後悔する人

TEDの動画

最終更新日: 2019.11.18

日々の小さな悪習慣が大きな後悔のもとになる(TED)

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日々の小さな悪習慣を変えるきっかけになるTEDの講演を紹介します。

タイトルは、Nothing to Regret – Small Bad Habits Cause Lifelong Regrets(心残りのないように - 小さな悪習慣が生涯の後悔をつくる)。

講演者は、起業家のイマン・アゲイ(Iman Aghay)さんです。



Nothing to Regret:TEDの説明

9 out of 10 people regret something big in their lives. Many of these regrets are caused by seemingly insignificant bad habits. In this talk you will hear what causes bad habits and how these bad habits cause our lifelong regrets. You will also hear how to live a regret free life by identifying these bad habits and purging them one by one.

10人のうち9人は、人生において大きなことを後悔しています。こうした後悔は、一見重要には見えない悪習慣から生まれます。

このトークを聞くと、どうして悪習慣が生まれ、こうした悪習慣が、いかに生涯の後悔につながるか、わかるでしょう。

悪習慣を見つけ、1つずつ解消することで、後悔のない人生になることもわかります。

****

プレゼンの長さは15分40秒。英語かアラビア語の字幕を表示させることができます。動画のあとに抄訳を書きます。

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に





10人のうち9人は大きな後悔をする

何か言いたいことがあるのに、人からジャッジされたり、批判されたりすることを恐れて言えなかったことはありませんか?

他の人の期待にこたえるために、本当はやりたくないことをやったことはありませんか?

仕事に時間を取られすぎて、家族や友人と過ごすことができなかったことはありませんか?

10人のうち9人は、人生において大きな後悔をします。

こうした後悔の多くは、日々の小さな決断の結果生まれます。毎日、そういう選択を積み重ねていると、あとで後悔することになる悪習慣に変わるのです。

私たちはソーシャルメディアに時間を使いすぎています。テレビも見すぎています。一般的な大人は1日5時間もテレビを見ます。

べつに必要じゃない物を買います。セールでお買い得になっているから。

まれに、人生が変わるような特異な体験をする人たちがいます。そのおかげで、あとで後悔を引き起こす悪習慣をどんどん捨てることができるような。

皆さんにはそんな体験をしてほしくはないですけれど、そういう人たちが学んだことから学んでほしいと思います。

人生が変わる3つのステップ

人生が変わる体験をした人はこんなステップをとります。

ステップ1:死の床につく

ステップ2:死の床で、人がよく自問する3つの質問を自分にする

ステップ3:なんとか回復し、死の床で学んだことを今後の人生にいかす

ステップ1とステップ3は飛ばして、死の床で自問することが多い質問を自分にしてみましょう。

どうして私はこんなことを知っているのか?

2010年のある日、私は体内で出血し、病院に運ばれました。血液の60%をなくしたのですが、その原因はわかりませんでしたし、出血を止めることもできませんでした。

翌日まで持たないと言われました。これには本当に驚きましたね。

後悔を残して死んだ父

私の父は仕事のできる起業家でしたが、いつも仕事をしていました。

同じ家に住んでいたのに、3ヶ月、父に会わなかったこともありました。父は家族が起きる前に出かけ、家族が寝たあとに戻ってきたからです。

しかし、父にはある計画がありました。

53歳でリタイアし、その後は母と念願の世界旅行をするつもりだったのです。ヨーロッパ、アフリカ、アジアをめぐり、世界のすばらしい物を見る予定でした。

その計画に私たちも賛成でした。「一生懸命働いて、アーリーリタイアをして、あとは、人生でやりたかったことをやればいい」と考えていたのです。

しかし、父が50歳になったとき、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気になりました。ルー・ゲーリッグ病とも呼ばれる病気です。

ALSの患者はたいてい3~5年以内に亡くなります。父は53歳で亡くなりました。リタイアもしなければ、人生を楽しむこともなく。

父は大きな後悔を残して亡くなりました。

早すぎる父の死を見て、私は、幸福を先延ばしにすることはしないと心に決めました。そんな私が、27歳の誕生日の前に、死の床につくことになったのです。

人生はとても短く、何の告知もなく突然終わるんだと思いました。

死の床で考えたこと

死の床で、妻の手を握りながら、妻を見て、これが最後になるのかなあと思いました。きょう死んだら、何を後悔することになるか、自問しました。

Top Five Regrets of the dying (邦題:死ぬ瞬間の5つの後悔)の著者、ブロニー・ウエアは、緩和ケアをする看護師で、臨終間際の何百人もの人々に、人生でもっとも後悔していることを聞きました。

もっとよくある5つの後悔:

- もっと自分に正直に生きればよかった。ほかの人が期待する生き方をするのではなく

- あんなに働くんじゃなかった

- 自分の気持ちを言い表せばよかった

- 友達とのつきあいを続ければよかった

- 自分を幸せにしてあげればよかった

もし、きょう死ぬとしたら、皆さんはどんなことを後悔するでしょうか?

