
お金にしたいと思うので捨てることができない
件名:物を少なくしたいが捨てられない
物(主に洋服)を少なくしたいがなかなか捨てられないのです。
筆子さんのブログを読んで「天然素材を残す」とゆうのが響き、かなりの量は減りました。
ですが、そのまま捨てたりすることが出来ず、フリマやネットで売ったりするのですが、売れなければ在庫として残るので手放せないのです。
貧乏性でそのまま捨てるのはもったいなく、少しでもお金に変えたいと思ってしまうからです。
いるいらないの分別はできても、結果として家にあるのです。
少しのお金のために部屋を物で占領するのか、思いきって捨てるのかの二択かもしれませんが、なにかアドバイスがありましたらお願いいたします。
追伸:2年後ぐらいにはミニマリストになりたいです
Oさん、お便りありがとうございます。
不用品を売るのは悪いアイデアではありません。
いらない物をメルカリで売って、何十万もお金を得ることができました、と教えてくれた読者の方も何人かいます。
所持品をすべて売って借金を返した人もいます⇒ガラクタを全て売り払い、借金を返し、旅に出て、自由に生きている男の話(TED)
その一方で、不用品を売ろうとすることには大きなワナがあります。
いつまでも、不用品が家にとどまって片付かない、という落とし穴です。まさにOさんは、その落とし穴にはまっていますね。
4つ、アドバイスさせていただきます。
1.フリマで売れないなら市場価値はない
インターネットやフリーマーケットで売りに出したけれど、売れなかった衣類が残っているのですよね?
フリマで売れなかったら、市場価値はない、と考えたほうがいいです。つまり、世の中の誰も、それを欲しがっていないのです。
この先、それを持っていても、お金に変わるチャンスは来ません。
何かが売れ残ったとき、今回はたまたま売れなかった、と思うかもしれません。
「出品したタイミングが悪かったのかも、写真が悪かったのかも、並べ方が悪かったのかも、たまたま、ほしいと思う人の目にふれなかったのかも、値段が高すぎたのかも」。
こんなふうに考えて、「そのうち欲しい人があらわれるに違いない」と思うかもしれません。
ですが、市場価値があれば、さっさと売れるんじゃないですか?
フリマは、「何かがほしい」「何かを買いたい」「買い物したい」「お金を使うきっかけがほしい」と思っている人が集う場所ですから。
私のように、「物はあんまり買いたくないもんね」と思っている人は、フリマには行かないし、スマホにメルカリのアプリを入れることもありません。
フリマで売れなかったら、もうお金になるチャンスはないと思って、捨てたほうがいいです。
関連記事⇒高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
2.それは売るかいがあるものなのか?
売れ残った服をじっくり見て、それは売ろうとする行動をするのに値するものなのか、考えてください。
限りある自分のリソース(時間、体力、知力、部屋のスペース)を注ぎ込んで、売る手配をし、実際に売れたとき、見返りとして手に入れるものが、自分の注ぎ込んだものより大きいかどうか、ということです。
その服を売るために費やす時間や手間より、大きな見返りが得られると思えるなら、何とかして売ろうとがんばってもいいかもしれません。
不用品を売るプロセスから大きな喜びを得られるというのなら。
いらない物を売るのは想像以上に時間と手間がかかります。
私の娘(20歳)は、たまに不用品を売っています。誰でも無料で広告を出せるサイトに、「買いませんか?」と広告を出すのです。
売りたい物をそれなりにきれいに整えて、iPhoneで写真をとってサイトにアップロードします。商品情報(定価など)を調べ、値段を決めて、書き込みをします。
そのうち、買いたい人から、テキストメッセージが入るので、返信します。たいていの人が値切ります。
買い手が決まったら、どこで手渡すか(または取りに来てもらうか)、お金は振り込んでもらうのか(たいていeトランスファーという、メールアドレスのみを使った振込システムを使用)、現金をもらうのかといった、取引内容を相談して決めます。
娘は車を持っているので、品物を相手の家まで持っていくこともあります。
すんなり取引が終わるときもあれば、相手が約束の場所に現れなかったり、わけのわからない注文をしてきたり、途中で連絡が途絶えたりして、うまくいかないときもあります。
娘は好きでやっているし、いろいろな人と交渉することが社会勉強になるし、お金のありがたみもわかると思うから、自由にやればいいと私は考えています。うまくいかないことがあっても、それが目に見えない財産になると思うからです。
しかし、私自身は、「そんなことやっとる時間も気力もないで」と思うほうです。
ですから、不用品はさっさと寄付しています⇒不用品を処分するときはお金にすることを考えないとシンプルにできる
3.優先順位が高いのはどっち?
