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物を買いすぎるから、毎日、すごく心が疲れる話をします。
この点を自覚すれば、今後は、もっと買い物に慎重になり、無駄に心が疲れる日々から抜け出せます。
断捨離が必要なほど買う弊害
物を持ちすぎると、部屋の片付けや断捨離に苦労することになります。
物が増える一番の原因は買い物ですが、先日の記事にも書いたとおり⇒物が増えやすい環境にいるからこそ、注意が必要ですぞ。
何か問題があると、新たに物を買って解決しようとすることが多いんじゃないでしょうか?
たとえば、細々とした物がたくさんあるから、収納ケースを買うとか。
忙しくてストレスでいっぱいだから、ハッピーになるためにかわいい服を買うとか。
日本では、一見便利そうなものがたくさん販売されているから、何も意識していないと、必要以上に買ってしまいます。
こんなに断捨離に苦労する人が多いのも、物を買いすぎるからですよね?
使い切れないほど物を買うと、そうした品物を買うお金や、買ったものを管理する時間を失ってしまいますが、それよりもっと恐ろしいのは意識(精神的エネルギー)を奪われることです。
疲れてしまって、もっと大事なことに向けるエネルギーがなくなります。
買いすぎがもたらすストレス
物を買いすぎると、どんなふうに、意識を奪われるか、1つひとつ見てきましょう。
見た目のぐしゃぐしゃ(視覚的ストレス)
もっともわかりやすいのは視覚的ストレスです。
1日の仕事を終えて、自宅に帰ったとき、玄関のたたきに靴がたくさん、ぐしゃーっと置いてあったらとても疲れます。
「いえ、別に私は疲れませんよ。慣れてるし」とあなたは言うかもしれません。
そういう人は、一度、靴を全部取り去って(いらない靴は全捨て推奨)、たたきをきれいに水拭きしてください。
とてもスッキリしますよ。
そのスッキリ度が100だとすると、あなたは、ふだんはその100にあたるストレスを、毎日感じているのです。
ただ、それがいつものことだから、自覚できないのです。
アウト・オブ・コントロール(制御不能)感
断捨離したいと思う時、あなたが感じているのは、見た目のごちゃごちゃを解消したい思いだけではありません。
自分の家には、物がたくさんあるけれど、どんな物がどれぐらいあるのか、よくわからないという居心地悪さを感じています。
買った物をちゃんと管理していない、しっかり生かしていないという気持ち悪さです。
人は、物ごとが自分の思い通りにいかないとすごくストレスを感じます。
自分でコントロールできないこと(他人の思考や行動、過去のできごと、これから起こることなど)ですら、なんとかコントロールしようとがんばって、心を疲れさせる人がたくさんいるほど。
私たちは、できれば、どんなこともコントロールしたいと思っているし、自分の思い通りにことが進むと満足します。
物をたくさん買いすぎて、何をどれぐらい持っているのかわからない、家のどこにあるのかわからない、せっかく買った物を使うこともできていない。
これは、自分の物を管理・制御できていない状況、つまりものすごくアウト・オブ・コントロールな状況であり、大きなもやもやの元になっています。
特に汚部屋の人は、自宅が物の倉庫となり、たくさんある物のすきまに、なんとか生活スペースを確保するという、主客転倒が起きていますから、そのストレスは相当のものでしょう。
未完了というひっかかり
物をためこむだけためて放置し、死蔵品をたくさん持っていると、「やるべきことを終わっていない気持ち」にさいなまれます。
以前、私は、積ん読本をたくさんもっていましたが、ひじょうに不愉快でした。
積ん読消化プロジェクトを始めて気づいた大量の未消化コンテンツ。
「あの本も、この本もまだ読んでいない。早く読まなくちゃ」と思っていたのです。
「わあ、まだこんなに読む本がある。どれから読もっかな~、ワクワク」とは思っていなかったのです。
着ない服をたくさん持っている人だって、そうではないでしょうか?
「あ、これ全然着てないわ。確か、福袋に入っていたセーター。やっぱり、福袋って買っちゃだめよね。無駄遣いしちゃったなあ」と感じませんか?