こうした心残りは、日々の小さな選択の結果生まれることを忘れないでください。

充実をもたらさない悪習慣を続けると、後悔しなくてすむような生活をするチャンスをのがしてしまうのです。

死ぬとき、もっとソーシャルメディアをチェックすればよかった、もっとテレビを見たかった、もっとたくさん買い物すればよかったと後悔する人はいません。

あとに残すものに満足できるか?

死の床で私は自分にふたつめの質問をしました。もし今日死んだら、あとに残すものに満足できるだろうか?

自分のしてきたことに満足できないと思いました。

もっとこの世界に大きな違いを残したかった、もっと大勢の人とかかわりたかった、もっとたくさんの人を勇気づけ、助けたかった、もっと、自分に正直に生きたかったと思ったのです。

自分の夢の人生を生きるため、計画を立てて、行動しないと、流されて生きることになり、大きな悔いが残ります。

リラックスして、目をとじ、深呼吸して、胸に手をあてて、自問してください。

「自分に正直に生きているだろうか?」

結局は、日々の選択にかかっています。

何かを決めるとき、この決断が、自分の夢に近づく助けになるかどうか考えてください。

夢に向かって、まず小さな1歩を踏み出します。何をすれば夢に近づくか考えてください。メンターをやとったり、本を読んだり、コースを取ったりし、数日間、集中して、そのことを考えてください。

一歩を踏み出して、失敗してもいいんです。ふつうは失敗します。夢が現実になるまでがんばり続けます。

そのうち、私の出血は止まりました。必要な血の半分を輸血してもらったとき、助かるかもしれないという希望が生まれました。

もし助かったら、何を変えるか、自分に聞きました。

死が怖い理由

多くの人は、死ぬのは怖いと考えていますが、死の直前までいって助かった人は、死、そのものは怖くなかったと言います。

怖いのは、大事なものをすべて失ってしまうことなのです。家族や自分の未来、夢、それを得たいとこれまでがんばっていたことすべてを失うことが怖いのです。

変わることは怖ろしいことです。変化は、失うことを意味しますから。過去の状態を失うこと、一定のレベルの快適さを失うこと、ある種の安全を失うこと。

しかし、自分の命を含めてすべてを失おうとしている人間にとって、喪失はありません。そこが怖いのです。

だから、死なずにすんだ人は、後悔のもとになる悪習慣をやめようとします。

あなたと、あなたの夢のあいだで邪魔している悪習慣にはどんなものがあるでしょうか?

悪習慣をすべてリストにして、1つずつ捨ててください。

いますぐ行動しよう

最初に出血したとき、医者は原因を見つけることができませんでしたが、その2年後、がんが見つかったとき、それが原因だったとわかりました。

私はがんは完治し、4年、再発しないですんでいます。

もっと重要なことは、死の床から、生還できたあと、自分に正直に生きるようになったことです。

27歳の誕生日の前日に退院し、それ以来、毎朝が、贈り物(ギフト)だと思っています。

私の残りの人生を作ってくれる贈り物です。

みなさんにとって、この瞬間は贈り物なのです。それは、みなさんの人生を形作ってくれます。

人生に大きな悔いを残す10人のうちの9人にならないでください。

決して、死の床につくまで待たないでください。助かるとは限らないのですから。

いますぐ、アクションを起こしてください。きょう、行動してください。今晩、死んだら後悔する原因を作っている悪習慣を変えてください。

//// 抄訳ここまで ////

単語の意味など

wake-up call  警鐘、危機を知らせるもの

palliative  痛みを一時的に緩和する

Top Five Regrets of the dying の翻訳本です。

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いま、この瞬間の選択が人生を作る

アゲイさんは、日々の、それ1つだけをみると、たいして重要そうにも思えないちょっとした生活習慣のせいで、あとで大きな後悔が残ると語っています。

たぶんそうですね。

継続のちからは侮れませんから。

ティータイムに必ず甘いものを食べる、毎日のように残業する、セールになるたびに、雑貨を買っている、チラシやカタログを断らず受け取り続ける、ママ友に会うたびに他人の悪口で盛り上がる。

こういうことはすべて、小さなことのように思えます。

しかし、こういうことをいつもやっていると、それが習慣になり、あたりまえのことになってしまいます。

するともう、「なんで私は毎日甘いものを食べているの?」「なぜ、自分はこんなに残業しているの?」「なぜ、いつもセールになると買うんだろう?」「なんで、私はいつもろくに見ないカタログをしばって捨てているの?」「なぜ私は人の悪口をいうことにこんなに自分のリソースを使っているの?」という疑問すら抱かなくなります。

だって、それがあたりまえなのですから。

疑問を持たず、毎日それを続けていると、あとで大きな後悔を引き起こすことになるのです。

自分の行動は全部自分の選択であり、何か行動をおこすたびに、同時に、しないことを選んでいると、覚すると、もう少し、自分の理想の生活に近づく行動をとれるようになると思います。

*******

きょう死んだら、私は後悔するかなあ、と考えてみたところ、べつに後悔しない、と思いました。

私の場合、志が低すぎるのかもしれません。

最近は、できれば夫より先に死にたいと思っています。なぜなら、彼のガラクタの処理をする気になれないからです。

夫はあのガラクタの山を残して死んでも平気なのだろうか。





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