Oさんの、いまのゴールは、1円でもいいから、現金を得ることですか? それとも、不用品を手放して部屋の中を片付けることですか?
お金を作ることのほうが、優先順位が高いのなら、「何とかして売ろう、売れるまでずっと部屋に置いておくんだ」と決めてもいいと思います。
ただし、売るために、それ相当の努力をするべきです。
もし、部屋をスッキリさせることがゴールなら、いい加減にあきらめて、不用品はさっさと寄付するか、捨てるべきです。
2つのゴールを同時に追い求めると、たいていどちらも中途半端に終わります。
どちらが自分にとって優先順位が高いのか、確認してください。
それと、1円でもお金がほしいのなら、不用品を売るより、確実な方法がほかにあるのではないでしょうか?
このメールからは、Oさんが学生なのか、独身の勤め人なのか、主婦なのか、リタイヤした人なのか、健康なのか病気なのか、さっぱりわかりませんが(名前から女性だと思っています)、元気だとして、もし学生なら、アルバイトをする、そうじゃなければパートや副業をすることで、確実に現金を得ることができます。
仮に、フリマで売れ残った服が奇跡的に売れたとしても、そんなに大したお金にはなりません。
家や大型家具とは違いますから。
4.お金に関する考え方を見直す
Oさんは、いま、少額でもいいから、もう着ない服を売ってお金にしたい、と思っています。
そう考えるのをやめれば、あっさり手放すことができます。
考え方を変えるために、自分の価値観を見直してください。
なぜ私はそんなにお金がほしいのか?
なぜ、Oさんは、そんなにお金がほしいんでしょうか?
ギリギリの生活で、家賃が払えない、電気も止められる、食べ物も買えない、このままでは路上生活になる、そんな状況にあるのでしょうか?
それとも、そこそこお金があるのに、もっとほしいと思っているのでしょうか? もっとほしいとしたら、それはなぜですか? 何か至急、買いたいものがあるのですか?
べつに私に答えを言う必要はありません。ご自身で、どうして自分は、こんなにお金にこだわっているのか、その点を考えてください。
ちょっと考えてみると、べつにそこまでお金がほしいわけではない、と気づくことがあります。
物を捨てたくないがゆえに、「売ればお金になるから」という言い訳を考え出しているのかもしれません。
考えるときの参考にどうぞ⇒自分のお金の問題についてもっと正直になろう(TED)
罪悪感を手放す
「着ない服を買って、自分のお金を無駄にした」「きれいな服をしまいっぱなしにして、もったいないことをした」という罪悪感を感じたくないから、「なんとか売ってお金にしたい」と考える人がいます。
この場合は、罪悪感を持たなければ、スッキリ捨てられます。
失敗は失敗だったといさぎよく認め、そこから何か学べることがないか考え、次の行動にいかせばいいのです。
私は、若い頃、服を買うことにお金をたくさん使い、まったく貯金をしなかった、という失敗をしました。
その後もお金に関しては、あまり賢い決断をしてこなかったと思います。
ですが、自分のしたことを、なかったことにしようとは思いません。数々の失敗をしたからこそ、いまのミニマリストという生き方に到達した、と考えています。
もし、過去の失敗を帳消しにしたいという気持ちゆえに、「なんとか売ってお金にしよう」と思っているのなら、そんなことはしないほうが身のためです。
成長したかったら、失敗する必要があるからです。
関連記事もどうぞ⇒お金がもったいないから不用品を捨てられない問題の解決法。
それと、Oさん、2年後にミニマリストになりたいそうですが、いまこの瞬間からなってはどうでしょうか?⇒最短でミニマリストになる方法。思考を変えることがすべて
ミニマリストになってしまえば、迷いも少なくなると思いますよ。
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そのまま捨てるのはどうにもこうにももったいない、お金にしないと損だ、と思う人は、たくさんいます。
ですが、それを捨てるから損をするわけではありません。
もし、「損」があるとしたら、買ったときに発生しています。ろくに着ることもない服を買ったそのときに、すでに損をしているのです。
そのまま着ない服を持ち続けると、管理するのに、場所、時間、スペースを取られて、損害が大きくなるだけです。
うじうじ悩んでいると、心のエネルギーも奪われます。