朝、クローゼットの前に棒立ちになって、「ああ、何を着たらいいのかしら。着るもん、1つもないなあ」と感じませんか?
それとも、「わあ、私、こんなにいっぱい服を持っていて、まるでどこかの国のプリンセスみたい。ふふふ、余は満足じゃ」と感じていますか?
人は、「たくさんあったほうがいいから」「バリエーションをつけたいから」と、あれこれ物を買いますが、数が多すぎると、たくさんある満足感(豊かな気持ち)よりも、消費できていない焦燥感のほうを感じるのではないでしょうか?
これは、完了させなければならないのに、完了させていない気持ち悪さであり、お金を無駄にした罪悪感とからみあって、大きなストレスになります。
管理に奪われる意識
物がたくさんあると、すぐに散らかるし、いったん散らかった部屋を片付けるのも大変です。
片付けるたびに、「あああ、ほんとうにもう」とイライラし、なんとかうまいしまい方はないかと、片付け本を読み、思案し、試して、失敗する。
私の失敗例を紹介⇒収納に困るものを捨てるススメ。片付けにくいと思った時が捨てる時:プチ断捨離26
こういうことを楽しめていて、「子供や夫が床に放り投げたものを拾って歩くのが三度の飯より好き」なんて場合はいいのです。
ですが、たいていは、頭に来ていますよね?
細々とした物をそんなに買わなければ、こんなイライラは起きなかったはずなのに。
最近は、デジタルなものの管理も大変です。
先日、写真を捨てるすすめを書きましたが⇒今年中にやってしまいたい片付けプロジェクト(その2):何もないコーナーを作る
スマホやパソコンで、デジタルデータを扱う生活になったので、べつに買っていないのに、データ(画像、テキスト、動画、ブックマークなど)がどんどん増えて、それを管理する仕事までしなければならないのです。
アナログ、デジタル両方でためこんだものに意識を奪われる毎日です。
世話をするものがありすぎるから、とても管理なんてできません。毎日疲れのも当然といえば当然です。
使い切れないほど買う必要あるの?
これまで書いてきたように、必要以上に物を買ってしまうと、精神的エネルギーを奪われて、とても疲れます。
問題は、そのことに自分で気づいていないこと。
使い切れないほど物を買っているから、大量の死蔵品が生まれているのに、その現実は無視して、ますます物を買っていませんか?
テレビや雑誌では、「これを買えば、あなたの問題は解決します」と、良さそうなものをあれこれ紹介してくれるかもしれません。
ですが、本当にそうでしょうか?
一番の解決策は買いすぎをやめることだとは思いませんか? 買い物は続けてもいいのです。だけど、何も使い切れないほど買うことはないでしょう?
買いすぎない暮らしを心がけるようにしたら、私は、生活がシンプルになって、スッキリ気分で、毎日楽しく暮らせるようになりました。
これは、私が特殊体質だからでしょうか?
そうではないと思います。
嘘だと思ったら、少し、買い物を控えてください。
生活を豊かにしようと、たくさん買い揃えた物たちが、お金、時間、意識を奪い、どんなに自分を疲れさせていたか、気づくでしょう。
買い物を控える方法は、過去記事でいくつも紹介しています。
たとえばこれ⇒余計な物を買わないコツ:最近、筆子がやっていること(その1)
これもそう⇒どんどん買ってしまう生活をやめるためのちょっと変わった方法(前編)
本もあります⇒筆子の新刊『買わない暮らし。』(6月16日発売)著者による内容紹介。現在予約受付中です。
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使い切れないほど物を買う暮らしが、自分を疲弊させている話を書きました。
みな、買い物をしているときは、「もっといい生活にするために」「もっと幸せになるために」と思って買っているはずです。
しかし、そうやって買った物たちのおかげで、本当に生活がよくなって、心も豊かになっていますか?
買った物がもたらしてくれるはずの便宜や喜びよりも、それを買ったために起きた苦しみのほうが大きくはありませんか?
ネガティブな影響のほうが大きいのなら、多少は買い控えないと、ますます苦しむ生活になりますよ。